2022.09.02マンション売却の仲介手数料とは?計算方法や支払いのタイミングを解説

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不動産会社にマンション売却を依頼すると、仲介手数料が発生します。
仲介手数料は売却に必要な費用のなかでも特に高額になるケースが多い為、仕組みを知っておくと納得感を得られて安心です。
この記事では、マンション売却の仲介手数料について解説します。

マンション売却の「仲介手数料」とは?

まずは、仲介手数料とはなにかについて解説します。

仲介手数料を支払う理由

仲介手数料とは不動産会社の媒介活動に支払う報酬で、法律上は「媒介報酬」と呼びます。

ここでいう「媒介」とは、不動産会社が売主様と買主様との間に立って、売買契約の成立に向けて仲介する役割のことを指します。
具体的にはまず、売主様から売却を依頼されて査定を行い、売り出し価格や売り方の助言を行います。次に、インターネット広告やチラシを作成し、購入希望者を募り、希望者がいれば物件の内覧(購入希望者に家の中を見せること)に対応します。

購入意欲のある買主様には買付証明書を提示させ、売主様と条件を調整して売買契約書を作成し、その他必要な書類も用意します。
そして、司法書士をセッティングして売買契約を行い、無事に引き渡しまでサポートすることが不動産会社の仕事です。

仲介手数料とは、住宅の売買や賃貸住宅の賃貸借の際、売主と買主の間に入って意見の調整や契約事務などを行う不動産会社(仲介会社)に支払う手数料のことで、広告活動、物件案内、契約条件の交渉、契約に必要な書類の作成、融資手続きのサポート、引き渡しの立ち合い等の業務に対する対価です。

仲介手数料を支払うタイミング

仲介手数料は売買契約時に50%、引き渡し時に50%を支払うのが一般的です。 なお不動産会社が顧客から仲介手数料を得るには、以下の3つの要件を全て満たしていることが必要となります。

【媒介報酬請求権が発生する3つの要件】

  1. 不動産会社と依頼者との間で媒介契約が成立していること
  2. その契約に基づき不動産会社が行う媒介行為が存在すること
  3. その媒介行為により売買契約などが有効に成立すること

1つ目の「媒介契約が成立していること」と、2つ目の「媒介行為が存在すること」は、当然の要件といえますが、ポイントとなるのは3つ目の「売買契約などが有効に成立すること」という要件です。

売買契約とは、売主様と買主様との間で締結される契約のことであり、売買契約が成立するまでは不動産会社には報酬請求権は発生しないことになります。
つまり、媒介契約を締結しても、売れなかったら仲介手数料は生じないということです。
媒介契約の契約期間は一般的に3ヵ月ですが、3ヵ月間経っても売れなければ、不動産会社からはなにも請求されないことになります。
また、売却の最初に行う査定も仲介の一環である為、基本的には無料です。不動産会社は売買を成約させないと報酬請求権が発生しないことから、査定だけでは費用を請求できないことになります。

なお、冒頭で説明した通り仲介手数料を支払うタイミングは売買契約時に50%、引き渡し時に50%となっていますが、これはあくまでも商習慣です。
報酬請求権は、「売買契約などが有効に成立すること」で全ての要件を満たす為、本来であれば不動産会社は売買契約時に仲介手数料を100%請求できます。

しかしながら、実際のマンション売却では引き渡しまでしっかり遂行することが重要であり、引き渡しまで不動産会社に頼るべき部分は多く発生します。
その為、50%分の支払いは引き渡しまで先送りにする商習慣が徐々に確立していったと考えられています。

マンション売却の仲介手数料はどのくらい?

次に、仲介手数料はどれくらいになるかについて解説します。

仲介手数料の上限

仲介手数料の上限を計算するには?

仲介手数料は、国土交通省の告示によって不動産会社が受領できる上限額が定められています。

国土交通省の告示の定め方は以下の通りです。

【仲介手数料の上限額の規定】

  1. 取引額が200万円以下の場合は取引額の5%
  2. 取引額が200万円超から400万円以下の場合は取引額の4%
  3. 取引額が400万円超の場合は取引額の3%

媒介報酬は上記の「1.」~「3.」の合計金額以内とする。

仲介手数料の上限を求める速算式

ここまで仲介手数料の仕組みを詳しく説明しました。仲介手数料は取引額に応じて以下のような速算式で計算することができます。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額 × 5%
200万円超から400万円以下 取引額 × 4% + 2万円
400万円超 取引額 × 3% + 6万円

※別途消費税が発生します。

例えば、マンションの売却価格が4,500万円だった場合、400万円超である為、仲介手数料は141万円(=4,500万円×3%+6万円)となります。

低額な空き家などの売買の特例

取引額が400万円以下となる不動産の場合、不動産会社は媒介報酬に加えて現地調査などの費用を請求可能です。
不動産会社が請求できる「現地調査などの費用」は、仲介手数料と合計して18万円までとなっています。

不動産会社が受領できる手数料 = 仲介手数料 + 現地調査などの費用 <= 18万円

ただしマンションの取引額は400万円を超えることが多い為、現地調査などの費用が請求されるケースは少ないかもしれません。

まとめ

ここまで、マンション売却の仲介手数料について解説してきました。 仲介手数料は取引額ごとに上限が定められており、その限度額は「速算式」で求めることができます。

長谷工の仲介では、売却保証や直接買取など、様々なプランをご用意しています。特に直接買取の場合は仲介手数料が無料となります。マンション売却をお考えの方や、売却をしたいけどなにからはじめればいいのかわからない方など、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

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※本記事の内容は2022年9月2日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)
不動産鑑定および宅建業の代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士、住宅ローンアドバイザー。大阪大学出身。
写真:竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)

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