
マンションを売却予定の方のなかには、リフォームをするべきか迷っている方も多いと思います。この記事では、マンション売却時のリフォームについて解説します。
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マンション売却でリフォームは本当に必要?
マンション売却後は、買主様が自分好みのリフォームをすることも多い為、必ずしも売主様がリフォームする必要はありません。せっかくリフォームしたのに買主様の好みに合わず無駄になってしまっては勿体ないですね。
ここからは、マンション売却でリフォームが不要な理由について解説します。
室内リフォームが査定に影響しない場合もある
マンション売却査定の際、リフォームの有無が査定に影響しない場合もあります。
査定時にプラスに反映されるようなリフォームは、例えば「デザイン性の高いキッチンへの交換」や「ユニットバスのまるごと交換」といった流行にあったものが多い傾向にあります。ただし、リフォームが査定に反映されるのかどうかは不動産会社にもよる為、一度確認してみても良いでしょう。
リフォームを行ったことが必ずしも全て売却価格に反映されるとは限らず、購入検討者の購入後の事情であったり、リフォームの程度・範囲により変わってきます。リフォーム内容と売却価格については不動産会社にご相談ください。自社でリノベーション事業を行っている会社であれば価値をよく理解していると思います。
査定でみられるポイントについてはこちらの記事をご覧ください。
マンション売却査定の不安を解消!査定の流れや査定でみられるポイントを徹底解説
築年数を基準にして物件を探している方も多い
マンションを探す場合、購入希望者は例えば「築25年以内」というように築年数を基準として探すことが多いのが実情です。そもそも検索したマンションに含まれなければ、内覧に進むことはありません。
キッチンや壁などを新品のように改装していても、築年数は変えられません。もちろんリフォーム済みマンションとしてアピールすることはできますが、成約しやすいといったメリットはそれ程享受できないでしょう。
買主様のニーズによる
国土交通省が中古住宅の購入者に行った調査では、中古物件を購入してよかった点として、「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」「新築住宅にこだわらなかったから」のほかに、「リフォームで快適に住めると思ったから」と答えた方が33%程いたことがわかりました。
一方で「リフォームされていて綺麗だったから」と回答した方は20%程となっています。つまり購入後にリフォームすることを想定していて、なおかつ自分好みにリフォームをしたいと考える買主様のほうが多いのが実態です。
不具合などは修理したほうが良いケースもありますが、基本的には売主様がリフォームする必要はありません。
想定よりもリフォーム費用がかかることがある
国土交通省が開示している「既存住宅流通・リフォーム市場の現状」では、マンションのリフォーム費用にどのくらいの費用を投じているかは下表のようになっています。
工事金額 | 割合 |
---|---|
100万円以下 | 7.5% |
100万円超~300万円以下 | 26.3% |
300万円超~500万円以下 | 21.1% |
500万円超~1,000万円以下 | 24.8% |
1,000万円超 | 16.5% |
不明 | 3.8% |
一番多い割合は、100万円超〜300万円以下の26.3%です。
ただし、実際には想定していた予算よりも費用がかかるケースも珍しくありません。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「住宅リフォームに関する消費者の実態調査」(2023年2月発表)によると、リフォーム実施者の検討時予算は平均265万円だったのに対し、実際にかかった費用は平均390万円とあります。
予算を上回った理由については、「予定よりリフォーム箇所が増えたから」「設備を当初よりグレードアップしたから」「想定外の工事が必要となった」などが挙げられています。
このように、リフォームは想定した金額よりかかる場合があります。
出典:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「法人住宅リフォームに関する消費者の実態調査」
以下に、検討される方が多いリフォーム箇所と相場費用を紹介しています。参考にしてみてください。
リフォーム箇所 | 費用相場 |
---|---|
水回り |
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壁・床 |
|
キッチン |
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リフォーム以外の方法でも十分印象を上げられる
マンションを売却するときに見栄えをよくしたいと考え、リフォームを検討される方がいらっしゃいますが、リフォームをしなくても十分印象を上げることはできます。
ご自身でできる方法から、リフォームに比べて安価で行うことができる方法を3つ紹介します。
ハウスクリーニングや清掃
ハウスクリーニングや清掃でも、十分に印象を上げられます。清潔感のある空間を演出できれば、成約に一歩近づくでしょう。
ここでは4つのポイントを紹介します。
部屋に入った際の印象
内覧時、購入希望者がはじめて部屋に入った際の印象は重要です。綺麗に清掃されていること、物が整頓されていること、ニオイや明るさなど、第一印象で購入希望者の意思決定に左右されます。
ニオイなどは、購入希望者が内覧に来る前に空気の入れ替えを行うことが有効です。また必要に応じて消臭スプレーを利用しましょう。
靴は出しっぱなしにせず、なるべくシューズクローゼットに収納します。長期間履いていない靴はあらかじめ処分しておきましょう。
明るさについては、先んじて全室の電気を付けておくだけでも印象は変わります。物はなるべく収納して見えない場所に保管し、整理整頓しておくと良いです。
トイレ・お風呂
トイレやお風呂は経年によって汚れやすく、気をつけたい場所です。トイレや風呂も内覧の前に清掃をし、電気をつけて明るくしておき、床も綺麗に拭き取っておくことで清潔感を与えることができます。 特にトイレに関してはニオイが残りやすい場所の為、事前に換気をしておくと良いでしょう。
お風呂の場合は、床を磨いたりカビを除去しておきましょう。取り除くのが難しい場合は、プロのクリーニングを利用することをお勧めします。
鏡のくもりにも気をつけ、鏡専用の洗剤などを利用し、清潔感を大切にしましょう。
壁・床
普段は気にならないかもしれませんが、壁にほこりや汚れがついていないか確認し、必要に応じて拭き掃除をします。やり過ぎるとクロス自体を痛めてしまう為、気をつけましょう。
また、壁に大きなシミやカビ、汚れ、子供の落書き跡などがあると清潔感が薄れてしまいますので対処法を不動産会社にご相談ください。
一方、フローリングはワックスがけがお勧めです。綺麗になりツヤも出るので、細かい傷も気にならなくなります。
必ずしも価格がアップするというわけではありませんが、壁や床を修繕しておくことで買主様からの減点要素が減るといった効果もあります。
その為、壁や床に大きな汚れなどがある場合は、不動産会社による修繕サービスを利用し、対策することも必要です。
キッチン
キッチンは住宅の「見せ場」とも呼ばれていますが、水回りは特に汚れが目に入りやすい場所でもあります。
キッチンは、調理器具やグッズがたくさん置いてあると狭く感じる為、不要なものはなるべく処分し、整理整頓と清掃を心がけます。
シンク周りやガスコンロ、換気扇などは事前に掃除をして綺麗にしておき、いつでも内覧に応じられるように清潔な状態を保ちましょう。汚れがひどい場合は、内覧前に水回りだけでも重点的にハウスクリーニングを実施しておくことをお勧めします。
ハウスクリーニングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンションのハウスクリーニングの相場は?売却時に実施するメリットやポイントを解説
インスペクション
インスペクションとは、建築士など建築に精通した者が、第三者的な立場で住宅の雨漏りや不具合などといった劣化状況などを調査することです。「建物状況調査」と呼ばれることもあります。
築年数は、清掃やリフォームでは改善できません。しかしインスペクションによって、マンションの状態を把握できれば、購入希望者も安心して購入を検討することができます。
また事前に瑕疵の有無を確認できれば、引き渡し後のトラブルを未然に防ぐことに役立ちます。
ちなみにマンションのインスペクションにかかる費用は、4.5〜6.5万円が相場です。インスペクションについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説
ホームステージング
ホームステージングとは、室内を素敵に見えるようにコーディネートし、売却を予定している住宅の魅力を高める為に行う演出です。
整理整頓だけでなくインテリアや家具を配置することによって、モデルルームのような見栄えにできます。
購入希望者に良い印象を与えることができる為、売却までの期間を約1/3に短縮したり、販売価格も平均0.5%アップするという調査結果もあります。


長谷工の仲介ではホームステージングを行っております。ご興味がある方は、ぜひご検討ください。
マンション売却でリフォームが有効な場合もある
ここまで、基本的にリフォームは不要という観点でご説明してきました。しかし物件によっては、リフォームが有効な場合もあります。
前述した通り、国土交通省が令和4年度に行った住宅市場動向調査によると、中古住宅を選んだ理由として、「リフォームされていて綺麗だったから」を選択した方が20%程いました。
設備の故障や床・壁の損傷などが激しい物件は、リフォームをしておくことで減点要素を減らす効果もあります。
また、周辺に新築マンションが多い場合にも、リフォームを検討してみるのも一つの手です。
ここからは、リフォームは有効な場合について詳しく解説しています。
室内の劣化や汚れが目立つ
築年数が古くなるにつれて室内の劣化や汚れは目立ってくるものです。
室内の劣化や汚れが目立ち、ホームクリーニングでも改善が難しい場合はリフォームを検討しましょう。減点要素を減らすことによって早期売却が望めますし、希望する価格で売りやすくなります。
しかしリフォームする内容や仕様に関しては、不動産会社へ相談することをお勧めします。
築古物件の売却ポイントについては下記の記事で解説しています。
築50年のマンションでも売却できる?旧耐震物件の資産価値や特徴、買主様のメリットを解説
築30年のマンションは何年住める?売却のコツや売れない理由と対処法を解説
近隣に同条件のマンションが売り出されている
近隣に同条件のマンションが売り出されている場合、購入希望者は内覧して比較することが考えられます。
室内がリフォームされていれば、その分購入後にかかる費用を抑えることができるなどのメリットを感じてもらえて、早期に売却できる可能性が高くなります。リフォームは競合物件との差別化に役立つ為、比較的供給が多いエリアでは特に効果を感じられるでしょう。
理想的な価格でマンションを売却するコツ
最後に理想的な価格でマンションを売却するコツを3つ紹介します。
マンション売却の流れを理解しておく
まずは、マンション売却の流れを把握しておきましょう。あらかじめ売却までのスケジュールを理解しておくことができれば、焦って売り急ぐといったリスクを防ぐことができます。
マンションの流れや売却の注意点は以下の記事で解説しています。マンションの売却を予定している方は、ぜひご覧ください。
マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介
売却エリアの相場価格を把握しておく
マンションの売却を検討する際は、不動産会社へ査定依頼する前に売却エリアの相場を確認しておきましょう。
高すぎる価格設定をすると売却までに時間がかかってしまい、結果的に大幅に値下げせざるを得なくなることがあります。もちろん安すぎる価格を設定することで早期売却は望めますが、手に残る資産が目減りしてしまいます。
マンションの売却相場を知る方法は、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて
リフォームについては慎重に検討する
リフォームは必ずしも早期売却につながるわけではありません。またリフォームにかかった費用をそのまま売却費用に上乗せできるわけではありませんので、必ず不動産会社の担当者に相談し、慎重に検討するようにしましょう。
マンションが売れない理由は、マンション自体ではなく、内覧時の対応の悪さや、不動産会社の力不足なども考えられます。リフォームだけに頼らず、総合的に判断しましょう。
以下の記事でマンションが売れない理由について解説しています。
まとめ
今回は、マンション売却のリフォームについて解説してきました。 マンション売却では、リフォームは必須ではなく、クリーニングなどで十分に印象アップできます。水回りの水滴は拭きとる、床や壁に傷をつけないなどを日頃から意識しておくことも重要です。
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※本記事の内容は2023年9月1日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。