2025.12.10マンション売却完全ガイド!注意点や流れ、税金・費用、失敗事例を徹底解説

マンション売却完全ガイド!注意点や流れ、税金・費用、失敗事例を徹底解説画像
この記事で分かることを1分で解説
  • マンション売却は準備から引き渡しまでに一般的に半年程度かかる
  • マンション売却で手元に残る額は売却価格から住宅ローン残債と税金を含む諸費用を差し引いた額
  • 売却中は、不動産会社に任せきりにしたり、瑕疵や不具合を隠してはいけない
  • 不動産会社には得意な分野・不得意な分野がある為、マンション売却の実績が豊富で信頼できる担当者がいる会社を選ぶ

マンション売却を考える際に「何から手をつけて良いか分からない」と感じる方は多いのではないでしょうか。マンション売却を成功に導く為には、全体の流れを正しく理解し、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。

この記事では、初めてマンションを売る方に向けて、マンション売却の流れや注意点について解説します。また、多くの方が陥りがちな失敗例とその対策、費用や税金の知識など、売却に必要な情報を分かりやすくご紹介します。

マンション売却の基本的な流れ

マンション売却は、準備から引き渡しまでに一般的に半年程度かかります。おおまかな流れを把握し、スケジュールに余裕を持って計画を立てましょう。

マンション売却の基本的な流れ画像
フェーズ 流れ 概要
事前準備 査定の依頼 マンションがいくらで売れそうか把握する為に、不動産会社に査定を依頼します。
媒介契約の締結 不動産会社と仲介の契約(媒介契約)を締結し、売却を依頼します。
売り出し価格の決定 査定価格をもとに売り出し価格を決めます。
売却活動 売却活動の開始 売りに出してから買い手が決まるまで1〜3ヵ月程度を要します。
内覧対応 購入希望者が現れたら、室内を見学してもらいます。
条件交渉 購入希望者から購入申込書を受領し、条件交渉を行います。
売買契約の締結 書面で売買契約書を締結します。買主様より手付金を受領します。規定額の印紙の購入と仲介手数料(半金)の支払いが必要です。
売買契約後 住宅ローンの一括返済手続き 売買代金で住宅ローンを一括返済する場合は、金融機関へ一括返済の申し込みをします。
引っ越し 引き渡しの前に引っ越しを行い、空き家の状態とします。
引き渡し 残代金の支払いを受け、鍵および必要書類を引き渡します。また、残りの仲介手数料(半金)を支払います。抵当権抹消が必要な場合は、抵当権抹消関連費用が生じます。
売却後 確定申告 確定申告が必要な場合は売却した翌年の2/16〜3/15の間に行います。

それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。

事前準備を行う

マンションを売却する場合は、まず事前準備を行いましょう。ここからは、マンション売却前に必要な準備について具体的に解説します。

必要な書類の準備

マンション売却では様々な書類が必要になります。実際に売却がはじまると内覧の対応などでバタつくこともある為、早めに必要な書類を準備しましょう。
売却までに必要な主な書類は以下の通りです。

用途 書類名 入手方法
査定時・媒介契約時に必要な書類 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書 売主様が保有
固定資産税・都市計画税の納付通知書 売主様が保有
住宅ローンの返済表 売主様が保有
分譲時のパンフレット 売主様が保有
売買契約締結時に必要な書類 付帯設備表・物件状況説明書 不動産会社のフォーマットを利用
(売主様が記入)
印鑑証明書 市町村役場(※3)
買主様へ引き渡す資料(※1)(引き渡し時) 分譲時のパンフレット 売主様が保有
管理規約および使用細則 売主様が保有
最近のマンション理事会の会計報告書や議事録の写し 売主様が保有
登記に必要な資料(引き渡し時) 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書 売主様が保有
印鑑登録証明書(3ヵ月以内に発行のもの) 市町村役場(※3)
固定資産評価証明書(土地・建物) 市町村役場(※3)
住民票などの登記関連書類(司法書士より要請があったときに取得します) 市町村役場(※3)
確定申告に必要な書類(確定申告時) 売却したマンションの謄本 法務局(窓口申請:600円)
住民票の除票(※2) 市町村役場(※3)
売却物件の購入時・売却時の売買契約書 売主様が保有
費用を証明する領収書など 売主様が保有
その他 利用する特例によって異なる

※1 必ず必要なわけではありませんが、お渡しすると喜んでいただけます。
※2 契約日前日までに住民票の住所と譲渡資産の所在地が異なる場合は必要になります。
※3 各種手続きにかかる費用は市区町村によって異なる場合がございます。

マンション売却に必要な書類については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説

売却相場の調査

不動産会社に査定を依頼する前に、自分で相場を知っておくことも大切です。ホームページやチラシなどで自分のマンションや周辺の売り出し物件の価格を把握しておくと良いでしょう。

相場は、売り出し物件の面積や価格帯を知ることで把握できます。自分のマンションと売り出し物件の広さ、階数を比較すれば、おおよその売り出し価格も想定できるでしょう。

公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表しているマンションの成約状況を以下の表にまとめてみました。

エリア 売却価格相場 前年同月比
北海道 2,177万円 -5.9%
宮城県 2,614万円 -2.3%
東京都 6,961万円 11.3%
神奈川県 3,862万円 1.5%
愛知県 2,643万円 12.8%
大阪府 3,677万円 7.7%
広島県 2,586万円 -3.9%
福岡県 2,802万円 4.8%

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「月例マーケットウォッチ2025(令和7)年9月度」

売却相場の調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

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路線価から実勢価格は求められる?それぞれの違いや調べ方を紹介

売却先行と購入先行の選択

住み替えには、売却を先に行う「売却先行」と、購入を先に行う「購入先行」の2種類があります。

売却先行は、売却してから新居を購入する方法です。住宅ローンを支払っている場合はこの方法で住み替えを行うのが一般的です。ただし、引き渡しの際に新居の場所が決まっていなかった場合、仮住まいを用意しなければならず、賃料や引っ越し費用が発生します。

購入先行は、新居を購入してから売却する住み替え方法です。住宅ローンを二重に組める場合や現金の用意ができる場合は、こちらの方法を選択しても良いでしょう。仮住まいの必要がなくなる為、引っ越しが1回で済みます。

ただし、購入先行の場合は、売却が完了するまでの間、売却予定の物件と購入した物件の両方で固定資産税や管理費などの維持費が二重に発生します。さらに、購入物件で住宅ローンを利用する場合はローンの返済も一時的に二重になる恐れがあります。

マンションの住み替えについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住みながら家を売ることはできる?メリット・デメリットや注意点を解説

マンションを売却して住み替える方法とは?流れや費用、利用できる特例を紹介

不動産会社に査定を依頼する

次に、不動産会社にマンションの売却査定を依頼します。
査定には、主に机上査定・訪問査定・AI査定の3つがあります。それぞれの査定で見られるポイントやかかる時間、精度は以下の通りです。

査定の種類 机上査定 訪問査定 AI査定
査定価格の基準(見られるポイント)
  • 公示価格
  • 路線価
  • 過去の成約事例
  • 周辺相場
  • 物件の基本情報(築年数・面積・階数・駅距離・方位など)
  • 机上査定の要素
  • 室内状況
  • リフォーム履歴
  • 眺望・日当たり
  • 騒音
  • 共用部の状況
  • マンションの管理状況
  • 設備のグレード
  • 不具合や欠陥の有無など
  • 過去の成約データ
  • 周辺相場
  • 入力した基本情報
かかる時間 即日〜数日 数日〜1、2週間前後 即時〜数分
精度
(現地を確認しない為、室内の状況や日当たりなど個別要因は反映されない為)

(実際に売れる価格に最も近い)
低〜中
(室内の状況や日当たりなどは反映しづらい。あくまで参考値)

机上査定は、不動産会社の担当者が、過去の成約事例やマンションの基本情報、周辺相場などのデータに基づいて査定する方法です。査定結果は即日~数日で出ます。AI査定より精度は高いものの、室内の状態や眺望など現地の状況は反映されない為、訪問査定よりも精度は低い傾向にあります。

訪問査定は、担当者が実際に現地を訪れ、室内の状態、日当たりや眺望、管理状況などを詳細に確認して査定価格を算出する方法です。査定結果が出るまで数日〜1週間ほどかかりますが、最も精度が高く、実際の売り出し価格に近い価格が分かります。

AI査定は、過去の取引データや周辺相場をもとに、物件の基本情報を入力するだけでAIが即時〜数分で査定価格を算出する査定方法です。精度は他の方法より劣りますが、匿名で手軽に相場を知りたい方にお勧めです。

マンション査定の流れや階数による影響、よくあるトラブルについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションの売却査定で見られるポイントとは?査定の流れや高く売るコツ、注意点を解説

マンション査定で階数は影響する?各階の価格差や他に見られるポイントをご紹介

不動産の無料査定でよくあるトラブルとは?事例や対処法について解説

長谷工の仲介では無料売却査定を実施しています。お客様の状況に合わせた売却プランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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不動産会社と媒介契約を締結する

マンションの売却を依頼する場合は、不動産会社との間で締結する媒介契約(仲介を依頼する契約のこと)の種類を決めます。

媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があります。複数社に依頼できるのが一般媒介、1社のみに限定されるのが専任媒介・専属専任媒介です。
それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 法律上の制限なし一般的には3ヵ月 3ヵ月以内 3ヵ月以内
複数の不動産会社と契約できるか 可能 不可 不可
依頼主への活動報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自分で買主様を発見し直接取引できるか 可能 可能 不可
レインズの登録義務 なし 7営業日以内に登録 5営業日以内に登録

出典:公益財団法人全日本不動産協会「一般媒介契約について」

どの媒介契約を選ぶかは、仲介会社の販売戦略・手法を含めて検討しましょう。
ちなみに、2024年度におけるレインズ登録物件(売り出し物件)のうち約4割が(専属)専任媒介契約となっており、一般媒介契約(約2割)に比べて多く選ばれていることが分かります。

媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?3種類の違いやメリット、後悔しない為の選び方をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットやデメリット、お勧めの方を解説

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売り出し価格を決定する

どの媒介契約を締結するかを決めたら、依頼先の不動産会社と相談して、マンションの売り出し価格を確定させます。

一般的に、不動産会社から提示された査定価格はおおむね3ヵ月で売却できると想定した額であり、約束された額ではありません。売り出し価格を決める際は、不動産会社の査定価格をベースに、周辺の似た物件がいくらで売りに出ているかを参考にしましょう。あまりに相場からかけ離れた価格では、購入希望者の興味を引けず、売却が長引いてしまう恐れがあります。

もし住宅ローンが残っているのであれば、売却代金でローンを完済できる価格に設定するのが理想です。例えば、住宅ローンが2,800万円残っていて、諸費用が200万円かかる想定の場合は、3,000万円以上で売れるように価格を設定しましょう。ただし、相場を無視して高すぎる価格にすると購入希望者が見つかりにくくなる為、注意が必要です。

住宅ローンが残っている場合の売却や住み替えローンについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

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売却活動をはじめる

売却活動をはじめると、不動産会社はホームページや広告、物件情報サイトに物件情報を掲載し、購入希望者を募ります。

売却活動自体は主に不動産会社が行いますが、売主様もこまめに不動産会社と連絡を取り、活動状況を把握しておくことをお勧めします。特に一般媒介契約の場合は不動産会社に報告義務がない為、任せきりにしないことが大切です。

購入希望者が見つかると、内覧の希望が届くことがあります。内覧とは、購入希望者に家の中を見せることです。内覧日は比較的土日に集中する為、日程調整が必要な場合は早めに不動産会社に相談しましょう。

内覧日が決まったら、購入希望者が内覧に訪れます。
内覧は、購入希望者がマンションを直接見る大切な機会です。部屋が散らかっていると印象が悪くなる為、事前に部屋を綺麗に片付け、隅々まで掃除しておきましょう。特に玄関や水回り、収納スペースは目につきやすい為、重点的に綺麗にするのがお勧めです。また、内覧当日は部屋の電気を全て付けて明るくし、窓を開けて換気しておくと、より良い印象を与えられます。

なお、内覧の基本的な対応は不動産会社が行いますが、質問が出た際は快く回答するようにしましょう。

不動産会社によっては、専任媒介契約または専属専任媒介契約で契約した場合に水回りのクリーニングや床・壁の修復、荷物の一時預かりといったサービスを提供している場合もあります。売却をサポートするサービスの有無も不動産会社選びの参考にしてみてください。

マンション売却の内覧やハウスクリーニングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介

マンションのハウスクリーニングの相場は?売却時に実施するメリットやポイントを解説

長谷工の仲介では、水回りのクリーニングやプロのカメラマンによる撮影など、売主様の売却をサポートするサービスをご用意しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

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契約条件の交渉を行う

購入希望者が物件購入を決断すると、購入申込書が提示されます。購入申込書には、購入希望価格などの希望条件が記載されています。売却する側は契約条件の交渉を行い、条件が整理できたら売渡承諾書を作成することもあります。

売買契約を結ぶ

書面で売買契約を締結します。売買契約書には、マンションを特定する事項のほか、売買価格や引き渡し条件、契約解除に関する事項が記載されています。

また、売買契約時には重要事項説明書の読み合わせも行います。重要事項説明書には、マンションの所在地や専有面積のほか、法令上の制限などが記載されています。

さらに、売買契約締結時には買主様から手付金を受領します。手付金は売買代金の10%前後が一般的です。

なお、売買契約締結後に売主様の都合で契約を解除する場合は、手付解除期日までに受領済みの手付金を買主様に返還し、かつ同額を買主様へ支払って手付を解除することになります。ただし、買主様が契約履行(売買代金の支払いや引っ越し会社との契約など)に着手している場合は損害賠償請求される恐れがある為、売買契約を締結するかどうかの判断は慎重に行いましょう。

売買契約が成立したら、売主様は不動産会社に仲介手数料の50%を支払います(残りの50%は残代金決済時に支払うのが一般的)。

売買契約書や手付金、仲介手数料については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションの不動産売買契約書とは?記載内容や流れを解説

不動産売却で発生する手付金とは?相場や手付解除時の対応方法について解説

不動産売却の仲介手数料とは?計算方法や支払い時期についてご紹介

住宅ローンの一括返済手続きの準備を行う

住宅ローンの残債がある場合は事前に金融機関に連絡を取り、住宅ローンの一括返済の手続きにかかる時間などを確認し、迅速に準備を進めていきましょう。住宅ローンの一括返済には、抵当権抹消の手続きも含まれている為、司法書士に手続きを依頼するのが一般的です。

住宅ローンの一括返済は、金融機関によって手続きの期間が異なります。その為、不動産会社に借り入れをしている金融機関や支店を伝えることも必要です。また、返済手続きには手数料がかかる場合があります。インターネットバンキングを利用すれば無料、窓口であれば1~3万円程度かかることが一般的ですが、手数料は金融機関によって異なる為、事前に確認しておいてください。

引っ越しをして空き家の状態にする

マンションの引き渡し日の前日までに引っ越しを済ませ、部屋を空にしておく必要があります。新居を決め、契約して実際に入居できるまでには、1ヵ月~1ヵ月半程度の期間を見ておく必要があります。引き渡し日の1ヵ月半前までに新しい住まいを決めて契約を終えておけば、余裕を持って準備ができるでしょう。

引き渡し日までに新居への引っ越しが間に合わない場合は、一時的にマンスリーマンションや実家などへの仮住まいを検討しましょう。買主様の合意が得られれば、引き渡し日を少し待ってもらう引き渡し猶予の交渉も可能です。ただし、必ず承諾してもらえるとは限りません。

マンションを引き渡す

引き渡しの手続きは、買主様が住宅ローンを組む銀行で行うのが一般的です。
引き渡しでは、以下の手続きを行います。

  • 買主様から手付金を除く残代金の受け取り
  • 固定資産税や管理費および修繕積立金の清算
  • 不動産会社への仲介手数料(残額)の支払い
  • 売主様から買主様への鍵の引き渡し

また、引き渡しでは以下の書類が必要です。

用途 書類名
買主様へ引き渡す資料(必須ではありませんが、お渡しすると喜んでいただけます)
  • 分譲時のパンフレット・管理規約および使用細則
  • 最近のマンション理事会の会計報告書や議事録の写しなど
登記に必要な資料
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
  • 印鑑登録証明書(3ヵ月以内に発行されたもの)
  • 固定資産税評価証明書(委任状を作成し、不動産会社が取得することもあります)
  • 本人確認書類(司法書士用)
  • 住民票や戸籍の附票など、司法書士から案内があった書類
  • 抵当権の抹消に必要な書類(住宅ローンが残っている場合)

売却の残代金で住宅ローンを完済したら、売主様の金融機関に連絡し、抵当権抹消に必要な書類を準備します。金融機関の担当者に決済当日に書類を持参してもらうか、事前に自分で受け取りに行くケースもあります。

抵当権抹消などの登記手続きは、不動産会社に紹介された司法書士に依頼することが一般的です。司法書士から案内される必要書類の中には、戸籍の附票など本籍地の役所で発行してもらうものもある為、余裕を持って準備しておきましょう。

抵当権抹消登記の流れや必要な書類については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

また、登記内容によっては、残代金決済時に所有権移転登記手続き以外に抵当権抹消登記や住所変更登記などが必要になる場合もあります。手続きの詳細は司法書士から案内がありますので、指示に従って進めましょう。

以下に売却にともなう主な登記手続きをまとめていますので、併せてご覧ください。

売却にともなう登記手続き(主なもの)
抵当権抹消登記 残代金で住宅ローンを一括返済する際、抵当権の抹消登記を行う。
住所変更登記 すでに引っ越しが済んでおり、登記上の住所に住んでいない際、変更登記を行う。
氏名変更登記 結婚などにより登記上の氏名と現状が異なっている際、変更登記を行う。

買主様から売却代金の残りを受領したら、マンションの鍵を渡します。全ての手続きが無事終われば引き渡しは完了です。

確定申告を行う

マンション売却で譲渡所得が発生して税金を納める場合や、税金の特例や控除を利用する場合は、確定申告が必要です。

確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に行います。確定申告が必要であるにもかかわらず怠った場合は、無申告加算税などのペナルティが課される為、注意しましょう。

確定申告の具体的な手順などについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションを売却したら確定申告が必要?流れや手順、必要書類について徹底解説

マンション売却の確定申告書の書き方は?手続きの流れも併せて解説

マンション売却は、複雑な手続きや大きなお金が動く取引であることから、不安や疑問を感じる方も多くいらっしゃいます。特に初めての売却となると、「何からはじめれば良いの?」「このまま進めて大丈夫?」といった質問を抱くことも少なくありません。

長谷工の仲介では、皆様の疑問や不安を少しでも解消できるよう、無料相談を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

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マンション売却にかかる主な費用や税金

マンション売却で手元に残る金額は、売却価格から住宅ローン残債と税金を含む諸費用を差し引いた金額です。売却でかかる諸費用を以下にまとめました。

項目 内容
仲介手数料 仲介を依頼した不動産会社へ支払う手数料
印紙税 課税文書である売買契約書を作成する際にかかる税金
登録免許税 抵当権抹消登記や住所変更登記にかかる税金
譲渡所得税 土地や建物などの資産を譲渡することによって生じた所得に対してかかる、所得税と住民税、復興特別所得税(2037年まで)の総称
司法書士手数料 抵当権抹消登記や住所変更登記を依頼する司法書士への報酬
繰り上げ返済手数料 住宅ローンを繰り上げ返済する際に金融機関へ支払う手数料
引っ越し代 引っ越し会社へ支払う費用

マンション売却にかかる税金や費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却にかかる費用や手数料の相場は?節約方法やシミュレーションもご紹介

マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説

マンション売却で手元に残る金額はいくら?手取り額の計算方法やシミュレーションをご紹介

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社へ支払う売却の手数料です。法律によって上限額が定められており、取引額(売買価格)に応じて決まります。具体的な算出方法は以下の表の通りです。

売買価格 仲介手数料の上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売買価格×3%+6万円+消費税

なお、「低廉な空家等の媒介の特例」により、800万円以下の宅地や建物については、不動産会社は上記の上限額を超えて33万円(税込)まで請求できます。例えば800万円の物件の場合、不動産会社は売主様と買主様それぞれから最大33万円(合計66万円)受け取れることになります。

ただし、不動産会社がこの特例を適用する為には、媒介契約を結ぶ際に売主様や買主様に事前に説明し、書面で合意を得る必要があります。合意がないまま成約した場合は通常の計算方法を超える報酬を請求することはできませんので、余分な手数料を支払うことがないよう覚えておいてください。

仲介手数料の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却の仲介手数料とは?計算方法や支払い時期についてご紹介

出典:国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」

印紙税

売買契約書は印紙税法上の課税文書の為、作成時には収入印紙を貼って印紙税を納める必要があります。なお、平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までの間に作成される売買契約書については、印紙税の税額が軽減されます。

本来の税率と軽減後の税率はそれぞれ以下の通りです。

売買代金 本来の税額 軽減された税額
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円 3万円

出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」

出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

譲渡所得税(住民税・所得税)

譲渡所得税とは、土地や建物などの資産を譲渡することによって生じた所得に対してかかる所得税や住民税などの税金の総称です。なお、令和19年(2037年)までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%を所得税と合わせて納付します。

課税対象となる譲渡所得は、売却価格と購入時の価格の単なる差額ではありません。取得や譲渡にかかった費用や特別控除額も差し引いたうえで以下の計算式で算出されます。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

そして、所有期間に応じた税率を譲渡所得に乗じることで、譲渡所得税を計算できます。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率 復興特別所得税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 0.315% 20.315%

譲渡所得については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

譲渡所得とは?不動産売却時の税金の計算から確定申告手続きまで詳しく解説

長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説

出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」

税金や費用に関しては、必ず税理士に確認することをお勧めします。
長谷工の仲介では、税金の疑問や不安について無料で相談できる税務相談サービスを提供しています。不安をお持ちの方はお気軽にご利用ください。

長谷工の税務相談サービスはこちら

抵当権抹消登記費用

住宅ローンが残っており、抵当権が設定されている不動産を売却する場合は、売主様の費用負担で抵当権抹消登記の手続きを行わなければなりません。その場合、司法書士への報酬(1〜3万円)と登録免許税がかかります。

抵当権抹消登記にかかる登録免許税は1不動産につき1,000円です。マンションは土地と建物のそれぞれに抵当権が設定されている為、登録免許税は2,000円となります。司法書士への報酬支払い時に登録免許税を預け、司法書士に代理で納税してもらうのが一般的です。

抵当権抹消手続きにかかる費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

抵当権抹消登記申請書の書き方とは?流れや費用まで徹底解説

出典:日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」

出典:津地方法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」

繰り上げ返済手数料

ローンを繰り上げ返済する際には、金融機関の手数料がかかります。

金融機関によっては、窓口での手続きは有料でもインターネット経由の手続きであれば無料になる場合があります。手数料の相場は1~3万円程度ですが、住宅金融支援機構の「フラット35」のように返済手数料が不要な住宅ローンもあります。

事前にどのような返済方法があり、いくらかかるのか、金融機関に確認しておきましょう。

マンション売却前の注意点

マンション売却前にはどのような点に注意したら良いのでしょうか。特に大切なポイントを6つご紹介します。

スケジュールや書類の準備には余裕を持つ

マンション売却では売り出しから引き渡しまでに数ヵ月かかることが多い為、余裕を持ったスケジュールを立てることをお勧めします。

前述した通り、査定時や売買契約時には様々な書類が必要になります。
例えば、査定の際には「登記済証(権利証)または登記識別情報通知書」を不動産会社に提示することが一般的です。他にも、固定資産税・都市計画税の納付通知書や住宅ローンの返済表、マンションであれば新築時のパンフレットやオプションの注文書などがあると、査定がスムーズに進みます。焦ることがないように、書類は早めに準備しておきましょう。

なお、書類によっては「○ヵ月以内に発行されたもの」といった取得期限が設けられている場合があります。特に、所有権移転登記に必要な印鑑登録証明書は「引き渡し時から3ヵ月以内に発行のもの」という条件がありますので、必要なタイミングに合わせて取得するようにします。

売却のタイミングを見極める

マンションは、基本的にはどのタイミングでも売却可能です。ただし、不動産には売れやすい時期と売れにくい時期がある為、できれば売れやすい時期に照準を合わせて売却準備を進めましょう。

例えば、1〜3月は新年度の4月に向けて引っ越しが増える為、売却に適した時期といえます。転勤などの人事異動で比較的需要が高まる9〜10月の売却もお勧めです。

家の売却のタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家を売るタイミングはいつ?判断基準や売却に向いていない時期を解説

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

複数の不動産会社に査定を依頼し、査定金額の根拠を確認する

査定は、売り出し価格を決定する際の参考にする為に行うものです。周辺の成約事例や売り出し中の物件を参考に算出するケースが多いですが、査定金額の根拠はしっかりと確認するようにしましょう。基本的には複数の不動産会社に依頼し、比較するようにします。

高額の査定金額を提示した不動産会社に売却を依頼したくなるかもしれません。しかし、査定価格はあくまでも売却予想価格です。不動産会社が買い取ってくれるわけではありませんので注意しましょう。

売り出し価格が高すぎるとなかなか売れなかったり、売却が長引くことによって値下げせざるを得なくなったりすることもある為、注意しましょう。

売却したい物件のアピールポイントをまとめる

物件のアピールポイントをまとめておくことも大切です。実際に住んでいるからこそ分かるメリットや物件の気に入っている点を箇条書きにして、査定を依頼する際に不動産会社の担当者に伝えておきましょう。広告などに盛り込んでもらえたり、内覧前後に購入希望者にアピールポイントとしてうまく伝えてもらえます。「アピールポイントが分からない、見つからない」といった場合は、不動産会社に相談してみましょう。

また、査定を依頼する際は、床や壁にキズはないか、設備は故障していないかなど、部屋の状態を確認することも重要です。

「売却を検討しているけど、アピールポイントが分からない」このようなお悩みを抱えている方は、ぜひ長谷工の仲介にご相談ください。

無料売却査定はこちら

仲介以外の売却方法を視野に入れる

マンションを売却する場合は不動産会社へ仲介を依頼して買主様を探すのが一般的ですが、不動産会社に直接買取を依頼して売却する方法もあります。

買取は不動産会社に直接売却する方法で、内覧に対応する必要がなく、最短1週間で現金化が可能です。不動産会社と直接取引すれば仲介手数料がかからないのもメリットです。
ただし、マンションの条件によっては売却価格が相場の7割程度になることもあります。また、買取の場合でも査定時には不動産会社による現地調査が必要です。

仲介と買取の違いは以下の表の通りです。

比較項目 仲介 買取
売却価格 相場に近い価格で売却できる 相場価格の7割程度になることもある
売却までの期間 4~6ヵ月かかることが多い 早ければ1週間程度で売却可能
仲介手数料の有無 仲介手数料がかかる 仲介手数料は不要
契約不適合責任の有無 基本的には契約不適合責任あり 契約不適合責任を無しにすることもできる

スムーズにマンションを売却する為には、仲介だけでなく買取による売却方法も視野に入れておきましょう。
例えば、一定期間は仲介による売却を目指し、その期間内で売却できなかった場合は事前に不動産会社と取り決めた価格で買い取ってもらう買取保証(売却保証)を利用すると、状況に応じた柔軟な売却が可能となります。

複数の売却方法を把握しておけば、売れ残るリスクを軽減できるうえ、売却時期や引っ越しのタイミングが決まっている場合も安心して売却を進められます。上記の比較表を参考に、仲介と買取のどちらを選択するか、よく検討しましょう。

マンションの買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

買取保証付き仲介とは?仲介との違いやメリット・注意点、売却の流れを解説

長谷工の仲介では、仲介はもちろん売却保証・直接買取も承っています。売却したい時期が決まっている方はぜひお気軽にご相談ください。

長谷工の仲介の売却保証・直接買取はこちら

リフォームは慎重に行う

マンションを売却する際は、基本的にはリフォームする必要はありません。
買主様の趣味に合わないリフォームをしてしまうことで購入を避けられてしまう恐れがある為です。また、リフォームをしたからといって必ずしも査定価格が高くなるわけではなく、リフォームにかかった費用を売却価格に上乗せできない場合もあります。

室内の劣化が気になる、修繕したい箇所がある場合は、不動産会社にリフォームについて相談のうえ、慎重に検討しましょう。

マンション売却時のリフォームについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説

マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説

マンション売却活動中の注意点

次に、マンション売却中における注意点を2つご紹介します。

設備表と物件状況等報告書を正しく記載する

売買契約に際して、売主様は付帯設備表と物件状況報告書を作成します。付帯設備表とは、設備の有無や不具合を買主様に伝える為の書面です。物件状況等報告書とは、雨漏りや給排水管の故障などの履歴を買主様に伝える為の書面となります。

引き渡し後に傷や不具合があることが分かり、それが契約内容とは異なるものであるときは、補修や契約解除、損害賠償などの責任(契約不適合責任)を問われる恐れがあります。契約不適合責任を問われないようにする為にも、傷や不具合は正しく告知し、売買契約書や重要事項説明書、付帯設備表、物件状況報告書にも記載して、買主様の了解を得ることが必要です。

マンションの築年数が古い場合など、引き渡し後の不具合が心配な場合は、インスペクションを検討しても良いでしょう。インスペクションとは、建築士など建築に精通した者が第三者的な立場で建物の状態を確認し、劣化具合を調査することです。建物状況調査と呼ばれることもあります。

契約不適合責任やインスペクションについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説

インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説

売買契約の特約を確認する

売買契約には、特約という条件が付くことがあります。例えば、買主様が住宅ローンを使う場合はローン特約をつけられることが一般的です。

買主様が行う住宅ローンの本審査には売買契約書が必要な為、買主様は売買契約締結後に住宅ローンの本審査を行います。場合によっては買主様が住宅ローンの本審査に通らず、ローン特約によって契約が解除されてしまうこともある為、注意が必要です。ローン特約による解除の場合、手付金を返還することになります。

買主様の状況については不動産会社を通して確認しておき、ローン審査に通りそうな買主様か、そうでない方かを理解したうえで契約に臨むようにしましょう。

マンション売却後の注意点

続いて、マンション売却後の注意点を3つご紹介します。

利用できる税金特例を確認しておく

利用できる税金特例がないか確認しましょう。以下でその特例をいくつかご紹介します。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

マイホームを売って譲渡所得(利益)が発生した場合、一定の条件を満たすことで譲渡所得から最高で3,000万円まで控除できる特例です。この特例を利用した場合の譲渡所得は以下のように計算できます。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額3,000万円

この特例を利用するには、以下のような適用条件を満たす必要があります。

  • 自分が住んでいる住宅であること
  • 3年以内にこの特例または「マイホームの買換え特例」や「マイホームの交換の特例」の適用を受けていないこと
  • 親子や夫婦間売買ではないこと

3,000万円の特別控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説

出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

所有期間による軽減税率

所有期間が10年を超えるマイホームを売る場合は、「所有期間による軽減税率の特例」を利用できる可能性があります。譲渡所得のうち6,000万円以下について、長期譲渡所得の税率(20.315%)よりもさらに低い税率(14.21%)が適用される特例です。

この特例を利用するには、以下のような適用条件を満たす必要があります。

  • 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている
  • 3年以内にこの特例を受けていないこと
  • 親子間や夫婦間売買ではないこと

出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

特定の居住用財産の買換え特例

2025年12月31日までにマイホームを売って新居を購入した場合、一定の要件を満たすことで「特定の居住用財産の買換え特例」を利用できます。この特例を利用することで、譲渡所得に対する課税を将来に繰り延べることができます。

ただし、「税金がゼロ円になる」というわけではなく、あくまでも課税のタイミングが先に延びるだけの為、注意しましょう。

この特例を利用するには、以下のような適用条件を満たす必要があります。

  • マイホームを売却した年の前年から翌年までの3年間にマイホームを買い換えること
  • 3,000万円特別控除を利用していないこと
  • 売買代金が1億円以下であること

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

居住用財産の買い替えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

2025年12月31日までにマイホームを売って新居を購入し、売却で譲渡損失が発生した場合に利用できる特例です。この特例を利用すると、その年の給与所得など他の所得と損益通算できます。また、その年で控除しきれなかった場合は翌年以降3年間繰り越しできます。

この特例を利用するには、譲渡資産(旧居宅)の要件と買換資産(新居宅)の要件をそれぞれ満たさなければなりません。具体的な要件には以下のようなものがあります。

  • (譲渡資産の要件例)売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えている
  • (買換資産の要件例)新居を購入した年の12月31日時点で借入期間が10年以上の住宅ローンがある
  • 親子や夫婦間売買ではないこと

出典:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

出典:国税庁「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受ける場合の確定申告書等の書き方(措法41の5)」

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続や遺贈によって取得した土地や建物を一定期間内に売却した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡所得の取得費として加算できる特例です。

この特例を利用するには、売却する不動産を取得した方に相続税が課税されていることが前提となります。また、売却するタイミングにも条件があり、相続が発生した日の翌日から相続税の申告期限(相続税発生から10ヵ月)の翌日以後3年を経過する日までに譲渡する必要があります。

この特例や相続税については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

相続した不動産の売却にかかる税金は?税金の種類から税金負担を減らす方法まで徹底解説

出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

引き渡し期日を守る

マンションの売買契約後は、すみやかに引っ越し準備を進めましょう。引き渡し日にマンションの引き渡しができないと、契約不適合責任を問われることになります。

仮に引き渡し日が遅延することで買主様に損害が発生した場合、損害賠償請求される恐れがあり、場合によっては契約解除を求められるケースもあります。

管理組合へ報告する

マンションの引き渡し後はすみやかに管理組合(管理会社)に区分所有者変更届を提出しましょう。管理組合への報告を怠ると、引き渡し後も管理費や修繕積立金が引き落とされてしまいます。

マンション売却でよくある7つの失敗例

ここからは、多くの売主様が経験しがちな7つの失敗例と、それを避ける為の対策をご紹介します。

1社にしか査定を依頼しなかった

マンションの査定を1社にしか依頼しなかった結果、提示された査定価格が本当に適正なのか判断できず、納得のいかない取引になってしまうケースがあります。

不動産会社にはそれぞれに得意なエリアや物件種別があり、査定価格には数十万円、ときには数百万円もの差が出ます。もし1社の査定価格を鵜呑みにした場合、本来もっと高く売れたはずのマンションを安く手放してしまうかもしれません。

この失敗を避ける為には、複数の不動産会社へ査定を依頼することが有効です。複数の査定結果を比較検討することでマンションの適正な相場を把握でき、より良い条件で売却できる可能性が高まります。

よく考えずに不動産会社を決めてしまった

不動産会社の実績や評判をよく調べず安易に決めてしまうと、売却が長期化する恐れがあります。「最初に相談したから」「大手だから安心だろう」などの理由だけで選んだ会社が実はマンション売却に慣れておらず、うまく売れなかった、ということも考えられます。

不動産会社を選ぶ際は、マンションの売却実績が豊富かどうかを確認しましょう。そのうえで、インターネットの口コミや評判をチェックし、実際に利用した方の感想を参考にするのがお勧めです。

また、担当者との相性も重要で、売却活動への熱意が感じられなかったり、質問への回答が曖昧だったりすると、満足のいく売却はできないでしょう。「こちらの疑問に丁寧に答えてくれるか」「専門知識に基づいた的確なアドバイスをくれるか」などの点をしっかり確認し、安心して任せられる不動産会社を選びましょう。

相場よりも極端に高い価格で売り出した

少しでも高く売りたいという気持ちが強すぎて、高すぎる価格で売り出し、購入希望者が見つからないという失敗例もあります。

「住宅ローンの残債が多い」「新居の費用負担を軽くしたい」など、高く売りたい事情はあっても、相場からかけ離れた価格では購入希望者の検討リストにすら入らないこともあります。売れないまま時間が過ぎていくと物件の印象が悪くなり、結局は相場以下の価格まで値下げせざるを得なくなるかもしれません。

売り出し価格を設定する際は、不動産会社の査定価格や周辺の取引事例を参考に、適正な相場を把握しましょう。そのうえで、価格交渉されることを見越して相場より少しだけ(1割以内が目安)高めに設定するのがお勧めです。

値下げをしすぎてしまった

なかなか売れない焦りから値下げを繰り返し、最終的に手元にほとんど利益が残らず後悔するケースもあります。

マンションが売れない原因は価格だけとは限りませんが、住み替えの予定が迫っているなど売却を急ぐ事情があると、手っ取り早い手段として値下げを選んでしまう傾向にあります。しかし、一度値下げすると、購入希望者から「もっと下がるのでは?」と様子見をされ、さらなる値下げを招くという悪循環に陥ることがあるのです。

焦って値下げしない為には、余裕を持った売却スケジュールを組むことが大切です。そして、事前に諸費用などをシミュレーションしたうえで、「ここまでなら下げられる」という売却価格の最低ラインを明確に決めておきましょう。そのラインを下回る交渉には応じないと決めておけば、安易な値下げを防ぐことができます。

囲い込みを受けてしまった

不動産会社による囲い込みが原因で売却の機会を逃してしまう失敗例もあります。囲い込みとは、売主様・買主様の両方から仲介手数料を得る両手取引を狙いたいが為に、不動産会社が意図的に他の不動産会社へ物件情報を共有しない行為です。

囲い込みが行われると、自社で見つけた買主様とだけ取引させようとする為、他の会社が紹介してくれるはずだった多くの購入希望者を逃してしまい、売却の長期化につながります。

対策としては、不動産会社選びを慎重に行うことが最も重要です。
口コミや評判を調べ、過去に囲い込みなどのトラブルがなかったかを確認しましょう。また、媒介契約を結んだ後は売却活動の状況についてこまめに報告を求め、「レインズ(不動産業者間の物件情報システム)に登録されているか」「どのような広告活動をしているか」などを定期的にチェックしてください。

不動産会社選びのポイントについては、後述する「マンション売却で失敗しない為の不動産会社選びのポイント」で詳しく解説しています。

売却価格が住宅ローンの残債額を下回ってしまった

売却で得たお金だけで住宅ローンを完済できず、自己資金で不足分を補うことになってしまう失敗例です。

マンションを売却する為には、住宅ローンの残りを全て返済し、金融機関が設定した抵当権を抹消する必要があります。もし売却価格がローンの残債を下回ってしまった場合、その差額は貯金などから一括で支払わなければなりません。手持ちの資金で足りなければ、家族に借りるか、別のローンを組むといった対応が必要になるケースもあります。

このような事態を避ける為にも、売却をはじめる前に住宅ローンの残債額を正確に把握しておくことが必要です。

契約不適合責任を問われてしまった

引き渡し後に物件の不具合が見つかり、買主様から損害賠償などを請求されるトラブルもよくある事例です。

売主様は、契約書に記載された内容と異なる不具合(雨漏りや給排水管の故障など)があった場合、契約不適合責任を負うことになり、損害賠償の請求や契約解除を求められる恐れがあります。

契約不適合責任のリスクを避ける為には、売買契約を結ぶ前に契約不適合責任の範囲や責任を負う期間を明確にしておくことが有効です。さらに、把握している物件の不具合や欠陥はどんなに小さなことでも正直に不動産会社に伝え、売買契約書にしっかり記載してもらいましょう。事前に全て告知し、買主様の合意を得ておけば、後々のトラブルを防ぐことができます。

マンション売却の失敗例と対策については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却の失敗事例20選と対策を解説!後悔しない為にできることは?

マンション売却で失敗しない為の不動産会社選びのポイント

ここまでご紹介した注意点や失敗例からも分かるように、マンション売却を成功に導くコツは、信頼できる不動産会社を選ぶことです。ここからは、不動産会社を見極める5つのポイントをご紹介します。

豊富なマンション売却実績がある

特定のマンションを指定して購入を検討されている買主様は多くいらっしゃいます。不動産会社ではこうした買主様の希望情報を管理している為、ご所有のマンションの売却実績が豊富な不動産会社を選ぶようにしましょう。

また、設計・施工・管理など、マンション全般にわたるノウハウが豊富な会社を選ぶのもお勧めです。

サポートや保証が充実している

サポートや保証が充実しているかどうかも、不動産会社を選ぶ際に重視したいポイントです。特に、買主様に対して建物保証や設備保証を行っている会社であれば、売主様も安心して売却できます。

長谷工の仲介では、仲介バリューアップサポートとして、水回りのクリーニングやプロのカメラマンによる撮影などのサポートをご用意しています。また、売主様も買主様もご安心していただける長期間の建物保証もあり、お引き渡し後のサポートも充実しています。

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多彩なメディア戦略を持っている

最近は、360°VR内覧など、自宅で物件を確認できるサービスを提供している会社も増えています。ポータルサイトへの広告物件掲載のほか、自社のWEBサイトや関連サービスとの連携など、多様な販売チャネルを持っている会社を選びましょう。

アピールポイントや販売戦略を熟知している

グループ会社でマンションの分譲や施工も手がけている不動産会社を選ぶのも一つの方法です。新築マンションの販売や施工など、幅広くサービスを展開している為、販売戦略はもちろん、買主様へのアピールポイントを的確に伝えることができます。

多くの不動産会社とのつながりを持っている

会社間のネットワークによる買主様の紹介なども見逃せないポイントです。長谷工グループは、地場の不動産会社をはじめ、デベロッパー、大手販売会社、金融機関などと様々なネットワークを形成しています。

マンション売却でよくある質問

最後に、マンション売却に関するよくある質問をご紹介します。

築年数は売却価格に影響する?

マンションの築年数は売却価格に影響します。
もちろん、マンションの売却価格は築年数だけでなく、立地や広さ、間取り、室内の状態など、様々な要因が影響するものですが、特に建物は築年数とともにその資産価値が減少する為、年数を重ねるごとに価格は下落する傾向にあります。

なお、マンションの耐用年数は47年ですが、築50年のマンションの資産価値がゼロになるということではありません。築古マンションであっても築古物件ならではのポイントを押さえれば売却は可能です。

マンションの築年数と売却価格の関係や築古物件を売却する際のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却相場に築年数は影響する?売り時や高く売るコツも解説

築30年のマンションは何年住める?売却のコツや売れない理由と対処法を解説

築50年のマンションでも売却できる?旧耐震物件の資産価値や特徴、買主様のメリットを解説

離婚のときはどうすれば良い?

離婚後のマンションの利用方法としては、売却する・どちらかが住み続ける・賃貸として貸し出す、の3つの方法があります。しかし住宅ローンを借り入れている場合は夫または妻が連帯保証人になっていることが多く、マンションを保有し続けていると相手側のローン返済の債務を自分も負うことになります。

その為、離婚時には基本的にマンションは売却し、住宅ローンを完済するようにしましょう。住宅ローンを完済すれば連帯保証人から外れることができ、返済する義務がなくなる為安心です。
また、仮に一方の名義で購入したマンションだとしても、離婚時には財産分与する必要があります。マンションを売却して現金化すれば、財産分与もスムーズにできます。

離婚時のマンション売却や財産分与については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

離婚時にマンションを売却すべき?財産分与やローンがある場合の注意点を解説

熟年離婚の財産分与でマンションはどう分ける?具体的な分割方法を解説

相続のときはどうすれば良い?

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。不動産を売り出す前には必ず相続登記を完了しておきましょう。相続が発生した時点で相続人同士で、遺産分割について協議し、なるべく早めに相続登記をするようにしてください。

なお、相続税は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告・納付する必要があり、期限までに税金を納付しないと延滞税がかかります。

相続の手続きや売却する手順については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション相続の手続きとは?流れや相続税の計算、利用できる控除を解説

親が亡くなったら何をする?手続きや家の相続についても解説

実家を売却する手順は?かかる税金や後悔しない為のポイントを解説

参考:法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)」

転勤のときはどうすれば良い?

長期間の転勤ですぐには自分の家に戻れない、将来的に住み替えを検討している、といった場合は、売却を検討しましょう。売却して住宅ローンを完済できれば、月々の負担を軽減できます。

しかし、転勤のタイミングによっては売却の時間が十分に確保できないケースも考えられます。その場合は買取による売却も視野に入れて検討しましょう。

転勤の場合は、売却のほか、賃貸として貸し出すという選択肢もあります。しかし、賃貸物件として金融機関に無断で貸し出すと、ローン契約(金銭消費貸借契約)違反となり、住宅ローンの一括返済を求められることもあり注意が必要です。まずは金融機関へ相談し、住宅ローンをフリーローンなどへ切り替えることなどを検討しましょう。

転勤時のマンション売却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

転勤時にマンションは売却する?賃貸?売却のタイミングやコツを解説

まとめ

マンションを売却したいと考えたときは、まず全体の流れを把握することが重要です。また、マンション売却にかかる費用を把握しておくことで資金計画が立てやすくなります。

さらに、売却方法も複数の選択肢を持っておくと安心です。状況に応じ、仲介での売却だけでなく買取による売却も視野に入れましょう。仲介と買取の両方を視野に入れる場合は、買取保証(売却保証)がある不動産会社を選択することで、万が一仲介で売れなかった場合でもスムーズに売却を進められます。

マンション売却には、1社だけの査定で相場を見誤ったり、高すぎる価格設定が原因で売れ残ったりと、多くの失敗例が存在します。これらの失敗を避ける為には、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。査定価格の高さだけで判断するのではなく、マンション売却の実績が豊富か、担当者が親身に対応してくれるかなどを総合的に見極めましょう。

※本記事の内容は2025年12月10日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

杉山明熙
元不動産営業のWEBライター。
不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。
個人ブログにて不動産営業への転職のお手伝い、不動産営業のノウハウ、不動産投資のハウツーなどを発信。
不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランナー保有。
写真:杉山明熙

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