2022.11.28マンション売却に築年数は影響する?築年数別に売却のポイントを解説

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マンション売却をする場合、築年数によっては売却できないのではと心配する方もいるかもしれません。
ここではマンションの築年数ごとの売却するポイントや注意点を紹介します。合わせて旧耐震基準と新耐震基準の違いや、住宅ローン控除の要件などについても解説しますので、マンションを売却する際にはぜひ参考にしてください。

マンション売却と築年数の関係性

マンションの査定価格は土地と建物(マンション)の価値によって算出します。築年数も一つの要素ではありますが、全てではありません。マンションの立地や条件、築年数などの多くの要素からマンションの売却価格は決まります。

査定にも影響する?

マンションの価値は築年数だけで判断される訳ではなく、多くの要素を総合的に見て査定します。
マンション査定のうえで考慮される代表的な要素は以下の通りです。また要素だけでなく流通性や市場価値なども加味します。

  • 駅や商業施設までの距離・最寄り駅の利便性
  • 学校や公園までの距離
  • マンションの築年数や耐震性能
  • マンションの専有面積や間取り
  • マンションの階数や向き、陽当たり
  • 内装や設備の新しさ、リフォーム状況
  • 管理会社の実績や管理体制
  • 駐車場や駐輪場の有無、空き状況
  • 大規模修繕工事の有無や今後の修繕スケジュール
  • 管理費・修繕積立金の集金や積立状況

マンション売却の査定についてはこちらの記事をご覧ください。

マンション売却査定の不安を解消!査定の流れや査定でみられるポイントを徹底解説

建物も法定耐用年数が定められている

国により、マンションの(鉄骨鉄筋コンクリー ト造・鉄筋コンクリ ート造)の耐用年数は47年と定められています。
しかしこれは税金の計算上定められた期間であり、マンションの建物としての寿命ではありません。例えば、木造の住宅であれば22年、木造であっても事務所用であれば24年などと決められています。

金融機関によって条件は異なるものの、この法定年数が住宅ローン借入年数に影響する場合があります。
例えば、築25年のマンションの場合は以下の通りです。

47年(法定年数)-25年(築年数)=22年(住宅ローン借入可能年数)

住宅ローンの借入れが難しい場合、マンションの需要が低下することもあり、売却価格にも影響する可能性がありますが、買主様側で判断するのは難しい為、不動産会社に相談するのがお勧めです。
長谷工の仲介では、売主様の様々なお悩みに寄り添った「売却何でも相談」を行っておりますので、ぜひご利用ください。

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中古マンションの成約状況

中古マンションの成約状況を築年数ごとに見ると、どのようなことが分かるでしょうか。公益財団法人東日本不動産流通機構によるデータ(首都圏)を参考に解説します。

成約物件の築年数別の比率

年度 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31年~
2020年(%) 9.6 14.1 16.3 14.1 11.2 7.2 27.5
2021年(%) 9.6 14.2 14.2 13.3 11.0 8.1 29.7

築年数が古いと売却が難しいと思われるかもしれませんが、公益財団法人東日本不動産流通機構のデータによると、2021年の中古マンションの成約件数のうち全体の29.7%が築31年超のマンションであることが分かります。

また近年では、なるべくマンションの購入価格は抑えて、リノベーションをすることにより、ご自身にあった間取りや内装工事をしたいと考える購入者が増加している傾向があります。その為、築年数が古いマンションであっても問題なく成約に至っていると考えられます。

マンション売却の時期と所有者のライフスタイルが変化する時期は重なることが多く、マンションの売却理由は住み替えや転勤、代替わりなどが考えられます。
マンション売却に適した時期についてはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

築年数ごとの売却価格

築年数 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31年~
価格(万円) 6,136 5,538 4,886 4,685 3,746 2,275 2,040
平米単価(万円/平米) 94.63 82.83 69.41 64.35 54.10 37.15 35.61
単価下落率 0.0% ▲12.5% ▲26.7% ▲32.0% ▲42.8% ▲60.7% ▲62.4%

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021)」

上記の表からもわかる通り、一般的には築年数の経過とともに建物の評価が下がり、それにともなって成約価格も下落しています。全体的には築10年前後で1〜2割減となり、築25年程度で5割減となっています。

【築0~10年】のマンションを売却する際のポイントや注意点

築10年までのマンションを売却する場合のポイントや注意点を紹介します。

新築に近い状態で売却しやすい

新築10年以内のマンションは内装や設備が新しい為、買主様のリフォーム費用が少なく済みます。また建物の資産価値が高い為、購入時の金額からそれほど値下がりすることなく売却できます。

また類似物件が少なく希少性がある場合はほとんど値下がりしない可能性や、マンション分譲時に購入に至らなかった方が購入したいと検討するケースもあります。

オーバーローンになる可能性がある

マンションを購入してから10年以内に売却する場合、住宅ローンの残債よりもマンションの資産価値の減少幅のほうが大きい為、オーバーローンになる可能性があります。

オーバーローンとは住宅ローンの残債額が、マンションの売却価格よりも大きい状態を指し、足りない分は自己資金、または住み替えローンなどで充当する必要があります。
マンション購入時には想定していなかった事情により、売却時期が想定よりも早まる場合があります。マンションを購入する際にはなるべく自己資金を準備し、余裕を持った資金計画を立てることをお勧めします。

築5年未満の物件は市場に少ない

前述の通り2021年の築5年未満のマンションの成約事例は全体の10%程度です。
流通量が少なく希少性がある為、条件さえ合えばスムーズに売却できるケースが多いのが特徴です。

築5年未満は売却時の税率が異なる

マンションを売却した場合、売却益に対して所有期間に応じた譲渡所得税や住民税が課税されます。譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得となり、5年未満は短期譲渡所得になります。

売却時の所有期間が5年超の場合は税率が低くなりますので、5年超での売却をお勧めしますが、そもそも売却益が発生しない場合は譲渡所得税や住民税は課税されません。
また自宅マンションの売却であれば売却益から3,000万円を控除することができます。

長期譲渡所得税:譲渡所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税2.1%(譲渡所得に対して課税)=20.315%
短期譲渡所得税:譲渡所得税30% + 住民税9% + 復興特別所得税2.1%(譲渡所得に対して課税)=39.63%

※2013年から2037年までは復興特別所得税が基準所得税額に対して2.1%かかります。

参考:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

参考:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」

マンションの売却にかかる税金については以下をご参考にしてください。

マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説

【築11~20年】のマンションを売却する際のポイントや注意点

築11から20年のマンションを売却する場合のポイントや注意点は以下の通りです。

一定の需要がある

2021年の築11年から20年の成約件数は全体の約27%です。マンションの状態と価格帯のバランスが良く、一定の需要が見込めます。

一方で競合する物件も比較的多いことから、価格を比較されることが予想され、的確な価格帯で売りに出す必要があるでしょう。
マンション売却時の注意点についてはこちらの記事をご覧ください。

マンション売却で失敗したくない!よくある17の失敗例と後悔しない為の対策

自己資金を使用せずに売却できる可能性がある

購入時から住宅ローンを11年以上返済しており、マンション売却価格より残債のほうが少ない可能性があります。(いわゆるアンダーローンの状態です)その場合、残債分を自己資金で充当せずに売却ができる可能性が高いでしょう。

またマンションを売却した年の1月1日に所有期間が10年を超えている場合、居住用財産であることが条件ですが、長期譲渡所得の税額について軽減税率が適用となります。また前述の3,000万円控除と併用できますので売却時の負担を減らすことも可能です。

大規模修繕を実施する傾向にある

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドライン(令和3年9月改訂)では、一般的に12年から15年程度で大規模修繕が行われるケースが多いとしています。

大規模修繕工事によって共有部分の設備が修繕されたり、外観が綺麗になる為、買主様の印象も良くなります。大規模修繕の完了をアピールポイントとして売却するのも一つの手です。

【築21~30年】のマンションを売却する際のポイントや注意点

築21から30年のマンションを売却する場合のポイントや注意点は以下の通りです。

建物価値が下落する可能性がある

前述の通り、築年数ごとの売却価格の下落率を見ると、マンションの売却価格は築21年から30年頃には約半額程度に減少することが分かります。

同じ築年数のマンションも比較的多く市場に出回っていることが想定できる為、売却価格については比較される同等クラスのマンションを参考にし、的確な価格で売り出すことをお勧めします。

新耐震基準のマンションとして売却できる

1981年6月1日以降に建築確認を受けたマンションは、新耐震基準のマンションと評価されます。震度6から7程度の大規模地震でも倒壊しない構造が条件となっており、マンション購入者にとって安心材料となります。

同程度の築年数のマンションであっても、新耐震基準であることは売却価格にも反映され、旧耐震基準と比べると比較的安定した金額での売却も期待できるでしょう。

【築31年以上】のマンションを売却する際のポイントや注意点

築31から40年のマンションを売却する場合のポイントや注意点は以下の通りです。

耐震性能について調べる

旧耐震基準のマンションであっても、耐震性に問題ないことが証明できれば買主様にとって安心材料になります。
売却が決まったら耐震性能について調べておくと良いでしょう。専門家に依頼することで、耐震基準適合証明書をもらうこともできます。

住宅ローン控除の条件を満たせない場合がある

以前は住宅ローン控除を受ける為には非耐火住宅(木造住宅など)であれば築20年以内、耐火住宅(マンションなど)であれば築25年以内が要件でした。
しかし2022年の税制改正により、昭和57年1月以降に建築された住宅であっても、耐震基準適合証明書を取得し耐震基準を満たしていることが証明できれば、住宅ローン控除を受けることができるようになりました。

また、住宅ローン控除以外にも登録免許税や不動産取得税が減額されるメリットがあります。可能であれば所有権移転前にマンションの耐震性能について調べておくと良いでしょう。

物件構造によって耐用年数が異なる

国が定めた基準によると、マンション(鉄骨鉄筋コンクリー ト造・鉄筋コンクリ ート造)の耐用年数は47年としています。一般的な木造住宅の耐用年数は22年ですが、マンションの構造は堅固なことから、築31年超であっても十分耐用年数内であるといえます。

構造上問題がなくても、内覧時に買主様に良い印象を持ってもらうことが重要です。古臭い印象を払拭する為に、例えば内覧前にハウスクリーニングを実施したり、室内を整理整頓しておくと効果的です。
長谷工の仲介ではハウスクリーニングなど物件の印象をアップさせる為の様々なサービスを展開していますので併せてご覧ください。

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マンション価値の下落が緩やかになる傾向がある

築年数ごとの単価下落率を見ると、築16から20年が32.0%、築21から25年が42.8%であるのに対し、築26から30年は60.7%、築31年超は62.4%です。

築25年までは価格の下落率が年数によって大きく異なりますが、築26年以降は大きく変わらず、下落率がゆるやかになることが分かります。

サービスが整っている不動産会社に相談して売却を進める

ここまでマンション売却について解説してきました。しかしマンション売却に関して不安を感じており、誰かに相談しながら進めたいという方も多いと思います。

マンション売却をスムーズに進める為には、無料査定や税金相談などサービスが整った不動産会社に相談することをお勧めします。マンション売却をするうえでの不動産会社選びのポイントについてはこちらをご覧ください。

マンション売却業者の選び方は?種類や確認すべきポイントを解説

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まとめ

マンション売却を検討する場合、まず適正な査定価格を知ることが重要です。その価格によって売却の進め方が変わってくる可能性がありますし、支払う税金も変わってきます。
長谷工の仲介では売主様のマンション売却をサポートする様々なサービスを展開しています。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事の内容は2022年11月28日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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