マンション売却では、市場価格・相場を知ることから始まりますが、最初に行うのが査定です。
では、マンション売却の査定はどのように依頼し、どの部分が見られているのでしょうか?
この記事では、マンション売却の査定について解説します。
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マンション売却査定の流れ
マンション売却査定の流れについて解説します。
机上査定を受ける
机上査定は、まだ売却が本格的に決まっていない段階で大体の相場価格を知りたい方へお勧めです。
机上査定とは不動産会社の営業担当者が物件を見ずに行う査定で、市場・相場を確認するという検討段階で利用するのが適切です。
机上査定では、物件の中まで見る訪問査定に比べれば正確性に劣るものの、周辺の取引事例や住宅地図、謄本などを用いてスピーディに算出します。また、エリアに精通した営業担当者が査定を行う為、AI査定等と比べると精度は高いです。
訪問査定を受ける
本格的に売却を検討することになったら、訪問査定がお勧めです。
訪問査定は、不動産会社の営業担当者が実際に物件を見て査定を行う為、机上査定よりも精度は高いです。
現地を見ることで、管理の状況や損傷の程度、日当たり、風通し、眺望やリフォーム履歴などを踏まえた査定を受けることができます。
売り出し価格は適正額で設定する必要があり、売却するにあたっては精度の高い訪問査定を受けることが重要です。
マンション売却査定時にご準備いただいた方が良い書類
査定時には、以下の2つと本人確認書類、ローン残高が分かる書類が必要です。
書類名 | 目的 |
---|---|
登記済証(権利証)または登記識別情報通知書 | 不動産会社が真の所有者の確認する為に必要 |
分譲時のパンフレット | チラシや広告用の間取り図作成の為に必要 |
その他、リフォームしている場合はリフォーム内容がわかる資料も必要です。 また、「建物状況調査書」のような専門家が建物を評価した資料があれば、用意しておきましょう。
マンション売却に必要な書類についてはこちらの記事をご覧ください。
マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説
マンション売却査定でみられる10のポイント
マンション売却査定で見られるポイントについて解説します。
立地条件
主に最寄り駅の利便性や、駅からの距離、スーパーなどの生活利便施設、小中学校、病院までの距離などが見られます。駅については、他路線に乗り換えが可能な駅か、または各駅停車しか停まらない駅かなどの条件が見られます。
階数・位置・方角等
たとえ同じマンションであったとしても、階数、日照、眺望、位置、採光、方位等の様々な条件によって価格が決まります。
間取り・広さ
間取りは収納スペースの多さ、リビングの広さや部屋数等、使い勝手を見られます。
広さに関しては、広ければ広い程良いというわけではなく、家族構成等の買い手のニーズと合っているかが重要です。
築年数・耐震性
中古マンションの査定において築年数は、建物の状態や立地条件と異なり、誰でも確認できる客観的なデータになるので重要な情報となります。
耐震性に関しては、建築確認日が1981年5月31日以前のマンションを「旧耐震基準」といい、1981年6月1日以降のマンションは「新耐震基準」に分類されます。
「旧耐震基準」のマンションは、マンション全体で耐震補強などをしているか否かで評価が変わります。
マンション売却の築年数ついてはこちらの記事をご覧ください。
マンション売却に築年数は影響する?築年数別に売却のポイントを解説
内装・設備
内装は仕様・グレードや汚れや劣化状況が、設備は機能性やメンテナンス状況が評価に影響します。
管理状況・セキュリティ
専有部は適切に管理され、綺麗に使われていることが望まれます。劣化したまま放置しているか、修繕されているかで評価に差がつきます。
共用部は、オートロックかどうか、管理人が常駐していて清掃が行き届いているかどうか等が重視されます。
また、大規模修繕後で共用部がリニューアルされていると、売却しやすい傾向にあります。
駐車場
駐車場は、平面や自走式、機械式などがあり、それぞれのメリットや特徴、マンションの立地条件によって評価が変わってきます。
例えば、自走式の場合はスムーズに出し入れがしやすく、車種制限も緩い為、評価が高くなる傾向にあります。
また、車が必要な地域などでは駐車場の有無は評価の対象となりやすく、駐車場の空き状況や台数の確認なども確認されます。
加えて、駐車場の契約方式によっても評価が変わってきます。
駐車場の利用権が専用部の所有権に含まれる分譲方式の場合は、マンションを売却すると次の所有者に権利が引き継がれます。しかし、賃貸方式の場合は、マンションを売却すると駐車場の利用権は管理組合へ返還されます。
管理会社・施工会社
マンションの管理会社・施工会社も見られるポイントの一つです。
過去の施工・管理実績が豊富な会社は信頼度も高い為、評価につながります。しかし、施工不良問題が過去にあるかといった点も評価に影響する場合もあります。
管理費・修繕費用
しっかりした管理会社による長期修繕計画の有無が査定に影響する可能性があります。
マンション売却査定の算出方法
マンション売却査定の算出方法について解説します。
取引事例比較法
取引事例比較法は、類似物件の取引事例に着目して価格を出す手法です。一般的にマンションや土地の査定では、取引事例比較法が算出方法として多く用いられます。
収益還元法
収益還元法は、物件が生み出す収益に着目して価格を出す手法です。
主に、賃貸マンションやアパートなどの投資物件の価格査定に用いられます。
直接還元法
直接還元法は不動産の収益価格を求める1つの方法で、不動産から得ることができる一定期間(通常1年間)の純利益(収入から経費を減じた額)を一定の還元利回りで除して算出する方法です。
マンション売却査定の注意点
マンション売却査定の注意点について解説します。
査定は複数社に依頼するかどうか
マンションの査定は基本的に複数社依頼しましょう。
不動産会社が提示する査定価格は売却予想価格であり、その価格で確実に売れることを保証する価格ではありません。
あくまでも予想に過ぎないことから、査定価格は会社によって異なるのが通常です。
その為、理想の価格で売却できそうな会社を探すという意味でも、複数の不動産会社に依頼することが大切です。査定だけで費用を請求されることは基本的にありません。
ただし、査定価格に幅があることで実態とかけ離れてしまう恐れもある為、周辺エリアの相場費用をあらかじめ調べておくと安心です。
マンション売却業者の選び方についてはこちらの記事をご覧ください。
マンション売却業者の選び方は?売却の手段や確認すべきポイントを解説
査定結果の根拠を確認する
査定価格は売却を保証する価格ではないことから、不動産会社によっては単に媒介契約を取りたいが為に、意図的に高い査定価格を提示してくる会社もありますので、査定結果は、必ず根拠を確認するようにしましょう。
マンションの場合、例えば「同じマンションの○○号室が3ヵ月前にいくらで売れた」などの情報が適切な根拠になります。 逆に、「今は売りどきなので、これくらいで売りましょう」といった説明であれば、根拠は曖昧といえます。
類似物件の相場を調べておく
査定結果の説明を受ける際は、事前に相場を調べておくことが適切です。
その際は同じ最寄り駅で、駅からの距離も近く、築年数や広さ、バルコニーの向きが類似した物件との「単価」を比較するのがベストです。単価は価格を専有面積で割って求めることができます。
また、同じマンション内で物件が売りに出ていたら、その売り出し金額を参考にするのも良いでしょう。不動産ポータルサイトなどで、同じマンションで物件が売りに出されていないか確認してみましょう。
相場の調べ方はこちらの記事で紹介していますので併せてご覧ください。
マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて
瑕疵がある箇所は申告する
瑕疵(かし)とは、キズ、不具合のことです。
物件に瑕疵がある場合には、隠さず不動産会社に申告しましょう。
売主様は、売却時に契約不適合責任という責任を負います。契約不適合責任とは、契約内容とは異なるものを売った場合、売却後に買主様から修繕または契約解除、損害賠償などを追及される責任のことです。その為、瑕疵を含めて物件の条件としなければなりません。
マンション売却査定に関するよくある質問
査定に関するよくある質問について解説します。
査定後はどうすればいい?
査定後は、査定結果を受けて不動産会社と媒介契約(仲介の契約のこと)を締結します。
不動産会社と媒介契約を締結すると、一般的にはすぐに売却活動が始まりますので、広告用に写真を撮れる状態にしておきましょう。
ただし、査定結果は会社によって差異がある為、通常は複数の不動産会社に査定を依頼し、自分が納得できる不動産会社を選ぶことが一般的となっています。
具体的なマンション売却の流れはこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
マンション売却の流れを詳しく解説-必要な手続きやポイントについても紹介
マンション売却の媒介契約ついてはこちらの記事をご覧ください。
訪問査定時に部屋のクリーニングは必要?
訪問査定時、わざわざ業者にハウスクリーニングを依頼する必要はありません。
ただし、購入希望者に家の中を見せる際は、事前に簡易的な掃除やクリーニングを済ませておくと購入希望者の印象も良いでしょう。
また、売却価格のアップや売れやすくする為にリフォームすべきかどうか迷っている場合には、まず不動産会社に見てもらったうえで要否を判断することをお勧めします。
マンション売却のリフォームに関してはこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説
住宅ローンが残っている状態でも査定はできる?
住宅ローンが残っている状態でも、査定や売却は可能です。
ただし住宅ローンが残っている場合は、売却額で返済できるかどうかを知る為にも、残債額を事前に把握することが必要です。
マンション売却時のローンについてはこちらの記事をご覧ください。
ローン残債があってもマンション売却できる?ケース別に対処方法を解説
まとめ
ここまで、マンション売却の査定について解説してきました。
マンション売却を行う場合、精度の高い訪問査定は必須です。また、査定でみられるポイントのなかには事前に確認や対策ができるものもある為、記事を参考に確認してみてください。
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※本記事の内容は2022年9月2日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。