2024.01.26媒介とは?不動産取引における仲介との違いや媒介契約の種類について解説

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不動産会社が売主様と買主様の間に入って、不動産売買契約の間を取り持つことを一般的には「仲介」といいますが、不動産会社へ売却を依頼するときに契約するのは「媒介契約」です。

この記事では媒介と仲介の違いと、媒介契約の種類について解説します。また媒介の選び方や媒介契約後に不動産会社が行ってくれるサポート内容についても紹介しますので、不動産の売却や購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

不動産取引における媒介とは?

不動産会社に不動産の売却を依頼するときは、媒介契約を締結する必要があり、宅地建物取引業法によって定められています。
媒介契約には3つの種類があり、依頼者は希望により媒介契約のタイプを選ぶことができます。

媒介の種類とそれぞれの特徴については、別の章で紹介します。

媒介と仲介の違い

媒介と仲介にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いを説明していきます。

仲介の意味

仲介とは、一般的に第三者が両者の間に入って話をまとめたり、問題を解決したりすることをいいます。したがって、不動産取引以外の場面や業界でも使われる言葉です。仲介に似た言葉で斡旋や紹介がありますが、この3つのなかでは仲介が最も責任が重く、両社に対して平等なスタンスであることを表現しています。

不動産用語における仲介

不動産用語の仲介と媒介は、基本的に同じ意味で使われます。媒介契約など法律用語として用いられるときは媒介で、慣例的に同じ意味で使われているのが仲介です。
不動産の売却を依頼するときは、仲介を行っている不動産会社へ依頼する必要があります。不動産会社のなかには、管理会社や賃貸のみを扱う会社もありますので、確認したうえで依頼するようにしましょう。

不動産取引の媒介契約は3種類

媒介契約には3種類あり、依頼者側で選択ができます。なお、不動産会社へ支払う仲介手数料の上限額は同じです。それぞれの特徴は以下の通りです。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 3ヵ月以内
(法律上の規制なし。標準媒介契約約款による)
3ヵ月以内
(宅建業法による定めあり)
3ヵ月以内
(宅建業法による定めあり)
複数の会社と契約できるか 可能
(1社のみに依頼することも可能)
不可
(1社のみに限定される)
不可
(1社のみに限定される)
依頼主への活動報告義務 報告義務なし
(報告を依頼することは可能)
2週間に1回以上の活動報告簿義務あり(文書もしくはメール) 1週間に1回以上の活動報告簿義務あり(文書もしくはメール)
自分で買主様を発見し取引できるか 可能 可能 不可
レインズの登録義務 任意
(登録の義務はなし。ただし登録を依頼することは可能)
媒介契約を締結した翌日から7日以内に登録する義務あり
※休業日を除く
媒介契約を締結した翌日から5日以内に登録する義務あり
※休業日を除く

媒介契約の基礎知識については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

一般媒介契約

一般媒介契約には明示型と非明示型があり、一般的に使われている一般媒介契約書は明示型の為、依頼する予定の不動産会社を明示する必要があります。もし他社について伏せておきたいときは、非明示型を希望してその旨を特記するようにします。

一般媒介契約は、複数社と契約できるのがメリットです。例えば全国展開しているような大手不動産会社と地域密着型の地元の不動産会社の両方へ依頼したいようなときにお勧めです。またレインズに登録する義務がない為、売却していることを公にしたくない方にも向いています。

一般媒介契約を選んで複数社に依頼する場合は、それぞれの担当者とやり取りを行います。例えば内覧が重複しないように自分でスケジュール管理をする必要があり、価格変更や成約した際は、依頼している不動産会社全てに連絡しなければなりません。その為、忙しい方にとっては負担に感じるかもしれません。

また前述した通り、一般媒介契約は活動報告や、レインズ(不動産の取引情報や物件情報を公開しているネットワーク)への登録義務がありません。だからといって不動産会社が何もしないということはありませんが、物足りないと感じたときや進捗を把握したいときは活動報告してもらうように依頼しましょう。

一般媒介契約については、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

一般媒介契約とは?契約のメリットや注意点を解説

専任媒介契約

専任媒介契約は、依頼先が1社に限定されるのが特徴です。また後述する専属専任媒介契約と異なり、自己発見取引による個人間売買ができます。自己発見取引とは、例えば知人や友人へ売却することになった場合、不動産会社を介さずに取引することです。

不動産会社から2週間に1回以上活動報告を受けることができる為、活動状況や問い合わせの状況などを把握しやすいことや、やり取りも複数社ではなく1社のみの為、内覧のスケジュールも管理しやすく、手間をかけずに売却したい方にお勧めです。

ただし、専任媒介契約は窓口が1つになる為、囲い込みを受ける恐れがあります。囲い込みとは、不動産会社が社内で両手仲介(売主様と買主様から仲介手数料を受領すること)する為に、他社からの問い合わせや内覧を断ってしまうことです。
囲い込みを受けないようにする為にも、信頼できる不動産会社なのか見極める必要があります。

また不動産会社によっては、専任媒介契約や専属専任媒介を結ぶと、その不動産会社独自のサービスを受けられることがあります。サービスの有無や内容は、不動産会社によって異なる為、売却を依頼する際にどのようなサービスがあるのか確認し、比較すると良いでしょう。

例えば、長谷工の仲介では「仲介バリューアップサポート」を提供しています。水まわりクリーニングやプロのカメラマンによる撮影のほかに、5つのオプションサービスの中から1つ選んでサービスを受けることができます。

仲介バリューアップサポート

専任媒介契約については、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は専任媒介契約と同じように、依頼先が1社に限定されます。専任媒介契約との違いは、自己発見取引ができないことです。友人へ売却する場合でも、不動産会社を介して取引をする必要があります。知人や親戚と取引する可能性がある場合は注意しましょう。

専属専任媒介契約は拘束力が強い媒介契約といえますが、その分不動産会社から受けられるサポートは手厚くなります。具体的には、レインズへの登録は5日以内(休業日を除く)、活動報告は1週間に1回以上行ってもらえます。

知人へ売却する可能性が低く、不動産会社から手厚いサービスを期待する方は、専属専任媒介契約がお勧めです。

ただし契約期間満了前に売主様の都合で解除を希望する場合、中途解約が難しいケースがあり、状況によっては違約金を請求されることがあります。これは専任媒介契約でも同様です。もし不動産会社に原因があった場合はその旨を伝えるようにし、自分都合である場合は、なるべく契約期間が満了するタイミングで不動産会社を変更しましょう。

仲介手数料の支払い額やタイミングは?

仲介手数料を支払うタイミングは、基本的には売買契約が成立したときです。契約時に仲介手数料の半額を支払い、残代金決済のときに残りの半額を支払うケースが多いですが、不動産会社によって異なる為、依頼する不動産会社へ確認をしましょう。

媒介契約を締結してから、残代金決済・引き渡しまでの流れは以下の通りです。

  1. 媒介契約締結
  2. 広告活動開始
  3. 内覧対応
  4. 価格交渉
  5. 売買契約締結(手付金受領)と仲介手数料支払い(半額もしくは全額)
  6. 引っ越し
  7. 残代金決済(残代金受領)と仲介手数料支払い(半額もしくは全額)
  8. 引き渡し

仲介手数料は売買代金に応じて額は異なりますが、どの媒介契約を選んでも、支払う仲介手数料の上限は同じです。仲介手数料の上限を求める計算式は以下の通りです。

不動産売買価格 仲介手数料の上限
400万円超 不動産売買価格×3%+6万円+消費税
200万円超400万円以下 不動産売買価格×4%+2万円+消費税
200万円以下 不動産売買価格×5%+消費税

例えば売買価格が4,000万円の場合は、計算式は以下の通りです。

4,000万円×3%+6万円+消費税=138.6万円

マンションを売却する際にかかる費用や手数料については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却にかかる費用や手数料は?費用を抑える方法も紹介

媒介契約を結ぶ際の不動産会社選びのポイント

媒介契約を結ぶときは、不動産会社を慎重に選ぶようにしましょう。この章では不動産会社を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。

担当者が有資格者か確認する

不動産会社の規模だけで判断せず、担当者のスキルも確認するようにしましょう。不動産の売買では税金や法律など専門知識が必要になります。特に、宅地建物取引士を所持している担当者であれば、物件の紹介はもちろん重要事項説明や不動産売買契約まで担当してもらえるので安心です。

通常名刺に保有する資格を記載していることが多いので、名刺を受け取ったときに確認してみましょう。また宅地建物取引士証は求めに応じて提示する必要がある為、通常携帯しています。したがって、直接宅地建物取引士証を見せてもらうことも可能です。

不動産会社の売買ネットワークを確認する

不動産会社に依頼する際は、関連会社との連携の有無や、幅広い広告展開をしているかどうかを確認しましょう。

例えば、長谷工の仲介ではグループ内はもちろんですが、他社との連携も積極的に行っています。レインズに登録することで、基本的には全ての不動産会社に物件の情報が共有されますが、長谷工の仲介ではより多くのお客様の目に留まるように、オプションサービスや最新技術を使い、スムーズに売却できるように努めています。

不動産会社の実績を確認する

依頼先を検討する場合は、その不動産会社の実績を確認しましょう。実績が豊富であれば、状況に応じた売買方法を提案してもらえるでしょう。また売却する為のノウハウの蓄積があれば、早期売却も期待できます。

長谷工の仲介は、不動産を売却した96.4%※のお客様から「知人・親族に勧めたい」と高評価をいただいております。前述した「仲介アフターサポート」をはじめ、直接買取や売却保証などどのような売主様の声にもお応えできる充実したサポートが特徴です。
サービスや売却に関するご相談はこちらからお問い合わせください。

売却何でも相談はこちら

※2022年10月〜2023年3月に長谷工の仲介で不動産を売却したお客様を対象としたアンケート結果

売買に必要な業務を行ってくれるか確認する

仲介業者と媒介契約を締結する前に、どこまでサポートしてもらえるのか確認しましょう。また前述した通り、締結する媒介契約の種類によって、受けられるサービスの種類が異なることもあります。
一般的に不動産会社が行ってくれるサポートは以下の通りです。

不動産査定・報告書作成

媒介契約の前には、物件を実際に見ずに査定する簡易査定と、実際に現地を調査して行う訪問査定があり、どちらも通常無料で依頼できます。
また査定を依頼した場合は、査定報告書を作成してもらえます。近隣の成約事例や売り出し中の物件と比較した査定額が記載されており、査定額の根拠や市場の動向などもまとめられています。

不動産調査

不動産査定を行う前や、売買契約前に不動産の調査をします。

法務局で登記事項証明書(登記記録がまとまった書類)や公図(地形や地番などが記載された図面)、地積測量図(道路や土地との境界が記載されている図面)、建物図面などを取得し、役所で法令上の制限や道路の種類、地区計画の有無などを調べて、物件の価値や特徴を把握します。現地での調査も重要で、道路の現況幅員や越境の有無、設備の状態なども合わせて調査します。

広告活動

不動産を売却する為に通常レインズに登録し、他社からの問い合わせに対応します。他にもチラシを作成してポスティングしたり、不動産ポータルサイトや自社のホームページなどに掲載したりします。オープンルームや現地販売会も必要に応じて開催し、来場者の対応などをします。

資金計画・売却・購入相談

資金計画について相談にのってもらえます。住宅ローンの残債額や収入、自己資金、希望する物件の価格などを考慮した資金計画のアドバイスや購入のスケジュールを提案してもらうことができます。

内覧希望者の対応や価格交渉対応

自社・他社を問わず、内覧希望者からの問い合わせに対応し、内覧の調整や対応をしてもらえます。すでに引っ越しを終えている場合などは鍵を預けておくことができ、内覧希望者の対応も不動産会社が行います。

また、買主様からの購入申込書の受け付けや価格交渉の対応を行い、売主様と購入希望者の希望や条件などの調整をします。

売買契約締結・引き渡し業務

売買契約日を設定して、契約の準備をします。売買契約書や重要事項説明書を作成したり、売主様から預かった書類をコピーしたりするなどし、当日買主様へ渡せるように準備します。

そして、売買契約日に重要事項説明を行い、売買契約書の読み合わせをします。

契約完了後は、引き渡すうえで必要な不動産移転登記の手配などを行います。必要に応じて、司法書士や金融機関とも連携して手続きを進めます。

まとめ

ここまで、不動産取引における媒介と仲介の違いや、媒介契約の種類について解説してきました。

不動産売買における、仲介と媒介はほぼ同義ととらえて良いでしょう。
媒介契約は3種類あり、売主様の希望によって選ぶことができます。それぞれにメリット・注意点がある為、その特徴をよく理解したうえで選択するようにしましょう。
専任媒介契約と専属専任媒介契約を締結する場合は、1社のみに売却を依頼することになります。不動産会社選びは慎重に行い、担当者との相性も考慮して依頼先を選びましょう。

長谷工の仲介では、売主様のマンション売却サポートのみならず引っ越し後の不安も解消するアフターサポートも用意しています。
まずは無料相談からお気軽にご相談ください。

※本記事の内容は2024年1月26日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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