2023.3.22一般媒介契約とは?契約のメリットや注意点を解説

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一般媒介契約は、不動産売却を依頼する際に不動産会社と結ぶ媒介契約の一つです。
では、一般媒介契約とは、どのような契約なのでしょうか。
この記事では、一般媒介のメリットや注意点、一般媒介契約がどのような方にお勧めかなどについて解説します。

一般媒介契約とは?

一般媒介契約とは、複数の不動産会社に重ねて仲介を依頼できる契約のことです。
ここでは、媒介契約の概要や一般媒介契約の特徴について解説していきます。

他の媒介契約との違い

そもそも媒介契約には、一般媒介契約と、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
3つの媒介契約との違いをまとめると、下表の通りです。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 法律上の制限なし一般的には3ヵ月 3ヵ月以内 3ヵ月以内
複数の不動産会社と契約できるか 可能 不可 不可
依頼主への活動報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自分で買主様を見つけて取り引きできるか 可能 可能 不可
レインズの登録義務 なし 7日以内に登録 5日以内に登録

参考:公益社団法人 全日本不動産協会 WEBサイトより

一般媒介契約は同時に複数社に仲介を依頼できる契約であるのに対し、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社にしか仲介を依頼できない契約です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の主な違いは、専任媒介契約は自己発見取引ができるのに対し、専属専任媒介契約は自己発見取引ができない契約になります。
自己発見取引とは、売主様が自ら買主様を見つけることを指します。
専任媒介契約や媒介契約の種類については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

一般媒介契約のメリット

まずは、一般媒介契約のメリットについて解説します。

自分に合った不動産会社を選べる

一般媒介契約では複数の不動産会社と契約できる為、不動産会社選びで失敗する可能性が低いです。
自分の売却条件や売却物件の特徴などに合った不動産会社を選ぶことができれば、その会社に売却を任せるということも可能です。

理想的な価格での売却を目指せる

一般媒介契約では複数の不動産会社が購入希望者を連れてくる可能性があることから、購入希望者を比較でき好条件での売却がしやすくなります。

囲い込みのリスクを防げる

一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できることから、囲い込みのリスクを防げる点がメリットです。
囲い込みとは、1社の不動産会社が売り出している物件情報を独占することを指します。
例えば、専任媒介契約で1社の不動産会社に売却を依頼したとき、他社が買主様をあっせんしたいと申し出ても勝手に断ってしまうというケースです。
囲い込みを受けてしまうと、場合によっては売却が長期化する可能性もあります。

しかし複数の不動産会社に売却活動を依頼していれば、物件情報が1社に独占されていない形となります。その為、一般媒介契約で複数社に依頼すると、自然と囲い込みの防止になるのです。

市場に情報を公開せずに売却ができる

一般媒介契約は不動産会社にレインズ(全国の不動産会社が物件情報を共有できるネットワークシステム)への登録義務がない為、自身の物件情報を市場に公開せずに売却活動を進めることができます。
また、一般媒介契約で1社だけに依頼し、チラシやインターネット広告もしないように依頼すれば、近隣住民に知られることなく売却活動を進めることができます。

買主様と直接取引ができる

一般媒介契約では、自己発見取引が認められています。
自己発見取引が成立した場合には不動産を介さずに契約となる為、仲介手数料は発生しないので売却にかかる費用も減ります。

中途解約できる

一般媒介契約の契約期間について、法律上の定めはありませんが、通常は3ヵ月とすることが多いです。
複数の不動産会社に仲介を依頼できる一般媒介では、買主様が決まった旨を各不動産会社に通知するだけで契約を中途解約でき、違約金も生じません。

一般媒介契約の注意点

一般媒介契約は自由度の高いことがメリットですが、注意点もあります。
ここでは、一般媒介契約の注意点について解説します。

不動産会社のサービスを受けられない場合もある

一般媒介契約を選択すると、ホームステージングやハウスクリーニングといった不動産会社の提供する無料サービスが受けられない場合もあります。
無料サービスは、専任媒介や専属専任媒介を前提としていることが通常となっていますが、各不動産会社によって異なる為、確認しておくと良いでしょう。

不動産会社の活動状況を把握しにくい

一般媒介契約は不動産会社に売却活動の報告義務がない為、不動産会社の活動状況を把握しにくいです。その為、まず最初にどのような販売活動を行うのか確認しておくことが大切です。また、売主様側から定期的に活動状況について確認を取る必要があります。

複数の担当者と連絡をとる必要がある

一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼すると、同じ内容を各社の担当者に連絡する必要があります。
また、買主様が決まった場合には、他の不動産会社に通知する義務もあります。
その為一般媒介では、各不動産会社への連絡漏れがないかどうか確認しておくことが大切です。

一般媒介契約はどのような方にお勧め?

一般媒介契約はどのような方にお勧めかを解説します。

売却理由をあまり公表したくない方

ご近所トラブルや離婚で売る場合など、売却理由をあまり公表したくない方にお勧めです。
前述の通り、一般媒介はレインズへの登録義務もない為、完全にクローズな形で売却活動を進めることができます。
ただし、実際に売却活動をはじめるとなると買主様に売却理由を聞かれる場面も多いです。
その為、売却理由の伝え方はあらかじめ不動産会社に相談しておくことをお勧めします。
買主様に売却理由を伝える際のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

家を売る理由とは?買主様への告知義務や理由を伝える際のポイントを解説

売却期限までに余裕がある方

売却期限までに余裕のある方も一般媒介がお勧めです。
複数の不動産会社に仲介を依頼できる一般媒介は、時間をかければ多くの方から問い合わせを受けられる可能性があります。
購入希望者が増えれば、理想的な価格で売却できる確率も上がります。

居住人気が高いエリアに住んでいる方

居住人気が高いエリアの物件を売る方も、一般媒介がお勧めです。
居住人気が高いエリアの物件は売却価格相場も高くなる傾向がありますが、複数の不動産会社に売却活動をしてもらうことでより好条件の買主様を見つけられる確率は上がります。

不動産会社が受領できる仲介手数料は成功報酬であることから、一般媒介で依頼された不動産会社は他社よりも良い条件の買主様を見つけ出し、売主様に納得してもらう必要性が出てきます。

売却するエリアの人気については、各エリアの取引件数の増加傾向などから把握することができます。エリア別に見るマンション売却の特徴については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

横浜市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

東京都のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

名古屋市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

大阪府のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

福岡県のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

一般媒介契約を結ぶ際のポイント

一般媒介では複数の不動産会社と契約ができるものの、後々のトラブルを防ぐ為にも不動産会社を選ぶポイントを知っておくことが望ましいです。
ここでは、一般媒介契約を結ぶ際のポイントについて解説します。

どのような販売戦略を行なっているか

一般媒介では、レインズの登録が義務付けられていないことから、不動産会社の販売戦略が大切になります。
チラシやインターネット広告といった一般的な手法だけでなく、例えばSNSなども駆使しているとより好条件の購入希望者を募ることができるでしょう。

長谷工の仲介ではWEB広告や大手不動産のポータルサイトへの掲載だけでなく、SNSを活用して多くの方に情報を発信するといった販売戦略が特徴です。
不動産会社を選ぶ際の参考にしていただければと思います。

長谷工の販売力

売却後のアフターサポートも充実しているか

売主様には契約不適合責任と呼ばれる責任があります。
契約不適合責任とは、売主様が契約内容とは異なるものを売ったときに、買主様から契約解除もしくは損害賠償といった請求を受けるというものです。

売主様は契約不適合責任が課されることから、設備保証や建物保証といったアフターサービスが受けられると安心できます。
長谷工の仲介で売却された売主様には、建物保証や設備保証などの契約不適合責任に対応したアフターサポートを提供しています。
安心して売却できる仕組みが整っていますので、参考にしてみてください。

仲介アフターサポート

仲介以外の売却にも対応可能か

不動産の売却では、売却活動を始めてから買主様が見つかるまでに3ヵ月程度かかります。
しかし買主様と条件がなかなか合わず、売却がスムーズに進まないことも考えられます。
その為、仲介を依頼する場合は、万が一売却できない場合に備えて「買い取り」にも対応している不動産会社を選ぶことが望ましいです。
買い取りとは、不動産会社に物件を直接買い取ってもらうという方法です。
買い取りのメリットや仲介の違いについては、こちらで詳しく解説していますので、ご覧ください。

マンション売却は買い取りがお勧め?仲介との違いや向いている物件の特徴を解説

長谷工の仲介は、「直接買取」にも対応しています。
サービスの詳細については、こちらをご覧ください。

長谷工の提案力売却保証/直接買取

一般媒介契約に関するよくある質問

ここでは、一般媒介契約に関するよくある質問について解説します。

一般媒介契約書はどこを確認すればいいの?

一般媒介契約書で確認しておきたい内容について紹介します。

「明示型」か「非明示型」のどちらか

明示型とは、依頼している他の不動産会社を開示して依頼する契約のことです。
非明示型とは、依頼している他の不動産会社を伏せた状態で依頼する契約になります。

国土交通省が開示している標準媒介契約約款は明示型となっている為、通常の一般媒介契約書は明示型となっていることがほとんどです。
売主様が何らかの理由で非明示型としたい場合には、特約条項に非明示とする旨を記載する必要があります。

レインズ登録への希望

一般媒介は不動産会社にレインズへの登録義務はありませんが、売主様が希望すれば登録してもらうこともできます。
「指定流通機構への登録の有無」という部分があり、「有」または「無」を選択することで登録の有無を選ぶことができます。

備考欄

備考欄に売主様の希望を記載することも可能です。
例えば、近所に知られたくない方であれば、「チラシやインターネット広告はしないで欲しい」といった不動産の宣伝方法も希望することができます。
契約書の条文にないことで希望事項がある場合には、備考欄をうまく活用するようにしましょう。

一般媒介契約を結ぶ際に必要な書類は?

一般媒介契約を締結するにあたっては、何か特別な書類を用意する必要はありません。
一般媒介契約には、登記簿に書かれている内容を記載する部分がありますが、登記簿は不動産会社がすでに取得していることが通常です。
ただし、媒介契約締結後の売却活動や売買契約では様々な書類が必要になる為、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
売却に必要な書類については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説

一般媒介契約と他の媒介契約では仲介手数料は異なる?

仲介手数料は、どの媒介契約を選択しても同じです。
仲介手数料は成功報酬であることから、仮に複数の不動産会社に仲介を依頼しても、支払先は売却を決めてくれた会社のみとなります。
また、仲介手数料は、不動産会社が得ることのできる上限額が決まっています。
上限額は取引額によって異なり、求め方は以下のようになっています。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額 × 5%
200万円超から400万円以下 取引額 × 4% + 2万円
400万円超 取引額 × 3% + 6万円

※別途消費税が発生します。

マンション売却の仲介手数料については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却の仲介手数料とは?計算方法や支払いのタイミングを解説

まとめ

ここまで、一般媒介契約について解説してきました。
一般媒介契約とは、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できる媒介契約のことです。

長谷工の仲介は、売却までのサポートに加えて、引き渡し後のアフターサポートも充実しています。また、売却に関する無料相談も承っていますので、「どの媒介契約にするか迷っている」「仲介と買い取りのどちらが自分に合っているか知りたい」などでお悩みの方はぜひ利用ください。

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※本記事の内容は2023年3月22日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)
不動産鑑定および宅建業の代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士、住宅ローンアドバイザー。大阪大学出身。
写真:竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)

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