2023.03.06専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

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不動産会社に仲介を依頼する契約のことを媒介契約と呼び、その一つに専任媒介契約があります。売却を検討している売主様のなかには、自分が専任媒介契約に合っているか気になる方もいるでしょう。
この記事では、専任媒介契約のメリットや注意点、専任媒介契約がどのような方にお勧めか紹介します。

専任媒介契約とは?

専任媒介契約とは、一社の不動産会社に対して仲介を依頼できる媒介契約のことです。
ここでは、媒介契約の概要や専任媒介契約の特徴について解説していきます。

他の媒介契約との違い

そもそも媒介契約には、専任媒介契約と専属専任媒介契約、一般媒介契約の3種類が存在します。各媒介契約の違いをまとめると、下表の通りです。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 法律上の制限なし一般的には3ヵ月 3ヵ月以内 3ヵ月以内
複数の不動産会社と契約できるか 可能 不可 不可
依頼主への活動報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自分で買主様を発見し取り引きできるか 可能 可能 不可
レインズの登録義務 なし 7日以内に登録 5日以内に登録

参考:公益社団法人 全日本不動産協会 ウェブサイトより

専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社にしか仲介を依頼できない契約であるのに対し、一般媒介契約は同時に複数社に仲介を依頼できる契約です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の主な違いは、専任媒介契約は売主様が自ら買主様を見つけることができるのに対し、専属専任媒介契約は売主様が自ら買主様を見つけることは禁止されているという点になります。
媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

専任媒介契約のメリット

専任媒介契約のメリットについて解説します。

売却活動報告を定期的に受けられる

専任媒介契約では2週間に1回以上の報告を受けることができます。
具体的な報告内容としては、広告の出稿状況やレインズへの登録状況、購入希望者からの連絡有無などがあります。
売主様から問い合わせる必要もなく、定期的に売却活動の報告を受けられることから安心感がある点がメリットです。

担当者とのやり取りが楽になる

専任媒介契約は依頼する不動産会社が1社である為、売主様が行う担当者とのやり取りが楽になります。
一般媒介で複数社に依頼してしまうと、例えば売却途中で売り出し価格を変更したい場合など、同じことを何社にも連絡する必要性が生じます。
しかし、専任媒介契約であればこうした連絡が1回で済むことから、売主様の手間は楽になるといえます。

自己発見取引ができる

専任媒介契約であれば、自己発見取引が可能です。
自己発見取引とは、売主様が自ら買主様を見つけることを指します。
例えば、売却活動中に急きょ売主様の知人や親せきから買いたいという申し出があった場合、不動産会社の仲介を介さずに売買することができます。

自己発見取引は、自分の知人と売買できる為、引き渡し日の調整などもしやすいでしょう。また、不動産会社の仲介が関与しない売買である為、仲介手数料が不要になります。

売却活動を効率的に進めやすい

専任媒介契約を結ぶと、不動産会社が契約日から7日以内にレインズに物件情報を登録してくれます。その為、契約から売り出しはじめるまでの期間が短く、効率的に売却活動を進めやすくなるでしょう。

レインズとは、全国の不動産会社しか見ることのできないネットワークシステムのことを指します。レインズに売り物件が登録されていることで、他の不動産会社が買主様を見つけることができます。
不動産会社のなかには、「こういう物件があったら、すぐに紹介して欲しい」と買主様から頼まれている会社も多いです。
紹介を頼まれている不動産会社は、レインズのなかで買主様に適した物件がないか探していることがよくあります。

よって、早期にレインズに物件情報を登録できれば、想定よりも早く条件の合う買主様を見つけられる可能性が高まります。

充実したサービスを受けられる場合もある

依頼する不動産会社にとっては、専任媒介契約を選択すると充実したサービスを受けられる場合もあります。
例えば、長谷工の仲介では専属専任媒介または専任媒介契約を締結すると、「仲介バリューアップサポート」を受けることができます。
仲介バリューアップサポートとは、「水回りのクリーニング」や「壁・床のリペア」「荷物一時預かり」などのメニューの中から必要なものを選べるサービスのことです。

こうしたサービスを活用することで、買主様の印象アップにつながることもある為、専属媒介契約を結ぶ際は不動産会社にどのようなサービスを行っているか確認してみると良いでしょう。長谷工の仲介の「仲介バリューアップサポート」の詳細は以下のページに記載していますのでご覧ください。

仲介バリューアップサポート

専任媒介契約の注意点

専任媒介契約の注意点について解説します。

条件によっては中途解約が難しい場合もある

専任媒介契約の契約期間は3ヵ月であることが一般的である為、条件によっては中途解約が難しい場合もあります。

例えば、不動産会社が報告義務などの履行に反した場合には、途中で契約を解除できますが、売主様の一方的な都合により解除する場合には、不動産会社から交通費などの履行に要した費用を請求される場合があります。

囲い込みを受ける可能性もある

専任媒介契約では、囲い込みを受ける可能性もあります。
囲い込みとは、不動産会社が両手仲介にこだわり、他社からの買主様の紹介の申出を断ってしまうということです。

両手仲介とは、仲介手数料を売主様と買主様の両方から受領することです。
それに対して、片手仲介とは、仲介手数料を売主様と買主様の一方からしか受領しないことを指します。
売主様の物件情報を独占できる専任媒介契約では、両手仲介を狙った囲い込みが行われてしまうことがあります。
囲い込みを受けない為には、信頼できる不動産会社を見極めることが大切です。
不動産会社を選ぶ際のポイントについては後述します。

自己発見取引では手間が増える場合もある

自己発見取引の場合は、契約書の作成なども自身で行わなければならず負担が増える可能性があります。

また、買主様が住宅ローンを使用する場合は重要事項説明書の提出が必要になりますが、重要事項説明書の交付は宅地建物取引士でなければできません。その為、最終的には不動産会社に依頼するという場合もあります。

専任媒介契約はどのような方にお勧め?

専任媒介契約はどのような方にお勧めなのか解説します。

親せきや知人に物件を売りたい

親せきや知人などの買主様がすでに決まっている場合には、専任媒介がお勧めです。
自己発見取引が認められている為、仲介で不動産会社に買主様を見つけてもらいながら、自分でも直接買主様と交渉してみるといった形で売却活動を進めることができます。

売却の期限が決まっている

売却の期限が決まっている方にも、専任媒介がお勧めです。
専任媒介契約は、レインズの登録義務もある為多くの不動産会社に物件情報を共有でき、買主様が早期に見つかる可能性が高くなります。

とはいえ、期限までに売却できるかどうか不安な売主様も多いかと思います。
そこで長谷工の仲介では、一定期間内で売却ができなかった場合は設定した売却価格で買い取ってもらえる「売却保証」サービスを提供しています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

長谷工の提案力/売却保証

専属の不動産会社に売却活動を依頼したい

専属の不動産会社に売却活動を依頼したい方にも、専任媒介がお勧めです。
一般媒介契約は複数社と契約を結べますが、手続きや各担当者との連絡が負担になる場合もあります。担当者とのやり取りの負担を軽減したい方は、専任媒介が適しています。

不動産会社と媒介契約を結ぶ際のポイント

専任媒介契約のメリットやデメリット、どのような方にお勧めなのかを説明してきましたが、不動産会社を選ぶ際にはどのような点を見れば良いのでしょうか。
ここでは、不動産会社の選び方や媒介契約を結ぶ際のポイントについて解説します。

担当者が宅地建物取引士の資格を所有してるか

有資格者の在籍率は、不動産会社を選ぶ際のポイントになります。
宅地建物取引業者の事務所には、5人に1人以上の割合で宅地建物取引士の資格を有している方が在籍していることが必要です。
法律上は、宅地建物取引士の資格を有している方は5人に1人であれば良い為、場合によっては担当者が宅地建物取引士の資格を所有していないこともあり得ます。
しかしながら、担当者はできれば宅地建物取引士の有資格者の方が望ましいです。

長谷工の仲介では担当者の99.6%が宅地建物取引士の資格を保有しており、専門知識を持った担当者が安全な取引をサポートしています。
有資格者の在籍率も、不動産会社を選ぶ際の参考にしてみてください。

アフターサポートが充実しているか

アフターサポートが充実している不動産会社かどうかも見るべきポイントです。

不動産を売却すると売主様には、契約不適合責任という責任が課されます。
契約不適合責任とは、売却後に物件の不具合や傷などが見つかった場合、売却後に買主様から修繕や契約解除、損害賠償といった請求を受ける可能性のある責任のことです。

その為、売却後の「設備保証」や「建物保証」などアフターサポートを備えた不動産会社を選ぶと安心といえます。アフターサポートについては、不動産会社のホームページに記載されている場合もある為、確認してみましょう。

長谷工の仲介では、設備保証や業界初最大10年間保証が続く建物保証を提供しています。売主様が負う契約不適合責任を網羅したサポートですので売却後も安心です。詳しいサービス内容はこちらのページをご覧ください。

仲介アフターサポート

どの不動産の売却を得意としているか

不動産会社には、それぞれ売却の得意分野があります。
「マンション売却が得意」「戸建の売却が得意」といった内容を、事前に把握しておくことをお勧めします。ホームページに記載されている実績や口コミなどは、それぞれの得意不得意を判断する基準になりますので確認してみると良いでしょう。

仲介以外の売却にも対応しているか

仲介で売却を検討している方であっても、なかなか買主様が見つからない場合も想定して、「買い取り」にも対応している不動産会社を選んでおくと安心です。
買い取りとは、不動産会社に自宅を買い取ってもらうことです。例えば、急な転勤が決まり当初よりも早く売却する必要が出てきたという場合は、不動産会社に短期間で買い取ってもらうこともできます。
買い取りについては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却は買い取りがお勧め?仲介との違いや向いている物件の特徴を解説

長谷工の仲介では仲介の他に「直接買取」も行っています。詳しいサービス詳細についてはこちらのページをご覧ください。

長谷工の提案力/直接買取

専任媒介契約に関するよくある質問

この章では専任媒介契約でよくある質問について解説します。

専任媒介契約書にはなにを記載すればいいの?

専任媒介契約書には以下のような内容を記載します。

  • 不動産の所有者名・住所
  • 登記名義人の氏名・住所
  • 当該不動産の所在地
  • 媒介価格(売出価格)
  • 物件の情報
  • その他の条件(希望する内容など)

不動産会社がある程度記載している場合には、あらかじめ記載された内容を確認するようにします。

専任媒介契約を締結する際の必要書類は?

媒介契約を締結するには、情報源として「売却物件の登記簿謄本」が必要となります。
ただし、売却物件の登記簿謄本は査定時に不動産会社が取得していることも多いです。
よって、媒介契約締結時には、特段なにかの書類を求められることは少ないといえます。

一方で、売買契約時や引き渡し時などには用意する必要のある書類が存在します。
売却の流れごとに必要な書類については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説

専任媒介契約と他の媒介契約では仲介手数料は異なる?

不動産会社へ支払う仲介手数料は、どの媒介契約を選択しても同じです。
仲介手数料は、売買契約時に50%、引き渡し時に50%を支払うことが一般的となっています。媒介契約を締結しただけでは、仲介手数料は発生しない点が特徴です。

仲介手数料は不動産会社が受領できる上限額が決まっており、上限額の求め方は以下のようになります。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額 × 5%
200万円超から400万円以下 取引額 × 4% + 2万円
400万円超 取引額 × 3% + 6万円

※別途消費税が発生します。

仲介手数料については、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却の仲介手数料とは?計算方法や支払いのタイミングを解説

まとめ

ここまで、専任媒介契約について解説してきました。
専任媒介契約とは、1社の不動産会社に仲介を依頼できる契約のことです。
専任媒介契約には、売却活動報告を定期的に受けられたり、充実したサービスを受けられる場合もあるなどのメリットがあります。

長谷工の仲介では、専任媒介契約を選択することで「仲介バリューアップサポート」を利用することができます。水回りのクリーニングやプロカメラマンによる室内撮影といった物件の印象をアップするサポートが充実しているのが特徴です。
売却をする場合、まずは査定を受けることが第一歩ですので、無料査定からご利用いただければと思います。

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※本記事の内容は2023年3月6日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)
不動産鑑定および宅建業の代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士、住宅ローンアドバイザー。大阪大学出身。
写真:竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)

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