2024.09.022LDKマンションが売れない理由は?ターゲット層や売却のコツについて解説

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2LDKマンションは売るのに苦労するといわれることがありますが、なぜ売れにくいのでしょうか。

この記事では、一般的に2LDKが売れにくいといわれる理由と、売れやすい2LDKマンションの特徴を解説します。2LDKマンションをスムーズに売却する為のコツと対処法もご紹介しますので、売却中の方だけでなく売却を予定している方もぜひ参考にしてみてください。

2LDKマンションは売れにくい?

2LDKマンションは、本当に売れにくいのでしょうか。まずは、中古マンションの間取り別成約件数(首都圏)を見てみましょう。

中古マンションの間取り別成約件数「首都圏」
間取り ワンルーム 1DK・LDK 2DK・LDK 3DK・LDK 4DK・LDK 5DK・LDK以上
件数(件) 1,654 6,050 9,757 15,797 2,062 61

出典:東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「年報マーケットウォッチ(2022年・年度)」

上記のグラフを見ると、たしかに3DK・3LDKが、他の間取りと比べて多く成約していることが分かります。3DK・3LDKが15,000件以上成約しているのに比べて、2DK・2LDKは10,000件以下です。

中古マンションの間取り別成約件数「エリア別」

出典:東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「年報マーケットウォッチ(2022年・年度)」

しかしエリア別の成約件数のグラフを見ると、都区部でのみ2DK・2LDKのほうが3DK・3LDKよりも多く取り引きされていることが分かります。また東京都全体の成約件数を見ると、2DK・2LDKと3DK・3LDKの件数に大きな開きはありません。

つまり、都心部と郊外では2LDKマンションの需要や取引状況は異なるものの、一様に2LDKが売れにくいということではありません。2LDKであってもターゲット層を見極めて売却することで、スムーズな売却も可能だといえます。

2LDKマンションが売れないといわれる理由

なぜ2LDKマンションは、一般的に売れにくいといわれるのでしょうか。ここでは、3LDKや1LDKと比較しながら、その理由について解説します。

ファミリー層には3LDKのほうが人気

まず、考えられる理由としては、ファミリー層は3LDKを希望するケースが多いことが挙げられます。

一般的に不動産購入は、結婚や子どもの新入学や誕生のタイミングで検討することが多く、マンションの主な需要層は30代前半です。若い夫婦は子ども部屋の必要性や将来の住まいを想定して、2LDKではなく、3LDKを希望する傾向があります。
また家族ができたことで、通勤時間や立地よりも、家族の生活の質を重視する方もいます。コンパクトな2LDKよりも、広めな3LDKが選ばれるのはこうした理由が考えられます。

また3LDKが人気の理由として、物件数が多いことも考えられます。
新築マンションの多くは3LDKを基本としており、2LDKの間取りは少ない傾向にあります。3LDKは選択肢が多いことも、人気の要因といえるでしょう。

一人暮らし層のニーズと合わない

2LDKは一人暮らし層には広すぎる為、2LDKよりも1DK・LDKやワンルームを選ぶ傾向があることも売れにくいといわれる理由の一つです。

また、一般的に部屋数が多い物件は専有面積が広いことが多く、専有面積が広い部屋は価格が高くなる傾向があります。その為、金銭的な負担を抑える為に、2LDKではなく1DK・LDKやワンルームを選ぶ単身者もいます。

こうした理由から、単身者がマンションの購入を検討する場合、部屋の広さとや価格と立地のバランスを考慮すると1LDK程度で十分と考える方も多いでしょう。

売れやすい2LDKマンションの特徴

一般的に売れにくいといわれる2LDKマンションも、特徴や条件によってはスムーズに売れる場合もあります。ここでは、売れやすい2LDKマンションの特徴を4つご紹介します。

周辺の利便性が高い

中古マンションを購入する方は利便性を重視する傾向があります。
一般的に、利便性の高いといわれる物件の特徴は以下の通りです。

  • 最寄り駅から徒歩5分圏内で通勤・通学がしやすい
  • 最寄り駅がターミナル駅や特急停車駅である
  • 徒歩圏にスーパーや商業施設が複数あり買い物がしやすい
  • 病院やクリニックが近くにあり、家族が病気のときにも安心できる
  • 幼稚園や小学校・中学校が近く通園・通学しやすい
  • 大きな公園や図書館が近くにあり、子育てしやすい

例えば、最寄り駅から徒歩5分圏内で通学・通勤が便利なマンションや、徒歩圏に商業施設や医療施設があるマンションは多くの方から好まれるでしょう。また小学校や中学校、大きい公園が近いなど、住環境の良いマンションは子育て世帯から人気があります。

ただし、利便性が高いからといって必ずしもすぐに売却ができるとは限りません。
例えば、駅近マンションであっても、セキュリティ対策が充実していないといった理由から売却に時間がかかる場合があります。

駅近マンションなのに売れない理由や対処法については、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

駅近マンションなのに売れない!その原因と対処法をプロが解説

2LDK+Sなどで面積が広い

同じ2LDKでも、例えば2LDK+Sなど、一般的な2LDKに比べて専有面積が広いマンションは利用価値が高い為人気があります。

Sとは、「サービスルーム(納戸)」のことです。窓がない、もしくは窓が小さく十分な採光や通風が望めない部屋のことで、居室として表記できない為、通常サービスルーム(納戸)として表記します。
日当たりは望めませんが、書斎やウォークインクローゼットとして利用できます。2LDK+Sは希少性もあり、売れやすいマンションの特徴といえるでしょう。

またリビングダイニングが広い2LDKは、3DKの専有面積とほとんど差がないこともあります。比較的専有面積が広い場合は、部屋の大きさをアピールしましょう。

設備や管理体制が整っている

管理体制が整っていて、設備が充実している場合は2LDKマンションのなかでも注目されやすく、早期成約が望めるでしょう。

設備や管理体制が整っているマンションの例は以下の通りです。

  • オートロックや監視カメラがついている
  • 管理人室があり、常駐の管理人がいる
  • 宅配ボックスがある
  • 共用施設や共用スペースが充実している
  • 敷地内に専用駐車場や屋根付きの駐輪場がある
  • ゴミステーションがあり、24時間ゴミを捨てられる

収納スペースが充実している

収納スペースが充実している2LDKマンションであれば、3LDKを希望する層へもアピールできる可能性があります。特にウォークインクローゼットやサービスルーム(納戸)がある場合は、収納スペースが充実している旨を、広告にアピールポイントとして明記してもらいましょう。

アピールしやすい収納スペースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • ウォークインクローゼット
  • 押し入れ・物入れ
  • 洗面所やトイレの収納

2LDKマンションを売る為のコツは?

最後に、2LDKマンションをスムーズに売却する為のコツと対処法をご紹介します。

ターゲットごとのアピールポイントを決める

2LDKマンションのターゲット層を意識して、特徴をアピールすることができれば、早期成約が期待できます。2LDKマンションのあるエリアや立地によって、ターゲット層が変わることがあります。不動産会社の担当者とも相談し、アピールポイントを考えてみましょう。

代表的な2LDKマンションのターゲット層とアピールポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

夫婦二人の家庭

子どもを持たない夫婦であれば、2LDKのマンションでミニマムな生活を送りたいと考える方もいるでしょう。

共働きの夫婦の場合は、部屋の広さよりも利便性を重視する傾向があります。最寄り駅や商業施設までの距離や、宅配ボックスなどの共用施設が充実していることをアピールしましょう。

また、なかにはマンションのグレードを重視している方もいます。都心部でヴィンテージマンションの売却を検討している場合は、都心部の高い利便性に加えて、デザインや内装の希少性、大手デベロッパーのマンションであること、設備や管理体制が充実していることもアピールすると良いでしょう。

高齢の夫婦

高齢の夫婦であれば、あまり広さを重視しておらず2LDKマンションを検討している可能性があります。

高齢の夫婦をターゲットにする場合は、徒歩圏で買い物ができる場所や近隣の医院やクリニックなどを紹介し、日常生活や通院にも苦労しないことをアピールすると良いでしょう。

節約したいファミリー層

ファミリーであっても、購入価格を抑える為に2LDKマンションを希望するケースもあります。

3LDKと比べて価格を抑えられることや学校や公園が近く子育てしやすい住環境であること、収納スペースが充実していることをアピールしましょう。

仕事部屋や趣味部屋が欲しい単身者

仕事部屋や趣味部屋が欲しい単身者は、寝室と部屋を分ける為に2LDKを希望するケースがあります。

自宅でのリモートワークが多い場合、1日を通じて仕事部屋にいる時間が長くなる為、気分転換ができるよう日当たりや眺望が気になる方もいるでしょう。角部屋であることや日当たりや眺望、通風が良いこと、静かな住環境であることをアピールしましょう。

一方で、趣味部屋が欲しい方に対しては、収納スペースが充実していることや角部屋であることなど利用価値が高いことをアピールしましょう。

内覧に向けて入念に準備する

内覧者はある程度来ているのに、なかなか成約にいたらない場合は、内覧の対応や準備が不十分である恐れがあります。内覧前には念入りに清掃し、室内の整理整頓を心がけましょう。

設備の故障や目立つ傷や汚れがあれば、修理やハウスクリーニングをお勧めします。
ただし、かかった費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。リフォームや修理を行う際は、不動産会社の担当者に相談するようにしてください。

また、内覧時の対応の良し悪しが、内覧者の購入意欲に影響することがあります。その為、内覧当日は明るく誠実な対応を心がけましょう。

内覧に備えて、実践したいポイントは以下の通りです。

  • 室内を念入りに清掃し、整理整頓を心がける
  • 設備の故障や床などに目立つ傷がある場合は、必要に応じて修繕する
  • 内覧対応時は、明るく誠実に対応する
  • 内覧者が気持ちよく内覧できるように、エアコンを利用して適温にしておく
  • 事前に換気をして、ニオイ対策をする
  • 室内に人が多すぎると狭く感じられる為、外出するなどして人数を調整する
  • 昼間でも照明を点灯し、カーテンは開けておく
  • 外観や室内写真の印象が良くない場合は、撮り直すことを検討する

内覧のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介

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適切な売り出し価格を設定する

スムーズに売却する為には、適正価格で売り出すことが重要です。
仮に、少しでも高値で売却しようと他の類似物件よりも高い価格を設定してしまうと、売却までに時間がかかる恐れがあります。逆に、相場よりも低くすると買主様がスムーズに見つかる可能性はありますが、住宅ローンを完済できなくなってしまったり、手元に残る資金が少なくなったりするかもしれません。

その為、マンションの売却を検討する場合は複数社に査定依頼し、マンションの相場価格を把握したうえで売り出し価格を設定しましょう。また、現在の売り出し価格が適正価格かどうかを確認する為に査定を活用するのも有効です。

長谷工の仲介では、無料で売却査定を行っております。まずは下記の専用フォームから、お気軽にご相談ください。

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買取も検討する

希望する時期までに売却が難しいときは、買取による売却も検討しましょう。
買取とは、不動産会社がリフォームやリノベーションなどをして再販することを目的に、不動産を買い取ることをいいます。

買取の場合、早ければ1週間程度で売却できることもあり、マンションを早期に現金化したい方に向いています。また仲介による売却と異なり、不動産会社と直接売買する為、仲介手数料はかかりません。

また、契約や引き渡し時期の融通が利くことが多く、契約不適合責任を免責とするケースも多いので、築年数が古いマンションを売却する場合も安心です。
契約不適合責任とは、契約内容と異なるものを引き渡したことで不利益が生じた場合に、売主様が買主様に対して負う責任です。契約不適合責任を免責とできれば、買い手から減額請求や損害賠償請求、契約解除される心配がありません。

しかし買取は相場価格の70%〜80%での売却になることが多く、仲介よりも安くなる傾向があります。その為、買取で売却した場合にどれだけ手元に資金が残るかをシミュレーションしたうえで検討しましょう。

マンションの買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

不動産会社を変更する

売却活動がうまくいっていないと感じた場合は、不動産会社の変更も視野に入れましょう。コンパクトマンションの実績が豊富な不動産会社に依頼することで、2LDKマンションの売却をスムーズに進められる可能性があります。

ただし媒介契約の契約期間中に解約をして、他の不動産会社で成約に至った場合、解約した不動産会社から、媒介契約期間中にかかった広告費用を請求される恐れがあります。媒介契約を解約する場合は、タイミングに気をつけましょう。

長谷工の仲介では、無料の売却査定以外にも、売却に関するご相談も無料で受け付けています。まずは下記の専用フォームより、お気軽にご相談ください。

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まとめ

2LDKマンションは、売れにくいといわれることがあります。
しかし、比較的マンション価格の高い都心部や東京都では、3LDKよりも2LDKの方が売りやすいこともあり、全ての2LDKマンションが売りにくい訳ではありません。

2LDKマンションのターゲット層を見極めて上手にアピールすることができれば、早期売却も可能です。ご紹介したようなコツや対処法を参考にして早期成約を目指しましょう。

※本記事の内容は2024年9月2日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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