2026.09.10固定資産税の計算方法は?支払い時期・方法、減税措置、シミュレーション例をご紹介

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この記事で分かることを1分で解説
  • 固定資産税は評価額×1.4%(標準税率)、都市計画税は評価額×0.3%(上限)で計算される
  • 新築住宅は税額が3~5年間1/2に、住宅用地は課税標準額が最大1/6になるなどの特例がある
  • 納付方法は窓口での現金支払い・インターネット・口座振替から選べる

不動産を所有していると、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。初めて不動産を購入する方のなかには、毎年いくら納めるのか事前に知りたい方も多いでしょう。

固定資産税と都市計画税は、毎年4~6月頃に届く納付書に基づいて支払います。この記事では、固定資産税と都市計画税の計算方法や減額できる特例、支払い方法を解説します。金額を求めるシミュレーションやよくある質問もご紹介しますので、すでに所有している方はもちろん、購入予定の方もぜひ参考にしてください。

なお、2026年度は原則3年に一度行われる固定資産税の評価替えにはあたりませんが、据置きの年度でも評価額が変わる恐れがあるため注意しましょう。

固定資産税とは?

固定資産税とは、毎年1月1日に固定資産を所有する方に対して市町村(東京都23区は都)が課税する税金です。(※不動産売買等の日割り精算における起算日は地域によって異なり、関東では1月1日、関西では4月1日となります。)課税対象となる資産は大きく土地・建物と償却資産に分けられます。これらの資産を所有していれば、原則全ての方に納税義務が生じます。

まずは、固定資産税の概要や固定資産税と都市計画税の違いを解説します。

固定資産税の概要

固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産などを所有する方に対して市町村が課す地方税です。課税するのは資産の所在地にあたる自治体で、東京23区の場合のみ都が課税主体となります。

固定資産税は使い道を限定しない普通税として集められ、道路や福祉など幅広い行政サービスに充てられます。税額は自治体が計算し納税通知書で知らされるため、自分で計算する必要はありません。

固定資産税と都市計画税の違い

固定資産税と都市計画税の違いは大きく3つあります。

まずは、税金の使用目的です。固定資産税は使い道を定めない普通税、都市計画税は税金を道路や公園などの整備に充てる目的税として徴収されます。

2点目の違いは、課税対象です。固定資産税は全国の不動産所有者が対象ですが、都市計画税は市街化区域(市街地として開発を進めるエリア)内の土地・家屋の所有者に限られます。税率は、固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は0.3%を制限税率(上限)としています。

自身が都市計画税を納める必要があるかどうかは、毎年届く納税通知書の課税明細書の記載内容で確認してください。この記事では、固定資産税だけではなく都市計画税の計算方法やシミュレーションも後述します。

固定資産税の対象となる資産

固定資産税の対象は、土地、家屋、償却資産の3つに大きく分かれます。土地には宅地だけでなく田や畑、山林も含まれます。また家屋は、住宅の他、店舗や倉庫なども対象です。

償却資産とは、事業用の機械や装置、備品、船舶など、法人税法や所得税法上で減価償却の対象となる資産です。自動車税種別割や軽自動車税種別割の課税対象となる自動車などは除きます。

どのような資産に固定資産税が課されるのかは以下の表をご覧ください。

種類 具体例
土地 田、畑、住宅地、塩田、鉱泉地(温泉など)、池沼、山林、牧場、原野などの土地
家屋 住宅、店舗、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物
償却資産 会社など(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど)、飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など

参考:総務省「固定資産税」

マイホームの他に上記の資産がある場合は、その資産にも固定資産税がかかります。

固定資産税の支払い時期

固定資産税の納税通知書は、自治体により多少前後するものの毎年4~6月頃に届きます。納付方法は、1年分をまとめて支払う一括払いと、年4回に分ける分割払いから選べます。分割の期限は6月・9月・12月・翌年2月あたりが多いですが、自治体ごとに日程は異なります。

納付が遅れると延滞金がかかる場合もあるため、届いた通知書で支払い期限を早めに確認しておきましょう。

固定資産税の計算方法

固定資産税は以下の計算式で求められます。

固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

課税標準額とは税率をかけるベースとなる金額で、基本は固定資産税評価額と同じですが、特例が使える場合は評価額よりも低くなることがあります。標準税率である1.4%も自治体の条例で変わるケースがあるため、実際に計算する際は自治体のホームページなどで税率を確認してください。

なお、固定資産税評価額は原則3年に一度の評価替えで見直され、直近は2024年度に見直されました。そのため、次回の見直しが行われるタイミングは2027年度となります。

固定資産税評価額さえ分かれば、自分でも固定資産税を算出できます。ここからは、実際の計算方法を詳しくご紹介します。

➀固定資産税評価額を調べる

まずは固定資産税評価額を調べましょう。調べる方法は主に4つあります。

固定資産税課税明細書を確認する

まずは、固定資産税納税通知書に同封されている固定資産税課税明細書で確認する方法があります。

明細書には、土地と家屋の固定資産税評価額(価格の欄)がそれぞれ記載されています。購入予定の中古物件の固定資産税評価額を知りたいときは、不動産会社の担当者に相談し、売主様の課税明細書を確認させてもらいましょう。

固定資産課税台帳を閲覧する

役所に保管してある固定資産課税台帳を閲覧して固定資産税評価額を調べることもできます。ただし、閲覧できるのは所有者本人もしくはその代理人です。閲覧したい場合は本人確認書類や所有者からの委任状が必要となるため注意しましょう。

固定資産評価証明書を取得する

役所(税事務所)に申請して固定資産評価証明書を取得する方法もあります。固定資産評価証明書とは、固定資産課税台帳に登録されている内容を証明する書類です。

ただし、取得できるのは不動産の所有者もしくはその代理人です。購入予定の物件の固定資産評価証明書を取得したい場合は、本人確認書類や所有者の委任状、300円程度の手数料が必要となるため、不動産会社の担当者に相談しましょう。

概算で算出する

土地と建物それぞれの固定資産税評価額は概算で算出できます。それぞれの算出方法は以下の通りです。

建物の評価額

建物の評価額は、新築時であれば建築費の50%〜60%を目安として計算します。しかし、建物の評価額は、築年数や建物の構造、設備によっても異なります。

既存の建物の固定資産税評価額を算出する場合は、再建築した場合の建築費に経年減点補正率をかけて以下の通り計算します。

建物の評価額=再建築価格×経年減点補正率×評点(木造:1.05、非木造:1.10)

経年減点補正率とは、建物の築年数に応じて生じる減価の割合を数値化したものです。木造建物の経年減点補正率は、1年経過で0.8、10年経過で0.5となります。

参照:法務局「経年減点補正率表」

土地の評価額

土地の固定資産税評価額は、地価公示価格の70%程度を目安として計算します。地価公示価格とは国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公表している土地の価格で、一般的な土地取引の指標となるものです。国土交通省のWEBサイトなどで検索できます。

参照:国土交通省地価公示・不動産情報ライブラリ「都道府県地価調査の検索」

固定資産税評価額については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

固定資産税評価額とは?調べ方や税金との関連性、計算方法について紹介

➁土地と建物の評価額を合計する

土地と建物の固定資産税評価額を合計し、税率をかけたものが、おおまかな固定資産税の納税額となります。

固定資産税の特例・軽減措置

固定資産税には、条件を満たすことで負担を軽減できる特例や軽減措置があります。ここでは4つの特例や軽減措置をご紹介します。

固定資産税等の住宅用地特例

まず、住宅用地に対しては、課税標準額が軽減される特例措置があります。具体的には、住宅用地1戸につき200平方メートルまでは課税標準額が1/6、200平方メートルを超える部分は1/3まで軽減されます。一戸建てなど個人住宅はもちろんですが、マンションやアパートの敷地も住宅用地となります。

表にまとめると以下の通りです。

区分 固定資産税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平方メートルまでの部分 課税標準額×1/6×1.4%(税率)
一般住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平方メートルを超える部分 課税標準額×1/3×1.4%(税率)

参照:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」

ただし、住宅用地でも、更地にしてしまうと住宅用地の特例措置が適用されません。賦課期日である1月1日のタイミングで更地になっていると適用外となります。既存の住宅を建て替えた場合、1月1日の段階で建物が建っていれば住宅用地の特例措置が継続されるため、タイミングに注意しましょう。

参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

その他、空き家を放置したことにより倒壊の恐れがある場合や、周辺環境に悪影響を与えていると判断されると、住宅用地の特例措置の適用を受けられなくなることがあります。

空き家を放置したことによる固定資産税の増額や対策については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

空き家を放置すると税金が高くなる?固定資産税の増額や対策について紹介

新築住宅に係る税額の減額措置

新築住宅に対しては、固定資産税額の減額措置があります。一戸建ては3年間(長期優良住宅は5年)、マンションは5年間(長期優良住宅は7年間)、税額が1/2に減額されます。

この減額措置はもともと2026年3月31日までの予定でしたが、税制改正により2031年3月31日まで5年間延長されました。さらに、2026年4月以降は、適用される床面積の要件が、50平方メートル以上280平方メートル以下から、40平方メートル以上240平方メートル以下に変わりました。

長期優良住宅とは、長く良い状態を保てる住まいとして国から認定された住宅のことです。長期優良住宅と一般住宅との違いや認定の条件については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

長期優良住宅とは?メリットや申請方法、条件も解説

建て替えや住宅リフォームによる減税措置

住宅の建て替えやリフォームを実施したことで耐震や省エネ性能が向上したと認められる場合、固定資産税の減額措置が受けられる可能性があります。減額措置を受ける場合は市区町村への申告が必要です。詳しくは役所の担当窓口に問い合わせてください。

リフォームの種類別の軽減率は下表の通りです。

リフォームの種類 耐震リフォーム バリアフリーリフォーム 省エネリフォーム 長期優良住宅リフォーム
リフォームの内容 昭和57(1982)年1月1日以前に建築された住宅に対して、現行の耐震基準に適合させるために実施した耐震改修工事 一定の要件を満たす個人が所有する築10年以上の住宅に対して行うバリアフリー改修工事
通路の拡幅や浴室の改修、段差の解消工事などが対象
平成26(2014)年1月1日以前に建築された住宅に対する窓の断熱改修工事
窓の断熱改修工事(必須)と一緒に行う天井や床の断熱改修や高効率給湯器設置工事なども対象
耐震改修や省エネ改修などの長期優良住宅化リフォーム
窓の断熱改修工事(必須)と一緒に行う天井や床の断熱改修や高効率給湯器設置工事なども対象
減税額や軽減率 工事の翌年の固定資産税額が1/2に減額 工事の翌年の固定資産税額が1/3に減額 工事の翌年の固定資産税額が1/3に減額 工事の翌年の固定資産税額が2/3に減額

上記は全て、2031年3月31日までに行ったリフォームが対象となります。

参照:国土交通省「住宅リフォームにおける減税制度について」

各地方自治体が定めている減税措置

地方自治体が独自に定めている固定資産税の減税措置もあります。災害などの被害に遭った場合の減免措置や、生活保護を受けている場合の減額措置などです。自治体によって減税額や軽減率が異なるため、役所の担当窓口やホームページなどで確認してください。

固定資産税のシミュレーション

続いて、実際に固定資産税がどれぐらいかかるのか、中古マンション、新築一戸建て、更地それぞれに条件を設定してシミュレーションしてみましょう。

中古マンション

下記条件で中古マンションにかかる固定資産税をシミュレーションします。

▼条件
  • 土地の評価額:3,000万円
  • 建物の評価額:1,000万円
  • 土地:小規模住宅用地
  • 固定資産税の税率:1.4%

▼計算式
土地の固定資産税:
土地の評価額3,000万円×1/6×1.4%=7万円

建物の固定資産税:
建物の評価額1,000万円×1.4%=14万円

土地・建物の固定資産税:
7万円+14万円=21万円

この場合の固定資産税は、21万円となります。

新築一戸建て

下記条件で新築一戸建てにかかる固定資産税をシミュレーションします。

▼条件
  • 土地の評価額:2,400万円
  • 建物の評価額:2,500万円
  • 2023年4月新築
  • 土地面積120平方メートル(小規模住宅用地)
  • 固定資産税の税率:1.4%

▼計算式
土地の固定資産税:
土地の評価額2,400万円×1/6×1.4%=5万6,000円

建物の固定資産税:
建物の評価額2,500万円×1.4%×1/2=17万5,000円

土地・建物の固定資産税:
5万6,000円+17万5,000円=23万1,000円

この場合の固定資産税は、23万1,000円となります。

更地

下記の条件で更地にした場合にかかる固定資産税をシミュレーションします。

▼条件
  • 土地の評価額:3,000万円
  • 建物の評価額:1,000万円
  • 土地:小規模住宅用地
  • 固定資産税の税率:1.4%

▼計算式
土地の固定資産税:
土地の評価額3,000万円×1.4%=42万円
※更地の場合、小規模住宅用地の特例(1/6)は適用されません。

建物の固定資産税:
建物を解体することにより課税対象がなくなるため0円

この場合の固定資産税は、42万円となります。

一戸建てとマンションの固定資産税の推移の違い

固定資産税は毎年同じ金額ではなく、3年に一度の評価替えによって変動します。変動の推移は一戸建てとマンションで異なります。

固定資産税額が変動する主な要因として、経年劣化による評価額の低下が挙げられます。木造一戸建ては評価額が下がりやすいため、建物分の税額も比較的早いペースで下がっていきます。一方、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは法定耐用年数が長く評価額がゆるやかにしか下がらないため、税額も下がりにくい傾向にあります。

土地と建物の所有方法も固定資産税の推移に関係します。住宅用の土地には、課税標準額が最大6分の1に軽減される「住宅用地の特例」が適用されます。一戸建ては資産価値に占める土地の割合が大きいため、この特例によって全体の税負担が抑えられ、建物の価値低下とともに総税額も下がりやすくなります。一方マンションは、敷地全体を住戸ごとに分け合うため、土地の持分が小さく、税額の大半を、特例の対象外であり評価が下がりにくい建物部分が占めることになります。このような背景から、マンションは一戸建てに比べて固定資産税が下がりにくい傾向にあります。

また、一戸建てを建て替えたり増改築したりすると、建物の評価額が見直されます。特に増築で床面積が増えると建物の評価額が上がり、固定資産税も高くなる恐れがあります。建て替えの場合は建物が新築扱いになり、評価額が新たに設定されますが、その際は要件を満たせば、新築住宅の軽減措置を再び受けられる可能性があります。

固定資産税の支払い方法

固定資産税の納付は、窓口での現金払いの他、さまざまな方法があります。具体的に解説していきます。

窓口での現金払い

固定資産税を現金で支払う場合は納付書を持参し、役所の窓口(23区は都税事務所)や銀行、郵便局、コンビニエンスストアで納付します。指定の支払い場所は自治体によって異なるため、事前に納付書を確認しておきましょう。

現金払いは実際に窓口に足を運ぶ必要がありますが、手元に領収書が残るため、支払ったことを記録として残せます。

インターネットでの支払い

固定資産税はインターネット上でも納付できます。基本的に24時間どこからでも支払えるのがメリットですが、自治体によって利用できる方法が異なる場合があります。実際に納付できるかどうかは納付書や役所で確認してください。

インターネットでの主な支払い方法は以下の通りです。

決済方法 概要説明
クレジットカード
  • オンライン上でクレジットカードを使って納付する
  • カード利用によりポイントが付与されるが、手数料がかかることがある
決済アプリ
  • 二次元コードやバーコードがある場合は、対応する指定のスマホ決済サービスを使って納付可能
  • ポイントが付与されるが、領収書は発行されない
ペイジー
  • 納付書にペイジーのマークがあればペイジーで納付可能
  • インターネットバンキングにログインし、納付書に記載された番号を入力して納付する
  • 手数料がかかることがある

自治体によっては電子マネー決済やクレジット払いに対応していない場合もあります。事前に固定資産税納税通知書や納付書を確認し、自分に合った納付方法を選びましょう。

口座振替

事前に金融機関で手続きが必要ですが、固定資産税を口座振替することもできます。指定した口座から自動的に納付額が引き落とされるため、払い忘れを防げます。ただし、残高が不足していると引き落としされませんので残高不足に注意しましょう。

都市計画税の計算方法

都市計画税は以下の計算式で算出します。

固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%(制限税率)

課税標準額は、固定資産税と同様、固定資産税評価額をもとに決まります。税率は自治体が定めますが、0.3%を上限とする制限税率が設けられており、多くの自治体が0.3%としています。支払い時期は固定資産税と同じく、納税通知書が毎年4~6月頃に届きます。

なお、都市計画税だけを個別に納付することはできません。一括または年4回の分割で、固定資産税とまとめて納めることを理解しておきましょう。

都市計画税の特例・軽減措置

続いて、都市計画税の特例と軽減措置を見てみましょう。

住宅用地特例

住宅用地特例とは、住宅用地の税額を軽減する制度です。住宅が建っている土地の面積に応じて課税標準額が下がり、その分だけ都市計画税も安くなります。区分は面積に応じて以下の2つに分かれます。

  • 小規模住宅用地(1戸につき200平方メートルまでの部分):課税標準額が3分の1
  • 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):課税標準額が3分の2

適用されるための主な要件は次の通りです。

  • 居住用の家屋が建っていること
  • 店舗などとの併用住宅の場合は居住部分が全体の4分の1以上あること
  • 特定空き家などに該当しないこと

なお、都市計画税の場合は固定資産税と違い、軽減されるのは土地だけで、建物は対象になりません。混同しないように気をつけましょう。

被災代替家屋の特例

被災代替家屋の特例とは、災害で家を失った方が家を建て直したり買い替えたりした場合に都市計画税が軽減される制度です。新たな住宅を取得した年から4年度にわたり、もとの被災家屋の床面積に相当する部分の都市計画税が2分の1になります。適用される主な要件は次の通りです。

  • 被災した住宅の所有者と代替家屋の所有者が同じであること
  • 被災した家屋に代わる家屋として取得したものであること
  • 自治体が定める期限までに申告すること

制度の細かい条件や申告の期限は各自治体で異なるため、被災された場合はお住まいの市区町村に早めに相談しましょう。

都市計画税のシミュレーション

都市計画税が実際にどれぐらいかかるかを、不動産の種類別に条件を設定してシミュレーションしてみましょう。比較しやすいよう、シミュレーションの条件は固定資産税と同じにしてあります。

中古マンション

中古マンションの条件は以下の通りです。

▼条件
  • 土地の評価額:3,000万円
  • 建物の評価額:1,000万円
  • 土地:小規模住宅用地
  • 都市計画税の税率:0.3%

▼計算式
土地の都市計画税:
3,000万円×1/3×0.3%=3万円

建物の都市計画税:
1,000万円×0.3%=3万円

土地・建物の都市計画税:
3万円+3万円=6万円

このケースでは、都市計画税は6万円と算出されました。

新築一戸建て

以下の条件で新築一戸建てにかかる都市計画税をシミュレーションします。

▼条件
  • 土地の評価額:2,400万円
  • 建物の評価額:2,500万円
  • 2023年4月新築 土地面積120平方メートル(小規模住宅用地)
  • 都市計画税の税率:0.3%

▼計算式
土地の都市計画税:
2,400万円×1/3×0.3%=2万4,000円

建物の都市計画税:
2,500万円×0.3%=7万5,000円

土地・建物の都市計画税:
2万4,000円+7万5,000円=9万9,000円

このケースの都市計画税は、9万9,000円となります。

更地

更地の場合の条件は以下の通りです。

▼条件
  • 土地の評価額:2,400万円
  • 土地面積:120平方メートル(更地のため住宅用地の特例は適用外)
  • 都市計画税の税率:0.3%

▼計算式
土地の都市計画税:
2,400万円×0.3%=7万2,000円

更地のケースでは、都市計画税が7万2,000円となりました。更地は住宅用地の特例が使えないため、一戸建ての土地と比較して都市計画税が高くなります。

都市計画税の支払い方法

続いて、都市計画税の支払い方法を見てみましょう。

窓口での現金払い

都市計画税を現金で納める場合は、納付書を以下の窓口へ持参します。

  • 役所の窓口(23区は都税事務所)
  • 銀行
  • 郵便局
  • コンビニエンスストアなど

ただし、可能な支払い方法は自治体ごとに異なる場合があるため、事前に納付書で確認しておきましょう。役所の窓口の場合、実際に足を運ぶ手間はかかりますが、その場で領収書が受け取れるため、支払った記録を手元に残したい方にお勧めです。

インターネットでの支払い

都市計画税はインターネットからも納付できます。24時間いつでもどこからでも手続きできるため、窓口に足を運ぶ時間がない方にお勧めです。納付書にペイジーのマークがあれば、インターネットバンキングにログインし、記載の番号を入力すれば納付できます。クレジットカードや決済アプリが使える自治体もありますが、手数料がかかる場合があるため、あらかじめ役所で確認しておきましょう。

口座振替

都市計画税は口座振替でも支払えます。事前に金融機関で手続きをすれば、指定した口座から納付額が自動で引き落とされます。毎回窓口へ行く必要がなく払い忘れを防げるのがメリットですが、残高が不足していると引き落とされないため、残高不足には気をつけましょう。

なお、口座振替では固定資産税とあわせて引き落とされるため、都市計画税だけを個別に手続きする必要はありません。

家の固定資産税に関するよくある質問

最後に、家の固定資産税に関するよくある質問をご紹介します。

固定資産税が急に高くなった場合はどうする?

新築住宅に対する軽減措置の適用期間の終了や固定資産税の評価替えなどによって、固定資産税が急に高くなることがあります。それらを考慮しても高いと感じる場合は、管轄の税事務所へ相談しましょう。納税通知書を受け取った日から3ヵ月以内であれば、固定資産評価審査委員会に対して再審査の申出ができます。

固定資産税がかからないこともある?

固定資産税には免税点があります。同市区町村内に所有する固定資産の課税標準額の合計が一定以下の場合、固定資産税は課税されません。免税点はそれぞれ以下の通りです。

  • 土地:30万円
  • 家屋:20万円
  • 償却資産:150万円

出典:総務省「固定資産税の概要」

なお、令和8年度税制改正により、令和9年度分以後の固定資産税から免税点が引き上げられます。

区分 現行 令和9年度以後
土地 30万円 30万円(据え置き)
家屋 20万円 30万円
償却資産 150万円 180万円

出典:総務省「令和8年度地方税制改正・地方税務行政の運営に当たっての 留意事項等について」

この改正により、これまで課税されていた評価額の低い家屋が、令和9年度から課税対象外になる可能性があります。

不動産を売却した後の固定資産税の支払いは?

不動産を売却した場合の固定資産税は、残代金決済日に売主様と買主様で年税額を日割り清算するのが不動産売買の慣例です。ただし、清算する際の起算日が関東と関西では異なります。それぞれの固定資産税の起算日や清算の方法は下表の通りです。

関東 関西
起算日 1月1日 4月1日
売主様の負担 1月1日から決済日の前日まで 4月1日から決済日の前日まで
買主様の負担 決済日から12月31日まで 決済日から翌年の3月31日まで

不動産売買時の固定資産税の清算は法律によって定められているものではありません。計算方法や起算日は不動産会社の担当者に相談し、売主様と買主様で協議したうえで決定しましょう。

不動産を売却したときの固定資産税については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションを売却した時の固定資産税はどうすればいい?清算方法や注意点を解説

まとめ

固定資産税・都市計画税は、原則3年に一度の評価替えで土地や建物の評価額が見直されます。次回は2027年度が評価替えの対象のため、税額が多少変動するケースも想定しておきましょう。

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※本記事の内容は2026年9月10日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

杉山明熙
元不動産営業のWEBライター。
不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。
個人ブログにて不動産営業への転職のお手伝い、不動産営業のノウハウ、不動産投資のハウツーなどを発信。
不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランナー保有。
写真:杉山明熙

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