2024.09.024LDKマンションが売れない理由は?売れやすい物件の特徴や売却のコツを解説

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マンション売却を検討していて、「4LDKマンションは売れにくい」というのを耳にした方もいるでしょう。

一般的に、4LDKマンションは2LDK・3LDKと比較すると売れにくいといわれています。
しかし、4LDKマンションであってもコツを押さえることで、理想的な価格で売却できる可能性はあります。
この記事では、4LDKマンションが売れにくいといわれる理由や売る為のコツについて詳しく解説します。

4LDKマンションは売れにくい?

中古マンションの間取り別成約件数「首都圏」
間取り ワンルーム 1DK・LDK 2DK・LDK 3DK・LDK 4DK・LDK 5DK・LDK以上
件数(件) 1,654 6,050 9,757 15,797 2,062 61

出典:東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「年報マーケットウォッチ(2022年・年度)」

実際、4LDKマンションは、2LDK・3LDKと比べて売れにくい傾向があります。
首都圏の中古マンション成約状況を見ると、成約件数は「3DK・LDK」がもっとも多く、次いで「2DK・LDK」「1DK・LDK」「4DK・LDK」「ワンルーム」「5DK・LDK以上」の順に少なくなっていきます。

2LDKと3LDKで全体の約72%を占めており、この2つの人気が高いことが分かるでしょう。
1LDKも価格の安さから単身層や投資向けとして需要があります。
それに対して4LDKは、そもそも流通が少ないこともあり極端に取引件数が少なくなっているのが分かります。

ただし、4LDKマンションにも一定の需要はあり、必ずしも売れないというわけではありません。スムーズに売却する為にも、売れない理由や売るコツを押さえておくことが重要です。

4LDKマンションが売れないといわれる理由

ここでは、4LDKマンションが売れないといわれる理由について解説します。

販売価格が高い

中古マンションの間取り別成約価格
都道府県(万円) ワンルーム 1DK・LDK 2DK・LDK 3DK・LDK 4DK・LDK 5DK・LDK以上
東京都 1,904 4,075 6,329 6,142 5,765 9,379
埼玉県 781 1,961 2,330 2,990 3,284 2,068
千葉県 820 1,925 2,167 2,784 3,156 2,253
神奈川県 912 2,410 3,482 3,914 4,152 4,106

出典:東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「年報マーケットウォッチ(2022年・年度)」

4LDKマンションは、2LDK・3LDKに比較して専有面積が大きくなる為、価格も高くなりがちです。
買主様にはもちろん予算があるので、価格で絞り込む段階で4LDKマンションは候補から外れやすくなってしまい、結果的に成約までに時間がかかっている可能性が考えられます。

首都圏における中古マンションの間取り別成約価格を見てみると、4LDKは3LDKに比べて1~2割程高くなっています。
ただし、東京に関しては4LDKよりも2LDK・3LDKのほうが価格は高くなっていることも分かります。
これは、2LDK・3LDKの人気が高く、取引件数も多い為に価格を押し上げていることが要因です。

ちなみに、同データによる東京都の専有面積平均は、2LDKが62.06㎡、3LDKが73.87㎡に対して、4LDKは95.36㎡と20㎡以上も広くなっています。
3LDKの㎡単価は83.14万円の為、単純に4LDKに当てはめれば83.14万円×20㎡で約1,600万円以上高くなるはずです。

それにもかかわらず4LDKの価格が低いということは、2LDK・3LDKよりも単価水準を低くしなければ売れにくいということを意味しているといえるでしょう。

埼玉県・千葉県・神奈川県についても、成約価格自体は4LDKが2LDK・3LDKを上回りますが、㎡単価では2LDKや3LDKよりも低くなっています。

核家族化が進行している

4LDKマンションとは、リビング・ダイニング・キッチン以外に4つに居室がある間取りです。部屋数が多いことから、基本的には人数の多いファミリー世帯向けの物件といえるでしょう。

しかし、日本は少子高齢化・核家族化が進んでおり、夫婦のみや子どもが少ない世帯が増えています。

実際、「2022(令和4年)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2022(令和4)年6月2日における総世帯数5431万世帯のうち「単独世帯(32.9%)」が最も多く、次いで「夫婦と未婚の子のみの世帯(25.8%)」「夫婦のみ世帯(24.5%)」となっています。
また、平均世帯人数も平成元年の3.10人から2022年は2.25人と年々減少しています。児童のいる世帯については、最も多いのは「児童が1人(49.3%)」であり、3人以上の世帯は12.7%と子供が多い世帯数も少ないことが分かります。

例えば、夫婦と子ども1人の世帯であれば、4LDKでは1部屋を主寝室として使用して1部屋を子ども部屋にしてもまだ2部屋残ることになります。
このように、少子化や夫婦のみの世帯が増えていることで、大人数世帯向けの4LDKは需要が低くなってしまうのです。

出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

一戸建てが競合になる

4LDKは、一戸建てに近い広さや部屋数があることから、購入を検討する方は一戸建てと比較する傾向にあります。

4LDKマンションと一戸建て、それぞれの特徴は以下の通りです。

種類 メリット デメリット
4LDKマンション
  • セキュリティや防犯性が優れている
  • 管理の手間がかからない
  • 共用設備が充実している
  • 騒音トラブルの心配がある
  • 毎月修繕積立金・管理費の負担がある
  • ペットの飼育など管理規約に制限される
一戸建て
  • 生活の自由度が高い
  • 管理費や修繕積立金がかからない
  • 騒音トラブルが起きにくい
  • 管理や修繕を自分でしないといけない
  • 共用施設がない
  • マンションより立地の面で劣りやすい

4LDKマンションには、マンションならではの充実した設備やセキュリティ性・立地の良さというメリットがあります。
しかし、上下階・左右の住居との距離が近い為、騒音トラブルが起きやすいというデメリットがあります。また、管理規約などで生活のルールが決まっており、自由度はあまり高くありません。

一方、一戸建ての魅力は自由度の高さです。
庭で子どもを遊ばせる・趣味を楽しむ・ペットを飼うなどに制限はなく、リフォーム・リノベーションも自由にできます。
また、毎月の管理費や修繕積立金がかかりません。
ただし、一戸建ては全ての管理やセキュリティ対策などを自分で行う必要があります。

上記のようなメリット・デメリットを比較した際に、一戸建てを選択するケースは少なくないでしょう。
特に、4LDKのターゲットとなる大人数の世帯や子育て世帯は、一戸建てを選びがちです。

部屋数が多すぎる

4LDKの部屋数は、子どもが2人以上いる世帯や2世帯同居なら理想的な部屋数といえます。

ただし昨今では、子どもが2人以上いる場合でも、近年は子どもが小さいうちは子ども部屋を設けないケースも増えています。
思春期になればそれぞれの子ども部屋を設けるケースもありますが、独立してしまうと子ども部屋がそのまま空いてしまうので持て余してしまいます。

また2世帯同居を検討する場合、生活リズムの違いから1階と2階で住空間を分けられるかつ、プライバシーを確保しやすい一戸建てを検討する可能性もあります。

基本的に、マンションは長く暮らすことを前提として購入する為、このように部屋数の多さがネックになりやすいものです。

とはいえ、昨今はリモートワークの普及にともない仕事部屋を設けたい方や、個人の趣味を充実させたいと考える方も少なくないことから、部屋数が多い間取りのニーズも高まりつつあります。
また、子どもが独立すれば部屋を持て余すという点は、一戸建てであっても同様のことがいえるでしょう。
その為、部屋数の多さだけが売れない大きな問題とはなりにくいものです。

売れやすい4LDKマンションの特徴

ここでは、売れやすい4LDKマンションの特徴を解説します。

立地環境が良い

駅近や生活利便性が高いなど、立地環境の良いマンションは4LDKでも売りやすくなります。
また、子育て世帯は学区にこだわるケースも多く、人気の学校があったり教育施設が充実していたりするエリアのマンションも需要が高くなります。

こうした条件にあてはまる場合は、立地環境の良さをアピールすることで売りやすくなるでしょう。

仮に、駅近という好条件にもかかわらずなかなか売れないという場合は、別の要因が考えられます。駅近マンションなのに売れない原因や対処法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

駅近マンションなのに売れない!その原因と対処法をプロが解説

収納スペースが多い

大人数で住むことを前提としている4LDKマンションは、収納が豊富にあるのが一般的です。
なかには、クローゼットやウォークインクローゼットが各部屋にあるマンションも珍しくない為、収納力の高さはアピールポイントになります。

設備や共用スペースが充実している

設備や共用スペースが充実していることもアピールポイントになります。
キッズスペースやラウンジ・ジム・プールなどがあるなど、他の物件と差別化できるような設備や施設があるなら、アピールすると良いでしょう。

仮に設備が充実していない場合でも、その分管理費・修繕積立金が安くなっているならそのことがアピールポイントになる可能性もあります。

リビングが間取りの中心にある

リビングが間取りの中心にあると各部屋への行き来がしやすくなります。
さらに、各部屋に行く際にリビングを通るような間取りであれば、自然と家族とのコミュニケーションもとりやすくなるでしょう。
その為、子育て世帯に人気のある間取りです。

寝室と子供部屋が離れている

寝室と子ども部屋が離れている間取りも、音を気にせずゆっくり睡眠できる点で人気があります。

また前述した通り、近年のリモートワークの普及により独立した仕事部屋を確保したい方も増えており、子ども部屋と仕事部屋が離れている間取りを求める方も少なくありません。

メゾネットタイプの間取り

メゾネットタイプとは、住居内に階段を設けており、2階以上の階層がある間取りです。メゾネットタイプのマンションは多くない為、希少性が高く人気があります。

メゾネットタイプであれば、マンションでありながら一戸建てのような雰囲気で暮らすこともできます。
また、1階と2階でスペースが分かれる為、リモートワークをしている方や来客が多い家庭から注目される可能性があります。

4LDKマンションを売る為のコツは?

ここでは、4LDKマンションを売る為のコツをご紹介します。

ターゲットを明確にする

4LDKマンションを売る為には、ターゲットを明確にしてターゲットに合わせたアピールをすることが大切です。
より具体的なターゲットに絞ってアピールすることで、ターゲットに響きやすくなるでしょう。

4LDKマンションの主なターゲットとアピールポイントは、以下の通りです。

ターゲット層の例 アピールポイント
子どもが多い家庭
  • 子ども部屋を確保しやすい
  • 部屋数の多さや学区、周辺の教育施設、セキュリティや防犯性の高さなどがアピールポイント
仕事部屋が欲しい方
  • 独立した仕事部屋を確保しやすい
  • 部屋数の多さや利便性の高さ、通勤時の交通アクセスの良さなどがアピールポイント
趣味の部屋が欲しい方
  • 趣味の部屋を確保できる
  • 趣味に没頭できる点や趣味の物を収納できる収納力の高さがアピールポイント
荷物が多い方
  • 各部屋に収納がある、1部屋まるまる収納部屋として活用できる点がアピールポイント
来客が多い方
  • 来客対応用の部屋を確保しやすい
  • 部屋の配置次第で、来客と自分のプライバシーを分けられる点がアピールポイント
二世帯での同居を検討している方
  • 独立した部屋でそれぞれ生活できる
  • 独立した部屋の多さや病院施設や買い物施設など周辺環境、和室を確保しやすい点がアピールポイント
自宅で開業をしたい方
  • 余っている部屋を活かしてピアノ教室やネイルサロンなどを自宅で開業しやすい
  • 管理規約によっては、開業目的での利用が禁止されている場合もある

内覧時に部屋の用途を説明する

前述した通り、4LDKマンションが売れにくい要因の一つに部屋数の多さがあります。
買主様のなかには、寝室と子ども部屋以外の用途をイメージできていない方もいるでしょう。

その為、内覧時に「この部屋はこのような用途で使っている」という具体的な部屋の用途を説明すると、買主様も購入後の生活をイメージしやすくなります。

売り出し価格を見直す

4LDKマンションを売り出す際には、相場を踏まえて適切な価格を設定することが大切です。
また、4LDKのマンションは価格の高さも売れにくい原因となっている為、周辺の3LDKマンションの相場も押さえておくことをお勧めします。

目安としては3LDKマンションよりも若干高いくらいが売りやすくなるでしょう。

相場を調べる際には、国土交通省の不動産情報ライブラリで過去の成約価格を調べたり、類似の物件の売り出し価格を調べたりする方法があります。

とはいえ、類似物件であっても自分の物件とは価格が大きく異なる場合があります。
さらに、4LDKマンションは供給数も多くない為、相場がつかみにくい点にも注意が必要です。
価格を設定する際には、不動産会社と相談しながら適切な価格を設定すると良いでしょう。

マンション売却相場の調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて

ホームステージングを行う

ホームステージングとは、プロにおしゃれな家具や小物を配置してもらいモデルルームのように演出する手法です。

4LDKの広々としたスペースを活用して、ホームステージングを行うことで豪華な印象を与えることができ、購入意欲の向上につながるでしょう。

不動産会社のなかにはホームステージングサービスを提供しているケースもあるので、ホームステージングサービスに対応している不動産会社を探すのもお勧めです。
長谷工ではホームステージングサービスを行っているので、ご検討中の方はお気軽にご相談ください。

長谷工の仲介のホームステージングはこちら

買取も視野に入れる

仲介でマンションがなかなか売れないなら買取を検討するのも一つの方法です。
買取とは、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう売却方法のことをいいます。一般的な売却方法である「仲介」は、不動産会社が間に入って買主様を探す為、そもそも買主様が現れなければ売却できません。

一方、買取であれば不動産会社との条件に合意できれば売却できるので、短期間での売却も可能です。また、仲介ではない為、仲介手数料が不要というメリットもあります。
ただし、買取は一般的に仲介よりも売却額が安くなる点には注意しましょう。

とはいえ、仲介でいつまでも売れ残ってしまうと物件の印象が悪くなるだけでなく、売れない間にも固定資産税や管理費がかかる、新居購入が進まないなどの不都合も生じやすくなります。
不動産会社が仲介・買取など多様な売却方法に対応していれば、適切な売却方法の提案を受けやすく売りやすくなるでしょう。

マンション買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

相談先の不動産会社を変更する

すでに4LDKマンションを売り出しているもののなかなか売れないという場合、不動産会社の変更を視野に入れることも一つの手です。
ただし、不動産会社との媒介契約によってはすぐに不動産会社の変更ができない為、契約期間終了を待つようにしましょう。

不動産会社にも得意・不得意がある為、マンション売却が不得意な不動産会社に依頼してしまうと適切な売却活動ができずに売却に時間がかかる恐れもあります。
これからマンション売却を検討している場合は、マンション売却の実績や評判、サービスの種類、対応エリア、担当者との相性など総合的に判断して、信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。

長谷工の仲介は、4LDKマンションの売却実績が豊富です。仲介だけでなく、前述した買取にも対応していますので、売主様の状況や要望に応じた売却方法をご提案可能です。
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まとめ

ここまで、4LDKマンションが売れない理由や売る為のコツについてお伝えしました。
4LDKマンションは、部屋数の多さや価格の高さが要因となり2LDKや3LDKに比べて売れにくい傾向があります。

しかし、4LDKマンションであっても適切な価格設定やアピールなどの売るコツを押さえることで売却できる可能性は十分あります。
4LDKマンションをスムーズに売却できるかは不動産会社選びにも左右されるので、信頼できる不動産会社を見つけることからスタートすると良いでしょう。

※本記事の内容は2024年9月2日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

逆瀬川 勇造(合同会社7pockets 代表社員)
明治学院大学卒。銀行、不動産会社勤務を経て独立。宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー。

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