
不動産会社にマンション売却を依頼すると、購入希望者に家の中を見せる「内覧」が始まります。
内覧にはどのような準備が必要で、当日はどのように対応したら良いのでしょうか。
この記事では、「マンション売却の内覧」について解説します。
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マンション売却での内覧の流れ
はじめに、マンション売却における内覧の流れについて解説します。
内覧予約の申し込みが入る
内覧は、不動産会社へ購入希望者からの申し込みが入ることから始まります。
不動産会社は売主様に内覧希望のあったことを伝え、日程調整をしたうえで内覧日が決定します。
内覧を行う
住みながら家を売却する場合、売主様も内覧に立ち会うことが一般的です。
内覧の希望が入ったときに慌てないよう、販売期間中はいつでも内覧に対応できるように、家の中は常に清潔感を保っておくことが望ましいといえます。
条件交渉して売買契約を結ぶ
内覧の結果、購入したい方が現れると、不動産会社を通してその購入希望者から購入申込書を受領します。購入申込書には、購入希望価格などの条件が記載されていることが一般的です。
その後、不動産会社を通じて売主様の希望も伝え、条件交渉を行います。条件が合えば、買主様と売買契約を締結します。
一般的には、売買契約後から1〜2ヵ月後に引き渡しとなります。
マンション売却の内覧前に行う準備
マンション売却の内覧前にすべきことを6つ紹介します。購入希望者の、マンションに対する印象を左右する恐れがある為、どれも欠かさず注意する必要があります。
内覧の日時が決まったら、スムーズに対応できるように準備しておきましょう。
水回りや目につく場所の掃除や整理整頓をする
部屋が散らかっていたりゴミが落ちていたりすると、購入希望者が気持ちよく内覧できません。その為、内覧前には部屋の掃除や整理整頓をして綺麗にしておくことが重要です。
ここからは具体的に、買主様の印象に影響する部分について掃除や整理整頓のポイントを紹介します。
確認箇所 | 掃除や整理整頓のポイント |
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壁や床 |
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玄関 |
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水回り(キッチンやバス、洗面化粧台、トイレなど) |
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リビング |
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バルコニー |
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共用部分 |
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ハウスクリーニングの利用を検討する
水回りの経年使用による汚れや頑固な汚れが気になる場合は、ハウスクリーニングなどプロによる清掃を検討しましょう。
マンション室内全てを依頼すると高額になりますが、気になるポイントだけの利用でも十分効果があります。必要に応じて相談しましょう。
例えば、浴室やキッチンのクリーニング費用の相場は、それぞれ2万円前後です。レンジフードのクリーニングは別途料金になるケースがあります。事前にどこまでプランに含まれるのか確認しましょう。
また一般的には居住中のケースを想定したクリーニング費用が設定されていますが、空き家の状態は作業しやすい為、割安になることもあります。
ハウスクリーニングの相場や、実施するメリットについては以下の記事で詳しく紹介しています。
マンションのハウスクリーニングの相場は?売却時に実施するメリットやポイントを解説
部屋の臭い対策をする
部屋の臭い対策もしておきしょう。
家に染み付いた臭いはなかなか取れない為、風通しを良くしておくことがポイントです。
特にペットを飼っている方やタバコを吸う方は、早くから臭い対策を行っておくことが望ましいといえます。
損傷個所の修理を行う
小さな傷などがある場合は、最低限の修復を行っておきましょう。
すぐに直せない損傷は、隠さないで説明するのが望ましいです。
また、一部の不動産会社で行っている修復サービスを利用するという手もあります。
マンション売却時のリフォームのメリットや相場費用についてはこちらの記事をご覧ください。
マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説
マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説
長谷工の仲介が展開している「仲介バリューアップサポート」では、壁や床の修繕も行っていますので、参考にしてみてください。
ホームステージングの利用を検討する
ホームステージングとは、モデルルームのように演出して家を売却する手法です。
ホームステージングを利用し、家の中を魅力的に見せることができ、購入を検討している買主様に良い印象を持ってもらえます。それにより、売却をスムーズに進められる可能性が高まります。長谷工の仲介では、ホームステージングサービスを展開しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
質問の回答を事前に用意しておく
内覧時に購入希望者から質問されるケースがあります。返答に困らないように、よくある質問については、不動産会社の担当者と相談して回答を準備しておきましょう。
例えば以下のような質問が想定されます。
- 売却理由
- 引越し先やエリア
- 周辺環境や交通の利便性
- リフォームや修理の有無と実施個所
- 設備不具合の有無
- 水害など災害の履歴
- 近隣住民との付き合い
- 近隣のスーパーや商店街の物価
特に売却理由に関しては、買主様に告知する必要があるものも存在します。その為、伝える必要があるのかどうか把握しておくことが大切です。
家を売る理由や伝え方のコツについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家を売る理由とは?買主様への告知義務や理由を伝える際のポイントを解説
内覧当日のポイント
マンション売却の内覧当日のポイントについて解説します。
スリッパの用意や荷物が置ける場所を用意しておく
購入希望者にはスリッパを用意し、事前に玄関に並べておきましょう。また、荷物やコートが邪魔になりそうな場合は置き場所を提供し、ゆっくり内覧できるように対応します。
ただし応対が過度にならないように注意し、適度な距離感を保ちましょう。和やかな雰囲気で会話ができると、印象もよくなります。
室内の明るさ調整や温度調整をする
カーテンは開けておき、部屋の電気も全て付けておきましょう。そうすることで、明るく日当たりが良いイメージを与えることができます。
また、外の気温に応じて室温も調整しておくと良いでしょう。夏の暑い日には冷房で室内を涼しくしておくと、外から訪問した購入希望者も快適に内覧できます。逆に、冬は暖房で適度に温めておきましょう。
故障・不具合のある箇所に関する質問に答える
故障・不具合のある箇所は不動産会社の担当者から必ず説明してもらうように事前に打ち合わせを行いましょう。質問をされた際には誠実に回答し、設備の状態を見てもらいましょう。
特に設備の不具合に関しては、きちんと説明をしておかないと売却後にクレームに発展する可能性があります。
具体的な居住メリットを伝える
基本的には不動産会社の担当者が説明をします。しかし具体的な居住メリットは売主様から説明し、内覧者が引越し後の生活をイメージできるようにしましょう。
例えば以下のような情報です。
- 商業施設や商店街が近くにあり、買い物が便利である
- 病院や診療所が近くにあり、安心である
- 大きな公園や緑豊かな公園が近くにあり、子育てがしやすい
- バス停が近くにあり、本数も多く便利である
- 最寄り駅から家まで街灯が続いており、夜でも明るい道を歩いて帰ることができる
アピールのしすぎに気をつける
売主様からのあまりに積極的なアピールはかえってマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
内覧中は不動産会社の営業担当者の後ろについて回るイメージで、売主様しか回答できない質問があれば対応するといったスタンスで良いでしょう。
曖昧な情報は提供しないようにする
曖昧な情報はその場で提供しないほうが良いでしょう。
必ずしも全てをその場で答える必要もなく、後日に不動産会社を通じて回答するといった対応方法もある為、不明なことは「わからない」とハッキリ伝えたほうが、後のトラブル防止につながります。
仮押さえなど安易な約束は行わないようにする
内覧中はもっと良い条件の購入希望者が現れる可能性があることから、仮押さえなどの対応は通常しません。
購入意欲が高い買主様は正式な意思表明の為に購入申込書を出してきますので、購入申込書を提出する以前の方を特別扱いする必要はありませんが、万が一、仮押さえをする場合は購入申込書提出の期限を設けたりするといった対策をしましょう。
マンション売却で内覧希望者が来ない場合の対処方法
マンション売却で内覧希望者が来ない場合の対処方法について解説します。
内覧対応ができる期間を伸ばす
内覧が可能な時間帯や曜日を限定しすぎていないかを再度確認し、内覧希望者が申し込みしやすいようにしましょう。
内覧は土日に集中しやすい為、できれば土日は両方対応できると望ましいです。
売却時期をずらす
マンションに限らず、不動産には繁忙期といって需要が高まる時期があります。一般的には1〜3月や9月頃は引越しする方が増えます。需要を考えて、売却時期を見直すのも一つの方法です。
また同じマンション内から複数の物件が出ている場合などは、価格や条件を比較される為、競合物件の内容によっては、時期をずらすことも検討しましょう。
マンション売却に適した時期については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説
価格が相場よりも高すぎないか見直す
同様のタイプの住戸が比較的安価で売りに出たなど、設定した売却価格が相場に合っているのかを確認することも一つです。
なかにはローン完済できるかといった不安から相場に見合っていない売却価格で設定している売主様もいらっしゃいます。
マンション相場の調べ方についてはこちらの記事をご覧ください。
【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて
依頼している不動産会社に相談する
広告やホームページに掲載する画像や紹介文を見直すなど、不動産会社に相談することも適切な対策の一つです。
売りに出したら、広告に自分の物件がどのように出されているのか、確認することをお勧めします。買主様の気持ちになって眺め、他の広告と比べて情報量が劣るようであれば、早めに不動産会社に相談してみてください。
マンション売却の内覧に関するよくある質問
マンション売却の内覧に関するよくある質問について解説します。
売却までの内覧件数はどのくらい?
不動産情報サイト事業者連絡協議会が実施したアンケート結果によると、物件を購入した方は平均5.8件(2022年)問い合わせをしています。6件以上と回答している方は37.7%でした。

問い合わせ=内覧数ではないものの、内覧の検討数としては5~6件程度が平均的といえるでしょう。
また、住まい探しをはじめて契約までにかかった期間については、1ヵ月から3ヵ月未満と回答している方が最も多く35.5%でした。次いで、6ヵ月以上と答えている方は26.4%、3ヵ月から6ヵ月未満は19.1%となっています。

そのため、毎週土日に1回内覧が発生し、2~3ヵ月で合計5~6回程度発生すると考えておくと良いでしょう。
出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会「「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果」
内覧中は同行したほうが良いの?
住みながら売却する場合には、防犯上の問題から必然的に同行することになります。
一方で、空き家の状態で売却する場合には、基本的には不動産会社に任せてしまっても構いません。
内覧は居住中に行う?引越し後に行う?
内覧は、居住中または引越し後に行わなければならないというルールはありません。
住み替えで売却を先に行う「売却先行」を選択する方は必然的に居住中となり、購入を先に行う「購入先行」を選択する方は引越し後に行うことができます。
居住中に内覧を行う方は、売却を先に行い、売却後に物件を購入することから資金計画が楽になるという点がメリットです。一方で、住みながらの内覧である為、掃除や片付けなどの手間がかかる点がデメリットとなります。
引越し後に内覧する方は、空き家の状態で家の中を綺麗に見せることができ、不動産会社に内覧対応を任せることができる点がメリットです。
一方で、購入を先に行う為、売却前にまとまった資金が必要となることから、資金計画が難しい点がデメリットとなります。
住みながら売却を目指す「売り先行」については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
住みながら家を売ることはできる?メリットやポイントも併せて紹介
値引き交渉を受けた場合はどうすれば良い?
値引き交渉は購入申込書を受領した段階で受け、不動産会社を通じて回答します。
内覧中に値引き交渉をされた場合は、すぐに不動産会社の担当者に相談をしましょう。
不動産会社の担当者がいない場所で交渉されても、その場で答える必要はありません。
内覧後の返事はいつ届くの?
購入意欲が高い方は、購入申込書という書面で正式に購入の意思表示を示してきます。
数日中に購入申込書を出してくる場合もありますが、返事までに時間がかかることもあります。購入希望者は複数の物件を比較検討していることが多いので、待ちましょう。
まとめ
ここまで、マンション売却の内覧について解説してきました。
マンション売却の内覧で気持ちよく買主様をお迎えできるように、この記事で紹介した掃除のポイントを確認しておきましょう。また、内覧での値引き交渉はその場で応じずに、不動産会社の担当者と相談するなどしっかりと吟味する期間をとることが重要です。
長谷工の仲介では、売主様のマンション売却サポートのみならず引越し後の不安も解消するアフターサポートが充実しています。
さらに、安心して売却のお手伝いができるように「売却何でも相談」サービスを展開し、売主様の悩みに丁寧に対応していますので、マンション売却の際はぜひご依頼いただけると幸いです。
※本記事の内容は2023年9月1日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。