2023.07.10マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説

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近年、マンションをより快適な空間にしたいと考える方は増加傾向にあり、マンションリフォームのニーズが高まっています。
しかし実際に予算がどのくらいかかるのかわからず、一歩を踏み出せずにいる方も多いかもしれません。

この記事では場所別のリフォーム費用相場や、費用を抑える方法を紹介します。
またリフォームに関する注意点や、リフォーム会社の選び方も解説しますので、マンションリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。

マンションリフォームができる箇所とは?

マンションには専有部分と共用部分があります。マンションリフォームができるのは原則的に専有部分のみであり、共用部分はできません。
例えば玄関ドアや窓、バルコニーは共用部分となる為、原則的に交換などはできません。構造躯体であるコンクリート自体に影響するような工事も同様です。

共用部分となるバルコニーにウッドデッキなどを設置できる場合もありますが、管理組合に修繕内容や工事期間などを申請し、承認を受ける必要があります。検討する場合は事前に管理組合に確認するようにしましょう。

一方、一般的にリフォームできる専用部分は以下の通りです。

  • キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの水回りの交換
  • フローリングや壁紙、畳など内装工事
  • 給湯器や浴室乾燥暖房機、床暖房、エアコンなどの設備の交換
  • 間取りの変更やクローゼットの設置や解体(構造上問題ない範囲)

【場所別】マンションリフォームの相場

次に、実際にマンションリフォームの相場を場所別に紹介します。リフォームの相場は使用する材料や仕様などによっても異なる為、リフォームを検討する場合の目安としてお考えください。

リビングダイニング

リビングのリフォームで多いのは、フローリングや壁紙の張替え、間取りの変更です。
マンションでは防音対策の為に、使用できるフローリングの等級が指定されているケースがあり、一戸建に比べて割高になる恐れがあります。10帖程度で50〜60万円が相場です。

壁紙の張替えは10帖の場合、張替えと処分費を含めて10〜15万円が相場です。壁紙にもグレードがあり、使用する材料によってはもう少し高くなる恐れがあります。また1面だけ違うクロスを張る「アクセントクロス」を使用する場合も、リフォーム工数がかかる為割高になります。

リビングと隣接する部屋を1部屋にするなど、間取り変更する場合の相場は200万円前後です。構造によっては解体できない壁もあります。詳細はリフォーム会社や工務店にご相談ください。

リフォーム内容 相場費用
フローリングの張替え 50万円~60万円程度(10帖程度)
壁紙の張替え 10万円~15万円程度(4面)
間取りの変更 200万円程度かかるケースもある

リビングリフォームの事例については、こちらのページで紹介していますのでご覧ください。

長谷工リフォーム「リビングダイニングリフォーム事例」

和室

和室のリフォームで多いのが畳の張替えです。
畳のリフォームには、その状況や年数に応じてリフォーム方法が異なります。
購入から3〜5年程度であれば、畳表(畳の表面)を裏返して、畳縁を新しくする方法があります。一般的に裏返しと呼びます。
購入から10年前後であれば、畳床は交換せずに畳表と畳縁を交換する表替えという方法があります。購入から20年以上経っている場合は、新しい畳に新調する畳替えをお勧めします。

リフォーム内容 相場費用
畳 裏返し 5,000円程度/畳
畳 表替え 5,000円~20,000円程度/畳
畳 畳替え(新調) 10,000円~/畳

和室のリフォーム事例については、こちらのページで紹介していますのでご覧ください。

長谷工リフォーム「和室リフォーム事例」

水回り

水回りのリフォームといえばキッチンや浴室、トイレ、洗面所などが思い浮かぶでしょう。
水回りのリフォームは費用がかかるイメージがありますが、特に水回りは経年により汚れる箇所である為、リフォームによる効果を感じやすい部分でもあります。
また最新の設備を取り入れることによって、性能はもちろんお掃除がしやすくなるなどの効果があります。
場所ごとにそれぞれ紹介していきます。

キッチン

キッチンのリフォームは、選ぶ仕様やグレードによって相場が異なります。ガスコンロや食洗器、換気扇の交換であれば、グレードにもよりますが20万円前後が相場です。工期も半日程度でできる為、比較的簡単なリフォームといえます。

また、間取りの変更を伴わないキッチンの交換は150万円〜200万円程度でリフォームできます。その場合の工期は2〜3日程度です。
もし壁付けキッチンを対面キッチンにする場合は、内装工事が発生します。キッチン部分のフローリングや壁紙の張替えが必要になる為、300万円程度を想定しておきましょう。工期は内装工事の内容によっても異なりますが、工期は通常5〜7日程度かかります。

リフォーム内容 相場費用 工事期間
ガスコンロの交換・食洗器の交換 各20万円前後 半日程度
キッチンの交換(間取変更なし) 150万円~200万円程度 2〜3日程度
対面キッチンに変更 300万円程度かかるケースもある 5〜7日程度

長谷工リフォーム「キッチンリフォーム事例」

トイレ

トイレのリフォームは便座や便器の交換のみ、もしくは壁紙とクッションフロア(床)も含めたリフォームの2タイプが多いです。しかし、手洗い場や収納を含めてリフォームする場合はその分費用もかかります。

便座の交換には、基本的に便座費用+工事費用(10,000円前後)がかかりますが、工事費用を抑える為に自身で交換する方もいます。
便器の交換については、シンプルな機能の便器から自動洗浄機能付き、タンクレスなど仕様も様々あります。工期は便器のみの交換であれば半日程度、内装工事を含めた場合でも1日程度です。和式から洋式に変更し、内装工事をする場合は2〜3日を想定しましょう。

リフォーム内容 相場費用 工事期間
便座の交換 5万円~15万円程度 数十分~数時間
節水型の便器へ交換 20万円前後 数時間~半日
節水型の便器へ交換+内装工事 25万円前後 1日程度
和式から洋式への変更+内装工事 50万円程度かかるケースもある 2〜3日程度

トイレのリフォーム事例については、こちらのページで紹介していますのでご覧ください。

長谷工リフォーム「トイレリフォーム事例」

浴室

浴室のリフォームには、折り戸や水栓金具の交換などもありますが、浴室のフルリフォームをイメージする方が多いのではないでしょうか。

ユニットバスを交換するのみであれば、仕様やグレードにもよりますが50万円前後からリフォームできます。ただしユニットバスを解体するときに、洗面所の壁も一部解体する必要があります。洗面所のリフォームを同時に行う場合は、その分費用が発生します。

浴室を交換する場合、通常工期は3日程度かかります。浴室リフォーム工事中は、入浴することができない為、銭湯や温浴施設の利用なども合わせて検討する必要があるでしょう。

リフォーム内容 相場費用 工事期間
水栓金具の交換 2万円前後~ 数時間
折れ戸の交換 15万円前後~ 1~2時間程度
ユニットバスの交換 50万円~200万円 3日程度

浴室のリフォーム事例については、こちらのページで紹介していますのでご覧ください。

長谷工リフォーム「洗面/浴室リフォーム事例」

洗面所

洗面ユニット(洗面化粧台)を交換する場合は、半日程度で工事できますが、壁紙とクッションフロアも張り替える場合は1日程度を想定しましょう。水栓金具の交換のみであれば、2万円前後で工期も数時間程度でできます。

リフォーム内容 相場費用 工事期間
水栓金具の交換 2万円前後 数時間
洗面ユニット(洗面化粧台)の交換 10万円前後 半日
洗面ユニットの交換+内装工事 15万円前後 1日程度

洗面所のリフォーム事例については、こちらのページで紹介していますのでご覧ください。

長谷工リフォーム「洗面/浴室リフォーム事例」

マンションのリフォーム費用を抑えるポイント

マンションリフォームを検討しているうちに、予算を超えてしまうことは良くあることです。しかし予算を増やせない場合、費用を抑える為にはどうしたら良いのでしょうか。ここでは2つの方法を紹介します。

リフォーム箇所の優先順位を見直す

まずリフォームしたい内容をリストアップし、優先順位を見直しましょう。本当にリフォームしたい箇所と、できればリフォームしたい箇所に分ける方法でも構いません。予算に応じてどこまでリフォームするか再検討します。

次にリフォーム内容を見直します。例えばキッチンや浴室はグレードや仕様を変更することによって、ぐっと費用を抑えることができます。

リフォーム会社の担当者に予算を伝えて、アドバイスを求めるのもお勧めです。プロの目線で提案してもらうことによって、思いもしない視点が見えてくる可能性があります。

相見積もりをとって比較する

リフォーム会社によって強みが異なる為、同じリフォーム内容だとしても見積額が異なる恐れがあります。その為、少なくともリフォームの見積もりは2〜3社に依頼しましょう。相見積もりをすることによって、より予算を抑えたプランでリフォームできるかもしれません。

マンションのリフォームで利用できる補助金や減税制度

マンションのリフォームをする場合、内容によっては補助金や減税制度を利用することができます。ただし事前に申請が必要になるケースが多いので、事前に把握しておくと良いでしょう。

補助金制度

マンションリフォームで使える可能性がある補助金は、以下の4つです。それぞれの条件や申し込み期間などを確認してみましょう。

住宅省エネ2023キャンペーン(国交省、経産省、環境省)

住宅省エネ2023キャンペーンとは、こどもエコすまい支援事業・先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業を総称するキャンペーンです。対象となる工事や申請期間は、それぞれ以下の通りです。

参考:こどもエコすまい支援事業事務局 「住宅省エネ2023キャンペーン」

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約等を締結し、対象となるリフォーム工事をすると補助を受ける事ができます。
リフォーム内容としては窓や床の断熱改修、もしくはエコ住宅設備の設置が必須になり、同時に行う場合はバリアフリー改修なども対象になります。

原則1戸あたり30万円が補助上限ですが、子育て世帯や若者夫婦世帯は条件によって最大60万円が補助上限となります。
ただし、交付申請予約は2023年11月30日までとしていますが、予算上限に達した場合は打ち切りになります。
詳しい対象要件などは下記ページをご覧ください。

こどもエコすまい支援事業事務局「こどもエコすまい支援事業」

先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業とは、既存住宅の窓の断熱性能を高めることにより、熱損失を削減することを目的とした事業です。補助の対象となるのは窓の断熱改修(リフォーム)で、工事の内容によって補助額は異なりますが、一戸あたり5万円〜最大で200万円です。

契約は遅くとも2023年12月31日までに行えば問題ないですが、予算額に達した場合は早期に打ち切りとなる点に注意しましょう。
詳しい対象要件などは下記ページをご覧ください。

先進的窓リノベ事業事務局「先進的窓リノベ事業」

給湯省エネ事業

給湯省エネ事業とは、省エネ性能の高い高効率給湯器の設置を支援する事業です。電気ガスのハイブリッド給湯機やエネキュートを設置した場合は、5万円/台(共同住宅は1台、戸建住宅は2台まで)を補助するものです。
また、家庭用燃料電池(エネファーム)を設置した場合は、15万円/台を補助してもらえます。

給湯省エネ事業についても、他の事業同様に交付申請を2023年12月31日までに行う必要があり、予算額に達した場合は早期に打ち切りとなります。
詳しい対象要件などは下記ページをご覧ください。

給湯省エネ事業事務局「給湯省エネ事業」

住宅エコリフォーム推進事業(国交省)

住宅エコリフォーム推進事業とは、住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修することを目的とした事業です。断熱材の挿入やLED照明工事、高効率給湯機の設置などが対象になります。

補助額の限度額は35万円で、補助対象額の40%までが限度になります。交付申請は遅くとも2024年1月19日までに行う必要があり、予算額に達した場合は早期に打ち切りとなります。
詳しい制度の概要などは下記ページをご覧ください。

国土交通省「令和5年度「住宅エコリフォーム推進事業」の募集を開始します!」

子育て支援型共同住宅推進事業(国交省)

子育て支援型共同住宅推進事業とは、共同住宅(マンション)を対象に、子どもの安全を確保する為の住宅改修を支援する事業です。転落防止の手すり設置や、浴室扉の外鍵設置などが対象になります。
ただし2023年度事業については準備中の為、具体的な募集開始時期は報道発表を待つ必要があります。
詳しい制度の概要などは下記ページをご覧ください。

国土交通省「子育て支援型共同住宅推進事業について」

地方自治体の住宅ローン減税

地方自治体ごとに住宅リフォームに対して支援制度があり、対象となる工事も様々です。地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイトからお住いの自治体の支援制度を簡単に検索することができます。
リフォームを検討する前にぜひご確認ください。

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」

減税制度

1月1日から12月31日までの1年間の間に、発生した所得に対して課される税金を所得税といいますが、要件を満たすリフォームを行った場合には所得税の控除を受けることができます。

所得税の控除にはリフォーム促進税制と住宅ローン減税があり、リフォームローンの利用に関わらず利用できるのがリフォーム促進税制です。控除期間はリフォーム工事を完了した年が属する年の1年間で、最大控除額は105万円です。

住宅ローン減税

10年以上のリフォームローンを借り入れた場合に利用できるのが、住宅ローン減税です。控除期間は改修後居住を開始した年から10年間で、控除額は最大で140万円です。(控除対象限度額2,000万円×0.7%×10年)
対象となるリフォームは以下の通りです。

リフォーム名 概要 対象リフォーム 最大控除額
バリアフリーリフォーム 高齢者や障がい者だけでなく、家族全員が安全に暮らす為に行うリフォーム 浴室改良や段差の解消 60万円
省エネリフォーム 住宅の省エネ性能をアップする為のリフォーム 窓や床、壁などの断熱改修や、高効率給湯器の設置工事 62.5万円(太陽光発電設備設置工事と併せて行う場合は67.5万円)
耐震リフォーム 住宅の耐震に関するリフォーム 現行の耐震基準に適合する為の耐震改修工事 62.5万円

参考:⼀般社団法⼈住宅リフォーム推進協議会「リフォームの減税制度」

リフォームを実施する際の注意点

マンションリフォームを実施する際に注意すべき、5つのポイントを紹介します。

リフォーム実施前に管理組合に説明する

リフォームを検討する場合は、まず管理組合に説明しましょう。マンションによっては、管理組合への申請が必要になり、リフォーム工事についての書面を掲示しなければならない場合もあります。

管理規約を確認しておく

マンションによってはリフォームできる内容に制限があります。例えば騒音の対策としてフローリングの等級が決められているケースや、構造耐力維持する為に、壁の解体撤去ができないなど定められているケースがあります。また、排水勾配や配管の位置の影響で間取り変更ができないケースもあります。

リフォームに関する取り決めは管理規約に記載されていますので、リフォーム会社に相談する前に確認しておきましょう。

増設する住宅設備の互換性を把握する

設備を変更する場合はその機器ごとに仕様が異なりますので、事前にアンペア数やブレーカーとの互換性を確認しましょう。
例えば設置するエアコンの容量や個数によって、必要なアンペア数が異なります。途中でアンペア数が建物の規定に合わないことが分かりリフォームが遅れてしまう、といったアクシデントにならないように事前に互換性を確認しておきましょう。詳しくはリフォーム会社へご相談ください。

周辺住民にあらかじめお断りを入れておく

リフォーム工事の内容によっては大きな音や振動が発生します。騒音や振動が原因となってトラブルになるケースもある為、隣接する部屋や上下階には挨拶しておきましょう。
前述した通り、マンションによってはリフォーム工事する場合に一定の書面を掲示しておくなどのルールがありますが、隣家が気付かないケースもあります。その為、書類を書くだけでなく直接お断りを入れておくと良いでしょう。

リフォーム内容によって工事期間が異なる

リフォーム工事はその内容によって工事期間が異なります。1日で終わる工事もあれば、間取り変更などは1ヵ月以上かかるケースもあります。
リフォーム工事は住みながら工事することが多い為、特に長期になる場合は生活に支障が出てきます。工事期間については、事前に確認しておくことをお勧めします。

マンション売却する為にリフォームを行うのはあり?

マンションは綺麗な状態のほうが売りやすいと考えて、売り出し前にリフォームを検討する方がいます。しかしリフォーム費用をマンション価格に上乗せすることは難しく、査定額に影響しないケースも多いです。

また買主様のなかには、マンションを購入したら自分の好きなようにリフォームしたいと考えている方もいる為、リフォーム内容によっては好まれない恐れもあります。
もしリフォームをしたいと考えている場合は、まず不動産会社の担当者に相談しましょう。
マンション売却時のリフォームに関する注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説

マンションのリフォーム会社の選び方は?

マンションリフォームを検討する場合は、実績が多い会社を選びましょう。
マンションリフォームは、通常管理組合への申請が必要であり、共用部分などリフォームできない箇所もある為、マンションリフォームの実績がない会社へ依頼した場合に思いもしないトラブルが発生する恐れがあります。
また見積もりの金額だけでなく、保証内容やサービスなどが充実している会社を選びましょう。

まとめ

リフォームを検討するタイミングで多いのは、設備の劣化を感じたときやライフスタイルが変化したときです。

ただし、想定よりもリフォーム費用が高額になる場合は、マンションを売却して希望の居住空間を手に入れるのも一つの方法です。長谷工の仲介は売却の無料相談や無料査定を行っていますので、お気軽にご相談ください。またマンション売却について検討する場合は、まずは下記の記事を参考に流れや注意点を確認してみましょう。

マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介

※本記事の内容は2023年7月10日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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