| この記事で分かることを1分で解説 | |
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長年暮らした愛着のある家。売却するなら納得したうえで売りたいと思うのは当然です。しかし、売却活動中には想定しないトラブルが発生することもあります。そうした事態を回避する為にも、トラブルになりやすいポイントを事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、家を売却するまでの流れと、準備段階、売却中、売却後それぞれのプロセス、不動産会社選びでやってはいけないことなどをご紹介します。家を売却する予定がある方はぜひ参考にしてみてください。
不動産の売却のお問い合わせやご相談は「長谷工の仲介」へ
まずは、家を売却するまでの流れを把握しよう
家を売り出し、成約に至るまでは一般的に3ヵ月程度かかります。また条件やタイミングによっては6ヵ月から1年かかることもあるので、売却するときの流れを把握しておくことが大切です。
一般的な売却の流れを7つのステップでご紹介すると、以下のようになります。
まず、売却を相談するのに必要な書類を準備します。購入時の売買契約書や土地の測量図、間取図などです。全てが揃っていなくても査定は依頼できますが、売買契約時にも必要になる為、事前に書類の有無も確認しておきましょう。
書類がある程度整ったら、不動産会社へ査定を依頼します。査定には机上査定(簡易査定)と訪問査定がありますが、売却することが決まっているのであれば、より精度が高い訪問査定がお勧めです。
売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。1社に依頼するときは専任媒介契約(もしくは専属専任媒介契約)、複数社に依頼するときは一般媒介契約を選びます。
媒介契約締結後、不動産会社が購入希望者を募る為に物件情報の公開や広告の出稿といった売却活動を行います。その後、内覧希望者が現れたら売主様は不動産会社の担当者と一緒に内覧対応をします。
内覧を経て買主様と売主様で売買価格や引き渡し条件に折り合いがついたら、売買契約を締結します。
契約後、決済日に買主様は残代金を支払い、売主様は抵当権を抹消したうえで家を引き渡します。その為、売主様は少なくとも決済日の前日までには引っ越しを済ませておく必要があります。
家を売却したことで売却益が発生したときや税金の特例を利用するときは、翌年に確定申告を行います。
家を売却する流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家を売却する流れは?売却方法からかかる費用や税金、注意点までまとめてご紹介
マンション売却の注意点は?流れや税金・費用、失敗事例についてもご紹介
家の売却準備段階でやってはいけないこと5選
ここからは、不動産売却の段階ごとにそれぞれやってはいけないことを見ていきましょう。
最初に、家の売却準備段階でやってはいけないことを具体的にご紹介します。
売却諸費用を把握せずに売却を進める
家の売却には、主に以下の諸費用がかかります。
| 売却にかかる諸費用 | 概要説明 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 仲介手数料は不動産会社に支払う成功報酬 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙代 |
| 登録免許税 | 抵当権抹消登記など登記を行うときにかかる税金 |
| 司法書士への報酬 | 抵当権抹消登記など登記を司法書士に代行してもらう際にかかる費用 |
| 譲渡所得税 | 家の売却で発生した利益(譲渡所得)に対して課される税金 |
さらに、住宅ローンが残っている場合は家を買主様に引き渡す前に住宅ローンを完済する必要があり、売買代金で足りない分は自己資金などで充当しなければなりません。
決済日の直前になって焦ることがないよう、これらの諸費用を含めた資金計画を試算し、手元に残る金額を把握しておく必要があります。
また、住宅ローンを一括で返済すると繰り上げ返済手数料が必要な場合がありますので、金融機関に確認しておきましょう。
マンションや一戸建ての売却にかかる費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却にかかる費用や手数料の相場は?節約方法やシミュレーションもご紹介
一戸建て売却の基礎知識!売却までの流れや費用、成功させる為のポイントを紹介
不動産売却の仲介手数料とは?計算方法や支払い時期についてご紹介
金融機関に相談をせずに売却を進める
住宅ローンを完済すれば抵当権が外れる為、金融機関の許可を得ることなく自由に売却できます。一方、住宅ローン返済中の場合は、以下の2つのケースによって対応が変わります。
- 売却代金よりも住宅ローン残債が多いオーバーローン
- 住宅ローン残債よりも売却代金が高いアンダーローン
売却代金で住宅ローン残債が一括で返済できれば問題ありませんが、そうでない場合は対策が必要です。以下では、オーバーローンとアンダーローンについて詳しく解説します。
アンダーローン(売却価格>ローン残債)の場合
売却代金でローン残債を一括返済できるアンダーローンの場合でも、手続きをスムーズに進める為には金融機関へ事前に相談するようにしましょう
売却代金でローンを完済できるからと、自分で手続きを進めようとする方もいますが、正確なローン残債の計算には時間がかかりますし、売却後の引き渡し前には抵当権を抹消する手続きが必要です。
アンダーローンの場合でも金融機関に早めに相談しておけば、売却のスケジュールを正確に把握でき、買主様とのトラブルを未然に防ぐことができます。
オーバーローン(売却価格<ローン残債)の場合
オーバーローンの場合、家を売ってもローンを完済できません。差額分を自己資金で補填できない場合は抵当権を抹消できない為、売却自体が難しくなります。
もし自己資金での充当や新規ローンの借り入れが難しい場合は、任意売却をするという方法もあります。ただし、任意売却は金融機関の了承と協力が必要なうえ、必ずしも応じてもらえるとは限りません。
任意売却での処分が難しい場合は、競売に移行します。競売とは、裁判所が強制的に不動産を売却する手続きのことです。競売は任意売却よりも安く売却されるだけでなく、強制的に立ち退きを迫られるリスクがあります。住宅ローンの返済が難しい場合は、なるべく早く相談することが大切です。
任意売却やローン返済中の家の売却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
必要書類を準備せずに売却を進める
必要書類を準備せずに売却を進めることも避けなければいけません。あらかじめ必要書類を準備しておかないと手続きが滞り、売却の機会を逃す恐れがあります。
不動産売却で必要な書類は、主に以下の通りです。
- 登記済権利証または登記識別情報
- 本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
- 実印・印鑑証明書
- 固定資産税納税通知書
- 建築確認済証・検査済証
- 管理規約(マンションの場合)
- 物件購入時の売買契約書
- 購入時のパンフレット
これらの書類を事前に揃えておけば、不動産会社との媒介契約や買主様との売買契約がスムーズに進みます。なにが必要か分からない場合は、不動産会社にリストアップしてもらいましょう。
マンション売却で必要な書類や入手方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説
査定前に相場を調べない
相場を調べずに不動産会社に査定を依頼するのも避けたほうが良いでしょう。
自分である程度相場を調べていないと、不動産会社の提示する査定価格が適正かどうか判断するのは難しいといえます。場合によっては、相場より安い価格を提示されても気付けないかもしれません。
事前に自分で相場を把握しておけば、不動産会社が提示する価格に対して適切に判断しやすくなります。インターネットやチラシなどで近隣の類似物件がいくらで売りに出されているかを確認しておきましょう。
家の売却相場や調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
【2025年】家の売却相場はいくら?主要都市別・築年数別の相場や調べ方を解説
【2025年】マンション売却の相場は?都市・築年数別の価格や調べ方、売却のポイントを解説
自身の判断でリフォームや解体を行う
家を売却する為のリフォームやリノベーション、解体は基本的に必要ありません。
購入後に自分好みにリフォーム・リノベーションすることを想定している買主様も多く、せっかくのリフォームやリノベーション、解体が無駄になってしまうこともあります。
実際、国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、「既存(中古)住宅にした理由」について、マンション・一戸建てともに3割近い方が「リフォームで快適に住めると思ったから」と回答しています。
また、リフォームやリノベーション、家の解体には高額な費用がかかりますが、その費用を売買代金に上乗せできるわけではありません。
物件によっては、築年数の経過などにより建物自体の資産価値がないと判断されることがあります。一戸建ての場合、建物を解体して土地として売却する以外にも、建物は残しつつ古家付き土地として売却することも可能な為、家の状況を踏まえてどのように売り出すか判断で悩むケースもあります。
その為、リフォームやリノベーション、解体を検討している場合は、まず不動産会社に相談してみましょう。
マンション売却時のリフォームや解体費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説
家の解体費用の相場は?安く抑えるポイントや解体する際の注意点を解説
不動産会社選びでやってはいけないこと4選
続いて、不動産会社選びでやってはいけないことを4つご紹介します。
1社のみに査定を依頼する
査定価格の算出基準は不動産会社ごとに異なり、同じ物件でも不動産会社によっては数百万円の差が出ることがあります。また、なかには媒介契約を締結したいが為に意図的に相場より高い査定価格を提示してくる不動産会社も存在します。なるべく2~3社以上に査定を依頼し、適切な価格を把握するようにしましょう。
また、査定価格が妥当な価格かどうか判断する為にも、不動産会社へ査定依頼する前にある程度の相場価格を把握しておき、自分の相場観が適切かどうか確認すると良いでしょう。
長谷工の仲介では売却時の無料査定を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
査定価格やネームバリューだけで不動産会社を決める
査定価格が高いという理由やネームバリューだけで売却を依頼する不動産会社を決めることは避けましょう。
売却を成功させる為にも、以下のようなポイントも踏まえて、総合的に不動産会社を選んでみてください。
- 売却したいエリアでの実績が豊富か
- 担当者の知識や経験、人柄はどうか
- 売却後のアフターサポートが充実しているか
ネームバリューのある不動産会社には安心感がありますが、エリアに精通していなければ適正な価格設定や効果的な販売戦略が立てられず、売却が長期化することもあります。その為、会社の規模だけでなく、エリアの市場を熟知し、販売実績が豊富な会社を選ぶことが大切です。
また、担当者の知識や経験、人柄、相性も売却の結果を左右する要素です。様々な会社の担当者と実際に会い、信頼して売却を任せられるかを見極めましょう。
さらに、売却後のアフターサポートにも注目してください。
売主様と買主様の双方が安心して取引を終えられるよう、引き渡し後の建物・設備の保証サービスや、建物の定期点検サービスなどを提供しているのが一般的です。
長谷工の仲介は、首都圏エリア(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都)、名古屋圏、福岡圏と、全国幅広いエリアに店舗を展開しており、地域に精通したスタッフが一人ひとりの売主様に最適なご提案を提供しています。
マンションだけでなく、一戸建てや土地の売買実績も豊富な為、不動産に関するあらゆるご相談をワンストップでお任せいただけます。
また、引き渡し後に判明した家の不具合について最長10年間補修費用を保証するサービス(上限額・適用条件あり)や、日常的なトラブルが発生したときに24時間駆けつけるサービスを提供しています。
マンションを売却する際の不動産会社の選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却の不動産会社の選び方は?判断基準や失敗しない為のポイントを解説
「仲介」「買取」のメリット・デメリットを把握せずに進める
家を売却する主な方法には、仲介と買取があります。それぞれにメリットとデメリットがある為、特徴を把握したうえでどちらにするか決定しましょう。
仲介による売却は、不動産会社の仲介により買主様を見つけて売却する方法です。一般市場へ売り出す為、相場価格で売却しやすいのがメリットですが、売却までに3ヵ月から半年程度かかるのが一般的です。
一方、買取による売却とは、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。買主様を探す必要がない為、不動産会社と交渉して条件が合えば短期間で売却できるメリットがあります。ただし、不動産会社は買い取った不動産をリフォームしてから再販することを想定している為、売却価格が相場よりも安くなりやすい点に注意が必要です。
また、買取保証付き仲介というサービスもあります。これは、一定期間は仲介で売却活動を行い、売れ残った場合はあらかじめ決めておいた価格で不動産会社が買い取るというものです。住み替えなどで売却期限が決まっている場合に有効な手段となります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の優先順位に合わせて最適な方法を選びましょう。
仲介と買取の違いについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説
不動産買取の相場は仲介の何割?調べ方や売却成功のポイントを解説
買取保証付き仲介とは?仲介との違いやメリット・注意点、売却の流れを解説
媒介契約ごとの特徴を理解せずに進めてしまう
売却の流れでも説明した通り、家の売却を不動産会社に依頼するときは、媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで選択するようにしましょう
それぞれの違いは以下の通りです。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 複数社との媒介契約 | 〇 | × | × |
| 他社と契約した場合の通知義務 | 明示型は通知の義務あり (明示型にしないこともできる) |
他社への依頼不可 | 他社への依頼不可 |
| 自己発見取引(売主様が見つけた買主様と取引すること) | 〇 | 〇 | × |
| 指定流通機構(レインズ)への登録 | 任意 | 義務 (7営業日以内) |
義務 (5営業日以内) |
| 営業活動の報告義務 | 任意 | 義務 (2週間に1回以上) |
義務 (1週間に1回以上) |
| 契約期間 | 法律上の規定はないが、一般的には3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
例えば、専任媒介契約を結ぶと2週間に1回以上の業務報告を受けられますが、一般媒介契約には不動産会社に業務報告の義務はありません。一般媒介契約の特徴を把握していないと売却活動を始めたのに「なかなか不動産会社から連絡が来ない」と感じるかもしれません。
媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説
家の売却活動中にやってはいけないこと9選
家の売却中にやってはいけないこともあります。ここでは、9つご紹介します。
不動産広告のルールを知らずに売りに出す
不動産広告には一定のルールがあり、宅地建物取引業法や不動産の表示に関する公正競争規約により定められています。
実際の家と異なる表示や誤認させるような表示は、誇大広告として禁止されています。もし不動産の公正競争規約に違反した場合は、度合いに応じて注意・警告・厳重警告・違約金課徴のいずれかのペナルティを受けることになります。
不動産の広告のルールは不動産会社が本来守るべきものですが、広告紙面に記載されている内容が事実と異なると感じた場合は、不動産会社に確認するようにしましょう。
相場から外れた価格設定をする
売却価格は高すぎても低すぎてもリスクがあります。相場から外れた価格設定は、売却の機会を逃すことにつながります。
相場を大幅に上回る価格で売り出すと、購入希望者の検討候補から早い段階で外れてしまいます。結果として内覧の申し込みすら入らず、適正価格になるまで売却が長期化する恐れがあるでしょう。
一方、相場より安すぎる価格設定にも注意が必要です。「物件になにか問題があるのでは」と購入希望者に懸念されますし、交渉でさらに安い金額に値引きされる恐れもあります。住宅ローンが残っている場合だと、売却代金で完済できなくなる事態も想定されます。
不動産会社の査定価格や周辺の取引事例を参考に、適正な価格で売り出すことが重要です。
転居のタイミングを考慮しない
転居のタイミングを考慮せずに売却を進めるのは避けましょう。
家の売却は一般的に、売買契約の締結、転居、物件の引き渡しという流れで進む為、計画的なスケジュール管理が不可欠です。引き渡し日までに転居や荷物の撤去が終わらないと契約違反となり、買主様から違約金を請求されるといったトラブルに発展しかねません。
一方、売買契約成立後すぐに転居してしまうと、新居と今の住居費が二重にかかる期間が長くなります。売却スケジュールと新生活の段取りを不動産会社とよく相談し、最適な転居タイミングを見極めましょう。
今の家に住みながらスムーズに売却する方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
住みながら家を売ることはできる?メリット・デメリットや注意点を解説
市場の動向を把握していない
不動産の価格は、景気や金利、税制などの社会情勢によって常に変動しています。市場の動向を把握せずに売却を進めるのはやめましょう。
例えば、住宅ローン金利が低い時期は購入者の意欲が高まり、家が売れやすくなる傾向にあります。逆に金利が上昇局面に入ると、購入を控える方が増え、市場が冷え込みます。また、近隣に大規模な商業施設ができる、新しい駅が設置されるなどの開発計画は、そのエリアの不動産価値を高める要因になります。
最新の市場動向にアンテナを張り、不動産会社の担当者と情報交換をしながら、いつ売り出すのが最適かを見極めましょう。
家の売却にお勧めのタイミングや不向きなタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家を売るタイミングはいつ?判断基準や売却に向いていない時期を解説
売却活動を不動産会社に任せきりにする
売却活動は不動産会社に任せきりにせず、定期的に進捗を確認するようにしましょう。
特に一般媒介契約を締結した場合、不動産会社に業務報告の義務がない為、連絡がまったくないこともあります。
その為、レインズへの登録を依頼している場合は登録証明書の提示を依頼したり、「〇週間に一度報告をください」と報告頻度を決めたりして売主様自身も進捗状況を把握できるように不動産会社と連携しておくと安心です。
瑕疵や不具合を隠す
売買契約書に記載した内容と異なる状態で家を引き渡した場合、売主様は契約不適合責任を問われる恐れがあります。こうしたリスクを避ける為にも、家に瑕疵や不具合がある場合は買主様に隠さず説明し、了承してもらったうえで売買契約を締結しましょう。
2020年4月1日の民法改正により、瑕疵担保責任は契約不適合責任に名称が変更になりました。瑕疵担保責任では損害賠償請求権と契約解除権のみでしたが、契約不適合責任では、追完請求権と代金減額請求権が追加されました。
例えば引き渡し後に雨漏りしていることが判明した場合、追完請求(修理をして引き渡すように請求されること)や損害賠償請求、契約解除請求される恐れがありますので注意しましょう。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説
内覧の準備を怠ってしまう
購入希望者の内覧日が決まったら、気持ちよく室内を見てもらう為の事前準備をしておきましょう。内覧前の準備の例としては以下の通りです。
- 室内の荷物やゴミを片付けて整理整頓をする
- 玄関や水回りなどを念入りに掃除しておく
- 室内だけでなく庭やバルコニー、マンションの場合は共用廊下も綺麗にしておく
- 事前に窓を開けて換気をしておく
- 寒すぎたり暑すぎたりすることがないよう、エアコンなどで適温にしておく
- 不具合や傷があれば内覧時に説明できるようにまとめておく
上記のなかでも特に、室内の片付けと掃除は部屋の印象に影響する為、入念に行っておきましょう。
マンションの内覧の流れや事前準備については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介
価格交渉に応じない・安易に承諾してしまう
購入希望者から売買価格について、値下げ交渉されることは多々あります。
価格交渉に応じず、好機を逃してしまうと成約までに時間を要することになりかねません。
しかし、安易に値下げに応じるのも考えものです。売却にかかる諸費用と住宅ローンの残債額を確認し、不動産会社にも相談したうえで無理のない範囲で返答するようにしましょう。
いずれにしても、あらかじめ応じられる価格の最低ラインを決めておき、スムーズに返答できるようにしておくと安心です。
売買契約書の内容を確認せずに契約してしまう
売買契約書に記載してある内容は事前に確認しておきましょう。
売買契約書には、売却する家を特定し、その詳細を買主様に説明する意味合いもありますが、売主様・買主様で取り決めた内容を記載する為の書面でもあります。しっかり理解しておくことが重要です。
例えば、買主様が住宅ローンの借り入れを予定している場合、通常はローン特約をつけて契約します。ローン特約とは、買主様が住宅ローンの借り入れができなかった場合、定めた期日までであれば契約を解除できる特約です。
万が一、買主様がローンを借り入れできなかった場合、ローン特約によって契約が解除され、予定していた売買代金を受け取ることができなくなります。売買契約書にローンが承認される時期やローンが通らなかった場合の対応などを記載してもらい、確認しておきましょう。
売買契約の流れや売買契約書の記載内容については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家の売却後にやってはいけないこと5選
続いて、家の売買契約締結後にやってはいけないことを5つご紹介します。
手付解除期日以降に個人の都合で契約を破棄する
手付解除期日とは売買契約を解除できる期日です。
売買契約締結後、手付解除期日までであれば買主様は手付金を放棄することで契約を解除できます。一方で売主様は、受領した手付金を返還し、さらに手付金と同額を支払うことで売買契約を解除できます。
手付解除期日を過ぎると、売主様の都合で契約を解除できなくなります。契約を解除すると、場合によっては損害賠償請求をされる恐れもあります。
手付金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
不動産売却で発生する手付金とは?相場や手付解除時の対応方法について解説
引き渡し日までに清掃や各種手続きを済ませない
売主様は、遅くとも引き渡し日(決済日)の前日までに引っ越しを完了しておく必要があります。決済日に家財道具や不用品が残ったまま家を引き渡すと契約違反とみなされ、買主様から撤去費用を請求される恐れがあります。家具や家電、ゴミなどの私物は全て撤去してから退去しましょう。
また、住宅ローンは決済日までに完済し、抵当権を抹消したうえで買主様に所有権を移転しなければなりません。期日までに住宅ローンの残債を完済できない場合は債務不履行となります。自己資金を充当してローンを完済する場合は、無理のない資金計画を立てるようにしましょう。
引き渡し日から逆算し、余裕を持って各種手続きを進められるようにスケジュールを立てておくことが大切です。
抵当権抹消については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説
所有権移転登記とは?費用や必要書類、手続きの流れについて分かりやすく解説
固定資産税の清算について話し合っていない
固定資産税の清算について買主様と話し合わないまま引き渡しを終えると、後からトラブルに発展する恐れがあります。
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に納税義務があります。その為、年の途中で家を売却した場合でも、納税通知書は売主様のもとに届きます。
しかし不動産売買では、引き渡し日を境に売主様と買主様がそれぞれの所有期間に応じて税額を日割りで負担するのが一般的です。例えば、7月1日に引き渡した場合、売主様が起算日(関東は1月1日・関西は4月1日)から6月30日までの分、買主様が7月1日から起算日前日(関東は12月31日・関西は3月31日)までの分を負担します。
この清算方法について売買契約書に明記し、双方で合意しておかないと、「負担しないと思っていた分まで請求された」といったトラブルになりかねません。そうしたトラブルを避ける為にも、事前に不動産会社を交えて固定資産税の清算方法を明確に取り決めておきましょう。
売却時の固定資産税の清算方法や注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンションを売却した時の固定資産税はどうすればいい?清算方法や注意点を解説
確定申告をしない
不動産を売却して譲渡所得が発生したときは、翌年に確定申告して税金を納付する必要があります。もし定められた期日までに納付しないと利息分として延滞税が課され、無申告に対しては無申告加算税がペナルティとして課されます。
確定申告や譲渡所得については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却の確定申告書の書き方は?手続きの流れも併せて解説
マンションを売却したら確定申告が必要?流れや手順、必要書類について徹底解説
譲渡所得とは?不動産売却時の税金の計算から確定申告手続きまで詳しく解説
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説
利用できる税金控除を確認しない
不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、条件によっては特例により減税できる可能性があります。損益それぞれに利用できる控除がある為、売却益が発生しない場合でも、利用できる特例や控除がないか確認するようにしておきましょう。
家の売却で利益が出た場合と損失が出た場合に利用できる控除・特例制度は次の通りです。
| 売却で利益が出た場合に利用できる控除 | 概要説明 |
|---|---|
| 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 | マイホームの売却で出た利益から最大3,000万円を控除できる制度 |
| マイホームを売ったときの軽減税率の特例 | 所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、税率が低くなる制度 |
| 売却で損失が出た場合に利用できる控除 | 概要説明 |
|---|---|
| マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 | マイホームを買い替える際に、売却して出た損失を給与所得など他の所得と相殺したり、翌年以降3年間にわたって繰り越したりできる制度 |
| 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 | マイホームを売却して出た損失を給与所得など他の所得と相殺したり、翌年以降3年間にわたって繰り越したりできる制度 |
例えば、居住用財産を売却し一定の条件を満たす場合は、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。つまり、譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得税はかからないということです。また、譲渡所得が発生する場合でも、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得(税率20.315%)となり、短期譲渡所得(税率39.63%)よりも低い税率が適用になります。さらに、売却により譲渡損失が生じた場合は、損益通算という特例を利用できます。
ただし、いずれの特例も自動的に適用されるわけではなく、適用には確定申告が必要になりますので、忘れずに申告しましょう。
不動産売却時に利用できる税金控除の特例については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
不動産売却時にかかる税金の種類は?税金の計算方法や軽減方法を解説
マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説
【ケース別】その他、家の売却で注意すべきことは?
家の売却では、相続した家を売却する場合や離婚で家を売却する場合など置かれた状況によっても注意すべき点が異なります。売却で後悔しないよう、ケースごとの注意すべきポイントも知っておきましょう。
相続した家を売却する場合
相続した家を売却する場合は、通常の売却手続きに加えて相続に関する手続きが必要になります。
まず、亡くなった方(被相続人)から相続人へ不動産の名義を変更する相続登記が必須です。相続登記が完了していないと家を売却できません。相続人が複数いる場合は、誰が家を相続するのか、あるいは売却して現金を分けるのかについて相続人同士で話し合い、全員の合意を得ておきましょう。
さらに、近い将来に相続や贈与が発生する可能性がある場合は、税金面も慎重に考慮しなければなりません。ケースによっては売却して現金化するよりも不動産のまま保有したほうが良い場合もあります。税理士などの専門家に相談し、長期的な視点で最も有利な方法を選びましょう。
長谷工の仲介では、不動産に関する税金に関して無料で税理士に相談できる税務相談サービスを提供しています。
相続した家を売却する流れや売却時の税金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家の相続手続きの流れは?費用や注意点についても分かりやすく解説
亡くなった親の家を売る流れは?かかる税金や節税方法、注意点を解説
相続した不動産の売却にかかる税金は?税金の種類から税金負担を減らす方法まで徹底解説
離婚で家を売却する場合
離婚にともなって家を売却する場合にも注意点があります。
家が夫婦の共有名義になっている場合は、売却する為に双方の同意が不可欠です。どちらか一方が反対すれば家を売ることはできません。後のトラブルを避ける為にも、売却して得たお金の分け方(財産分与)や住宅ローンの残債をどう清算するかについて夫婦間で取り決め、書面に残しておくのがお勧めです。
売却価格から諸費用とローン残債を差し引いた金額を折半する、といった具体的な内容を離婚協議書や公正証書として作成しておくと安心でしょう。
家の売却と財産分与はセットで考え、感情的にならず冷静に進めることが、円満な解決への近道となります。
離婚による売却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
共有名義とは?不動産における意味やメリット・注意点、解消方法を解説
離婚時に住宅ローンが残っている場合はどうすれば良い?ケース別の対処法や注意点を解説
まとめ
家を売却するときには、注意すべきことが数多くあります。
売却を進めるにあたって判断に悩んだら、不動産会社に一度相談してみましょう。信頼できる不動産会社に相談すれば、相場に基づいた適正な価格設定や資金計画が実現します。状況に応じた販売戦略も提案してもらえるでしょう。
長谷工の仲介では、売却に関する相談を無料で受け付けています。売却時にかかる諸費用や譲渡所得の計算が難しいと感じる場合は、「売却何でも相談」からお気軽にご相談ください。
※本記事の内容は2025年10月16日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。




