2022.11.02マンション売却の確定申告書の書き方は?手続きの流れも併せて解説

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マンションを売却して利益が発生した場合には確定申告が必要です。一方、利益が発生しない場合は確定申告しなくてよい場合と確定申告すべき場合があります。
この記事では確定申告に関する基礎知識から実際に必要な書類、確定申告書の書き方について解説します。

マンション売却の確定申告に関する基礎知識

まずは、そもそもどのような場合に確定申告が必要になるかについてや、確定申告の実際の流れ、確定申告のタイミングといった基礎知識を説明していきます。

どのような場合に確定申告が必要になる?

具体的に、どのような場合に確定申告が必要になるのでしょうか?

給与所得者の会社員の場合、会社が所得税を源泉徴収をしている為、基本的に確定申告をする必要がありません。
しかし、給与外収入が年間20万円を超える場合や主たる給与収入が2,000万円を超える場合は確定申告が必要になります。
よって、マンションを売却して譲渡益が発生したときには確定申告が必要になります。また、マンション売却の際に特例を利用する場合にも確定申告が必要です。

確定申告をしないと脱税と見なされペナルティが課せられますので注意が必要です。例えば申告額が過少申告と見なされると、過少申告加算税が加算されます。

なお、譲渡益が発生しない場合や特例を活用しない場合は確定申告をする義務はありません。譲渡益が発生するか、特例を利用するかを確認するとよいでしょう。

確定申告の流れと手続きのタイミング

確定申告は1月1日から12月31日までに得た所得について、通常翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告します。
申告の期限については、その年の曜日の並びや状況により多少前後する場合がありますのでご注意ください。
また一部の税務署では日曜日も相談や申告書の受け付けを行うケースがあります。詳細の日程については税務署のホームページなどでご確認ください。

マンション売却の確定申告に必要な書類

マンションを売却した際に必要となる書類と、その入手方法については以下の通りです。

確定申告書に添付する書類

以下は、確定申告書に添付する為、自身で用意する必要がある書類です。
マンション購入時と売却時に保管している売買契約書や経費の領収書に加えて、売却したマンションの謄本や住民票が必要になります。

書類名 入手方法
売却したマンションの謄本 法務局(窓口申請:600円)
住民票の除票(※1) 市町村役場(300~400円)(※2)
売却物件の購入時の売買契約書等 売主様が保有
売却物件の売却時の売買契約書等 売主様が保有
費用を証明する領収書等 売主様が保有

※1契約日前日までに住民票の住所と譲渡資産の所在地が異なる場合は必要になります。
※2各種手続きにかかる費用は市区町村によって異なる場合がございます。

確定申告の際に提出する書類

マンション売却の確定申告に際して提出する書類は以下の通りです。

  • 確定申告書B
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
  • 申告書第三表(分離課税用)

書類の入手方法は、税務署の窓口に出向いて入手する方法と、国税局のホームページからダウンロードして利用する方法があります。
こちらよりダウンロードすることも可能ですので、実際の書類を見ながら本文をご覧ください。

確定申告の手引きなど:令和3年分 確定申告特集

確定申告書B

確定申告書にはAとBがありますが、不動産所得に関して確定申告をする場合は確定申告書Bを使用します。ちなみに確定申告書Aは医療費控除や住宅ローン控除をする場合に使用します。
お近くの税務署の窓口で入手、もしくは国税庁のホームページからダウンロードすることができます。

確定申告書第一表には、確定申告をする方の住所や氏名、生年月日、収入金額や所得金額などを記入します。また個人番号(マイナンバー)を記入する欄がありますのでマイナンバーカードをご準備ください。
個人番号が分からない場合は、マイナンバーが記載された住民票を取得することによって確認することができます。

第二表には住所・氏名・勤務先・給与収入、配偶者に関する事項などを記入します。

譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)

譲渡所得の内訳書は譲渡所得を算出する為の書面です。売買契約書や経費の領収書などをお手元にご準備ください。
こちらもお近くの税務署の窓口や国税庁のホームページより入手することができます。
1面から順に記入することにより最終的に譲渡所得金額を算出することができます。

ちなみに主な項目は以下の通りです。
◎ご自身の住所・氏名・電話番号
◎売却したマンションの(不動産)に所在・面積・利用常用
◎売買契約日・引き渡した日
◎買主様の住所・氏名・職業
◎譲渡価格
◎売却したマンションの購入時期・購入代金
◎減価償却費
◎売却にかかった経費(譲渡費用)
◎譲渡所得金額(算出した金額)
◎交換・買換えの特例の適用を受ける場合の譲渡所得の計算

申告書第三表(分離課税用)

申告書第三表(分離課税用)に関しても税務署の窓口や国税局のホームページより入手することができます。不動産を売却して得た所得は分離課税の対象となりますので、こちらの第三表が必要になります。

こちらでは、分離課税の収入金額と所得金額を記入し、マンションの譲渡価額や譲渡所得から総合課税の合計額を算出します。
マンションの所有期間が売却するその年の1月1日で、5年を超える場合は長期譲渡、5年以下の場合は短期譲渡となります。記入する欄が異なりますのでご注意ください。
特別控除(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除)を利用する場合は、特別控除額の合計額に3,000万円を記入します。

マンション売却の確定申告書の書き方

ここからは、具体的にケース別に確定申告書の書き方を説明します。

譲渡益が発生した場合

まずは、マンション売却によって譲渡益が発生した場合の確定申告書の書き方について解説します。

譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)の書き方

申告書Bや申告書第三表(分離課税用)の前にまず譲渡所得の内訳書を記入します。1面から4面までありますので、それぞれ具体的に説明していきます。

譲渡所得の内訳書1面

確定申告する方の現住所(前住所)・氏名・電話番号・職業を記載します。また、関与した税理士が入る場合はその氏名と電話番号も記載しておきます。

譲渡所得の内訳書2面

譲渡したマンションの所在地・売買契約日・引き渡した日に加え、買主様の住所・氏名・譲渡価額など不動産売買契約書の内容を記載します。

譲渡所得の内訳書3面

マンションを購入した際の金額を記入し、建物の償却費相当額と取得費を算出します。合わせて売却時の譲渡費用も算出を記入します。収入金額から必要経費をマイナスし、居住用財産である場合は最大3000万を特別控除額として書き入れることができます。流れに沿って計算することにより、最終的に譲渡所得金額を算出できます。その際、譲渡益が発生している場合は、この金額がプラスになります。

譲渡所得の内訳書4面

マンション売却について交換や買換えの特例を受ける場合は、4面で交換・買換えするマンションの所在や支払金額を記載します。

確定申告書Bの書き方

  1. 第一表の上部に税務署長名・年・住所・氏名・個人番号・生年月日・世帯主・電話番号を記入し、種類の欄にある分離に丸を囲みます。
  2. 第一表の左側に収入金額と所得金額を記入します。
  3. 第二表の住所・氏名・源泉徴収税額を記入します。
  4. 第一表の所得から、差し引かれる金額を記入します。
  5. 第三表で算出した税金の計算額を第一表に転記し、第一表のその他の欄へ記入します。

申告書第三表(分離課税用)の書き方

収入金額と所得金額を記入し計算することにより税金を算出することができます。

  1. 第三表の上部には年・住所・氏名を記入します。
  2. 収入金額には譲渡所得の内訳書の3面に記載した収入金額、所得金額には譲渡所得金額を転記します。短期譲渡と長期譲渡の欄がそれぞれありますので、期間に応じて記入します。
  3. 右側の分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項の住所・必要経費・差引金額についても譲渡所得の内訳書より転記します。
  4. 第一表の所得金額などを参考に税金の計算をします。

第二表・第三表で算出した金額を第一表に転記します。第一表から第三表まで順番に記入するのではなく、国税局が作成している作成手順にしたがって記入するとスムーズです。

譲渡損失が発生した場合(新たに自宅を買い換える場合)

次に、マンション売却によって譲渡損失が発生した場合の確定申告書の書き方について解説します。
新たに自宅を買い換える際、譲渡損失が発生した場合は、まず居住用財産の譲渡損失の金額の明細書「確定申告書付表」を作成します。

  1. 上から住所・氏名・電話番号を記入します。
  2. 次に売買契約書に記載された物件の所在地を記入します。
  3. 順番に売却直前の利用状況や居住期間、マンションの専有面積、売買契約書の契約年月日、譲渡した年月日、譲渡代金の総額などを記入します。
  4. その下に新たに買い換えた物件に関する明細を記入します。

譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)の書き方

申告書Bや申告書第三表(分離課税用)の前にまず譲渡所得の内訳書を記入します。
1面~3面に関して、基本的な流れは譲渡益が発生した場合と同じです。ただし、譲渡損失が発生している場合は、譲渡所得金額がマイナスになります。

確定申告書Bの書き方

  1. 第一表の上部に税務署長名・年・住所・氏名・個人番号・生年月日・世帯主・電話番号を記入し、種類の欄にある分離に丸を囲みます。
  2. 第一表の左側に収入金額と所得金額を記入します。
  3. 第二表に住所・氏名・源泉徴収税額を記入します。
  4. 第一表の所得から差し引かれる金額を記入します。
  5. 第三表の収入金額や所得金額の箇所を記入します。その際は、事前に作成した「居住用財産の譲渡損失の金額の明細書「確定申告書付表」から転記する必要があります。
  6. 次に、「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書」を作成し、翌年以降に繰り越される譲渡損失の金額を算出します。
  7. 第三表で算出した税金の計算額を第一表に転記し、第一表のその他の欄へ記入します。

申告書第三表(分離課税用)の書き方

収入金額と所得金額を記入し計算することにより税金を算出することができます。

  1. 第三表の上部には年・住所・氏名を記入します。
  2. 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書「確定申告書付表」を参考に、収入と所得金額を記入します。所得は損失となっている為、マイナスは三角で表します。
  3. 右側の分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項の住所・必要経費・差引金額についても居住用財産の譲渡損失の金額の明細書「確定申告書付表」より転記します。
  4. 給与所得からマイナスの所得金額を控除しても、控除しきれない場合は「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の対象となります。その場合は控除後の金額に三角を付けてください。

マンション売却で確定申告書を作成する際のポイント

確定申告書を作成するのに慣れていない方だと時間がかかったり、所得の計算を間違えてしまう可能性があります。
そのようなリスクを避ける為に、確定申告書を適切に作成する際のポイントを紹介します。

一部の確定申告書はWEBで作成できる

国税庁の確定申告書など作成コーナーでは以下の確定申告をすることができます。

  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
  • 青色申告決算書・収支内訳書
  • 消費税及び地方消費税の確定申告書
  • 贈与税の申告書

画面の案内に沿って金額を入力することによって申告書の作成ができますので、従来の書面に記入する方法よりも簡単です。
なお2022年分の確定申告書作成コーナーは2023年の1月上旬に公開予定です。

国税庁 確定申告書等作成コーナー

確定申告書の書式を守る

確定申告書は複写式になっている為、申告書第一表と第二表は広げて記入するか、中央にあるミシン線で切り離して記入するようにしてください。
記入する際は黒いボールペンを使用します。消すことができるペンや鉛筆での記入は不可です。
なお文字や数字については明瞭に書くことを心がけ、下まで複写されているか確認をしましょう。

事前に譲渡所得税などの計算をしておく

実際に確定申告をする前に、譲渡所得税を計算しておきましょう。その譲渡所得に対して税率がそれぞれかかりますが、売却する年の1月1日に所有期間が5年を超える場合は長期所得、5年以下は短期所得となり、税率が異なります。譲渡所得の計算式と税率については以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)- 特別控除
所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率 復興特別所得税
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 0.63%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 0.315%

譲渡価額とはマンションの売却価格です。

取得費とはマンション購入代金と、購入の際に必要となった経費を合計した金額です。購入する際に不動産会社へ支払った仲介手数料も合算することができます。
その経費を証明する領収書が必要ですが、資料がない場合や忘れてしまった場合は、マンション売却代金の5%を取得費として計算することも可能です。また5%よりも取得費が低い場合でも、5%とすることができます。
建物の取得費を算出する場合は、その経年によって価値が下がった分を減価償却費相当額として取得費から差し引く必要がありますので、ご注意ください。

譲渡費用とはマンションを売却する際に必要となる経費です。売却時不動産会社へ支払った仲介手数料やマンションの設備修理代なども合算できます。

特別控除とは居住用の財産を売却した場合、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。よって居住用財産(マイホーム)であれば、譲渡所得が発生しない可能性があります。

ほかにもマンション売却によって損益が発生した場合に利用できる「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」があり、一定の条件を満たす場合、税制面でメリットを受けられますが、特例を受ける場合は確定申告が必要になりますのでご注意ください。

マンションを売却した場合の確定申告の流れや税金特例に関しては、こちらの記事で紹介していますのでご覧ください。

マンションを売却したら確定申告が必要?流れや手順、必要書類について徹底解説

余裕をもったスケジュールで書類を作成する

確定申告の期限は通常2月16日から3月15日です。万が一期日に提出できない場合でも確定申告はできますが、期限後申告となりペナルティとして無申告加算税や遅延税が課せられる可能性があります。

確定申告に慣れていない場合、想定よりも書類の準備や記入に時間がかかることも予想されます。なるべくスケジュールには余裕を持つほうが良いでしょう。

確定申告書を郵送にて提出する場合も、期限内に提出しなければなりません。その場合消印ではなく、到着した日が提出日になりますので注意が必要です。

まとめ

マンションを売却して利益が発生した場合や、特別控除の利用、損益通算する場合は確定申告が必要になります。
確定申告の期日は決まっており、期限を過ぎてしまうとペナルティがある為注意しましょう。
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※本記事の内容は2022年11月02日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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