2024.03.26不動産を売却する際の相談先はどこ?売却の流れに応じた相談先をご紹介

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家の売却を進めていると分からないこと・不安なことにぶつかることは少なくありません。

そのようなときは、しかるべき専門家に相談して解決することで安心して家の売却を進められます。

とはいえ、相談したいことによって適切な相談先は異なります。
前にどこに相談したら良いか把握しておくことで、スムーズに家の売却を進められるでしょう。

この記事では、不動産やマンション売却に関する悩み別の相談先を紹介しています。最後に、不動産売却に関するよくある質問をまとめていますので併せてご覧ください。

不動産売却に関する相談先の一覧

家の売却で分からないことや不安なことなどは専門家に相談することで解決できます。
しかし、なにを相談するか・どの段階で相談するかによって適切な相談先は異なります。

不動産売却に関する相談先は以下の通りです。

相談先 主な相談内容 相談するタイミング
不動産会社 売り出し価格の相談など不動産売却全般に関する相談 不動産売却を検討~引き渡し完了までの全期間
不動産鑑定士 不動産の価値を知りたいなど家の価値に関する相談 不動産売却を検討しているとき
金融機関 売却額ではローンの返済が難しいなどローン返済に関する相談 不動産売却を検討しているとき
市役所 空き家売却に関する相談 不動産売却を検討しているとき
行政書士 農地売却に関する相談 不動産売却を検討しているとき
土地家屋調査士 境界線を確定させたいといった境界線や測量に関する相談 不動産売却を検討~不動産売却中(引き渡しまで)
司法書士 不動産の登記を依頼したいなど登記に関する相談 不動産売却後
弁護士 買主様や不動産会社とトラブルになっているなどの相談 トラブル発生時
税理士 税金の計算や確定申告の仕方など税金に関する相談 不動産売却後
国税庁電話相談センター 税金の計算や確定申告の仕方など税金に関する相談 不動産売却後

以下では、それぞれの相談先について詳しく解説していきます。

不動産売却全体の相談は不動産会社へ

不動産売却に関する基本的な相談であれば、まずは不動産会社に相談すると良いでしょう。

  • 不動産がいくらで売れるか知りたい
  • 不動産売却の流れが分からない
  • 売却に必要な書類について聞きたい
  • 条件の悪い物件でも売れるか相談したい

このような売却に関する悩みは不動産会社が適切です。
不動産会社は不動産の査定から売却活動・契約手続き・引き渡しなどの不動産売却に関わるほとんどの手続きを一緒に行ってくれます。

また、「売却についてどこに相談すれば良いのか分からない」という場合も、まずは不動産会社に相談してみると良いでしょう。
専門家が必要な相談内容であっても、悩みに合った専門家を紹介してくれる会社がほとんどです。

不動産鑑定に関する相談は不動産鑑定士へ

不動産鑑定士とは、不動産の適切な価値を算出する専門家です。

一般的な不動産会社の査定との違いは、「査定価格の算出基準」と「依頼料」です。

不動産鑑定士の鑑定は、法律に沿って厳格に算出されるのが特徴です。
その為、相続や離婚の財産分与などで裁判所や税務署に不動産の価値を証明する場合に利用されます。
一方、不動産会社の査定は、不動産会社独自で算出する「売れそうな価格」です。
公的な機関への提出はできませんが、不動産会社が市場などをもとに算出する為、実際の売却額に近い価格となります。

また、一般的な不動産会社の査定は無料の場合が多いですが、不動産鑑定士に鑑定を依頼する場合は依頼料がかかります。
不動産鑑定の依頼料は30~50万円程度が目安となり、不動産の種類によって異なります。
ゴルフ場やホテルといった特殊な物件でなく、公的な機関に提出も必要ないというケースであれば、不動産会社の査定で問題ありません。

不動産鑑定については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家の価値を調べるには?計算方法や調べる際の注意点を解説

マンションの資産価値を調べる方法は?ケース別に活用できる評価額を解説

住宅ローンに関する相談は金融機関へ

住宅ローンの残っている不動産を売却する際のローンに関しては、金融機関に相談するのが適切です。
例えば、金融機関では以下のような相談ができます。

  • 売却額で住宅ローンの一括返済をしたい
  • 住宅ローンの残債額を知りたい
  • 売却額では住宅ローンの返済が厳しい

不動産を売却するには抵当権を抹消して住宅ローンを完済する必要があります。
その為、売却前にはローンの残債を正確に把握して、不動産を売却してローンを完済できそうか判断しなければなりません。返済計画書や残高証明書を紛失しているなどで、正確な残債が分からない場合は金融機関で確認できます。

一方、売却額や自己資金では住宅ローンを完済できない場合、売却自体が難しくなります。
ただし、住宅ローンの返済が厳しいといった場合は任意売却という方法で金融機関の同意を得たうえで売却する方法もあります。

いずれの場合も、事前に金融機関に相談しておくことをお勧めします。

空き家の売却を検討している場合は市役所へ

相続した空き家を売却したい場合、まずは不動産会社に売却相談をすることになります。
しかし、空き家の立地や状態によっては不動産会社では取り扱ってもらえないというケースも少なくありません。

そのような場合、市役所に相談してみることをお勧めします。
自治体によっては「空き家バンク」が設置されていることがあります。
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家を買いたい方と売りたい方を結び付けるサイトです。

空き家を売却する場合、物件によっては劣化状況や周辺環境が良くないという理由で不動産会社に買取を断られてしまうこともありますが、空き家バンクであれば、不動産会社に断られたような空き家であっても登録できます。
空き家バンクの担当課を調べて相談してみると良いでしょう。

農地売却を検討している場合は行政書士へ

農地の売却は、家の売却とは異なり複雑な手続きが発生する為、行政書士に依頼するのが一般的です。
農地には農地法の規制がある為、原則農業委員会の許可を得なければ売却できません。
農地以外に転用して売却するにしても、農地にかかっている規制によって可否が異なります。

このように農地の売却には、転用確認や許可申請など特別な手続きが必要です。

土地の境界確定や測量に関する相談は土地家屋調査士へ

土地家屋調査士とは、不動産の表示部の登記や土地・家屋の調査や測量を行う専門家です。
土地の境界線を確定したい・測量図を作成したいなどの相談に関しては、土地家屋調査士に相談すると良いでしょう。

家を売却する場合、基本的に引き渡しまでに境界線を確定しておく必要があります。
境界線が確定していない物件は、売却後に近隣住人とトラブルになる恐れがある為です。土地の場合、登記簿の面積と実際の面積が異なることでトラブルに発展するケースもあります。

売却のしやすさを考えるなら、売却活動に入る前に境界線を確定させ測量図を用意しておくほうが良いでしょう。

境界線確定には、50~60万円程の費用が必要です。
また、境界線確定には、隣地の所有者の立ち合いが必要となるなど時間がかかります。
境界線が確定していない場合は、早い段階で測量事務所に依頼しておくと良いでしょう。なお、どの測量事務所に依頼すれば良いか分からないという場合は、不動産会社に相談して土地家屋調査士を紹介してもらうこともできます。

境界線確定については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

確定測量とは?測量の目的や流れ、費用・注意点についても解説

登記に関する相談は司法書士へ

不動産を売却する為には、抵当権抹消登記が必要です。
抵当権抹消登記は自分でも手続きできますが、司法書士に依頼するのが一般的です。
不動産会社に依頼して売却する場合、一般的な売却であれば不動産会社が司法書士を手配してくれるケースが多いので、あえて相談する必要はないでしょう。

ただし、権利証を紛失した・抵当権を長年放置していたなど特殊なケースでは司法書士に相談する必要があります。
住宅ローンを完済しても自動的に抵当権は抹消されない為、抹消手続きが必要ですが、この抵当権抹消登記手続きを怠ってしまい抵当権が残っているケースもあります。
特に、相続した家のように長期間抵当権抹消登記が放置されているケースでは、必要書類が手に入らないなどで手続きが複雑になる恐れがあります。
そのような場合も、司法書士に相談すると良いでしょう。

抵当権抹消登記を依頼する場合、司法書士手数料として2万円~5万円程かかります。
依頼する司法書士や依頼内容によっても異なるので注意しましょう。

参考:日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果(2018年(平成30年)1月実施)」

所有権移転登記や抵当権抹消登記については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

所有権移転登記とは?費用や必要書類、手続きの流れについて分かりやすく解説

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

契約内容やトラブルに関する相談は弁護士へ

不動産売却時に、隣地の所有者や買主様・不動産会社とトラブルになった場合は弁護士への相談をお勧めします。

法的なトラブルに発展している場合、相手方との交渉や法的な手続きに対応できるのは弁護士だけです。
不動産売却で弁護士に頼るケースには、下記のようなものが挙げられます。

不動産売却時によくあるトラブルの例
  • 他の相続人と不動産の分割で揉めている
  • 離婚にともなう財産分与で揉めている
  • 地主の同意が得られずに売却できない
  • 隣地の所有者と境界線を巡ってトラブルになっている
  • 不動産会社との契約でトラブルになっている
  • 買主様と契約を巡ってトラブルになっている

不動産売却は高額なお金が動くのでトラブルに発展しやすく、一度発展すると個人の力だけで解決するのは難しいものです。
弁護士に相談すれば、相手と交渉して協議してくれたり、裁判に発展した際のサポートをしてくれたりと法的トラブルに関する各種手続きを任せられます。

ただし、弁護士は他の専門家に比べて依頼料が高くなる点は注意しましょう。
無料相談を活用したり、法律トラブルのない相談なら別の専門家を検討したりといったことも視野に入れておくと良いでしょう。

税金・確定申告に関する相談は税理士や国税庁電話相談センターへ

不動産売却で利益が発生すると、確定申告をして納税が必要です。
家の売却では利用できる税金控除が多いので活用することで節税が見込めますが、どの控除を適用するかは慎重に判断しなければなりません。

また、確定申告になじみのない方は申告の仕方が分からないというケースも珍しくありません。
このような税金の計算や控除・確定申告の仕方といった悩みは、税理士や国税庁電話センターへ相談すると良いでしょう。
国税庁電話センターとは、確定申告の手続き方法や税金の計算方法などに関する相談に対応してくれるサービスです。
また、国税庁の窓口や自治体の無料相談会、不動産会社の無料相談サービスなどでも相談ができるので、活用してみると良いでしょう。

長谷工の仲介では、無料の税務相談を受け付けています。

詳しくはこちらをご覧ください。

長谷工の税務相談サービス

参考:国税庁「国税庁電話相談センターについて」

不動産売却に関するよくある質問

ここでは、不動産売却に関するよくある質問を紹介します。

売却までの流れは?

売却までの大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 査定の依頼
  2. 媒介契約の締結
  3. 売り出し価格の決定
  4. 売却活動の開始
  5. 買主様との条件交渉
  6. 売買契約の締結
  7. 引っ越し
  8. 引き渡し
  9. 確定申告

一般的に査定依頼から引き渡しまで、3ヵ月~半年程時間がかかります。

家の条件によっては1年以上かかるケースも少なくありません。

また、売却で利益が出た場合や税金控除の特例を利用する場合は売却した年の翌年に確定申告が必要な点も覚えておきましょう。

不動産売却の基礎知識については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介

一戸建て売却の基礎知識!売却までの流れや費用、成功させる為のポイントを紹介

正しい不動産会社の選び方は?

不動産会社を選ぶ際は、以下のポイントで比較しましょう。

  • 査定額の根拠を説明してくれるか
  • 売却時のリスクや物件のマイナスポイントも説明してくれるか
  • 対応物件の種類は豊富か
  • 不動産会社の実績や評判はどうか
  • サービスやアフターフォローは充実しているか
  • 担当者の人柄はどうか

このように査定額の高さだけではなく、総合的に比較して選ぶことで信頼できる不動産会社を選びやすくなります。

不動産売却にはどのような税金や費用がかかるの?

不動産売却では主に下記のような税金や費用がかかります。

かかる費用 どのような場合にかかるか 相場費用
印紙税 売買契約書にかかる税金 1万円~10万円(売買額によって異なる)
登録免許税 抵当権抹消登記にかかる費用 不動産個数×1,000円
譲渡所得税 売却利益に対してかかる税金 ・所有期間5年以下:譲渡所得の39.63%
・所有期間5年超:譲渡所得の20.315%
司法書士費用 抵当権抹消登記を依頼した場合の費用 2万円~5万円程度
仲介手数料 不動産会社の仲介で売却した場合の手数料 売却額×3%+6万円+消費税
住宅ローンの一括返済手数料 住宅ローンを一括返済する場合の手数料 3.3万円~5.5万円程度
引っ越し費用 引っ越しにかかる費用 20万円~40万円程度
ハウスクリーニング費用 ハウスクリーニングを実施する場合の費用 依頼する規模により異なる。
水回り部分のみなら5~8万円程度
その他費用 解体費用測量費用など ・解体費用:100万円~
・測量費用:45万~80万円程度

一般的に売却にかかる税金・費用は売却額の5~10%程と言われています。

不動産売却にかかる税金や費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却時にかかる税金の種類は?税金の計算方法や軽減方法を解説

マンション売却にかかる費用や手数料は?費用を抑える方法も紹介

適切な相談先がわからない場合はどうする?

相談先が分からない場合は、まずは不動産会社に相談してみると良いでしょう。
前述したように、不動産会社では売却全般をサポートしてくれる為、売却に関する些細な相談にも快く対応してくれます。
たとえ不動産会社では対応できない相談内容であっても、適切な専門家を紹介してくれるのが一般的です。

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売却に関する疑問や相談があれば、気軽に「売却何でも相談」にご相談ください。

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まとめ

不動産売却の悩みや心配は、内容によって相談先が異なります。
相談先が分からない・専門家に相談するのはハードルが高いと悩んでいるなら、まずは不動産会社に相談してみると良いでしょう。

長谷工の仲介では、売主様へのサポートが充実しています。
まずは、無料査定から売却の第一歩を踏み出してみると良いでしょう。

※本記事の内容は2024年3月26日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

逆瀬川 勇造(合同会社7pockets 代表社員)
明治学院大学卒。銀行、不動産会社勤務を経て独立。宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー。

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