2025.7.24古い家を売る方法とは?かかる税金・費用、売却時の注意点をご紹介

古い家を売る方法とは?かかる税金・費用、売却時の注意点をご紹介画像

築年数が古い家は、どのように処分したら良いのでしょうか。そのまま放置すると様々なリスクが生じる恐れがある為、売却を検討しているのであれば、できるだけ早く不動産会社に相談することをお勧めします。

この記事では、古い家を放置するリスクと売る方法、売却するまでの流れを解説します。売却にかかるコストや利用できる税金控除の特例などもご紹介しますので、売却を予定している方はぜひ参考にしてみてください。

そもそも古い家の基準とは?

古い家とは、一般的に築何年ぐらいの家を指すのでしょうか。実際には古い家に定義はありませんが、まず耐用年数を超えているかどうかが一つの目安になります。

耐用年数とは、建物や設備などの資産を使用できる期間のことで、建物の耐用年数は構造や用途によって異なります。なお木造住宅の法定耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造のマンション(住宅用)は47年※と定められています。
ほかにも、1981年以前の旧耐震基準か、現行の基準である新耐震基準かで区別されることもあります。

築年数だけで建物の状態を判断することはできませんが、耐用年数や新耐震基準かどうかで、建物の価値が評価されることがあります。

※出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

古い家を放置し続けるリスクは?

古い家をそのまま放置し続けてしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは、2つのリスクをご紹介します。

固定資産税が高くなる

まず挙げられるリスクとして、「特定空き家」に指定されて固定資産税や都市計画税が高くなることが考えられます。
そもそも、住宅用地に対しては税金の特例措置が適用されており、以下の通り固定資産税と都市計画税が軽減されています。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模宅地 住宅用地で住宅1戸につき200㎡まで 価格×1/6 価格×1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外で200㎡を超える部分 価格×1/3 価格×2/3

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

しかし特定空き家に指定されると住宅用地の特例措置が適用されなくなる為、結果として翌年の固定資産税と都市計画税が高くなります。

特定空き家の定義は、「空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第2項」で以下のように定められています。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

引用:民法e-GOV法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」

特定空き家の注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

空き家を放置すると税金が高くなる?固定資産税の増額や対策について紹介

倒壊や周辺環境の悪化を招く

古い家の手入れをすることなく放置し続けることで、ゴミの不法投棄や放火による火災を引き起こす要因となったり、建物が倒壊したりするリスクがあります。

周囲の景観や生活環境を損なうだけでなく、場合によっては近隣住民に危険が及ぶかもしれません。万が一損害を与えた場合、損害賠償を請求されることもあります。

古い家を売る方法

古い家を売る方法はいくつか考えられますが、ここでは7つの方法をご紹介します。家の状態や条件などに応じて検討してください。

そのままの状態で中古住宅として売る

まず考えられるのが、古い家をそのまま中古一戸建てとして売却する方法です。
建物の状態が良い、もしくはリフォーム済みの物件であれば、そのまま売り出してもすぐに売却できる可能性があります。

また、そのままの状態で売却する場合、追加のリフォーム費用などがかからない為、いつでも売却を始めやすいという点もメリットです。

古家付き土地として売る

建物の状態が悪い、もしくは法定耐用年数を超えていて資産価値がない場合は、建物の価値を評価せず、土地として売り出しましょう。
売却にあたって必ずしも古家を解体する必要はなく、古家付き土地として売却することもできます。

土地として売ることで、建物の不具合や設備の故障などについて契約不適合責任を免責にしやすくなります。契約不適合責任とは、売買契約で定めた状態と異なるものを引き渡したと判明したときに、売主様が買主様に対して負う責任のことです。

例えば、契約時には「欠陥や不具合がない」と説明していたのに、家の引き渡し後に雨漏りが見つかったときは、売主様は修理しなければなりません。しかし契約不適合責任を免除とすることができれば、古い家に欠陥があったとしても責任を負う必要がなくなります。

古家付き土地の売却方法や契約不適合責任については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

古家付き土地の売却方法は?解体して更地にする注意点やかかる税金・費用を解説

マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説

瑕疵担保保険に加入してから売る

古い家の老朽化が気になる場合は、既存住宅売買瑕疵保険に加入して売却する方法があります。既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の建物検査(インスペクション)と保証がセットになった保険制度です。保険に加入する為にはインスペクションに合格する必要があります。

参考:国土交通省「住宅瑕疵担保履行法および住まいの安心総合支援サイト 既存住宅売買瑕疵保険について」

既存住宅売買瑕疵保険に加入しておくと万が一引き渡し後に家に欠陥が見つかった場合に、補修費用として保険事業者から買主様に保険金が支払われます。その為、売主様と買主様の双方が安心して売買できるようになるでしょう。

瑕疵担保保険やインスペクションについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説

劣化がひどい箇所をリフォームして売る

基本的には、家を売却する為にリフォームする必要はありませんが、部分的な汚れや劣化によって家全体のイメージを悪くしていると感じられるときは、その箇所のみリフォームして売るのも一つの方法です。

しかしリフォームにかかった費用は必ずしも売買代金に上乗せできるわけではありません。また、買主様がリフォームを予定している場合は、無駄になる恐れもあります。
その為、リフォームや修理を検討する場合は、事前に不動産会社の担当者に相談するようにしましょう。

ちなみに断熱窓や高効率の給湯器など、省エネやエコにつながるリフォームは、国の補助制度を利用できることもあります。リフォーム会社に工事が補助金の対象になるのか相談してみましょう。

参考:国土交通省「住宅リフォームの支援制度 ※令和7年6月2日時点」

不動産会社に買取依頼をする

古い家を仲介で売却することが難しいときは、不動産会社に買取を依頼する方法があります。契約不適合責任の免除を相談できることもあり、現金化までが早いのがメリットです。

ただし、買取の場合は不動産会社が家をリフォームして再販することを想定して買い取る為、物件の状態によっては売却ができないこともあります。また買取価格も市場よりも安くなりやすい為、あくまでも一つの方法として考えましょう。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

不動産買取の相場は仲介の何割?調べ方や売却成功のポイントを解説

空き家バンクを活用する

仲介や買取による売却以外にも、空き家バンクを利用して買主様を探す方法があります。空き家バンクとは、自治体が主体となって運営しているシステムで、空き家を売りたい売主様と空き家を購入したい買主様をマッチングすることを目的としています。

不動産会社を介さずに売買できる為、仲介手数料はかかりません。しかし、購入希望者と直接交渉することになる為、リスクを考慮したうえで利用しましょう。

空き家バンクの利用を希望する場合は、国土交通省が提供している空き家バンクの総合情報ページや自治体のホームページ、もしくは窓口などから問い合わせができます。

参考:国土交通省「建設産業・不動産業:空き家・空き地バンク総合情報ページ」

空き家バンクの利用方法や注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

空き家バンクとは?メリット・デメリットや利用方法について解説

家を解体し、土地として売る

家の売却を検討したものの、なかなか買い手が現れない場合や、家の劣化がひどく修繕なども難しい場合は、古い家を解体して更地にしてから土地として売却する方法があります。土地を購入して家を建てたい方や、土地活用を検討している方がいれば、早期成約も望めるでしょう。

ただし家を解体してしまうと、前述したような住宅用地の特例措置が適用されなくなり、固定資産税と都市計画税が高くなる恐れがあります。その為、家を解体して更地にする場合は、税金の賦課期日である1月1日以降に行い、年内の売却を目指すようにしましょう。

古い家を売却するまでの流れ

古い家であっても、不動産売却の流れは基本的に変わりません。一般的な売却の流れを5つのステップでご紹介します。

古い家を売却するまでの流れ画像

複数の不動産会社に査定を依頼する

まず不動産会社へ査定を依頼し、相場価格を把握します。

不動産査定には、大きく「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定とは、不動産会社が実際の物件を見ずに所在地や面積、築年数などの情報を参考に査定価格を算出する方法です。
一方で訪問査定とは、不動産会社の担当者が現地を訪れて、物件の状態や周辺環境を確認して査定価格を算出する方法です。

不動産会社によって査定価格が異なることがある為、複数の会社へ依頼し、平均価格を参考にすると良いでしょう。また、不動産会社へ査定を依頼する前に類似物件の売却相場を把握しておくことで、査定価格の妥当性を判断しやすくなります。

不動産査定については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションの売却査定で見られるポイントとは?査定の流れや高く売るコツ、注意点を解説

一戸建て売却の査定価格はどう決まる?見られるポイントや査定のコツとは

机上査定とは?訪問査定との違いや査定のポイント、メリット・デメリットを解説|長谷工の仲介

不動産会社と媒介契約を締結する

不動産会社へ仲介を依頼する際は、媒介契約を締結します。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれ条件が異なる為、希望に合わせて選択しましょう。

それぞれの特徴と違いを、以下の表にまとめてみました。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 制限なし
(標準媒介契約約款では3か月以内)
3ヵ月以内
(宅地建物取引業法による定め)
3ヵ月以内
(宅地建物取引業法による定め)
複数の会社と契約できるか 可能 不可 不可
依頼主への活動報告義務 報告義務なし
(報告を求めることは可能)
報告義務あり
(2週間に1回以上)
報告義務あり
(1週間に1回以上)
自分で買主様を発見し取引できるか 可能 可能 不可
レインズ※の登録義務 登録義務は無し
(登録は可能)
媒介契約締結日の翌日から
7日以内に登録する義務あり
媒介契約締結日の翌日から
5日以内に登録する義務あり

※不動産会社同士が物件情報を交換する為に利用する、ネットワークシステム

媒介契約のメリット・デメリットなどについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?3種類の違いやメリット、後悔しない為の選び方をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットやデメリット、お勧めの方を解説

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

専任媒介契約期間で家が売れない!原因と対処法、契約解除の可否について解説

媒介とは?不動産取引における仲介との違いや媒介契約の種類について解説

売却活動を経て売買契約を締結する

媒介契約後、売却活動が始まります。広告活動をはじめとした基本的な売却活動は不動産会社が行いますが、購入希望者が現れた場合は内覧に対応します。内覧中に物件に関する質問が出た際は、快く回答するようにしましょう。

そして、購入希望者と売買価格や引き渡し条件などに折り合いが付いたら、売買契約を締結します。
売買契約日には、買主様から手付金を受領します。売買契約成立後に、不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うのが一般的です。

決済と物件の引き渡しを行う

残代金決済日までに引っ越し準備(不用品の処分など)を進めておき、当日は買主様に鍵を渡します。

決済日には、所有権移転登記の申請をします。
ただし、所有権を移転するにあたって住宅ローン残債がある場合は、そのローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。抵当権抹消登記が必要な場合は、事前に金融機関へ連絡しておき、決済日当日に受け取る残代金で完済する予定である旨を伝えておきましょう。

なお、決済日に買主様から受け取る残代金で、ローンを完済できる場合は問題ありませんが、残代金だけでは足りない場合は自己資金で補えるように準備をしておきましょう。

抵当権抹消手続きについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

必要に応じて確定申告を行う

不動産売却によって利益(譲渡所得)が生じた場合や、後述する税金の控除を利用する場合は、売却した年の翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告する必要があります。忘れてしまうとペナルティが課せられることもある為、注意しましょう。

古い家を売却する際にかかる税金や費用

古い家を売却するときには、税金や手数料などがかかります。売却時にかかる税金や費用を以下の通り表にまとめてみました。

費用・税金 概要説明
印紙税
  • 売買契約書は印紙税法上の課税文書の為、作成時に売買代金に応じた収入印紙を貼って納税する必要がある
  • 印紙に消印して印紙税を納める
仲介手数料
  • 不動産会社に仲介を依頼して、売却が成立した場合に支払う手数料
  • 不動産会社に直接売却したとき(買取による売却)はかからない
譲渡所得にかかる所得税・住民税
  • 売却物件で譲渡所得(売却益)が発生したときに生じる税金
  • 所得税および住民税、復興特別所得税を総称して譲渡所得税と呼ぶ
登記費用(登録免許税・司法書士への報酬)
  • 抵当権抹消登記や住所変更登記を行う場合にかかる費用や税金
  • 登録免許税と登記を依頼する場合は司法書士への報酬が発生する。
解体費用 売主様の負担で家を解体する場合にかかる費用
リフォーム費用 家を売却する為にリフォームする場合にかかる費用
測量費用 境界確定測量を依頼する必要があるときにかかる費用
引っ越し費用
  • 引っ越し会社を利用した際にかかる費用
  • 新居までの距離や荷物の量によって費用は異なり、繁忙期(2月〜4月)はそれ以外の時期に比べて高くなる

印紙税

不動産売買契約書は、印紙税法上で課税文書と定められています。
その為、不動産売買契約書を作成する際は、売買価格に応じた金額の収入印紙を貼って、印紙税を納める必要があります。なお2027年3月31日までは、軽減措置が適用されます。

不動産売買契約書に記載された契約金額 印紙税額 軽減後の印紙税額
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 1万円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 6万円

引用:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」

印紙を貼り忘れると、過怠税が課せられることがあるので注意が必要です。本来納税すべき印紙税額とその2倍に相当する過怠税を納めなければなりません。

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社に仲介を依頼して成約に至ったときに支払う手数料です。
つまり成功報酬である為、仮に売却活動で広告料などがかかっていたとしても、成約に至らなかった場合に仲介手数料を請求されることはありません。

不動産会社が依頼者に請求できる仲介手数料の上限額は、法律によって以下の通り売買価格に応じて定められています。

売買価格 仲介手数料を求める速算式
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売買価格×3%+6万円+消費税

例えば3,000万円の家を売却する場合は、以下の通り計算します。
3,000万円×3%+6万円+消費税=105万6,000円

なお、売買価格が低くても不動産調査や広告宣伝には一定の費用がかかる為「低廉な空き家等の媒介の特例」が設けられています。この特例により、売買価格が800万円以下の仲介手数料の上限額は33万円(税込)になります。
ただし、不動産会社は媒介契約を締結するときに、売主様に対して売却活動には経費がかかる旨を説明し、報酬について双方が合意する必要があります。

仲介手数料の計算や支払いについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却の仲介手数料とは?計算方法や支払い時期についてご紹介

参考:国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」

譲渡所得税(所得税・住民税)

売却時にかかる可能性のある税金のなかでも、高額になりやすいのが「譲渡所得にかかる所得税・住民税」です。
具体的な計算方法は、以下の通りです。

  • 課税譲渡所得:譲渡収入金額(売却価格)-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
  • 譲渡所得税:課税譲渡所得×税率

まず譲渡収入金額(売却価格)から家を購入したときにかかった費用(取得費)と売却にかかった仲介手数料などの費用(譲渡費用)を差し引いて課税譲渡所得を算出します。取得費を算出する際は、購入にかかった費用全体から減価償却費を控除する必要があります。

また、税金の控除を利用する場合は算出した課税譲渡所得からさらに控除額を差し引きます。控除については、後ほど詳しく説明します。

算出した課税譲渡所得に対して、所有期間に応じた以下の税率を乗じて税金を求めます。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率 復興特別所得税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 0.32% 20.32%

譲渡所得税の計算方法や建物の減価償却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

譲渡所得とは?不動産売却時の税金の計算から確定申告手続きまで詳しく解説

長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説 

建物の減価償却とは?不動産売却時の計算方法や仕組みについて解説

長谷工の仲介では、税金の疑問や不安について無料で相談できる税務相談サービスを提供しています。

税務相談サービスはこちら

登記費用

所有権移転登記にかかる費用は、買主様が負担するのが一般的です。
売主様の立場で登記費用がかかるケースは、住宅ローンを完済する際に抵当権を抹消する「抵当権抹消登記」と登記簿上と実際の住所が異なる場合に必要な「住所変更登記」です。

登記費用の内訳は、登録免許税と司法書士へ支払う報酬です。登録免許税は不動産の個数×1,000円、司法書士へ支払う報酬は1〜3万円が目安です。実際にかかる費用については、依頼する司法書士へ確認しておきましょう。

抵当権抹消手続きについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

その他費用

ここまでご紹介してきた費用以外にも、解体費用やリフォーム費用、測量費用、引っ越し費用がかかるケースがあります。

一方で、古家付き土地として売却する場合は、解体費用は発生しません。また、リフォームや測量についても売主様が全て行う必要はありません。
リフォームや解体、測量についても独断で判断せず、不動産会社の担当者に相談してから行いましょう。

解体費用やリフォーム費用、確定測量の相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家の解体費用の相場は?安く抑えるポイントや解体する際の注意点を解説

マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説 

確定測量とは?測量の目的や流れ、費用・注意点についても解説

古い家を売却するときに利用できる税金控除

古い家を売却したときに使える税金の控除をご紹介します。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

居住用の財産を売却して利益が発生したときは、一定の条件を満たすことで、譲渡所得から最高で3,000万円まで控除できる特例です。所有期間に関係なく利用できますが、住まなくなってから3年を経過する日が属する12月31日までに売却しなければなりません。

3,000万円控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

相続や遺贈により取得した被相続人の居住用財産を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までに売却したときは、一定の条件を満たすことで譲渡所得から最高で3,000万円まで控除できる特例です。

なお1981年5月31日以前に建てられた建物が対象で、区分所有建物であるマンションは対象外になります。

参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続や遺贈により取得した土地や建物を一定期間内に売った場合、相続税額のうちの一定額を譲渡資産の取得費として加算できる特例です。なお相続の開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後、3年以内に売却する必要があります。

参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

不動産の相続については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家の相続手続きの流れは?費用や相続登記、注意点について解説

相続した不動産の売却にかかる税金は?税金の種類から税金負担を減らす方法まで徹底解説

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

令和2年7月1日から令和7年12月31日までに、都市計画区域内にある一定の低未利用の土地を500万円(一定の場合は800万円)以下で売却し、譲渡所得が発生した場合は最高で100万円控除できる特例です。

低未利用土地等とは、居住用や事業用として利用していない、もしくはその利用の程度がその周辺の土地に比べて著しく劣っている土地や、低未利用土地の上にある権利のことをいいます。

参考:国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

マイホームを令和7年12月31日までに売って新居を購入し、旧自宅の売却により損失が生じた場合は、譲渡損失をその年の給与所得など他の所得から控除(損益通算)できる特例です。なおその年に控除しきれなかった場合は、譲渡した年の翌年以降3年間繰り越し控除できます。
ただし、適用には要件がある為確認しておきましょう。

参考:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

買い替え特例については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

買い替え特例とは?適用要件や計算方法、注意点について解説

古い家を売る際の注意点

最後に、古い家を売る際の注意点を7つご紹介します。これから家の売却を予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。

幅広い売却に対応した不動産会社に依頼する

古い家の状態によって、適切な売却方法が異なります。
売却査定を依頼し、状態を把握したうえでどのように売り出すのが理想的なのか、不動産会社の担当者とよく相談したうえで決めるようにしましょう。

その為にも、幅広い売却方法に対応している不動産会社に依頼することが重要です。買取や売却保証に対応しているか、サポート体制が充実しているかなど、多面的に比較したうえで依頼先を決めるようにしてください。

長谷工の仲介は、直接買取はもちろん売却保証にも対応可能です。また、売却中・売却後のサポート体制も充実しています。売却に関する不安については、ぜひ「売却何でも相談」からご相談ください。

長谷工の仲介の売却保証・直接買取はこちら

売却何でも相談はこちら

築年数ごとの売り出し方を把握する

古い家であっても、築年数に応じた適切な売り方をすれば、問題なく売却できます。
例えば築30年のマンションは、大規模修繕工事後のタイミングで売り出すことで、外観や共用部分が綺麗なことをアピールできます。また築50年のマンションであれば、インスペクションを実施することで、他の物件と差別化でき、買主様にとっても安心材料になります。

マンションの特徴を理解したうえで、築古マンションの売却が得意な不動産会社に売却を依頼しましょう。

築年数に応じた売却方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

築50年のマンションは売れない?その理由や売れる物件の特徴、耐震性や耐久性について解説

築50年の一戸建ての売却相場は?調べ方や売却活動のポイントを解説

築30年のマンションは何年住める?売却のコツや売れない理由と対処法を解説

取得時の費用が分かる書類を探しておく

前述したように、不動産を売却して利益が発生したなどで確定申告が必要な場合には、譲渡所得を計算する必要があります。譲渡所得を求める際には取得費を差し引く為、取得費が分かる書類(売買契約書など)を探しておきましょう。

もし取得費が分からないときは、売却価格の5%を取得費として計算することになります。つまり、実際には取得費が5%以上かかっていた場合でも、譲渡所得金額から差し引くことができる費用が減ってしまうことになります。その結果、税金が高くなる恐れがあります。

参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」

家財が残っていない状態で売り出す

家を売り出すときは、なるべく室内に家財がない状態にしておくことをお勧めします。

室内に家具などが多く置いてあると、購入希望者が実際よりも空間を狭く感じてしまいます。また、売却後も家財の所有者は売主様となる為、買主様は勝手に処分できません。買主様の引っ越しに支障が出ることもありトラブルの要因にもなります。
売り出す前になるべく処分しましょう。

解体する場合は不動産会社に相談する

更地にすることで売りやすくなるなどメリットがある一方で、前述したように固定資産税や都市計画税が高くなる恐れがあります。解体を検討する場合は不動産会社に相談するようにし、タイミングについてアドバイスを受けるようにしてください。

自治体によっては、解体費用の補助をおこなっている場合もあります。補助制度の条件について、事前に確認しておきましょう。

例えば東京都渋谷区では、旧耐震基準の建物を解体する区民を対象にした助成制度があり、木造住宅は240万円、軽量鉄骨造の住宅には320万円を上限に助成しています。
神奈川県横浜市では、2000年5月末以前に新築工事に着手した建築物で、かつ耐震性が低いと判断された住宅を対象に、解体工事費用の一部を補助しています。
1981年5月末以前に建てられた建築物については50万円、1981年6月~2000年5月末までに建てられた建築物については20万円(非課税世帯は40万円)が上限額です。

出典:渋谷区「旧耐震基準建築物の解体・建て替えを検討している人へ」

出典:横浜市「空家を手放したい方へ(解体・売却に利用できる補助制度の紹介など)」
※制度によっては、すでに年度内の予算上限に達しており、受付を終了している場合があります。

空き家を売却するときにかかる費用や補助金制度については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

空き家の売却方法は?かかる費用や税金、税金控除をわかりやすく解説

再建築不可物件でないか確認する

再建築不可物件とは、家を解体して更地にしてしまうと、新しく家を建てられない物件のことをいいます。例えば建物を建てる場合、4m以上の公道に2m以上接していなければならない為、1.8mしか道路に面していない場合は再建築できません。
仮に再建築不可物件である場合、資産価値は低くなり、売却に時間がかかる恐れもあります。

しかし隣地を購入するなどで接道義務を果たすことができれば建築可能です。まずは不動産会社に相談し、再建築不可であれば建築が可能になる方法はないか相談してみましょう。

再建築不可については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

再建築不可物件とは?購入時の注意点や売却のポイント、活用方法を解説

隣家との境界線を明確にしておく

売主様は、家を引き渡すまでに境界を明示しなければなりません。もし境界の位置を明確に説明できない場合は、その旨を了承してもらったうえで売却することになります。

境界線に関する問題は、隣地とトラブルになることが多い為、場合によっては相場よりも安い価格で売却せざるを得なくなることもあります。可能であれば土地家屋調査士に境界確定測量を依頼し、隣地所有者立会いのもと境界を確定しておきましょう。

まとめ

古い家であっても売却は可能であり、売却の流れ自体は一般的な不動産売却と大きく変わりません。まずは、売却の流れやかかる費用や税金について把握しておきましょう。

ただし、古い家を売却する際は、家の状態に応じて適切な売却方法が異なることがあります。その為、不動産会社と相談したうえで売却方法を検討することが大切です。
売却を検討している場合は、不動産会社に売却査定を依頼することから始めましょう。

長谷工の仲介では、無料で査定を受け付けていますのでぜひご利用ください。

※本記事の内容は2025年7月24日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

「知人・親族にすすめたい」そんなお客さまが90.8%!満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

売却の流れをチェック!

この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

関連のおすすめ記事