| この記事で分かることを1分で解説 | |
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土地や一戸建ての売却を検討している方のなかには、不動産会社から「確定測量が必要になるかもしれない」と言われ、本当に実施すべきか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確定測量は法律上の義務ではないものの、売却後のトラブルを防ぎ、資産価値を正しく評価してもらう為にも実施しておくのがお勧めです。この記事では、確定測量の基礎知識や、実施したほうが良いケース、手続きの流れや売却時のポイントなどを解説します。
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確定測量(境界確定測量)とは?
確定測量とは、隣地や道路との境界を法的に確定させたうえで、土地の正確な面積や形状を測量することです。測量時は隣人や道路管理者の立ち会いのもとで境界を確認し、全員の合意を得て確定測量図を作成します。
確定測量の主な目的は、売却後の境界トラブルを未然に防ぎ、安心して取引を完了させることです。土地の境界には民々境界と官民境界の2種類があり、確定測量ではどちらの境界も確定させる必要があります。
| 境界の種類 | 概要説明 |
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| 民々境界 | 隣接する個人や法人の土地との境界 |
| 官民境界 | 道路や水路、公園など、国や地方自治体が所有する土地との境界 |
売買契約で買主様に確定測量図の引き渡しが求められるのは、全ての境界が確定した土地を購入したいと考える買主様が多い為です。
確定測量は実施したほうが良い?
続いて、確定測量を実施したほうが良いケースと省略しても問題ないケースをご紹介します。
| 実施したほうが良いケース | 実施しなくても良いケース |
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実施したほうが良い6つのケース
確定測量を実施したほうが良いケースを具体的に見ていきましょう。
宅地や一戸建てを売却する場合
宅地や一戸建てを売却する際は、確定測量を実施しておくと売却活動がスムーズに進みます。境界が曖昧なまま(境界非明示のまま)引き渡すと、将来的に買主様と隣人との間でトラブルが発生する恐れがある為、実務上は必須に近いといえるでしょう。
また、確定測量は資産価値の面でも重要です。例えば、公簿面積(登記簿に記載された面積)が実測した面積より狭いと、本来より低い評価額で取引されてしまい、売主様が損をしてしまうリスクがあります。地価が高い土地ほど1平方メートルあたりの差額が大きくなる為、確定測量によって正確な面積を把握したうえで売り出しましょう。
土地を分筆する場合
1つの土地を複数に分ける「分筆」を行う際も確定測量は必須です。
分筆登記を申請する際には分割後の各土地の面積や形状を法務局に示す必要があり、その為には土地全体の境界が確定していなければなりません。分筆登記をスムーズに進める為にも、事前に確定測量を済ませておきましょう。
地積更正登記をする場合
確定測量で実測した面積が登記簿謄本の面積と異なる場合、地積更正登記を申請することで登記簿の面積を訂正できます。
ただし、確定測量を実施したからといって、必ず地積更正登記まで進めなければならないわけではありません。登記簿と実測面積に差があっても売却は可能です。測量会社にどこまで依頼すべきか判断に迷うときは、不動産会社に相談したうえで依頼内容を決めましょう。
経年劣化で境界が不明確な場合
もともと設置されていた境界標が見当たらない、または動いてしまった場合は、確定測量を行い境界をあらためて確定させるのがお勧めです。
境界標はコンクリート杭や金属プレートなどで土地の境界を示すものですが、長い年月が経つと、地震や工事の影響でずれたり、草木に埋もれて見失ったりします。設置したはずの境界標が確認できない場合は、トラブルが発生する前に測量会社に相談しましょう。
土地に抵当権を設定する場合
土地に抵当権を設定する際も確定測量を求められるケースがあります。
抵当権とは、融資を受ける際に金融機関が土地や建物を担保として確保する権利です。金融機関は、融資を行う際に担保となる土地の資産価値を正確に評価しなければなりません。しかし、境界や面積が曖昧な状態では適切な担保評価ができず、融資希望者は希望通りの融資を受けられない恐れがあります。
少しでも希望額に近い融資を受けたいなら、金融機関への相談前に確定測量を行うのがお勧めです。
相続税を物納する場合
相続税を現金ではなく土地で物納する場合も確定測量が必要です。物納の申請には地積測量図や境界確認書の提出が必要で、境界が不明確な土地では申請が却下される恐れがあります。
物納の申請期限は、相続税の納付期限と同じく相続開始から10ヵ月以内です。確定測量には数ヵ月以上かかることもある為、相続税を物納で納めたいと考えている場合は早めに測量会社に依頼しましょう。
実施しなくても良いケース
一方、確定測量を実施しなくても良いケースには以下があります。
- 境界が明確な場合
- 買主様が了承している場合
- マンションを売却する場合
- 農地や山林を売却する場合
- 単に相続する場合
- 保有している土地に建物を建てる場合
マンションは、新築の分譲時に土地の境界が確定していることが一般的ですので、マンションの売却では境界確定は不要です。中古マンションは境界が確定している前提で取引がなされており、売買契約書に確定測量図を買主様へ引き渡す条文もないことが一般的となっています。
また、土地の売却価格に対して測量費が高くなりすぎる場合や、境界確定の必要性が低い取引では、確定測量を省略しても問題はありません。例えば、山林や農地のように1平方メートルあたりの価格が低い土地では、数十万円の測量費をかけると売主様の手取りが大きく減ってしまいます。
このようなケースでは、登記簿謄本に記載された面積をそのまま契約面積として取引する「公簿売買」を行うことがあり、実測なしで売買が成立します。
一方、売買契約後に実測を行い、契約面積と実測面積に差があれば引き渡し時に差額を清算する「実測売買」が行われることもあります。売買契約時に確定測量図を用意し、実測面積で取引するケースも、広い意味で実測売買に含まれます。
また、相続で土地を引き継ぐだけの場合や、自分の土地に建物を建てる場合も、確定測量までは求められません。ただし、建物を新築する際、設計の都合で敷地の実測を求められることがあります。
設計用の実測は真北の方向や敷地内の高低差など、建築に必要な情報を得る為の測量であり、境界を確定させる確定測量とは目的が異なる点を理解しておきましょう。
確定測量図・現況測量図・地積測量図の違い
確定測量図と混同しやすい図面に、現況測量図と地積測量図があります。それぞれの違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 確定測量図 | 現況測量図 | 地積測量図 |
|---|---|---|---|
| 調査の方法 | 隣地所有者や道路管理者の立ち会いのもとで測量する | ブロック塀や境界標などをもとに測量する(立ち会いなし) | 土地家屋調査士が測量する |
| 有効性 | 民々・官民全ての境界が法的に確定している | 境界が法的に確定していない | 登記簿と一体の公的書類として効力を持つが、古い年代のものは現況とズレているケースもある |
| 取得先 | 土地家屋調査士に依頼して作成 | 土地家屋調査士や測量会社に依頼して作成 | 法務局で申請・取得 |
現況測量図はブロック塀や境界標など現地に存在する目印をもとに作成する測量図で、隣地所有者の立ち会いや同意を得ずに作成します。境界を法的に確定させるのではなく、土地のおおよその形状や面積を把握する為に用いられます。
地積測量図は、法務局に備え付けられた公的な図面で、不動産会社が物件調査を行う際に使用されます。売買の場面では重要事項説明の添付書類として利用されますが、売主様や買主様が直接やり取りする機会は少ない図面です。
確定測量の流れ
では、確定測量は実際どのような手順で行われるのか、その流れも見ておきましょう。
1.土地家屋調査士に確定測量を依頼(1~2日程度)
はじめに、土地家屋調査士が在籍する測量会社へ測量を依頼します。土地家屋調査士とは、土地や建物の登記に必要な調査や測量を専門に扱う国家資格保有者です。簡単にいうと、土地の広さや境界を正確に測量し、その結果を法務局に登記する為の書類作成まで担ってくれる専門家です。
測量会社にはほぼ土地家屋調査士が所属している為、「確定測量図を作成してほしい」と伝えれば手続きを進めてもらえます。複数の測量会社から見積もりを取り、費用や対応の丁寧さを比較したうえで依頼先を決めましょう。
2.書類整理と現況測量の実施(3~4週間程度)
依頼が済めば、土地を特定する為の情報を測量会社に伝えます。土地の地番(各筆に割り振られている番号)を伝えれば作業を始めてもらえます。都市部では地番と住居表示が一致しないケースもある為、地番が分からないときは住宅地図などで場所を示し、測量会社に調べてもらいましょう。
続いて、測量会社が法務局で登記簿謄本や公図(各筆の形状を示す地図)などを取得します。これらの書類は測量会社が手配するのが一般的で、依頼者が事前に用意する必要はありません。ただし、以下の書類は依頼者しか保有していない場合がある為、手元にあれば提示しておきましょう。
| 必要書類 | 概要 |
|---|---|
| 筆界確認書 | 一部の境界ですでに確定しているものがあれば提出する |
| 越境の覚書 | 一部の境界で越境の覚書を締結しているものがあれば参考までに提出する |
筆界確認書とは、一部の境界が確定していることを示す覚書のことです。
例えば、土地の西側の境界だけ未確定で、他の境界は確定しているというケースもあります。筆界確認書があれば、すでに確定している部分の確認作業を省略できる為、測量会社が作業量を見積もる判断材料となります。
越境の覚書とは、越境物が存在する場合にその越境物の所有者や是正方法を隣地所有者との間で確認した書面のことです。必須の書類ではありませんが、越境物の有無を確認する参考資料として提示しておくと手続きがスムーズに進むでしょう。
3.仮杭の設置・境界の確認(1ヵ月程度)
現況測量が終わると、測量会社が仮の杭を設置して境界の候補ラインを示します。その後、隣地所有者や道路管理者に立ち会ってもらい、仮杭の位置で問題ないかを確認したうえで境界を確定させていく流れです。
隣地所有者への日程調整や事前説明、合意事項の取りまとめは全て測量会社が担当します。依頼者が隣人と直接交渉する必要はなく、測量会社から立ち会い日の連絡が来るのを待つだけで済みます。仮杭といっても実測に基づいて慎重に位置を決めた杭である為、立ち会いで双方が納得すれば、そのまま本杭(境界鋲)として扱われるのが一般的です。
角地など複数の土地が接する場所では、3~4人の地権者が同時に立ち会う必要があり、日程調整に時間がかかるケースもあります。また、道路との官民境界を確定させる際は道路の反対側の地権者の承諾も必要です。
4.確定測量の実施・測量図の作成および登記
全ての境界について合意が得られたら、仮杭を本杭に打ち替えて確定測量を実施します。測量会社が正式な確定測量図を作成し、図面上で境界の位置や面積を最終確認する流れです。
内容に問題がなければ、依頼者と全ての隣地所有者が境界確認書に捺印し、確定測量図と合わせて法務局へ提出します。これで確定測量図としての効力が生まれ、売買や登記などで正式な書類として使用できるようになります。
なお、実測で判明した面積が登記簿謄本の面積と異なる場合は、地積更正登記を申請することで登記簿の面積を修正できます。ただし、確定測量はあくまで測量会社に依頼する実測作業である為、必ず地積更正登記まで進める義務はありません。
登記簿の面積と確定測量図の面積に差があっても、そのまま売却することは可能です。どこまで依頼すべきか迷うときは、不動産会社に相談したうえで測量会社への依頼内容を決めましょう。
確定測量にかかる期間・費用
確定測量を依頼する際、事前に期間と費用の目安を把握しておけば、売却スケジュールや資金計画が立てやすくなります。ここでは、期間と費用それぞれの相場について解説します。
期間は1ヵ月〜半年以上が目安
確定測量に必要な期間は、隣接する道路の種類や関係者の人数によって変わります。一般的な目安は1ヵ月~半年以上で、条件が複雑になるほど長引く傾向にあります。
例えば、隣地所有者が一般の個人で、すでにほとんどの境界が確定しており、あと1つだけ確定すれば完了するような場合や、前面道路が私道で隣接する関係者が少ない場合は1ヵ月程度で完了するのが一般的です。
一方、前面道路の境界が未確定の公道の場合は、国や自治体との官民境界の確定手続きが必要となり、申請から立ち会いまでに時間がかかります。4ヵ月以上の期間を見込んでおきましょう。
また、残りは民々境界だけ確定していないという場合でも、隣地所有者が遠方に住んでいる場合は時間がかかってしまうことがあります。
民々境界のみを確定させる場合でも、完了までには3ヵ月程度かかるのが一般的です。境界確定は、当事者同士の日程調整が必要で予定通りに進まないことも多い為、不動産会社の査定を受け、売却スケジュールと合わせて測量の段取りをプロに組んでもらうのがスムーズな進め方です。
長谷工の仲介では、売却に関する相談を受け付けていますので、ぜひご利用ください。
費用の相場は45〜80万円程度
確定測量にかかる費用は、主に影響する地権者の数で決まります。
直接土地と接している隣地の地権者と道路の反対側の地権者の数が多いほど、金額が高くなります。一般的な一戸建ての規模の土地で隣地所有者が3~4件の場合は45万円前後ですが、高低測量も行うようなケースでは、50~60万円程度となります。
官民境界が確定していない場合には、道路の反対側の地権者の数も影響してきます。官民境界の確定も必要なケースでは50~80万円程度が相場です(※状況により変動・超過する場合がございます)。すでに一部の境界が確定している場合は境界の確定作業が減りますので、確定測量費は安くなります。
売却時に確定測量を実施する際のポイント
最後に、売却時に確定測量を実施する際のポイントについて解説します。
近隣住民と良好な関係を築く
確定測量を円滑に進めたいなら、日頃から近隣住民と良好な関係を築いておきましょう。境界の確定には隣地所有者の立ち会いと同意を得る必要がある為、関係がこじれていると手続きが長期化する恐れがあります。
万が一、隣地の地権者に境界確定の立ち会いを拒否された場合は、土地家屋調査士から確定測量の趣旨や手続きの内容をあらためて説明してもらう方法を検討してください。
それでも合意が得られないときは、法務局の筆界特定制度を利用することも考えられます。筆界特定制度は、筆界特定登記官が土地の境界を公的に判断する制度で、裁判よりも短期間かつ低コストでの問題解決が期待できます。
仮測量を先に行い、売却活動を進める
確定測量には数ヵ月の期間がかかりますが、その間に売却活動をストップさせる必要はありません。長谷工の仲介では、独自のサービスである「仲介バリューアップサポート」をご用意しており、専門家による簡易測量(仮測量)を無料で実施しています(※諸条件あり)。正式な確定測量の完了を待たずに、おおよその面積や形状を把握できる為、精度の高い査定やスピーディーな売却活動を並行して進めることが可能です。
住み替えや相続税の納付期限など、スケジュールに制約がある場合も、長谷工の仲介なら柔軟な対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
越境が発覚した際の対応も想定する
越境物がある場合には、隣地所有者と越境の覚書も締結しておくことをお勧めします。「将来建物を建て替える際に越境を解消する」「越境部分の所有権は主張しない」といった内容を書面で残しておくことで、越境物があっても売却しやすくなります。
状況に応じて売買契約に特約を付ける
境界が確定できない状態で売却する場合には、買主様の了解のもと、売買契約書に筆界確認書を取得できない状況で売却する旨の特約を付けておくことが適切です。
境界を確定できない場合、売却前に対象となる隣地所有者と売主様、買主様の3者で一度境界の確認を行っておくことが望まれます。境界の確認を行った事実を売主様と買主様との間で書面として残し、その書面をもって確定測量図の交付に代えることも特約に明記しておくとさらに安全です。
確定測量ができない物件を売る場合には、境界に争いがあることを買主様にしっかりと認識してもらったうえで売却すれば、トラブル防止策となります。
まとめ
確定測量は法律上の義務ではないものの、トラブルの防止や資産価値を正しく評価してもらう為に重要な手続きです。期間は1ヵ月~半年以上、費用は45~80万円程度が目安の為、スケジュールと資金計画に余裕を持って準備を進めましょう。
長谷工の仲介では、「売却何でも相談」を承っています。測量や境界に関する相談も受け付けていますので、まずは無料査定からお気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は2026年6月18日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。




