築30年のマンションの購入や売却を検討している方のなかには、「あと何年ぐらい住めるのか」「マンションは築30年を超えたら、売却するのは難しいのでは?」と不安に感じている方もいるでしょう。
この記事では、築30年のマンションの売却が難しいといわれる理由や、売却する際に押さえておきたいポイント、築30年のマンションのメリット・デメリットもご紹介します。売却だけでなく、購入を検討されている方もぜひ参考にしてください。
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築30年のマンションはあと何年住める?
まずは、築30年のマンションはあと何年住めるのかについて解説していきます。
法定耐用年数では47年
法定耐用年数とは、税務上で減価償却費を計算するときに用いる年数であり、建物構造や用途に応じて年数が定められています。例えば、マンションの多くは鉄筋コンクリート造であり、その鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年です。
しかし、あくまでも法定耐用年数は税務上の基準の為、法定耐用年数=寿命ではなく47年を経過したとしても住み続けることはできます。
管理状態で寿命は変わる
マンションは維持管理が適切に行われていれば寿命は長くなり、逆に管理状態が悪ければ、寿命は短くなります。「マンションは管理が命」といわれるほど、日々の維持管理が大切です。
実際、適切に管理された状態の鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は120年ともいわれています。
その為、明確にあと何年住めるかを説明するのは難しいという点は把握しておきましょう。
築30年のマンションは売却できるのか?
ここからは、実際に公益財団法人東日本不動産流通機構が公表しているレインズデータライブラリーのデータを参考に、築30年のマンションの売却状況を見ていきましょう。
成約物件における構成比
まずは、2020年〜2023年の中古マンションの成約物件における築年数ごとの構成比をご覧ください。
【中古マンション築年帯別構成比率(%)】
歴年 | 築0~5年 | 築6~10年 | 築11~15年 | 築16~20年 | 築21年~25年 | 築26年~30年 | 築31年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 9.6 | 14.1 | 16.3 | 14.1 | 11.2 | 7.2 | 27.5 |
2021年 | 9.6 | 14.2 | 14.2 | 13.3 | 11.0 | 8.1 | 29.7 |
2022年 | 9.3 | 14.4 | 12.5 | 13.8 | 10.7 | 7.8 | 31.5 |
2023年 | 9.3 | 13.6 | 11.8 | 13.9 | 11.7 | 7.9 | 31.9 |
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
ここ4年の割合を見ても、築30年超のマンションが全体の3割程度を占めているのに加えて、増加傾向であることが分かります。築30年超のマンションが増加している要因としては、コロナ禍などにより新築マンションの供給が減少したことや、リノベーションが一般的になり、古いマンションを購入することに抵抗が少なくなったことなどが考えられます。
他にも2022年度の税制改正により住宅ローン減税の要件が緩和され、1982年(昭和57年)以後に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)が対象になったことが大きく影響しているものと考えられます。
ちなみに改正以前は、既存住宅の築年数要件は耐火住宅が25年以内(非耐火住宅は20年以内)であった為、住宅ローン控除を受けたい買主様にとっては築25年以内のマンションが一つの目安になっていました。
今後も築30年超マンションのストック数(在庫数)が増加することが予想され、ここ10年の傾向を考慮しても、築30年超のマンションの成約件数の増加傾向は続くでしょう。
売却価格相場
次に、2020〜2023年の築年帯ごとの中古マンションの売却価格相場をまとめた下記の表をご覧ください。
【中古マンション成約状況(万円)】
歴年 | 築0~5年 | 築6~10年 | 築11~15年 | 築16~20年 | 築21年~25年 | 築26年~30年 | 築31年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 5,891 | 5,075 | 4,482 | 4,179 | 3,202 | 1,883 | 1,904 |
2021年 | 6,136 | 5,538 | 4,886 | 4,685 | 3,746 | 2,275 | 2,040 |
2022年 | 6,638 | 6,193 | 5,543 | 5,250 | 4,290 | 2,832 | 2,193 |
2023年 | 7,077 | 6,655 | 5,932 | 5,509 | 4,887 | 3,344 | 2,359 |
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
過去4年間のデータを見ると、築年数の経過とともに売却価格は下落しています。また、築26〜30年では売却価格が大きく下落しているものの、築31年以降の下落幅は緩やかになっていることが分かります。(2020年においては築31年〜が若干上昇)このことから、マンションは築30年以降になると売却価格が下落しにくいということになります。
築30年以降も建物が住める状況であれば資産価値がゼロになることは基本的にはありません。
また4年間のデータから、中古マンションの売却価格は築年数にかかわらず年々上昇していることが分かります。築30年超の上昇率は小さいものの徐々に売却価格は高くなっており、今後より理想的な価格で売却がしやすくなるでしょう。
対新規登録成約率
次に対新規登録成約率を見てみましょう。これは新規登録件数に対する成約件数の割合です。
【対新規登録成約率(%)】
歴年 | 築0~5年 | 築6~10年 | 築11~15年 | 築16~20年 | 築21年~25年 | 築26年~30年 | 築31年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 26.3 | 36.4 | 28.0 | 28.4 | 20.7 | 14.1 | 12.5 |
2021年 | 30.5 | 40.7 | 35.3 | 34.9 | 28.3 | 19.9 | 16.4 |
2022年 | 28.6 | 35.2 | 30.9 | 28.1 | 22.2 | 17.5 | 13.9 |
2023年 | 30.2 | 32.1 | 31.1 | 24.8 | 20.5 | 15.0 | 11.7 |
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
2020〜2023年の4年間のデータを見てみると、築6〜10年の対新規登録成約率が最も高いことが分かります。そして築5年までと築11〜15年、築16〜20年は20%後半から35%となっていますが、築21年以降は徐々に下がっています。
近年少子高齢化が進んでいることを考えれば、今後中古マンションのストック数(在庫数)が増えていくことが予想できます。競合する物件が多いことを考慮すると、売却する為にはなにかしらの対処が必要になるでしょう。
築30年のマンションの売却が難しいといわれる理由
築30年のマンションの売却が難しいといわれるのはなぜでしょうか。いくつかの理由が考えられますが、ここでは代表的な4つの理由について詳しく解説していきます。
競合物件が多い
まずは、競合する物件が多いことが考えられます。
前述した通り、成約物件における築30年超の割合は3割を超えています。しかし対新規登録成約率は11.7%と他の築年数と比べて低いです。つまり売れずに残っている物件が多いことが分かります。
その為、競合物件よりも早期に売却することを目指すのであれば「差別化」が必要になるでしょう。また近隣の競合物件の価格を考慮して、適正な価格を設定することが重要になります。
外観や設備が経年劣化していることが多い
次に、築30年のマンションは築年数が浅い物件に比べて、外観や設備が経年劣化していることが考えられます。
購入希望者が内覧をするのは通常一度きりです。外観を見て良いイメージを感じない場合は、成約に結びつきにくくなります。また設備などが劣化していると修理やリフォーム代がかかると思われてしまい、結果として購入物件の候補から外れてしまう恐れが高くなります。
住宅ローン控除を適用できないと思われている
住宅ローン減税(控除)とは、住宅を購入した年から一定期間は、毎年年末の住宅ローン残高に対して、控除率の0.7%を乗じた金額が所得税から控除される制度です。
既存住宅については、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の借入限度額が3,000万円、その他の一般的な既存住宅の借入限度額は2,000万円で、控除期間はともに10年間です。他にも自ら居住することや住宅ローンの借入期間が10年以上、床面積が50㎡以上であるなどの要件があります。
以前は築25年以内であること(マンションの場合)が住宅ローン減税の要件であった為、買主様は築30年のマンションを購入したとしても住宅ローン控除が受けられないことがデメリットでした。
しかし前述した2022年の税制改正により、1982年(昭和57年)以後に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)が対象になった為、今後は築30年であっても、一定の条件を満たすことによって住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
【2024年】住宅ローン控除はいつまで受けられる?税制改正による変更点や要件、申請方法について解説
耐震基準に適合しているか不安を持たれやすい
築30年のマンションは一般的に耐震性を不安視する声がありますが、実は1981年の6月1日以降に建築確認申請されたマンションは新耐震基準で建てられており、現行の基準を満たしていることになります。つまり2025年時点で築44年以内であれば、新耐震基準を満たしていることになります。
旧耐震基準では震度5強程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことが基準となっていましたが、1978年に起きた宮城県沖地震による被害を踏まえて基準が改正されました。
1981年6月1日以降は新耐震基準とは、震度6強〜7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことを基準としています。
建築や不動産の知識がある方は「1981年6月1日以降に建築確認申請を行ったものは新耐震基準によって建てられている」と知っていることが多いですが、初めてマンションを購入する方は知らない可能性があります。
新耐震基準を満たしていることを図面などに明記できれば、購入希望者も安心するでしょう。図面に記載する内容については、不動産会社の担当者と相談してみましょう。
買主様にお勧めしたい!築30年マンションの魅力
ここからは、築30年のマンションの魅力をご紹介します。
買主様目線でマンションのアピールポイントを検討することは、マンション売却を行ううえで効果的ですので売主様もぜひ参考にしてみてください。
好立地な物件が多い傾向にある
マンションは駅や商業施設の近くなど、好立地から順に建てられていく傾向があります。
その為、築30年のマンションよりも後に建てられた築浅のマンションに比べて、立地条件が良い可能性があります。今後新築するマンションについても、必然的に空いている場所に建てることになります。立地を重視する方にとっては、築30年のマンションは魅力的に映るでしょう。
新耐震基準を満たしている
前述した通り、2025年時点で築44年以内であれば新耐震基準を満たしている為、耐震性の面でも安心して購入できるのがメリットです。
また、新耐震基準は旧耐震基準に比べて住宅ローン審査時の担保評価が高い為、住宅ローンを借りやすい傾向があります。
将来的な資産価値の下落幅が小さい
前述の「売却価格相場」からも分かるように、マンションは年数とともに資産価値が下落しますが、建物の評価はほとんどなくなり底値になる為、築30年を超えるとその下落幅は緩やかになります。
都心部では地価や新築マンション価格は上昇傾向にあり、今後もこの傾向は続くと思われます。マンションの劣化による価値低下を考慮しても、中古マンションの価格は下がらないどころか、時には上回ることもあるでしょう。
大規模修繕が済んでいる可能性がある
国土交通省のガイドラインによると、マンションの大規模修繕は1回目が築12〜15年目、2回目が築24〜30年目に実施される旨が記載されています。
つまり、築30年のマンションは2回目の大規模修繕工事が完了して間もない物件である可能性が高く、年数の割に建物の状態や見た目が改善されている可能性があります。購入者にとっては状態が良く、そのうえ3回目の大規模修繕までの期間に余裕があり、わずらわしい工事期間を回避できることになるでしょう。
固定資産税の負担を抑えられる
築30年のマンションは、固定資産税の負担を抑えられることもメリットといえます。
固定資産税とは、毎年市町村が1月1日時点での固定資産(不動産)の所有者に対し、資産の価値に応じて課税する税金です。
資産の価値は固定資産税評価額で確認でき、税率(1.4%)を乗じて固定資産税を算出します。築30年のマンションは経年により建物の資産価値が下がる為、固定資産税評価額も下がります。その為、新しいマンションよりも税金の負担が軽くなります。
買主様が気になる!築30年マンションのデメリット
築30年のマンションには、いくつか注意すべきポイントがあります。
築30年のマンションの購入を検討する前に、デメリットについても把握しておきましょう。
一方で、売主様としても築30年のマンションを売却する際に買主様が気になるポイントを理解しておくことで、対策がしやすくなるでしょう。
修繕積立金が高くなっている場合がある
マンションの資産価値を維持する為には、適切なタイミングで修繕工事を行う必要があります。しかしその都度区分所有者から一括徴収することは難しい為、月々修繕積立金として積み立てるのが一般的です。
マンションの規模や築年数、機械式駐車場の有無などによって異なりますが、築年数が古くなるにつれて修繕費用も高額になる傾向があります。その為、購入後に修繕積立金が段階的に高額になったり、大規模修繕工事に備えて追加の支払いを求められることがあります。
築30年のマンションを購入する際は、将来的にランニングコストが増加するリスクを考慮して、長期的な資金計画を立てることが大切です。
参照:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
リノベーションやリフォームが必要な場合がある
マンションの共用部分は大規模修繕で改修や修繕を行いますが、専有部分は自分で計画してリフォームしなければなりません。築30年のマンションは最新の設備ではないケースもある為、より快適に暮す為にはリフォームやリノベーションが必要になるかもしれません。
マンションは仮に専有部分であっても、自由にリフォームやリノベーションができるわけではありません。事前に管理組合への申請が必要なケースもある為、あらかじめ管理規約などで確認しておきましょう。
ちなみに1975年以前のマンションでは、当時断熱や防音の目的でアスベストを使用している場合があり、撤去する場合は数百万円単位の費用がかかることがあります。2006年には完全に使用禁止になりましたが、築30年のマンションの場合、含有率は低いもののアスベストを使用している恐れがあり注意が必要です。
築30年のマンションを売却する際のポイント
築30年のマンションを売却する際のポイントを「売却を検討したとき」と「売却活動を進めているとき」の2つの段階に分けてご紹介していきます。
売却を検討したとき
売却を検討するときには、どのようなポイントをつかんでおくと良いのでしょうか。ここでは特に大切な4つのポイントをご紹介します。
築古マンションの売却に強い不動産会社に依頼する
不動産会社には得手不得手があります。マンションの売却に強い不動産会社があれば、土地や一戸建ての売却に力を入れている不動産会社もあります。
築30年のマンションの売却を検討するのであれば、築古マンションの売却に関する知見が豊富で、売却に関するサポートが充実している不動産会社に依頼することをお勧めします。
また実績が豊富な不動産会社であれば、適正な査定額を提案してくれることも期待できます。
長谷工の仲介では建物保証や設備保証など、無償の仲介アフターサポートが充実しています。築古マンションを売却する際の不安や、引っ越し後の相談ができる無料相談も受け付けています。
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※物件によっては有償または利用できない場合がございます。詳細はお近くの店舗にご確認ください。
マンション売却業者の選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却業者の選び方は?売却の手段や確認すべきポイントを解説
相場価格に応じた売却価格を設定する
レインズのデータからも分かる通り、築年数によってマンションの売却価格相場は大きく異なります。
マンションの売出し価格が相場と比べて高すぎると、売却までに時間がかかってしまい、かえって安くせざるをえなくなることもあります。一方で、売却する為に売却価格を安く設定しすぎると、売却後に手元に残る資金が想定よりも少なくなってしまう恐れもある為、相場価格に応じた価格を設定することが重要です。
国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、中古住宅の購入理由は「価格が適切だったから」が1位になっています。スムーズに売却する為にも、売主様自身が相場感をつかんでおくとともに、売却するエリアを熟知した不動産会社に依頼することが大切であるといえます。
マンションの相場を調べる際は、以下のサイトを活用してみましょう。
- 不動産ポータルサイト
- 不動産情報ライブラリ(国土交通省WEBサイト)
- レインズマーケットインフォメーション(公益財団法人東日本不動産流通機構のWEBサイト)
また、エリアに精通した不動産会社に依頼することで、相場価格を把握していることはもちろんですが、そのエリアでマンションを探している顧客を多く保有していることも考えられます。
早期売却を目指すのであれば、適正価格を提案してくれる不動産会社に相談し、相場価格に応じた価格で売り出しましょう。
長谷工の仲介では無料査定を受け付けていますので、ぜひご利用ください。
マンションの資産価値を調べる方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンションの資産価値を調べる方法は?ケース別に活用できる評価額を解説
マンションの特徴を把握する
築30年のマンションは競合物件が多いので、差別化の為にもマンションの特徴を今一度把握しておくと良いでしょう。立地条件や周辺環境など、住んでいるからこそ分かることを不動産会社の担当者に共有し、購入希望者に伝えてもらいましょう。
例えば以下のような特徴は購入希望者へのアピールポイントとなります。
- 駅まで徒歩5分の立地が魅力で夜道も暗くないので安心
- スーパーが複数あり価格競争している為、買うものによって使い分けも可能
- 病院や公園、図書館が充実しているので子育てしやすい環境
- おいしいケーキ屋さんや人気のカフェが近くにある
内覧の際に引っ越し後の生活がイメージできるような情報を、自然と伝えられると良いでしょう。
大規模修繕工事を実施予定か確認する
前述した通り、一般的に大規模修繕は12〜15年に一度実施されることが多く、築30年のマンションであれば2回目の時期を控えている可能性があります。
もし大規模修繕工事が今後予定されている場合は、不動産会社の担当者にその旨を伝えましょう。工事の時期が確定している場合は、図面にその旨を記載することも可能です。
現在の外観や共用部分に劣化が見られても、今後改善することが分かれば購入希望者にとってはプラスの情報になります。
ただし、大規模修繕に対し一時金などが必要になることもあります。すでに積み立てられている修繕積立金でまかなうことができるのか、いつ頃工事が始まり竣工はいつになるのかなど、事前に確認しておくことをお勧めします。
売却活動を進めているとき
売却活動を進めているときには、どのようなポイントがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
売却に備えたリフォームは行わないようにする
築30年ともなれば経年による劣化や汚れが気になり、リフォームを検討する方もいるでしょう。
例えば、相場価格が3,000万円のマンションを300万円かけてリフォームしたとしても、3,300万円で売却できるとは限りません。また、好みや重視するポイントは人それぞれであり、買主様自身がリフォームを検討している場合もあります。その為、売却に備えたリフォームは行わないようにしましょう。
マンションを売却する際のリフォームについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説
しかし見た目が清潔な状態であれば、購入希望者に良い印象を与えられるのは事実です。特に水回りは購入希望者が気になるポイントである為、綺麗に掃除しておきましょう。気になる場合は不動産会社の担当者と相談し、ハウスクリーニングなどを検討しましょう。
長谷工の仲介ではハウスクリーニングサービスを利用できます。詳しいご利用条件などについてはこちらをご覧ください。
設備の不具合を隠さずに伝える
設備に不具合がある場合は、不動産会社の査定時に隠さず伝えましょう。また購入希望者には内覧の際に、状況を説明しながら伝えられると安心です。
通常マンションの売買契約時には「付帯設備表」を作成し、設備の有無や不具合の状況を説明することになります。
早い段階で伝えることができれば、不具合も大きな問題になりません。契約時になって初めて伝えることにならないよう、なるべく早く伝えましょう。
万が一付帯設備表に虚偽の内容を記載すると契約不適合責任を問われ、補修費用を負担せざるをえなくなる場合もあります。トラブルを避ける為にも、ご自身でも今一度設備の点検をしておきましょう。
契約不適合責任については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説
空き家の状態で内覧を行う
引っ越し先の状況によっては難しいかもしれませんが、可能であれば空き家の状態で売り出し、不動産会社に依頼して内覧会(オープンルーム)を開催してもらいましょう。
通常、内覧会を告知する新聞折り込みチラシやポスティングをしてもらえますので、不特定多数の方に売却物件があることを知ってもらえることになり、売却できる機会が増えるでしょう。
空き家の状態にしてから売却活動をするのには、他にもいくつかのメリットがあります。
- 家財がない為広く感じるうえ、引っ越し後の家具の配置などをイメージしやすい
- 購入希望者は気兼ねすることなく室内を見ることができ、写真撮影や採寸もしやすい
- 内覧希望者に合わせて在宅する必要がなく、急な内覧希望にも対応できる
- 内覧会は気軽に見てもらえる可能性があり、潜在的な購入ニーズにつながる
長谷工の仲介では、プロのコーディネーターが室内のインテリアや小物を設置して買主様の印象を高めるホームステージングを利用できます。詳しくはこちらをご覧ください。
瑕疵担保責任保険を付ける
他のマンションと差別化する為に、瑕疵担保責任保険を付ける方法があります。住宅の基本構造部分などを検査(既存住宅状況調査)し、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することによって一定の期間について保証を受けるものです。
期間中に瑕疵が見つかった場合には、支払った保険金により補修が行われる為、買主様にとって大きな安心材料となります。保証対象や保険料などについて詳しくは、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。
瑕疵担保責任保険に加入する以外にも、建物の状況を専門家に調査(インスペクション)を依頼し、必要に応じて補修のアドバイスをしてもらう方法があります。
政府は中古住宅の流通を促進する為にインスペクションを実施することを推奨しています。日本ではまだそれほど浸透していませんが、中古住宅が多く流通している欧米では広く活用されています。
依頼先や内容によっても異なりますが、マンションの場合4.5〜6.5万円程度が相場です。予算や状況に応じて、瑕疵担保責任保険の加入やインスペクションの実施をご検討ください。
インスペクションについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説
不動産会社を変更すること
マンションの売却がスムーズに進まない場合は、不動産会社を変えてみるのも一つの方法です。
ただし売主様の都合で専任媒介契約(専属専任媒介契約)の契約期間中に解除し、その後に他社で成約に至った場合、先に依頼していた不動産会社から売却の為に行った広告費を請求される恐れがあります。その為、不動産会社を変える場合は媒介契約が終了するタイミングで検討しましょう。
不動産買取に切り替える
仲介での売却が難しい場合は、不動産会社による買取に切り替えましょう。
買取とは、不動産会社に不動産を買い取ってもらう売却方法で、早ければ1週間ほどで売買契約を締結できます。例えば、住み替えなどでマンションを現金化したい時期が迫っている場合などにお勧めです。
ただし不動産会社は、再販を前提に不動産を買い取る為、相場価格の7割程度で買い取るのが一般的です。
長谷工の仲介では、直接買取による売却にも対応しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
マンションの買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説
まとめ
築30年のマンションは売るのが難しいといわれることがありますが、実際には成約に至った中古マンションのうち、30%以上は築30年を超えるマンションです。
しかしストック数に対する成約率は11.7%と低く、他のマンションとの差別化が大切です。今回ご紹介したポイントを押さえて、早期売却を目指しましょう。長谷工の仲介では、無料査定を受け付けていますので、ぜひご利用ください。
一方で、築30年のマンションは好立地であることが多く、固定資産税も抑えられるなど、購入希望者にとってメリットがあります。希望する条件のマンションが見つからないという方は、ぜひ築30年超のマンションも視野に入れて以下の検索ページから探してみてください。
※本記事の内容は2025年1月8日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。