2023.10.27【2023年】一戸建ての売却相場はいくら?地域別・築年数別の相場や、調べる方法を解説

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一軒家を売る予定のある方は、売却の相場が気になっている方もいらっしゃると思います。
一戸建ての売却相場は、立地条件や建物の築年数などの様々な要因が複合的に絡んで決定されます。また、売却時期も影響し、昨今のように不動産価格が上昇しているタイミングでは、高く売れる可能性もあります。

一戸建ての売却相場は、どのような要因で決まり、どのように調べれば良いのでしょうか。
この記事では一戸建て売却の相場について、築年数別・エリア別に解説します。また、売却相場を調べる方法についても紹介しています。

一戸建ての売却相場は横ばいで推移している

一戸建ての売却相場は、不動産価格指数によってその動向を知ることができます。
不動産価格指数とは、不動産価格の動向を指数化したものです。
2010 年1月~12 月までの算術平均値を 100 として基準化したものであり、国土交通省が毎月公表しています。
住宅の不動産価格指数の推移は、以下の通りです。

不動産価格指数の推移画像

住宅のなかでも、不動産価格指数はマンションが2013年以降から大きく上昇していることが分かります。
一戸建てや土地(住宅地)は、マンションに比べると横ばい傾向ですが、近年は上昇傾向にあることが分かります。
部屋数が多く確保できる一戸建ては、リモートワークが普及し始めた頃から需要が強まり、2020年以降から不動産価格指数が力強く上昇し始めています。

出典:国土交通省「不動産価格指数」

一戸建ての売却相場は何で決まる?

最初に、一戸建ての価格を決める要因について解説します。

立地条件

駅から近い、閑静な住宅地である、周辺に生活利便施設があるなどの立地条件が良ければ価格が上がります。
一方で、不便な場所にある、目の前に大きな道路がある、周辺に嫌悪施設があるなどの立地条件が劣れば価格が下がります。

築年数など物件の状態

築年数に関しては、基本的には新しい程価格が高くなります。
木造の建物は築30~35年程度でゼロ円となり、それ以降はほぼ土地価格で取引されることも多いです。

売却時期

中古住宅市場が高騰している時期であれば、理想的な価格で売却できる可能性があります。
また、2~3月などの引っ越しシーズンであれば、スムーズに売れることも多いです。

経済状況

低金利環境のときは、買主様が住宅ローンを組みやすくなる為、高く売却できる可能性があります。
近年の住宅価格が高騰している要因は、低金利環境が継続していることが大きいです。

築年数別の一戸建て売却相場は?

築年数別のマンション売却価格は以下の通りです。

不動産価格指数の推移画像
価格(万円) 対0~5年(%) 下落率(%)
築0~5年 4,821 100.00% 0%
築6~10年 4,653 96.52% 3.48%
築11~15年 4,436 92.01% 7.99%
築16~20年 4,024 83.47% 16.53%
築21~25年 3,955 82.04% 17.96%
築26~30年 3,333 69.14% 30.86%
築31年~ 2,345 48.64% 51.36%

※下落率については、築0~5年を100%とした場合で計算しています。

出典:不動産流通機構(レインズ)「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」

ここからは、各築年数別の相場価格と売却時のポイントについて詳しく見ていきましょう。

築0~5年

下落率は築0〜5年を100%とした場合で計算している為、0%の表記となっています。
従来は新築物件よりも下落することが多かったのですが、近年は物件によっては新築時の価格より値上がりするケースも散見されます。
築0〜5年の物件は、物件の状態が良好であることから、売却しやすい物件が多いです。

売却の懸念点としては、頭金が少ない状態で購入し、借入金の返済がほとんど進んでおらず、かつ、新築時よりも価格が大きく下落しているケースでは、売却価格でローンを完済できない「オーバーローン」になりやすいという点が挙げられます。

一方で、新築時よりも価格が上昇しているケースでは、5年以内に売却すると税金が高くなる点が懸念されます。5年以内の売却は短期譲渡所得と呼ばれ、5年超の売却と比べると税率が高くなっています。

築6~10年

築0~5年に対する下落率は、3.48%です。
築6~10年の物件も、物件の状態は総じて良好である為、売却しやすい物件が多いといえます。また、所有期間が5年超の物件を売却する場合は、長期譲渡所得となり短期譲渡所得に比べると税金が安くなります。
長期譲渡所得については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説

売却の懸念点としては、制度的に有利な住宅ローン控除が終了してしまう点です。
住宅ローン控除は新しい物件に住み替えても最初から利用できるようになっています。
ただし、2022年より住宅ローン控除による節税効果が薄まる改正が行われました。
よって、2021年より以前に購入した物件に住み替えると、住宅ローン控除の節税効果が薄まる恐れがあります。
住宅ローン減税については、以下の国土交通省のホームページをご覧ください。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

築11~15年

築0~5年に対する下落率は7.99%です。
築11~15年の物件も、物件の状態は比較的良好であり、売却しやすいといえます。
売却の懸念点としては、物件によっては設備が壊れ始めているものもある点です。
設備に不具合がある場合には、不動産会社から記載を求められる設備付帯表に不具合をきちんと記載する必要があります。

築16~20年

築0~5年に対する下落率は16.53%です。
築16~20年の物件の状態としては、大規模修繕が適切に実施されていることが求められるケースが多いといえます。
外壁塗装などを実施していれば、買主様に与える印象は良くなります。

木造の一戸建ては1995年の阪神淡路大震災を踏まえて、2000年に建築基準法が一部改正されました。その改正によって、基礎部分や耐力壁の配置に関する見直しが求められました。
2023年時点で築16~20年の物件は、2000年以降に建築された物件である為、耐震性能の観点から比較的売却しやすい物件といえます。

築21~25年

築0~5年に対する下落率は17.96%です。
築21~25年の物件の状態としては、物件の劣化がやや目立ち始めている頃ですが、適切にメンテナンスが行われていれば十分に売却することができます。

木造の会計上の法定耐用年数は22年ではあるものの、実際は築21~25年の物件でも十分に生活可能な為、近年は建物価値も評価されることが多いです。

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

築26~30年

築0~5年に対する下落率は30.86%です。
築26~30年の物件の状態としては、物件の古さが目立ちはじめる為、やや売却しにくくなっていきます。

耐震基準に関しては1981年に改正されたものであり、2023年時点では築42年超の物件が耐震基準を満たしていない恐れがあります。
その為、築26~30年の物件では、耐震基準は特に問題ありません。

売却の懸念事項としては、売却する為に修繕が必要となる物件も多い点です。
修繕が必要な物件は、修繕してから売りに出す、もしくは買主様の了解を取ったうえで修繕せずに売却するといった選択肢があります。

築31年以上

築0~5年に対する下落率は51.36%です。
近年の一戸建ての査定では、築30~35年程度で建物価格がゼロ円と評価されるケースが多い為、築31年以上の物件はほぼ土地値で取引されている場合もあります。

売却の懸念事項としては、古過ぎる建物は売主様側で取り壊さないと売却できないこともある点です。
取り壊しが必要かどうかは、取り壊す前に一度査定を依頼し、不動産会社の判断を仰ぐことをお勧めします。

主要都市の一戸建て売却の相場

主要都市の一戸建て売却の相場は、下表の通りです。

エリア 北海道 宮城県 東京都 神奈川県 愛知県 大阪府 広島県 福岡県
平均相場価格 1,823 2,252 5,359 4,018 2,769 2,140 1,946 2,142

相場価格は同じエリアのなかでも立地や築年数、間取りなどで大きく異なる為、あくまでも目安としてご覧ください。

出典:不動産流通機構(レインズ)「月例速報Market Watch-2023(令和5)年7月度-」

一戸建ての売却相場を調べる方法

ここからは、一戸建ての売却相場を調べる方法について解説します。

不動産会社に査定を依頼する

売却予定のある方は、不動産会社に査定を依頼して価格を知るという方法があります。
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。

机上査定とは不動産会社の営業担当者が物件を見ずに行う査定であり、住宅地図や取引事例などの外部から入手できる情報のみで価格を試算する査定です。
机上査定は、売却予定はあるものの、概算額を知っておきたい方に適した査定方法となります。

訪問査定とは不動産会社の営業担当者が物件を見て行う査定であり、物件のメンテナンスの状態やリフォームの有無なども反映して価格を試算する査定です。
訪問査定は、すでに売却することが決まっている方に適した査定方法になります。

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売却予定の方は、ぜひご利用いただければと思います。

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過去の取引事例を参考する

過去の取引事例を参考に相場価格を調べる方法もあります。
一戸建ての相場は、以下のサイトで調べることができます。

土地総合情報システム

レインズマーケットインフォメーション

土地総合情報システムは、国土交通省が提供しているシステムです。
住所を絞り込んでいくことで、事例の一覧を見ることができます。

レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するシステムです。
所在地や最寄り駅、駅からの距離、間取りなどを絞り込んでいくことで、事例の一覧を見ることができます。

路線価をもとに計算する

相続税路線価とは、相続税や贈与税を計算する為に用いられる土地の単価のことです。
相続税路線価は、地価公示の約80%で評価されています。
地価公示とは、国が毎年評価する1月1日時点の土地の単価のことであり、時価に近い価格水準です。

路線価を使うと、土地価格に関しては地価公示価格水準を推定することができます。

地価公示価格水準 = 相続税路線価 × 土地の面積 ÷ 0.8

上式で求められるのはあくまでも土地価格のみであり、建物価格は含みません。
なお路線価は、下記の国税庁のページで確認することができます。

出典:国税庁「令和5年分財産評価基準を見る」

路線価については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

路線価から実勢価格は求められる?それぞれの違いや調べ方を紹介

不動産会社の物件情報から把握する

不動産会社は売り物件情報を公開していますので、自宅近くの物件情報から把握するのも一つの方法です。
長谷工の仲介でも物件情報を公開していますので、ご参考いただければと思います。

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理想的な価格で一戸建てを売却する為のポイント

理想的な価格で一戸建てを売却する為のポイントについて解説します。

売り出し価格=売却額でないことを理解する

一戸建ては売却の過程で値引き交渉が行われることも多く、売り出し価格がそのまま売却額とはならないこともよくあります。
希望の価格で売却するには、値引き交渉があることもある程度想定したうえで売り出し価格を設定することが望ましいです。

売却にかかる費用や税金を把握する

売却にかかる費用や税金は、下表の通りです。

かかる費用や税金 相場
仲介手数料 仲介手数料(別途消費税)は上限額が決まっており、上限額がそのまま相場となっていることが多いです。
  • 売買代金が400万円超:売買代金×3%+6万円
  • 売買代金が200万円超400万円以下:売買代金×4%+2万円
  • 売買代金が200万円以下:売買代金×5%
清掃費用 2~10万円程度※清掃箇所やプランにもよる
引っ越し費用 3人家族で500km未満の引っ越しを行った場合、通常期なら20万円、繁忙期(2~4月)なら30~40万円程度
住宅ローンの繰り上げ返済手数料 3.3~5.5万円程度
抵当権抹消費用
  • 抵当権抹消の登録免許税:不動産1個につき1,000円
  • 司法書士手数料:1~3.5万円程度
譲渡所得税 売却で生じた譲渡利益に対してかかる税金です。所得税および住民税、復興特別所得税を合算した原則的な税率は以下の通りです。
  • 短期譲渡所得:譲渡所得の39.63%
  • 長期譲渡所得:譲渡所得の20.315%
印紙税 2024年3月31日までの主な印紙税
  • 1,000万円超5,000万円以下:1万円
  • 5,000万円超1億円以下:3万円
確定測量 50~80万円程度
解体費用 100~300万円程度

税金については、必ず税理士に相談しておきましょう。
長谷工の仲介では、無料で税務相談を受け付けておりますので、ぜひご利用ください。

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まとめ

ここまで、一戸建て売却の相場について解説してきました。
一戸建ての売却相場は、不動産会社の物件情報やレインズマーケットインフォメーションで簡易的に調べることができます。ただし、査定価格は物件ごとに異なる為、実際の価格を把握したい場合は不動産会社に査定を依頼することをお勧めします。

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これから売却する予定がある方は、ご利用頂けると幸いです。

※本記事の内容は2023年10月27日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)
不動産鑑定および宅建業の代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士、住宅ローンアドバイザー。大阪大学出身。
写真:竹内英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役) -->

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