2023.06.12マンションが売れないのはなぜ?よくある原因と対処法を解説

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マンションを住み替えたいのになかなか売却できず、「このまま売れないのではないか」とお悩みではありませんか?売却が進まない原因が分かれば、適切な対処を行いスムーズに売却することが可能になります。 
まずは売れない原因をつきとめて、対処法を実践しましょう。この記事ではマンションが売れないときに考えられる4つの原因と、11の対処法を紹介します。

マンションを売却するまでにはどれくらいかかる?

マンションの査定を依頼してから、売買契約成立までの流れは以下の通りです。

  • 不動産会社へ査定依頼
  • 媒介契約締結
  • 広告活動開始
  • 内覧
  • 購入申し込み
  • 売買契約締結

不動産会社との媒介契約締結から売買契約締結までに通常3ヵ月程度かかりますが、タイミングによっては6ヵ月以上かかることもあります。

媒介契約は3ヵ月以内と定められている為、3ヵ月目で売却できない場合は媒介契約を更新することになります。実際このタイミングで、条件や依頼先を変更しているケースが多いです。
マンション売却の流れについてまずは知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください。

マンション売却の流れを詳しく解説-必要な手続きやポイントについても紹介

マンションが売れないときに考えられる原因

まずはマンションが売れない原因を知ることが重要です。ここでは大きく4つに分けて、それぞれ詳しく解説していきます。当てはまる原因がないか考えてみましょう。

  • 売却の進め方に関する原因
  • 売却しているマンションに関する原因
  • 買主様への対応に関する原因
  • 依頼している不動産会社に関する原因

売却の進め方に関する原因

マンションが売却できない原因として、第一に売却の進め方に問題があるケースが挙げられます。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。

購入需要が低い時期に売却活動を行っている

マンションの売却は一年中行うことができますが、不動産には「売りやすい時期」があります。よく繁忙期ともいわれますが、新学期前は引越しをしたいと考える買主様が多い為、必然的に2〜3月の需要が増えます。
次に需要が多くなるのは9〜11月で、転勤を理由とする引越しです。また不動産を探すのに気候がちょうどよく、暑い夏や忙しい年末を避けたいというのも理由の一つです。

マンションが売れないのは、需要が低い時期に売却活動を行っていることが原因かもしれません。その為、可能であれば需要が高まる時期に売却活動を行うほうが、マンションは売りやすいでしょう。
ただし、前述の通りマンションの売却には一定期間を要する為、需要が高まる3月頃の売却を目指すのであれば、1月の初め頃から売却活動を行うのがタイミングとしてはお勧めです。
マンションの売却時期については、こちらの記事でも解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

相場よりも高い売却価格を設定している

価格交渉されることを危惧し、相場よりも高く売却価格を設定している方もいるでしょう。マンションを少しでも高く売りたいと考えるのは自然ですが、不適切な価格設定では売却が難しくなります。
また売れ残ってしまうと、かえって安くしなければ売れなくなる恐れもあります。

少しでも安く購入したいと考える買主様は、近隣の相場を把握しているケースが多い傾向にあります。その為、売却価格については不動産会社の担当者と相談し、時期を見て見直すことも想定しましょう。

競合となる物件が多い

マンションは戸建に比べて競合しやすい特徴があります。
周辺に競合となる物件が多い為に、なかなかマンションが売却できないというケースも考えられます。

不動産を選ぶ際は、間取り・築年数・駅からの距離といった要素が主な判断基準と考えられます。
しかし、実際に物件を調べてみるとこのような条件に当てはまる物件は多いものです。
特に、同じマンションから複数の部屋が売りに出ている場合は競合します。比較されることが予想される物件の動向については、常に気を配るようにしましょう。

売却しているマンションに関する原因

売却しているマンションそのものに原因がある場合もあります。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。

築年数が経過していて経年劣化が目立つ

経年劣化が見た目の印象に悪い影響をおよぼしている恐れがあります。買主様は購入後にリフォームを想定していたとしても、内覧の際のイメージが良くない場合、購入に結びつきにくくなります。
とはいえ、売却する為にわざわざ費用をかけてリフォームするのは得策ではありません。見た目に関する対処法は後半で紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

立地や周辺環境の魅力を伝えられていない

マンションの魅力が伝わっていないことも原因の一つとして挙げられます。
例えば築年数や駅からの距離などが近隣マンションと比べて見劣りする場合、他にアピールできるポイントがなければ内覧にさえ至らないということも考えられるでしょう。

その為、住んでいるからこそ分かるマンションの魅力やメリットをどのように伝えるか、不動産会社の担当者に相談しておきましょう。

管理費や修繕積立金が高い

住宅ローンの返済以外に月々支払うことになる、管理費や修繕積立金の金額がネックになっている場合もあります。
築年数が古いマンションや大規模修繕工事を予定しているマンションは、修繕積立金が高くなる傾向があります。

買主様への対応に関する原因

買主様への対応が売却の進まない原因となる場合もあります。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。

内覧対応できる日程が少ない

内覧の対応日を増やすと自分の予定が圧迫されるのではないかと躊躇する方もいるかもしれません。
しかしそもそも内覧する方がいなければ、マンションが売却できる可能性も低くなります。もちろん物件情報だけで魅力を感じる買主様もいますが、実際に内覧してみないと購入するか決められないという方がほとんどでしょう。
マンションに興味を持っている買主様を逃さないように、できるかぎり内覧対応できる日を増やすようにしましょう。

どうしても外出しなければならない場合は、「午前中は内覧に対応できる」とあらかじめ不動産会社の担当者に伝えるなどし、急な内覧希望者にも対応できるようにします。

室内に生活感がある

内覧する方はマンションへ引越し後の生活を、イメージしながら室内を見て回ります。あまりにも生活感があると、「ここへ引越したい」という気持ちが薄れてしまいます。

急な内覧にも備え、日頃から室内の整理整頓を心がけましょう。表に出ている生活雑貨を戸棚の中にしまうだけでも見栄えがよくなります。
水回りは特に汚れが目立ちやすい為、内覧前にはよく掃除しておくようにします。住んでいる本人は気付きにくいものですが、その家特有のニオイが気になることもあります。日頃から換気をするようにし、必要に応じて消臭スプレーを利用しましょう。

買主様からの質問に回答できていない

内覧の際に買主様から質問が出ることがあります。生活環境やスーパー、学校についてなど引越し後の生活をイメージする為です。

不動産会社の担当者が答えられる内容だとしても、売主様からの生の声を聞きたいと思うものです。マンションの魅力を伝えることができる機会でもありますので、上手にアピールしましょう。
質問に対する回答を得られないと、買主様は不安を解消できないばかりか、売主様と契約すること自体に問題があると感じてしまう恐れもあります。買主様に安心して購入いただけるように、質問には的確に答えられるようにしておきましょう。

依頼している不動産会社に関する原因

依頼している不動産会社に原因がある場合もあります。ここでは代表的な3つのケースを紹介します。

中古マンションの売却が得意ではない

不動産会社にはマンションの売却が得意な会社もあれば、土地や戸建が得意な会社もあります。もし依頼している不動産会社が中古マンションの売却を得意としていないのであれば、査定額や売却価格も適正でない場合もあります。また、中古マンション購入を希望している顧客を保有していないかもしれません。

直接担当者に中古マンション売却の実績を確認するか、不動産会社のホームページなどで確認してみましょう。

囲い込みを受けてしまっている

囲い込みとは、不動産会社が売主様と買主様の両方から仲介手数料を受け取る為に、他の不動産会社にその物件の情報を提供せず、社内で両手契約を目指す手法です。

故意に物件情報を独占することは禁じられていますが、仲介手数料を売主と買主の両方から得る為に他社からの問い合わせに対し「契約予定です」などと答えて囲い込みをしているケースがあります。
囲い込みを受けてしまうと、売主様は早期に売却できる機会を逃しているかもしれません。

物件の情報を適切に掲載できていない

マンションが売れない理由に、物件情報を広告に適切に掲載できていないケースがあります。
多くの不動産会社の場合、自社のホームページ以外にも、ポータルサイトへの掲載や提携会社への広告掲載などを行い、広く広告活動をしているのが一般的です。

しかし故意に、もしくは意図せず広告活動をしていないケースがあります。内覧希望者が少ないと感じたら、担当者にどのような広告活動しているのか一度確認してみると良いでしょう。

マンションが売れないときの対処法

マンションが売れないときに実践してほしい11の対処法を紹介します。複数の対処法を実践することによってよりスムーズに売却できる可能性もあります。ぜひ実践してみてください。

売却時期を見直す

マンションがなかなか売れず長期戦となっている場合は、一度売却時期を見直すのも一つの方法です。需要が見込まれる2~3月など時期やタイミングをみて再度売りに出します。

ただし再度売りに出すタイミングについては、慎重に検討する必要があります。
例えば近隣で新築マンションのモデルルームが実施されている場合、その影響を考えてタイミングをずらしたい場合などは、不動産会社の担当者に相談してみましょう。
マンションの売却時期を検討する際のポイントや注意点については、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

相場価格に応じた売却価格を設定する

近隣相場と比較して高いと感じたら、相場価格に合わせて価格を再設定しましょう。価格を下げる場合、その下げ幅やタイミングも重要です。

少額すぎる値下げはあまり効果がない場合があり、頻繁な値下げは買主様から「何か安くしなければならない理由があるのでは」と思われる恐れもあります。大切なのは、相場価格から大きく乖離していないかです。
各エリアの相場については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

東京都のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

大阪府のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

名古屋市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

福岡県のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

横浜市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

ハウスクリーニングを検討する

内覧時の印象は重要です。特に水回りなどは念入りに清掃しておきたいところですが、難しい場合はプロの清掃業者に依頼しましょう。

長谷工の仲介ではハウスクリーニングを提供しております。状況に応じたセットプランもご用意しておりますのでご検討ください。
詳しくはこちらをご覧ください。

ハウスクリーニング〜プロのお掃除でお部屋をイメージアップ

家財道具を収納スペースに片づける

使わない家財道具があれば、売却のタイミングで整理しましょう。置いてあるものが多いと部屋が狭く感じるうえ、生活感が出てしまいます。
日頃から整理整頓し、綺麗な状態を保ちましょう。モデルルームの内装を参考にするのも有効です。

長谷工の仲介ではホームステージングのサービスをご提供しています。ホームステージングとは、不動産の資産価値を高める為にインテリア家具や小物などを設置することで、モデルルームのような空間を演出することです。
詳しいサービスの概要についてはこちらのページをご覧ください。

ホームステージング

築年数ごとの売却ポイントを把握する

マンションはその築年数ごとに売却するターゲット層が異なります。それぞれのメリットを把握することが重要であり、築古マンションでもスムーズに売却することは可能です。

例えば築年数が古いマンションは購入価格を抑えることができる為、リノベーションして自分たちの生活スタイルに合った部屋にしたい方に好まれます。また耐震性が気になる方は、比較的築浅のマンションを希望する傾向があります。
築年数とマンション売却の関連性については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に築年数は影響する?築年数別に売却のポイントを解説|住まいのコラム

築30年の中古マンションを売却したい!資産価値や売却時のポイントを徹底解説

築50年のマンションでも売却できる?旧耐震物件の資産価値や特徴、買主様のメリットを解説

インスペクションを依頼する

インスペクションとは専門家が目視や計測等により、建物の基礎や外壁などにひび割れや雨漏りの劣化、不具合が発生しているかどうかを調べることです。

築年数が古く耐震性などが懸念点になっている場合は、インスペクションを実施して買主様に安心してもらえる材料を提供しましょう。その場合費用は売主様が負担することになりますが、マンションの場合は4.5〜6.5万円程度が相場です。
インスペクションのメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説

維持費が高い理由を説明する

修繕積立金や管理費が他のマンションに比べて高い場合は、その理由を説明するようにしましょう。

例えば、数年後に大規模修繕を予定している場合は修繕積立金が高くなる傾向がありますが、外観や共有部分が綺麗になる予定であることも併せて説明します。またエントランスなど共有部分にゆとりがあり、ゲストルームやキッズルームなど便利な施設がある場合は、管理費が高くなることがあります。

メリットがあれば多少の出費は容認してもらえる可能性があり、共有部分や便利な施設についても説明することが、アピールポイントの説明にもなります。

物件情報に掲載している内容を見直す

不動産会社が通常作成する紹介用図面や掲載画像については、一定期間ごとにブラッシュアップすることをお勧めします。
アピールポイントのコメントなども変更することによって、新たなターゲット層の目に留まるかもしれません。

また既存住宅の流通を促進する為に創設された「安心R住宅」制度を利用する方法もあります。インスペクションや既存住宅売買瑕疵保険契約を締結する為に必要な検査を実施し、基準に適合した既存住宅であることが認められると、不動産事業者団体などから「安心R住宅」の標章(ロゴマーク)を付与される制度です。

このマークは広告紙面などで利用できる為、安心して住めるマンションであることをアピールできます。詳しくは不動産会社にご相談ください。

参考:国土交通省「安心R住宅」

媒介契約の種類を変える

通常媒介契約の期間は3ヵ月です。もし3ヵ月で成約の見込みがない場合は、媒介契約の種類の変更を検討しましょう。
それぞれの媒介契約の違いは以下の通りです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる不動産会社の数 複数社可能 1社のみ 1社のみ
指定流通機構への登録義務 なし 7日営業日以内に登録 5日営業日以内に登録
売却活動の報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自己発見取引 可能 可能 不可

一般媒介契約とは複数の不動産会社に依頼できるものの、指定流通機構への登録義務や売却活動の報告義務がないタイプです。

一方で専任媒介契約と専属専任媒介契約は依頼できるのは1社のみですが、その分不動産会社の義務が重くなっています。専属専任媒介契約との大きな違いは、専任媒介契約には自己発見取引が認められている点です。
また、専任媒介契約(専属専任媒介契約)では物件情報は他社にも共有し、早期成約ができるように指定流通機構(レインズ)に登録することが義務付けられています。

前述した囲い込み対策としては、指定流通機構に登録をしたことを証明する「登録証明書」の提示を求める方法がありますが、100%防ぐことは難しいでしょう。
囲い込みが心配であれば、複数社に依頼できる一般媒介契約を選ぶ方法もありますが、信頼できる不動産会社に依頼することが一番重要だといえます。

媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットや注意点を解説

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

住んでみて分かった魅力を伝える

広告や物件情報では伝えきれないマンションの魅力やメリットは、内覧時に伝えましょう。また魅力を買主様にしっかりと伝えられるように、不動産会社の担当者にもあらかじめ伝えておきます。

例えば以下のようなアピールが効果的です。

  • 人気の学区で、学区内のコミュニティが充実
  • バスや電車など複数の路線が利用できるので、通勤通学が便利
  • 大型スーパーと商店街が徒歩圏にあり、使い分け可能

マンション売却での内覧のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介

仲介以外の売却方法を検討する

仲介でなかなか売却が進まず、住み替えができない場合は買い取りも視野に入れましょう。買い取りの場合、基本的には売主様の希望するスケジュールで売買契約や引き渡しができるので、住み替え先が決まっている場合などは特に便利です。
また買い取りは仲介手数料がかからないので、出費を抑えることもできます。
マンション買い取りについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却は買い取りがお勧め?仲介との違いや向いている物件の特徴を解説

長谷工の仲介では仲介以外にも買い取りも行っています。お気軽にご相談ください。

長谷工の提案力/直接買取

まとめ

マンションの売却が進まない場合はその原因を把握し、対処法を実践してみましょう。また近隣マンションの情報や成約事例なども参考になりますので、不動産会社の担当者とのコミュニケーションも大切です。

長谷工の仲介では、売主様のマンション売却サポートのみならず引越し後の不安も解消するアフターサポートも充実しています。まずはお気軽にご相談ください。

※本記事の内容は2023年6月12日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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