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借地権付きマンションの購入や売却に悩んでいる方もいるでしょう。借地権付きマンションは特有のコストや注意点もあるため、所有権マンションとの違いを押さえておくことが大切です。
この記事では、借地権付きマンションと所有権付きマンションとの違いやメリット、デメリット、さらに2026年4月のマンション関連法改正との関わりについて、分かりやすく解説します。
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借地権付きマンションとは?所有権マンションとの違い
借地権付きマンションとは、土地に借地権が設定されているマンションです。一方、一般的な分譲マンションは土地の所有権を取得する所有権マンションとなります。
借地権付きマンションと所有権マンションは、価格や住める期間などが異なってくるため、違いを理解することが大切です。
まずは、借地権付きマンションの基本や所有権マンションとの違いを確認していきましょう。
建物の区分所有権と土地を借りる権利を取得する
そもそも借地権とは、建物を建てることを目的に地代を支払って土地を借りる権利です。その土地に建てた建物は借りた方が所有権を持ちますが、土地自体は地主が所有権を持ちます。
この借地権が設定された土地に建てられたマンションが、借地権付きマンションです。
借地権付きマンションを購入した場合、買主様は建物の専有部分の所有権(区分所有権)と土地を利用する権利である借地権を有することになります。
借地権付きマンションは、土地そのものの所有権を買うわけではないため、所有権マンションよりも価格が低く設定されているケースが一般的です。
しかし、土地を借りるための地代が発生する、借地期間終了後の扱いが契約方法によって異なるなどの注意点もあります。
検討しているマンションが借地権付きマンションか見分ける方法の1つとして、広告などの物件概要のチェックが挙げられます。
物件概要の土地の権利に「定期借地権」「普通借地権」といった記載があるので、確認するようにしましょう。
また、借地権の場合は、併せて地代や借地期間、期間満了時の対応なども確認することが重要です。
借地権については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
借地権付きの建物・土地は売却できる?方法や相場、手続きの流れを分かりやすく解説
所有権マンションは土地の共有持分も取得する
一般的な分譲マンションは所有権マンションであるケースが多いです。所有権マンションでは、専有部分だけでなく土地も共有持分として所有権を取得します。
つまり、所有権マンションと借地権付きマンションの本質的な違いは、土地を所有するか借りるかという点です。
前述した通り、土地を借りる借地権付きマンションは土地の購入代金がかからない分、販売価格は低くなるケースが多くあります。
一方、土地を所有できる所有権マンションは、借地権付きマンションより販売価格が高くなりやすいのが一般的です。
ただし、所有権マンションは借地権マンションとは異なり、購入後に地代がかかることはありません。
地上権と賃借権の違い|売却・ローン・地主承諾で確認したいこと
土地を借りる権利である借地権は、法律上、大きく分けて地上権または土地賃借権の2種類があります。
地上権、土地賃借権はどちらも他人の土地を利用する権利ですが、地上権は物権、賃借権は賃貸借契約に基づく権利(債権)という点が違いです。
物権:土地などの物を直接支配する権利
債権:特定の人に一定の行ためを求める権利
物権である地上権は、第三者に権利を主張でき、地主の承諾を得ずに譲渡・転貸ができるといった強力な権利です。
一方、債権である賃借権ではほとんどのケースで土地の譲渡・転貸・担保設定などで地主承諾が必要になります。
地上権は借主の権利が強いことから、賃貸借契約では賃借権が設定されるケースが一般的です。
なお、地上権の場合でも、個別契約や融資条件の確認は重要になってきます。
また、賃借権で地主が譲渡や転貸を承諾しないケースもあります。しかしそれらによって地主に不利となる恐れがないと認められるときは、借地借家法19条に基づき、借地権者が裁判所へ承諾に代わる許可を申し立てられる場合があります。
借地権付きマンションの種類|住める期間と満了後の違い
借地権はいくつかの種類に分かれ、種類によって契約期間や満了後の対応が異なってきます。
ここでは、借地権付きマンションの種類ごとの違いを見ていきましょう。
普通借地権|更新を前提に長く住み続けやすい
普通借地権とは、契約期間満了後に更新できる借地権です。
契約期間、更新後の期間は以下のようになります。
1回目の更新後の期間:20年以上
2回目以降の更新後の期間:10年以上
初回の存続期間は原則30年以上となり、更新により住み続けられる可能性があります。
なお、地主側が更新を拒絶するには正当事由が必要です。
ただし、更新料の有無や更新後の期間、地代改定などの条件は契約内容によっても異なるため、個別契約での確認が必要になります。
更新により住み続けられる可能性がありますが、住み続ける場合でも更新料が発生するのが一般的です。
「更新できるから契約満了後も費用をかけずに住み続けられる」というわけではないため注意しましょう。
建物譲渡特約付借地権|一定期間後に地主へ建物を譲渡する
建物譲渡特約付借地権とは、存続期間を30年以上に設定し、期間終了時に地主が建物を買い取る契約です。
また、買取ではなく、建物を収去せず土地を返還する、借家として継続して住むといった選択ができるケースもあります。
後述する一般定期借地権では、期間終了後に建物を解体し更地で返還する必要があるのに対し、建物譲渡特約付借地権では建物をそのまま譲渡できるため、期間終了時の負担の軽減につながります。
ただし、満了時は建物を地主へ譲渡するため、建物の評価方法や清算条件を事前に確認しておくことが重要です。
契約時には、買取条件や居住継続の可否、退去時期などを確認するようにしましょう。
一般定期借地権|期限が来たら建物を解体して土地を返す
一般定期借地権は、契約期間が終了したら原則建物を解体して更地で返還する方法です。
契約期間は原則として50年以上の期間を定め、契約更新・建物買取請求・建て替えによる期間延長をしない特約を設けます。
一般定期借地権は50年以上と長期的に住める契約ですが、永久に保有できるものではありません。
購入時にすでに借地権の残り期間が短い場合や子どもへの相続を検討しているといったケースでは、期間が十分ではないこともあるでしょう。
また、満了後に解体するため、地代とは別に解体費用の積立金が必要になるケースもあります。
一般定期借地権の場合は、購入時に借地期間の残り年数、満了年月日、解体費用の積立方法などを確認することが重要です。
旧法借地権|更新を前提にした長期利用しやすい借地権
現行の借地借家法は、1992年8月に施行されたものです。
1992年7月31日以前に締結された借地契約は旧法借地権、8月1日以降は新法借地権が適用されます。
旧法借地権は、建物の構造や契約期間の定めの有無によって存続期間・更新期間が以下のように異なります。
| 構造 | 非堅固建物(木造など) | 堅固建物(鉄骨造・鉄筋コンクリートなど) |
|---|---|---|
| 存続期間 | 期間の定めがある:20年以上 期間の定めがない:30年 |
期間の定めがある:30年以上 期間の定めがない:60年 |
| 更新後の期間 | 期間の定めがある:20年以上 期間の定めがない:20年 |
期間の定めがある:30年以上 期間の定めがない:30年 |
なお、期間の定めがある場合でも、規定の期間よりも短い場合は「期間の定めがない」に該当します。
旧法借地権は、更新を前提とし地主が更新を拒絶しにくい仕組みであり、借主の権利が強い点が特徴です。
住み続けられる可能性が高い契約ですが、築年数が古い物件が中心となりやすいため、借地権だけでなく耐震性、修繕履歴、建て替えの見通しも確認する必要があります。
「築年数が古く旧法だから住み続けられる」と安心と断定せず、契約内容と建物状態を個別に確認することが重要です。
借地権付きマンションの購入価格が安い理由と住んだ後の費用
借地権付きマンションは所有権マンションに比べ購入時の初期費用が安いのが一般的です。しかし、地代など購入後に特有のコストがかかる、売却価格が下がりやすいといったケースも多いため、トータル費用の比較が大切です。
ここでは、借地権付きマンションの購入価格が安い理由と購入後の費用を解説します。
土地代が価格に含まれないため、購入価格を抑えやすい
所有権マンションの価格には、建物だけでなく土地の価格も含まれています。その点、借地権付きマンションは土地の取得費が含まれません。
そのため、同エリア・同程度の広さ・築年数なら、所有権マンションより価格が低くなる傾向があります。
ただし、借地権そのものにも価値があることから、土地代が完全にゼロというわけではありません。
さらに、借地権付きマンションの価格は借地期間の残り期間、地代、売却条件、将来の資産性も反映されるため、それほど価格が下がらないケースもあります。
借地権の売却相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
地代・管理費・修繕積立金・解体積立金がかかる
借地権付きマンション、所有権マンション購入後、所有期間中にかかる費用には以下のようなものがあります。
| 借地権付きマンション | 所有権マンション | |
|---|---|---|
| 地代 | 必要 | 不要 |
| 管理費 | 必要 | 必要 |
| 修繕積立金 | 必要 | 必要 |
| 解体積立金・解体準備金 | 一般定期借地権付きは必要になるケースがある | 不要 |
| 更新料・売却時などの承諾料 | 契約内容によっては必要 | 不要 |
| 固定資産税・都市計画税 | 建物のみ必要 | 土地・建物両方で必要 |
土地を借りる対価である地代は、借地権付きマンション特有の継続費用です。
一般定期借地権付きマンションでは、期間終了後の解体に備え、解体積立金や解体準備金が徴収されるケースがあります。
契約内容によっては更新時の更新料、売却時などに地主の承諾を得る承諾料なども必要です。
一方、マンションの維持管理のための管理費・修繕積立金は、所有権マンション、借地権付きマンションどちらも負担するものです。
また、マンションを所有すると固定資産税・エリアによっては都市計画税が課税されます。
所有権マンションは建物・土地両方を所有するため、それぞれの税負担が必要です。借地権付きマンションでは建物のみ所有するため、建物分のみ税金がかかり、土地の課税分は地主の負担となります。
なお、地代改定の条件、更新料、承諾料、積立金の増額予定は物件ごとに異なるため、重要事項説明書・管理規約・長期修繕計画で確認すると良いでしょう。
所有権・普通借地権・定期借地権の30年総コストを比較
ここでは、所有権・普通借地権・定期借地権それぞれの総コストをシミュレーションします。
購入後30年所有し、売却した場合の総コストは以下の通りです。
| 項目 | 所有権マンション | 普通借地権付きマンション | 定期借地権付きマンション |
|---|---|---|---|
| 物件価格(参考) | 6,000万円 | 4,500万円 | 4,000万円 |
| 頭金(購入価格の20%) | 1,200万円 | 900万円 | 800万円 |
| 購入時諸費用 | 420万円 | 315万円 | 280万円 |
| 借入額 | 4,800万円 | 3,600万円 | 3,200万円 |
| 30年間のローン返済額 | 4,877.9万円 | 3,658.4万円 | 3,251.9万円 |
| 管理費・修繕積立金(30年分) | 1,620万円 | 1,620万円 | 1,620万円 |
| 地代(30年分) | 0円 | 900万円 | 1,260万円 |
| 更新料 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 解体積立金(30年分) | 0円 | 0円 | 288万円 |
| 固定資産税・都市計画税(30年分) | 450万円 | 240万円 | 240万円 |
| 30年間の支出合計 | 8,567.9万円 | 7,633.4万円 | 7,739.9万円 |
| 30年後の売却想定額 ※売却時点の不動産市況によります |
4,000万円 | 2,400万円 | 1,200万円 |
| 売却時の仲介手数料 | 138.6万円 | 85.8万円 | 46.2万円 |
| 30年後のローン残債 | 792.7万円 | 594.5万円 | 528.4万円 |
| 売却後に手元へ残る額 | 3,068.7万円 | 1,719.7万円 | 625.4万円 |
| 30年間の実質負担額 | 5,499.2万円 | 5,913.7万円 | 7,114.6万円 |
※専有面積70平方メートル程度、30年間保有、住宅ローンは購入価格の80%を年1.0%・35年返済で借り入れる想定です。
※普通借地権は、30年間の保有期間中に更新料が発生しない前提で試算しています。中古購入時点の残存期間や契約条件によっては、更新料が発生する場合があります。
※売却想定額、地代、固定資産税、管理費・修繕積立金、解体積立金は比較用の仮定です。実際の金額は物件ごとに異なります。
ただし、上記のシミュレーションはあくまで目安です。
実際のコストや売却価格・税額などは物件によっても異なるため、個々のケースでシミュレーションするようにしましょう。
借地権付きマンションのメリット
ここでは、借地権付きマンションのメリットを2つ見ていきましょう。
都心・駅近のマンションを予算内で購入しやすい
前述した通り、借地権付きマンションは土地所有権を取得しない分、同条件の所有権マンションより価格が低いケースがあります。
そのため、都心・駅近といった好条件の物件でも購入価格を抑えられる可能性があります。
立地優先で長期入居を検討している方にとって有力な選択肢となるでしょう。
ただし、借地権付きマンションの全てが好立地や割安とは限りません。また、地代の負担や残存期間によっては購入後にコスト増になる恐れもあるので、トータルでの比較検討が大切です。
土地分の固定資産税・都市計画税は原則として負担しない
固定資産税・都市計画税は、原則として毎年1月1日時点の不動産の所有者に課税されます。
その点、借地権付きマンションの所有者は建物が購入者、土地は地主となるため、土地に対する固定資産税・都市計画税の負担は原則不要です。
ただし、建物の税負担は発生し、資産価値によっては建物だけでも税負担が大きいケースもあります。
また、土地に対する税負担はなくても地代があるため、年間の負担額をシミュレーションして比較すると良いでしょう。
借地権付きマンションのデメリット・後悔しやすいケース
借地権付きマンションは、所有権マンションとは異なるデメリットもあるため、デメリットについても理解しておくことが大切です。
ここでは、借地権付きマンションのデメリット・後悔しやすいケースを4つ解説します。
地代や更新料など所有権マンションにはない費用がかかる
借地権付きマンション特有のコストとして、以下が挙げられます。
| 費用 | 概要 |
|---|---|
| 地代 | 土地を借りる対価として地主に支払うお金 所有期間中は継続して発生する |
| 更新料 | 契約更新時にかかる手数料 普通借地契約では契約内容によって発生する |
| 解体積立金・解体準備金 | 契約終了後の解体に備えたお金 定期借地権では、定期的な解体積立金に加え、購入時などに解体準備金が必要となるケースがある |
| 承諾料 | 売却・賃貸・建て替えで地主に承諾を得る際の費用 契約内容によって発生するケースがある |
どのような費用がいくら発生するかは、契約内容によっても異なります。
契約時には購入後の費用も一覧などで確認するようにしましょう。
残存期間が短い物件は資産価値が下がりやすい
定期借地権は満了日が決まっているため、残存期間が短くなるほど買い手の選択肢が狭くなりがちです。
例えば、当初の残存期間が50年のとき40年経過後に売却すると、借地権の残存期間が10年しかないため、買主様を見つけにくくなる恐れがあります。
また、残存期間は買主様の住宅ローン期間や担保評価に影響し、期間が短いとローン審査に通らないなど資金面でのデメリットから売却しにくくなるケースもあります。
このように、借地権付きマンションは単純な築年数だけでなく、借地権の残存年数にも資産価値や売却のしやすさが左右されます。
借地権付きマンションを検討する際は購入時点の価値だけでなく、将来売却する際に残存年数が何年あるかの考慮も大切です。
売却や住宅ローンで不利になる場合がある
借地権付きマンションであっても、所有権マンション同様に売却や住宅ローンの利用が可能です。
ただし、借地権の種類や残存期間、担保設定、地主承諾の有無によって融資条件が変わる場合があります。
例えば、定期借地権、建物譲渡特約付借地権では、契約期間終了後に建物の解体や買取が決まっていることから、借入期間が残存期間を超えられないケースが一般的です。
また、借地権に抵当権を設定するにあたり地主の承諾を必須としている金融機関もあります。
住宅ローンが利用しにくくなると、自分が購入する際にデメリットになるだけでなく、将来売却する際に買主様が資金を確保しにくいことから売却が難しくなる恐れがあります。
購入する際は将来の売却まで見据え、買主様がローンを使いやすい物件かも確認することが大切です。
購入前にローンの事前審査を受けるだけでなく、売却時の地主の承諾条件なども確認すると良いでしょう。
土地を資産として子どもに残せない
借地権付きマンションで相続が発生した場合、相続できるのは原則、建物と借地権です。
土地の所有権はそもそも有していないため、所有権マンションのように土地共有持分を相続させることはできません。
借地権を相続する場合、相続人は普通借地権では借地権を、定期借地権では残存期間のある借地権を引き継ぐことになります。
相続人は借地権だけでなく、地代、管理費、修繕積立金といった負担も引き継ぐことになるため、注意が必要です。
なお、借地権は相続税の対象となります。
ただし、借地権は自用地(自分で使う土地)よりも相続税評価額は下がる仕組みのため、同条件の所有権マンションの土地よりも評価額は下がり、節税になるケースもあります。
土地も子どもに残したいと考えている方は、所有権マンションとどちらが適しているか比較すると良いでしょう。
参考:国税庁「借地権の評価」
借地権付きマンションの売買・ローン・相続で押さえるべきポイント
借地権付きマンションであっても、売却や住宅ローンの利用、相続が可能です。
しかし、所有権マンションよりも制限が生じやすいため、ポイントを押さえておく必要があります。
売買・ローン・相続で押さえておくべきポイントは、以下の通りです。
| ポイント | |
|---|---|
| 売買 |
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| ローン |
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| 相続 |
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借地権付きマンションの取り扱いで悩む場合は、不動産会社や税理士などのプロへの相談をお勧めします。
借地権付きのマンションを購入する前にチェックしたい4つのポイント
ここでは、借地権付きマンションを購入する前にチェックしたい4つのポイントを解説します。
借地権の種類と契約内容を確認する
借地権には普通借地権や定期借地権など種類があり、種類によって住める期間や満了後の扱いなどが変わってきます。
登記や契約書で借地権の種類を確認し、さらに、残存期間や更新の可否、満了後の扱いなどもチェックしておきましょう。
地代・承諾料など将来コストを試算する
借地権付きマンションは、地代や解体準備金、更新料、承諾料など所有権マンションとは異なる特有のコストが発生します。
購入価格を抑えられても、維持関連の費用増によりトータルのコストがそれほど変わらないケースもあるので注意が必要です。
事前に、地代や将来の地代改定条件などから所有期間中のコストをシミュレーションしておくようにしましょう。
また、将来の売却や賃貸利用も考慮し、承諾条件や承諾料などもチェックしておくことが大切です。
住宅ローンの事前審査を早めに受ける
借地権付きマンションは住宅ローン審査で不利になるケースもあります。購入時にローンの利用を検討している場合、早めに事前審査を受けて資金計画を立てるようにしましょう。
解体積立金の残高と追加リスクを確認する
定期借地権付きマンションでは、解体積立金を徴収するケースが多いです。しかし、近年の解体費用高騰や積み立て不足などによって、積立金だけでは足りずに一時金などで追加徴収される恐れがあります。
定期借地権付きマンションの場合は、事前に重要事項説明書などで積み立て状況や将来の追加リスクを確認しておくようにしましょう。
2026年4月施行のマンション関係法改正で借地権付きマンションはどう変わる?
近年、マンションの老朽化や住人の高齢化の進行などによる安全性の低下といった問題が深刻化しています。このような問題の解決を目的としてマンション関連法が大きく改正され、2026年4月に施行されました。
ここでは、マンション関係法改正による借地権付きマンションへの影響を見ていきましょう。
建て替え決議の要件が緩和されるケース
マンションの建て替えは、原則として区分所有者、議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。
しかし、今回の改正により以下のような一定の客観的事由があるケースでは、各4分の3以上へ緩和されます。
- 耐震性不足
- 火災安全性不足
- 外壁などの剥落リスク
- 給排水管劣化
- バリアフリー基準への不適合など
要件の緩和により、老朽化したマンションの建て替えのハードルが下がり再生を目指しやすくなりました。
借地権付きマンションでも、老朽化後の再生の可能性を考えるうえでの確認材料となります。
ただし、緩和されるのは一定の要件を満たしたマンションのみであり、全てのマンションで一律に適用されるわけではない点には注意しましょう。
参考:国土交通省「マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法」
借地権型マンションで底地を取り込む選択肢と注意点
底地とは、借地権が設定された土地の所有権です。
今回の改正では、多様なニーズに対応した建て替えなどを行えるよう、建て替え・再建時に、底地権を再生後マンションの区分所有権へ権利変換できる仕組みが整備されました。
これにより、借地権型マンションでも建て替え、再建後に地主の底地を取り込み、所有権マンションへの移行の選択肢を検討できる可能性があります。
ただし、底地の取り込みには、地主との合意、再生決議、事業採算、権利変換手続きが必要です。
また、通常の中古マンション購入者が個人で土地を取得できる制度ではない点にも注意しましょう。
借地権付きマンションに関するよくある質問
最後に、借地権付きマンションに関するよくある質問を見ていきましょう。
定期借地権付きマンションは満了後どうなる?
定期借地権付きマンションは、原則として更新せずに満了時に借地権が終了します。
この際、多くのケースでは建物を解体し更地にして土地を地主へ返還します。
また、解体にかかる費用は、解体積立金などで準備するケースも多いので事前に確認しましょう。
なお、建物譲渡特約付借地権など、解体以外の終了方式の場合もあります。
そのため、物件ごとに土地賃貸借契約書を確認することが大切です。
借地権付きマンションは売れない?
借地権付きマンションであっても売却は可能です。
しかし、残存期間などの条件によっては売却に時間がかかったり、価格調整が必要なケースもあります。
借地権付きマンションの売れやすさは、立地や建物の状態だけでなく、残存期間や地代、地主承諾、ローン利用のしやすさなどにも影響されるものです。
特に、定期借地権付きマンションは残存期間が短いほど、買主様が限定されやすいので注意しましょう。
スムーズに売却するには、借地権付きマンションの売却実績がある不動産会社を選ぶことも重要なポイントです。
長谷工の仲介では、借地権付き物件の売却実績が豊富にあります。売主様のご希望や条件に合わせ柔軟な売却プランの選択が可能です。
売却に悩んでいる方は、ぜひ長谷工の仲介にご相談ください。
借地権付き物件の売却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
借地権付きの建物・土地は売却できる?方法や相場、手続きの流れを分かりやすく解説
借地権付きマンションでも住宅ローン控除は使える?
住宅ローン控除は借地権付きという理由だけで、一律に対象外となるわけではありません。
適用可否は、入居年、床面積、所得、借入期間、住宅の種類などの要件で判断されるため、要件を満たしていれば適用できる可能性があります。
ただし、一般定期借地権で前払い地代を借入金で支払った場合、その前払い地代部分の借入金は住宅ローン控除の対象にならない扱いがあるため、注意が必要です。
住宅ローン控除が適用できるかは個別の状況によって異なります。
また、税制自体も都度改正されているため、購入年の国税庁情報を確認し、金融機関、税理士などのプロに確認することをお勧めします。
長谷工の仲介では、不動産に詳しい税理士に無料で相談できるサービスを提供しています。
住宅ローン控除の適用を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考:国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続に関するよくある質問」
まとめ
借地権付きマンションには土地の所有権がないことから、価格が安くなりやすい、好条件の立地でも予算内で購入できる可能性があるなどのメリットがあります。
一方、地代や解体積立金、更新料、承諾料など所有権マンションとは異なる費用が発生するため、購入価格の安さだけでなくトータルコストの比較が大切です。
また、借地権付きマンションは、売却時に買主様がローンを利用しにくい場合があるなどの注意点もあるため、実績豊富な不動産会社に相談しながら進めることをお勧めします。
長谷工の仲介では、借地権付き物件の取り扱い実績があり、ご相談も受け付けています。
売却後の売主様が安心できるサポートを提供しているので、売却に悩んでいる方は、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事の内容は2026年9月10日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。




