2026.06.18【2026年】住宅ローン控除はいつまで?税制改正の変更点や控除額を解説

【2026年】住宅ローン控除はいつまで?税制改正の変更点や控除額を解説画像
この記事で分かることを1分で解説
  • 住宅ローン控除の適用期限が延長され、2030年(令和12年)12月31日までに入居すれば適用可能
  • 中古住宅(既存住宅)での控除が拡充された
  • 住宅性能の高い住宅とそうではない住宅の控除の差が明確化された
  • 住宅ローン控除を適用する際は要件の確認やシミュレーションが重要

住宅ローン残債の額に応じて所得税や住民税から一定額を控除できる「住宅ローン控除」。
利用することで税制上のメリットが大きい制度ですが、不動産によって適用条件や控除額が異なる為、適用を検討しているなら常に最新の情報をチェックしておくことが重要です。

この記事では、2026年の税制改正にともなう住宅ローン控除の変更点や申請方法について、詳しく解説していきます。

そもそも住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、ローン残債の額に応じて所得税の控除を受けられる制度です。さらに、所得税で控除しきれない分は翌年度の住民税から控除されます。

控除額は居住開始年や住宅性能によっても異なりますが、原則として対象となる年末時点のローン残高の0.7%分となり、期間は最長13年です。
例えば、借入限度額の範囲内で年末時点の住宅ローン残高が3,000万円であれば、21万円を所得税から控除できます。所得税から控除しきれない額は、前年分の課税総所得金額等の5%(最大9.75万円)を上限に一定額が翌年度の住民税から控除されます。

住宅ローン控除は、税額から直接控除できる為、節税効果が大きい点が特徴です。
ただし、控除により還付されるのは、あくまで自分が納めた分の所得税であり、控除額が大きくても納税額以上の還付が受けられるわけではありません。
また、住民税はこれから納める分が減額される為、還付が受けられるわけではない点にも注意しましょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

出典:総務省「新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。」

2026年度税制改正で何が変わった?押さえておきたい変更点

住宅ローン控除は、1972年にスタートした「住宅取得控除」が制度の始まりです。
以降、何度も改正が行われ、2026年度税制改正でもいくつかの変更点があります。

2026年度税制改正で大きく変更されたのは以下の3点です。

  • 適用期限と控除期間の延長
  • 新築住宅の省エネ性能の厳格化と立地制限の導入
  • 中古住宅の控除の拡充

具体的な制度の変更内容を詳しく見ていきましょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

適用期限と控除期間の延長

住宅ローン控除の適用期限は2025年12月31日まででしたが、今回の改正で5年間延長されています。これにより、2030年(令和12年)12月31日までに入居すれば住宅ローン控除を適用できます。

なお、住宅ローン控除はこれまでも適用期間が延長されてきた経緯があり、2030年以降も継続する可能性はあります。とはいえ、その時点の税制改正次第でもあり、仮に延長されても現時点の制度内容とは異なる可能性がある点には注意しましょう。

また、今回の改正では中古住宅(既存住宅)の控除期間についても拡充されています。改正前の住宅ローン控除の適用期間は、物件の種類によっても期間は異なりますが、新築住宅・買取再販住宅は最長13年、中古住宅は、2025年入居までは一律10年でした。

今回の改正により、中古住宅のうち省エネ性能の高い住宅については、控除期間が13年に拡大されました。
ただし、省エネ基準を満たさない「その他住宅」に区分される中古住宅については、控除期間は従来と変わらず10年のままです。リフォーム・増改築についても控除期間は10年のままとなります(詳細は「中古住宅(既存住宅)の控除が大幅拡充」で解説しています)。

新築住宅は省エネ性能による差がさらに拡大

2024年より、新築住宅、買取再販住宅は省エネ基準を満たすことが適用の必須要件となり、加えて住宅性能や世帯に応じた借入限度額の差も設けられています。
今回の改正により、その差がさらに拡大する形となっています。

改正後の住宅性能ごとの借入限度額、最大控除額は以下の通りです。

住宅の種類 借入限度額
(一般世帯)
借入限度額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
年間最大控除額
(一般世帯)
年間最大控除額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
控除期間
長期優良住宅
低炭素住宅
4,500万円 5,000万円 31.5万円 35万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円 24.5万円 31.5万円 13年
省エネ基準適合住宅 2026~2027年:2,000万円

2028~2030年:対象外※
2026~2027年:3,000万円

2028~2030年:対象外※
2026~2027年:14万円

2028~2030年:対象外※
2026~2027年:21万円

2028~2030年:対象外※
2026~2027年:13年

2028~2030年:対象外※
その他の住宅(省エネ基準非適合) 対象外 対象外 - - 対象外

※2027年末までに建築確認を受けたものについては2,000万円×10年

認定住宅、ZEH水準住宅については、従来と同水準となっています。
一方、省エネ基準適合住宅は借入限度額が、一般世帯で3,000万円から2,000万円、子育て世帯、若者夫婦世帯で4,000万円から3,000万円に引き下げられるのに加え、2028年以降は全ての世帯で対象外となります。

これにより、2028年以降に新築確認を受ける新築住宅(登記簿上の建築日付が2028年6月30日以前のものは除く)は、ZEH水準の省エネ性能を満たさないと住宅ローン控除を受けられなくなります。

なお、2030年度以降に新築される住宅はZEH水準の省エネ性能確保を目指す方針があり、段階的に基準が引き上げられることが見込まれています。

災害レッドゾーンの新築は2028年以降対象外に

安全な住まいの実現を目的として、立地についての制限が加わります。
2028年以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、浸水被害防止区域等の「災害レッドゾーン」に建築された新築住宅は住宅ローン控除の対象外になります。
ただし、建替え・既存住宅・リフォームは引き続き適用対象です。

中古住宅(既存住宅)の控除が大幅拡充

省エネ性能の高い中古住宅については、借入限度額、控除期間が拡充されています。
改正後の中古住宅の控除は以下の通りです。

住宅の種類 借入限度額
(一般世帯)
借入限度額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
年間最大控除額
(一般世帯)
年間最大控除額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
控除期間
長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
3,500万円 4,500万円 24.5万円 31.5万円 13年
省エネ基準適合住宅 2,000万円 3,000万円 14万円 21万円 13年
その他の住宅(省エネ基準非適合) 2,000万円 2,000万円 14万円 14万円 10年

認定住宅、ZEH水準省エネ住宅の借入限度額が従来の3,000万円から3,500万円(子育て世帯、若者夫婦世帯で4,500万円)に引き上げられ、控除期間も10年から13年と拡充されています。
省エネ基準適合住宅についても、控除期間が10年から13年に延長されており、住宅性能の高い中古住宅では新築との控除の差が縮まる形となっています。

ただし、省エネ性能の基準を満たさない「その他の住宅」については、従来通りの限度額、控除期間です。

出典:自民党「子育て世帯を幅広く支援 住宅ローン減税を拡充・延長」

中古住宅(既存住宅)の床面積要件が緩和

中古住宅の適用要件の一つである床面積について、従来の50㎡以上から40㎡以上に緩和されています。
ただし、合計所得金額1,000万円超の方や「子育て世帯等に対する借入限度額の上乗せ措置」を利用する場合は従来の50㎡以上が必要です。

住宅ローン控除は入居年や住宅性能などによって控除額が大きく変わります。どのくらい控除できるか気になる方は税理士などに相談すると良いでしょう。
長谷工の仲介では、不動産に詳しい税理士に無料で相談できるサービスを提供しているので、お気軽にご相談ください。

税務相談サービスはこちら

住宅ローン控除の内容が改正された背景

2026年の住宅ローン控除の内容変更は、「2050年カーボンニュートラルの実現」と「世帯構成変化等を踏まえた幅広い住まいの選択肢の提供」を目的として行われています。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることをいい、2050年の実現を目指し国際的に取り組まれています。
その一環として国による省エネ性能の高い住宅の普及が進められており、今回の改正においても省エネ性能の高い住宅と性能を満たさない住宅との差の明確化につながったといえます。

また、近年はウッドショックをはじめとする資材の高騰や人手不足などを要因とする住宅価格の高騰で、新築住宅の需要の低下、ひいては景気の悪化が懸念されている状況でもあります。
新築住宅の適用条件の継続とともに中古住宅の控除拡充により、住宅の購入を後押しする狙いもあるといえるでしょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」

住宅ローン控除を受ける為の適用要件

住宅ローン控除を受ける為の適用要件

住宅ローン控除は、新築や中古といった物件の種類によっても異なる適用条件が設けられている為、要件を押さえておくことが重要です。
以下では、適用要件をそれぞれ見ていきましょう。

共通の適用要件

物件の種類に関わらず、住宅ローン控除を適用するには以下のような要件を満たす必要があります。

  • 住宅の新築等の日から6ヵ月以内に住み始めている
  • 控除を受ける年の12月31日まで住んでいる
  • 床面積が40㎡以上かつ、床面積の2分の1以上を居住の用に供している
  • 借入期間が10年以上ある住宅ローン等である
  • 控除を受ける年の合計所得が2,000万円以下である
    (※控除を受ける年の合計所得が1,000万円超の場合、床面積は50㎡以上)
  • セカンドハウス等でないこと
  • 過去3年間に「3,000万円特別控除」など譲渡所得に関する特別控除の適用を受けていないこと
  • 生計を一にする親族などから取得したものでないこと
  • 贈与による住宅の取得でないこと

住宅ローン控除は、マイホームの購入で適用できる特例の為、適用する方がその家に住んでいることが前提です。
そのうえで、床面積や合計所得、住宅ローンの借入期間、住宅の取得方法についての要件を満たす必要があります。

住宅ローン控除とは併用できない控除もいくつかあり、代表的なものとして譲渡所得の3,000万円特別控除が挙げられます。住み替えなどで売却と購入を短い期間で行う場合、適用できないケースもあるので注意しましょう。

併用できる特例とできない特例については、「併用できる控除とできない控除がある」で詳しく解説しています。

新築住宅・買取再販住宅の要件

新築住宅、買取再販住宅では共通の適用要件以外で、以下のような要件を満たす必要があります。

  • (買取再販住宅)購入する時点で、新築から10年経過している住宅である
  • (買取再販住宅)買取業者が取得した日から2年以内に購入している
  • (買取再販住宅)特定増改築にかかる工事費用が売買価格(税込み)の20%以上である
  • (買取再販住宅)昭和57年1月1日以降に建築された住宅である
  • (買取再販住宅)昭和56年以前に建築されている場合は、取得日までの2年以内に耐震基準に適合する補修を受けている

新築住宅では共通の要件を満たすことで控除が適用できます。
一方、不動産会社などが買い取って増改築した既存住宅である買取再販住宅では、共通の要件に加えて追加の要件を満たす必要があるので注意しましょう。

なお、新築住宅、買取再販住宅ともに、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に該当すると控除の対象外となる為、省エネ基準以上の性能を満たすことが必須となります。
さらに、2028年からは省エネ基準の住宅は対象外となり、ZEH水準以上の住宅性能であることが求められます。

住宅性能の証明には「建設住宅性能評価書」もしくは「住宅省エネルギー性能証明書」が必要になります。登録住宅性能評価機関や登録された建築士事務所に属する建築士、指定確認検査機関または住宅瑕疵担保責任保険法人で入手できますが、時間がかかるケースもあるので早めに確認するようにしましょう。

中古住宅(既存住宅)の要件

中古住宅とは、既存住宅のうち買取再販住宅に該当しない住宅です。
中古住宅で住宅ローン控除を適用するには、共通の適用要件に加えて、以下を満たす必要があります。

  • 昭和57年1月1日以後に建築されている
  • 昭和56年12月31日以前に建築されている場合は耐震基準を満たしているもの

今回の改正により中古住宅の床面積の要件が40㎡以上に緩和されています。
また、中古住宅は築年数が要件に含まれる点に注意が必要です。
耐震基準を満たす証明として、建築士等が発行した「耐震基準適合証明書」、登録住宅性能評価機関の「建設住宅性能評価書」、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書などが必要になります。

リフォーム・増改築の要件

一定以上のリフォーム・増改築で住宅ローンを利用する場合も住宅ローン控除が適用できます。この場合の控除内容は限度額2,000万円、控除率0.7%で10年です。

なお、増改築とは以下の要件に該当する工事を指します。

  • 増築・改築・建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替えの工事であること
  • マンションの場合は、区分所有する部分の床または階段・壁の過半に対して行う一定の修繕・模様替え工事
  • 家屋のうち居室・調理室・浴室・便所・洗面所・納戸・玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替え工事
  • 建築基準法施行令の構造強度等に関する規定または地震に対する安全性にかかる基準に適合させる為の一定の修繕・模様替えの工事
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事

また、適用要件は以下の通りです。

  • 増改築などの日から6ヵ月以内に住んでいる
  • 床面積50㎡以上かつ、床面積の2分の1以上を居住の用に供している
  • 控除を受ける年分の12月31日まで住んでいる
  • 控除を受ける年の合計所得が2,000万円以下
  • 増改築の額が100万円を超えており、その2分の1以上の額が居住用部分の工事の費用に充てている

適用を受けた場合の控除金額をシミュレーションしてみよう

住宅ローン控除を適用すると、どれくらい税金の控除ができるのかを新築住宅、中古住宅で具体的にシミュレーションしていきましょう。

【新築】1~13年目

まずは、新築住宅を購入した場合の控除額をシミュレーションします。
条件は以下の通りです。

  • 2026年入居(新築)
  • 住宅ローンの条件:借入額3,500万円/返済期間35年/金利1.0%/全期間固定
  • 2026年1月から返済スタート(年間返済額1,185,588円)
  • 一般世帯(東京都在住・年収600万円・扶養親族0人)
年末残高 控除額(控除率0.7%)
省エネ基準適合住宅
(限度2,000万円)
長期優良住宅
(限度4,500万円)
1年目 34,160,566円 14万円 23.9万円
5年目 30,717,646円 14万円 22.1万円
10年目 26,215,825円 14万円 18.3万円
13年目 23,404,731円 14万円 16.3万円
1〜13年の合計 - 182万円 262万円

住宅性能によって住宅ローン控除が適用できる限度額が異なります。
省エネ基準適合住宅の場合、限度額が2,000万円までの為、ローン残高が2,000万円を上回る全期間で2,000万円×0.7%の14万円までしか控除できず、控除合計額は182万円です。

なお、子育て世帯・若者夫婦世帯に該当すれば、省エネ基準適合住宅でも上限額が3,000万円となるので、6年目(29,835,191円)以降から住宅ローン残高全てが控除対象となります。
一方、長期優良住宅は限度額が4,500万円となるので、1年目から住宅ローン残高全てが控除の対象となり、控除合計額が262万円と省エネ基準適合住宅よりも大きくなります。

ちなみに、年収600万円での所得税は、各種控除を考慮しない場合おおむね年間20万円です。
省エネ基準住宅では全期間で所得税のみから控除され、長期優良住宅では所得税だけで控除できない部分は一定額が住民税からも控除されることになります。
その為、年間で16~24万円控除される節税のメリットは大きいといえるでしょう。

【中古住宅】1~13年目

次に、中古住宅を購入した場合の控除額をシミュレーションしていきます。
条件は以下の通りです。

  • 2026年入居(中古)
  • 住宅ローンの条件:借入額2,500万円/返済期間35年/金利1.0%/全期間固定
  • 2026年1月から返済スタート(年間返済額846,852円)
  • 一般世帯(東京都在住・年収500万円・扶養親族0人)
年末残高 控除額(控除率0.7%)
省エネ基準適合住宅
(限度2,000万円)
長期優良住宅
(限度3,500万円)
1年目 24,400,399円 14万円 17.0万円
5年目 21,941,147円 14万円 15.3万円
10年目 18,725,532円 13.1万円 13.1万円
13年目 16,717,592円 11.7万円 11.7万円
1〜13年の合計 - 175.1万円 187.7万円

今回の改正により、中古住宅も住宅性能に応じて限度額が異なってきます。
省エネ基準適合住宅では上限額が2,000万円となる為、住宅ローン残高が上限額を上回る1~8年目は2,000万円×0.7%の14万円までしか控除されません。
一方、長期優良住宅は限度額が3,500万円となる為、全期間でローン残高の全額が対象です。
その為、トータルで見ると長期優良住宅のほうが控除額は大きくなります。

中古住宅では、今回の改正で住宅性能が高い住宅についての控除が優遇されており、中古住宅で住宅ローン控除を適用するメリットが大きくなるといえるでしょう。

住宅ローン控除を受ける為に必要な手続き

住宅ローン控除は、住宅ローンを組めば自動的に適用されるわけではありません。
控除の適用は、自分で手続きする必要がある為、手続きについても理解しておくことが重要です。
以下で、住宅ローン控除を受ける為の手続きを見ていきましょう。

1年目

住宅ローン控除を適用する場合、1年目は確定申告が必要です。
会社員の場合、年末調整で納税する為、毎年の確定申告が不要な方も多いでしょう。
しかし、住宅ローン控除1年目のみ年末調整ではなく確定申告する必要があるので注意が必要です。

確定申告を行う際は、申告時期に必要書類を管轄の税務署に提出します。
1年目の確定申告で必要な書類は、以下の通りです。

必要な書類 取得方法
確定申告書 税務署の窓口や国税庁のホームページでダウンロードできる
源泉徴収票(給与所得者) 年末頃に会社から配布される
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署の窓口や国税庁のホームページでダウンロードできる
住宅ローンの年末残高証明書 金融機関から年末頃に送付される
登記事項証明書 法務局で取得(窓口取得の場合1通600円)
工事請負契約書または売買契約書の写し すでに所有している書類
認定住宅の区分に応じた証明書など ハウスメーカーや不動産会社から取得

確定申告書の作成に不安がある場合は、税理士や自治体の相談窓口を活用すると良いでしょう。
なお、確定申告の時期は住宅を取得した年の翌年2月16日~3月15日です。
時期に間に合うように早めに準備に取りかかることが重要です。

参考:国税庁「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」

2年目以降

2年目以降は、会社員と自営業者では手続きが異なります。
会社員の場合は、2年目以降、会社の年末調整で住宅ローン控除の申請が可能です。
年末調整時に必要書類を揃えて会社に提出しましょう。

必要な書類 取得方法
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除明細書 2年目に残期間分の書類が税務署から送付される
住宅ローンの年末残高証明書 金融機関から年末頃に送付される

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除明細書」は1年目に確定申告すると、その年に税務署から残り期間分(1年で1枚)の書類が送付されるので使用しましょう。
紛失した場合は、税務署で再交付してもらう必要があります。

一方、毎年確定申告している自営業者は、1年目同様確定申告で住宅ローン控除の適用を申請します。
確定申告する場合でも、1年目よりも必要書類は少なくなります。
確定申告する場合の必要書類は以下の通りです。

必要な書類 取得方法
確定申告書 税務署の窓口や国税庁のホームページでダウンロードする
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署の窓口や国税庁のホームページでダウンロードする
住宅ローンの年末残高証明書 金融機関から年末頃に送付される

なお、会社員の方であっても、年収が2,000万円を超えている方や副業の所得が20万円を超えている方などは、自営業者の方と同じように確定申告をしなければなりません。

万が一申請期限を過ぎてしまったら?

住宅ローン控除の申請期限は確定申告と同じです。
しかし、申告期限を超えても一定期間内であれば申請して還付を受けられます。
自営業者や会社員が1年目の確定申告を忘れてしまった場合でも、5年以内であれば還付申告が可能です。

ただし、確定申告は済ませたが住宅ローン控除の申請をしていない場合は、注意しなければなりません。
確定申告の申告期限内(3月15日まで)であれば、再度申告することで適用できます。

しかし、期限を超えてしまった場合、住宅ローン控除の適用が難しくなります。
期限を超えた場合、申告内容の修正を申告する「更正の請求」が必要になりますが、更正の請求は住宅ローン控除の申請忘れには適用できません。
期限を超えた場合は、「更正の請求の嘆願」を税務署に行う必要がありますが、認められるかは税務署の判断によります。
事情によっては認められる可能性もあるので、税務署に相談するようにしましょう。

会社員の場合、2年目以降の年末調整で申請を忘れたときは、まずは会社への相談が必要です。
会社が確定申告前であれば、社内の修正のみで済みます。会社が確定申告を終えている場合は、自分で確定申告を行う必要があるので注意しましょう。

住宅ローン控除を受ける際の注意点

最後に、住宅ローン控除を受ける際の注意点を見ていきましょう。

併用できる控除とできない控除がある

税制上利用できる控除の特例は、住宅ローン控除以外にも多くあります。
しかし、控除によっては併用できるもの・できないものもあるので、控除の適用を検討している場合は、併用の可否についても把握しておくことが重要です。
住宅ローン控除を適用することで別の控除が適用できない、別の控除を適用していたから住宅ローン控除が適用できないというケースは少なくありません。

以下では、住宅ローン控除と併用できる控除と併用できない控除を詳しく解説します。

併用できる控除

住宅ローン控除と併用できる代表的な控除は以下の通りです。

特例・控除の名称 概要説明
ふるさと納税 自治体への寄付額に応じて一定額を所得税・住民税から控除できる制度
マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 住み替え時の売却で損失が生じた場合、損失を他の所得から控除できる制度

好きな自治体を選んで寄付することで寄付額から2,000円を除いた分を所得から控除できるふるさと納税は住宅ローン控除との併用が可能です。
ただし、所得税においてふるさと納税の控除は住宅ローン控除よりも優先して適用されるので、控除額によっては住宅ローン控除を100%活用できません。

その為、ふるさと納税と併用する場合は、ふるさと納税のワンストップ特例制度の併用をお勧めします。

確定申告なしで控除を適用できるワンストップ特例制度では、住民税が対象です。住宅ローン控除で所得税、ふるさと納税で住民税を控除できるので、併用するメリットも大きいでしょう。
しかし、ワンストップ特例制度は確定申告をしない給与所得者が対象です。
その為、住宅ローン控除1年目では活用できない点に注意しましょう。

また、住み替えで利用できる「マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」も住宅ローン控除と併用できる特例です。
この特例は、旧居の売却で損失が出て、住宅ローンを利用して新居を購入した際に利用できます。ただし、損失分の控除を優先して行う為、所得がゼロになれば住宅ローン控除の恩恵は受けられない点は注意が必要です。

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)」

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ(ふるさと納税の流れ)」

参考:国税庁「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」

併用できない控除

併用できない控除には、下記のようなものがあります。

特例・控除の名称 概要説明
3,000万円特別控除の特例 マイホームの売却時に譲渡所得から3,000万円を控除できる特例
買い替え特例 住み替えの売却で利益が出た場合に税金の支払いを将来に繰り延べできる特例

参考:国税庁「No.3223 譲渡所得の特別控除の種類」

参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

マイホームの売却時の利益から最大3,000万円を控除することで譲渡所得にかかる税金を節税できる3,000万円特別控除は、住宅ローン控除との併用ができません。

前述した「マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」が住み替えで損失が出た場合に適用できる控除であるのに対して、買い替え特例は住み替えで利益が出た場合に適用できる特例です。
この特例を適用することで、売却時の譲渡所得にかかる税金の支払いを、将来購入した家を売却するときまで繰り延べることができます。

買い替え特例・住宅ローン控除・3,000万円特別控除はそれぞれ併用できないので、どの特例を適用するかはしっかりシミュレーションすることが重要です。

3,000万円特別控除や買い替え特例については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説

買い替え特例とは?適用要件や計算方法、注意点について解説

住宅の住み替えにかかる税金とは?発生する税金や利用できる特例を紹介

マンションを売却して住み替える方法とは?流れや費用、利用できる特例を紹介

ローン期間が10年未満の場合は利用できない

住宅ローン控除の適用要件には「ローン期間が10年以上」というものがあります。
このローン期間は適用年度における残期間のことを指します。
その為、ローン期間が10年未満になると住宅ローン控除は適用できません。

例えば当初15年で住宅ローンを組んでいる場合、6年返済すると残り期間が9年になる為、その年以降は住宅ローン控除が適用できません。
また、繰り上げ返済で住宅ローンの残期間が10年未満になった場合も、その年から適用できなくなるので注意が必要です。
繰り上げ返済を検討している場合は、返済後の期間も考慮して繰り上げ返済の額や時期を検討するようにしましょう。

所得要件は毎年判定される

住宅ローン控除の所得要件の一つである「合計所得金額2,000万円以下」は、控除期間中の毎年の所得で判定されます。

例えば、13年間の控除期間のうち、ある年だけ合計所得金額が2,000万円を超えた場合、その年は控除を受けられません。しかし、翌年以降に2,000万円以下に戻れば再び控除が適用されます。
合計所得金額が2,000万円を超えると、以降の住宅ローン控除を適用する権利自体が消滅するわけではない点は覚えておきましょう。

なお、床面積40㎡以上50㎡未満の緩和措置を利用する場合は、より厳しい「合計所得金額1,000万円以下」の要件が同様に毎年判定されます。
副業収入や不動産売却による一時的な所得増加で要件を満たさなくなるケースもある為、控除期間中は毎年の所得管理にも注意が必要です。

参考:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

参考:国税庁「合計所得金額2,000万円の判定」

省エネ基準非適合の新築は対象外に

新築住宅、買取再販住宅のうち、2024年1月以降に建築確認を受けた「その他の住宅」(省エネ基準非適合)は住宅ローン控除の対象外です。しかし、経過措置として2023年末までに建築確認済み、または登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前なら限度額2,000万円・10年で適用可能です。

なお、2028年以降は認定住宅もしくはZEH水準省エネ住宅でなければ住宅ローン控除を利用できなくなります。該当する場合、その証明には「建設住宅性能評価書」もしくは「住宅省エネルギー性能証明書」が必要です。
書類の取得には時間がかかるケースもあるので早めに確認するようにしましょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

まとめ

住宅ローン控除を適用することで、所得税や住民税の大きな節税が可能です。

しかし、住宅ローン控除は税制改正にともない、適用する年によって要件や控除額が大きく異なります。2026年の税制改正では適用期間の延長とともに、省エネ性能に応じた控除額の差の明確化や中古住宅の控除拡充などがありました。

住宅ローン控除の適用を検討している方は、最新の要件や併用できる控除・併用できない控除なども押さえたうえで判断することが重要です。

長谷工の仲介では、不動産の購入や売却、相続、節税などお金に関するお悩みについて、税理士が無料でお答えする「長谷工の税務相談サービス」を提供しています。
住宅ローン控除に関するご相談も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。

「長谷工の税務相談サービス」はこちら

※本記事の内容は2026年6月18日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

「知人・親族にすすめたい」そんなお客さまが90.8%!満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

売却の流れをチェック!

この記事の著者

逆瀬川 勇造(合同会社7pockets 代表社員)
明治学院大学卒。銀行、不動産会社勤務を経て独立。宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー。

関連のおすすめ記事