2025.10.16マンション売却の失敗事例20選と対策を解説!後悔しない為にできることは?

マンション売却の失敗事例20選と対策を解説!後悔しない為にできることは?画像

高額で大切なマンション。売却での失敗は避けたいものですが、マンション売却で成功する為には、よくある失敗例を知ると同時に、しっかりと対策を練ることがポイントとなります。

この記事では、マンション売却前や活動中、さらには売却後の失敗事例と同時に、後悔しない為の対策を解説します。

失敗しない為に!最初にマンション売却の流れをおさらい

まずは、どのような順番でマンション売却が進むのかを頭に入れておきましょう。
マンション売却の流れは下図の通りです。基本的に、準備から引き渡しまで、トータルで数ヵ月程度の時間がかかります。

マンション売却の流れ画像

マンション売却は大きく、準備フェーズ、売却活動フェーズ、売買契約後のフェーズ、売却後フェーズに分かれます。各フェーズについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却完全ガイド!注意点や流れ、税金・費用、失敗事例を徹底解説

経験者に聞く!マンション売却に関する不安は?

マンション売却は何度も経験するものではない為、多くの方が何からはじめれば良いか分からず、不安を抱えています。

長谷工グループが行ったアンケート調査によれば、売却を検討している方は「マンションがいくらで売れるのか」という価格面や、「税金や手数料はどのくらいかかるのか」といった諸費用について特に不安を感じています。また、売却完了までに「どのくらいの期間を要するのか」も大きな心配事の一つとなっています。

出典:長谷工グループ「あなたの今を聞かせて!マンション売却エピソード」

マンション売却活動前のよくある失敗事例7つと対策

では、マンション売却のよくある失敗事例7つとその対策について見ていきましょう。

事例1:住宅ローンを完済できそうか確認しなかった

住宅ローンが残っている物件を売る際は、住宅ローンの残債を確認することが大切です。住宅ローンが残ったままでもマンションを売り出すことは可能ですが、引き渡しまでにローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。
最新の返済予定表をチェックし、売却によって完済できそうか、自己資金を充当することで完済できるかを確認しておきましょう。

万が一、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」状態の場合、売却代金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金で補填する必要があります。この自己資金を用意できなければ、抵当権を抹消できない為、マンション売却を進められません。売却活動をはじめる前に必ず残債を確認し、おおよその査定価格と比較して完済の見通しを立てておきましょう。

マンション売却時にローン残債がある場合の注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

ローン残債があってもマンション売却できる?ケース別に対処方法を解説

もし自己資金が足りず、ローン完済が難しいときは、任意売却を検討するのも一つの方法です。任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になったときに、金融機関の了承を得て一定の条件下で売却する方法のことをいいます。
任意売却については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

任意売却とは?売却の流れや条件、メリット・注意点を解説

事例2:適正価格を調べずに売り出し価格を設定した

物件をスムーズに売却する為には、適正価格で売り出すことが重要です。
適正価格を調べずに売り出し価格を設定すると売却が長期化するかもしれません。相場より高すぎる価格で売り出すと購入希望者の興味を引けず、内覧の申し込みすら入らない状態が続いてしまうこともあります。

そうした事態を避ける為にも、周辺エリアの相場価格を把握し、適正な価格を設定しましょう。

例えば、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」で近隣の取引事例を調べれば、大まかな相場観を把握できます。ただし、同じエリア内でも間取りや立地環境によって相場価格は異なります。その為、自分で相場観を把握したうえで、不動産会社へ査定を依頼し、担当者ともよく相談したうえで売り出し価格を設定することをお勧めします。

さらに、不動産会社から提示された査定価格を参考に、価格交渉を見越して希望価格よりも少し高めの価格(5〜10%程度上乗せした価格が目安)で売り出すのが理想的です。相場から大きくかけ離れない価格を設定すれば、購入希望者が見つかりやすくなるでしょう。

各エリアの売却相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

東京都のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

横浜市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

大阪府のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

名古屋市のマンション売却価格相場は?区別・築年数別・間取り別に解説

福岡県のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説

長谷工の仲介では、無料査定を受け付けています。以下のフォームよりお気軽にお申し込みください。

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事例3:販売期間を短く見積もってしまった

販売期間を短く見積もってしまうと、焦って値下げに応じてしまい、本来より安い価格で手放すことになるかもしれません。新居の決済日が迫っている、転勤が決まっている、相続税の支払い期限が迫っているなど、売却を急ぐ事情がある場合、不利な条件でも交渉を受け入れざるをえなくなる為です。

余裕がないスケジュールを組んでしまうと売り急ぎにつながりかねませんので、スケジュールは余裕を持って組むようにしましょう。

物件の種類別の成約までの日数画像
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
中古マンション 71.2日 65.5日 69.3日 74.7日 78.8日 81.7日 88.3日 74.7日 71.4日 80.1日 85.3日
中古一戸建て 87.4日 88.4日 93.2日 89.9日 95.3日 99.3日 111.3日 101.2日 81.2日 83.3日 97.3日
新築一戸建て 70.3日 70.0日 70.2日 67.0日 74.7日 83.1日 95.3日 69.6日 74.2日 90.4日 103.9日

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」

公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータによると、マンションの売り出しから成約までには、平均3ヵ月程度かかるとされています。さらに、そこから引き渡しまでの期間を含めると、全体で4〜6ヵ月ほど見ておかなければいけません。

ただし、これはあくまで目安であり、築年数が古い、高めに売り出し価格を設定しているなど、物件の状況や価格設定によってはさらに時間がかかる場合もあります。住み替えたい時期が決まっているのであれば、そこから逆算し、最低でも半年程度余裕を持った売却スケジュールを立てることで、納得のいく価格での売却が期待できるでしょう。

中古住宅の売却期間の目安や早期売却のコツについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

中古住宅が売れるまでの平均期間は?早期売却のコツと売れない場合の対処法をご紹介

売却を急ぐ事情があり、まとまった資金が必要なタイミングまでに売却が難しいときは、不動産会社の直接買取による売却も検討してみてください。直接買取であれば、条件次第で最短1週間程度での売却も期待できる為、「急いでマンションを現金化したい」という方にお勧めです。

直接買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

事例4:設備の不備などを営業担当に伝えなかった

設備の不備などを営業担当に伝えなかった場合の画像

売主様は、売却時に契約不適合責任という責任を負います。
契約不適合責任とは、契約内容とは異なるものを売った場合、売却後に買主様から修繕または契約解除、損害賠償などを追及される責任のことです。
例えば、設備の不備などを伝えないまま売ってしまうと、契約内容とは異なるものを売ったことになり、契約不適合責任を問われてしまう恐れがあります。

その為、設備の不備や床の傷、クロスの汚れといった物件に関する問題、近隣から臭いが発生しているといった周辺環境に関する問題は、担当者へ正確に伝えるようにしましょう。事前に伝えておくことで、簡易的な修繕や設備交換、クリーニングなどで対処できるものなのか判断を仰ぐことにもつながります。

瑕疵担保責任(契約不適合責任)については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説

事例5:不動産会社を比較検討せずに決めてしまった

マンション売却において、不動産会社選びは重要です。査定価格はもちろん、アフターフォローの内容など、複数の要素を比較する為にも複数社へ査定を依頼してください。

1社だけに依頼すると、提示された査定価格が本当に適正なのか客観的に判断できず、より良い条件で売れる機会を逃してしまうかもしれません。
その為、最低でも3社程度に査定を依頼し、査定価格だけでなく以下のポイントを重視して不動産会社を見極めましょう。

  • 査定価格の根拠を詳しく説明しているか
  • マンション売却の実績が豊富か
  • 仲介による売却だけでなく買取など幅広い売却方法に対応しているか
  • 口コミの評価はどうか

まずは、なぜその査定価格になったのかという具体的な根拠を明確に説明してくれるかどうかを確認してください。さらに、依頼する不動産会社のマンション売却の実績が豊富かどうかをチェックしましょう。

また、仲介による売却だけでなく、状況に応じて買取などの幅広い売却方法に対応しているかもポイントです。実際にその不動産会社を利用した方の口コミや評判も、信頼できる会社かを見極める為の参考になります。

マンション売却時の不動産会社の選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却業者の選び方は?売却の手段や確認すべきポイントを解説

事例6:売却手続きに必要な書類が取得できていなかった

マンション売却では様々な書類が必要になります。

不動産会社によって必要になる書類が異なる場合もありますが、マンション売却で必要となるのは以下のような書類です。

  • 身分証明書
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 実印、印鑑証明書
  • 固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書
  • マンションの管理規約・使用細則
  • 建築確認済証・検査済証
  • 購入時のパンフレットや図面集
  • リフォーム箇所が分かる資料
  • 住宅ローンの返済予定表または残高証明書
  • 耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書

例えば、住宅ローンがまだ残っているときは、金融機関に返済予定表や残高証明書を発行してもらって残高を確認し、決済日当日に返済する額がいくらになるのか確認しておきましょう。売り出し価格にも影響する為、不動産会社へ査定依頼する前に確認しておくようにします。

また、登記済権利証または登記識別情報通知書は所有権移転の際に必要な書類ですが、紛失してしまっていることに気付いたら、なるべく早めに不動産会社に相談してください。登記済権利証または登記識別情報通知書がなくても売却は可能ですが、司法書士などに本人確認をしてもらい、所有者本人であることを証明する必要があります。

さらに、リフォームを行っている場合は、どこをリフォームしたか示せる資料を用意しておきましょう。

マンション売却で必要な書類や登記済権利証を紛失した場合の対処方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説

マンションの登記済証(権利証)を紛失した場合の対処方法は?売却時の注意点を解説

事例7:不動産会社に相談せずにリフォームをした

マンションを少しでも良く見せようと考えて不動産会社に相談せずにリフォームをした結果、費用を回収できないという失敗もあります。

売却前のリフォームは、かけた費用が必ずしも売却価格に上乗せされるとは限りません。また、買主様にはそれぞれ好みがある為、売主様が良いと思って行ったリフォームが買主様の趣味に合わないケースもあります。

その為、リフォームを検討する前に必ず不動産会社に相談してください。どの程度の修繕が必要か、リフォームよりハウスクリーニングのほうが効果的かなど、プロの視点でアドバイスをもらえば、費用対効果の高い選択肢が見えてくるでしょう。

マンション売却時のリフォームについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説

マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説

マンション売却活動中のよくある失敗事例8つと対策

次に、マンション売却中の失敗事例をご紹介します。

事例8:媒介契約の違いをよく調べずに契約してしまった

媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴が異なります。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 3ヵ月以内
(法律上の規制なし。標準媒介契約約款による)
3ヵ月以内
(宅建業法による定めあり)
3ヵ月以内
(宅建業法による定めあり)
複数の会社と契約できるか 可能
(1社のみに依頼することも可能)
不可
(1社のみに限定される)
不可
(1社のみに限定される)
依頼主への活動報告義務 報告義務なし
(報告を依頼することは可能)
2週間に1回以上の活動報告義務あり
(文書もしくはメール)
1週間に1回以上の活動報告義務あり
(文書もしくはメール)
自分で買主様を見つけ取引できるか 可能 可能 不可
レインズ(不動産情報ネットワーク)の登録義務 任意
(登録の義務はなし。ただし登録を依頼することは可能)
媒介契約を締結した翌日から7営業日以内に登録する義務あり 媒介契約を締結した翌日から5営業日以内に登録する義務あり

複数社に仲介を依頼したいと思っているのであれば、専任媒介契約や専属専任媒介契約ではなく、一般媒介契約を選ぶ必要があります。よく条件を確認せずに専任媒介契約を結んでしまい、複数社に依頼できずに困ったという失敗談を聞くこともあります。

さらに、売却をどのように進めれば良いのか、手数料はどれくらいかかるのか、どのような頻度で販売活動の報告をしてくれるのかなど、理解が追いつかないまま売却活動を進めた結果、トラブルに発展するケースも見受けられます。
複数社に依頼できる手軽さから一般媒介契約を選んだものの、不動産会社からの報告義務がない為、「思っていたより積極的に販売活動をしてくれない」と感じるケースもあります。各媒介契約の違いを確認してから契約するようにしましょう。

媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?3種類の違いやメリット、後悔しない為の選び方をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットやデメリット、お勧めの方を解説

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

媒介とは?不動産取引における仲介との違いや媒介契約の種類について解説

事例9:売却する時期を見誤った

不動産売却は需要の影響を受けやすい為、購入需要が高まる時期にタイミングを合わせて売却したいものです。購入希望者が少ない時期に売り出すと、内覧の申し込みも少なく売却までに時間がかかったり、焦りから不利な価格交渉に応じざるをえなくなったりすることも考えられます。

下記は、中古マンションの月別成約件数の過去3年分のデータをグラフにしたものです。

中古マンションの月別成約件数の過去3年分のデータ画像
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2025年(件) 3,242 4,152 4,991 3,950 3,841 4,299 3,979 - - - - -
2024年(件) 2,711 3,350 3,810 3,251 2,845 3,259 3,193 2,299 3,047 3,092 3,207 3,158
2023年(件) 2,581 3,240 3,442 2,954 2,737 3,111 3,236 2,367 3,191 3,287 2,900 2,941

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「レインズデータライブラリー2023年1月~2025年7月」

このグラフから、新生活や新学期を迎える前の1〜3月頃の成約が多いことが分かります。また、8月に成約件数が落ち込むものの9〜11月には再び成約件数が増えています。秋は転勤の時期であり、比較的気候が良く物件を探しやすい時期でもあることが、数字を押し上げている要因と考えられます。

ただし、前述した通りマンション売却には数ヵ月かかる為、売却時期から逆算して売却を進めていく必要がある点には注意しましょう。

マンション売却にお勧めのタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

住み替えのタイミングはいつ?適した時期や失敗しない為のコツをご紹介

家を売るタイミングはいつ?判断基準や売却に向いていない時期を解説

事例10:不動産会社から囲い込みを受けてしまった

不動産会社から囲い込みを受けてしまうと、売却までに時間がかかってしまうなど、売主様にとって不利になることがあります。

囲い込みとは、不動産会社が自社の利益を優先する為に他社へ物件情報を公開せず、両手仲介(売主様と買主様から仲介手数料を得ること)を目指すことをいいます。
例えば、他の不動産会社から「購入したい方がいる」と連絡が入っても、「すでに別の方と交渉中です」と断り、自社で見つけた購入希望者との契約を優先させようとします。
この場合、売主様はより高く買ってくれる可能性がある購入希望者の存在すら知ることができません。

囲い込みに合わない為にも、信頼できる不動産会社へ依頼し、レインズへ登録したことを証明する登録証明書を受け取ってください。特に一般媒介契約の場合は、担当者から定期的に売却の活動状況を報告してもらい、自分の物件がレインズで公開中となっているかを確認しましょう。

事例11:内覧時の部屋の印象が良くなかった

内覧時の印象が悪いと、購入希望者の印象を落としてしまうことがあります。販売期間中はなるべく室内の整理整頓に努め、清潔な状態を保つようにしましょう。例えば一部の不動産会社が提供している、荷物一時預かりサービスを利用するのも一つの方法です。

また壁のクロスの汚れや床のへこみが目立つ場合は、事前に修繕しておくことが望ましいです。長谷工の仲介では「壁・床リペア」など安心して売却できるサービスが充実していますので、不動産会社選びの参考にしてみてください。

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マンション売却の内覧については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介

事例12:内覧時に物件の魅力と欠点を十分に伝えられなかった

内覧の申し込みは入るのに契約に至らない場合、物件の良さが伝わりきっていない可能性があります。内覧の際はじっくり見てもらえるように配慮し、気になる汚れや傷があれば隠さず伝えるようにしましょう。内容によっては契約不適合責任を問われ、契約解除に発展することもあるので注意が必要です。

購入希望者との会話がうまくできるかどうかも大切なポイントです。
例えば、「夏場はこの窓を開けると涼しい風が通り抜けて快適です」「リビングから子どもの遊ぶ公園が見えるので安心です」など、住んでいるからこそ分かる具体的なメリットを伝えましょう。スーパーの品揃えや近所のおいしいパン屋さんなど、周辺環境の情報も喜ばれます。

事前にアピールポイントを整理しておき、購入後の生活を具体的にイメージしてもらえるような情報を内覧時に提供できれば、成約の可能性が高まるでしょう。

事例13:買主様のローン審査が通らず契約解除になった

マンション売却では、買主様は売買契約後に住宅ローンの本審査を受けることが多いですが、買主様が住宅ローンの本審査に通らないことで契約が解除されることもあります。

売買契約後の解除のリスクを減らすには、住宅ローンの仮審査に通っている方と契約することが適切といえます。
仮審査であれば売買契約前に行える為、不動産会社を通じて買主様とコミュニケーションを取ってもらい、仮審査に通っているかどうかを確認すると良いでしょう。

事例14:値下げ交渉の際に吟味せずに応じてしまった

マンション売却では、購入の意思が固い購入希望者から「購入申込書(買付証明書)」が提示されます。購入申込書は購入の意思があることを正式に売主様に伝える為の書面で、購入希望価格や引き渡し希望時期などが記載されています。

購入申込書を受け取るタイミングで、価格交渉が発生することがありますが、相手の要求を全て受け入れる必要はありません。他に購入を検討している方がいるにもかかわらず、最初に来た買主様の交渉にすぐに応じてしまうと、高く売れる機会を逃すことになります。値下げすることで売却しやすくなりますが、損をしてしまう恐れもあるのです。

その為、提示された購入希望価格に応じるか否かは、不動産会社の販売活動状況や反響の数、売却活動期間などを見て総合的に判断すると良いでしょう。また、最低限ここまでなら値引きできる、という額を決めておくと、相手側にスムーズに回答できます。

事例15:売り出し価格を頻繁に変える

売り出し価格を頻繁に変えてしまうと、購入希望者に不信感を与え、かえって売れなくなることがあります。

「競合物件が価格を下げたから」「なかなか売れないから」などの焦りから、短期間に何度も価格を変更する行為は逆効果です。購入を検討している方から見ると、価格が頻繁に変動する物件は「なにか問題があるのでは?」「人気がなくて売れ残っているのでは?」という印象を受けます。
また、「もう少し待てばさらに値下がりするだろう」という期待を与え、買い控えを招く原因にもなるでしょう。

価格を見直す場合は、最低でも3ヵ月程度は市場の反応を見てから担当者と戦略を練ったうえで判断しましょう。

マンション売却活動後のよくある失敗事例5つと対策

最後に、売却活動後の失敗事例について解説します。

事例16:受領した手付金を全て使ってしまった

不動産会社から受領した売却の手付金を全て使ってしまい、契約解除時に返金できずトラブルになるケースがあります。手付金はあくまで預かり金であり、安易に使うと後で返還が必要になった際に対応できなくなります。

手付金の相場は売買価格の5〜10%程度で、契約の証拠金としての役割を持ちます。買主様のローン審査が通らなかった場合(ローン特約による解除)、手付金は全額返還しなければなりません。

また、売主様側の都合で契約を解除する場合は、受け取った手付金の倍額を返す「手付倍返し」というルールがあります。このルールを知らずに新居の購入費用などに充ててしまうと、いざというときに返金できず、トラブルに発展します。手付金は、物件の引き渡しが完全に完了するまで使わずに保管しておきましょう。

手付金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却で発生する手付金とは?相場や手付解除時の対応方法について解説

事例17:抵当権抹消手続きが遅くなってしまった

前述した通り、基本的に住宅ローンが残っている場合は、マンション売却時に抵当権を抹消しなければ買主様へ所有権を移転できません。決済日が決まったら、早めに金融機関へ連絡し、抵当権抹消手続きを進めておきましょう。手続きが遅くなってしまうことで買主様への引き渡しに支障が出てしまい、トラブルに発展することもあります。

抵当権抹消については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説

抵当権抹消登記申請書の書き方とは?流れや費用まで徹底解説

事例18:売却にかかる費用や税金が想定よりも多かった

マンション売却にかかる費用や税金が想定よりも多く、手元に残る資金が少なくなったという失敗事例もあります。マンション売却時にかかる費用や税金は事前に把握し、資金計画を立てておきましょう。不動産会社の担当者にシミュレーションの相談をしておくと安心です。

マンション売却にかかる一般的な費用や税金一覧と相場は以下の通りです。

売却にかかる費用・税金 費用相場
仲介手数料
  • 売却価格が400万円超の場合、売却価格×3%+6万円+消費税
  • 売却価格が3,000万円の場合、105万6,000円(上限)
印紙税 1,000円~6万円
※売却価格により変動
登録免許税 不動産1件につき1,000円
司法書士手数料 1万5,000円〜2万円
※司法書士により変動
住宅ローンの繰り上げ返済手数料 無料~3万円
※金融機関により変動
引っ越し代 10万円〜20万円
※距離や荷物量、時期により変動
譲渡所得(売却によって生じた利益)にかかる税金 所有期間3年(短期譲渡所得)で売却して利益が100万円出た場合、39万6,300円(100万円✕39.63%)

マンション売却にかかる費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却にかかる費用や手数料の相場は?節約方法やシミュレーションもご紹介

マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説

次に、マンション売却で必要な費用のなかでも高額になりやすい仲介手数料と譲渡所得税について詳しく見てみましょう。

仲介手数料とは

仲介手数料とは、マンションの売買を仲介してくれた不動産会社に対し、成功報酬として支払う費用のことです。宅地建物取引業法で上限額が定められており、売買価格に応じて計算されます。

シンプルに仲介手数料を計算したい場合は、以下の速算式を利用してみてください。

売却価格 仲介手数料の上限(税抜)
200万円以下 売却価格×5%
200万円超〜400万円以下 売却価格×4%+2万円
400万円超 売却価格×3%+6万円

出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」

例えば、5,000万円でマンションを売却した場合の仲介手数料の上限は156万円(税抜)です。この計算式を覚えておけば、すぐに仲介手数料の計算ができ、資金計画に役立ちます。

不動産売却時の仲介手数料については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却の仲介手数料とは?計算方法や支払い時期についてご紹介

譲渡所得税とは

譲渡所得税とは、マンションを売却して利益(譲渡所得)が発生した際に、譲渡所得に対してかかる税金です。

税率は不動産の所有期間によって異なり、売却した年の1月1日に5年を超える場合は長期譲渡所得(所得税15%・住民税5%)、5年以下は短期譲渡所得(所得税30%・住民税9%)となります。また、令和19(2037)年12月31日までは、上記に加えて所得税の2.1%を復興特別所得税として納付する必要があります。

譲渡所得を求める計算式は以下の通りです。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

譲渡収入金額とは売買代金のことで、取得費とは売却した物件を取得した際にかかった物件価格や仲介手数料などの費用です。譲渡費用は売却した際にかかった仲介手数料や印紙代、登記費用などを指します。

そして、上記で算出された譲渡所得に税率をかけて譲渡所得税を計算します。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率 復興特別所得税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 0.315% 20.315%

ただし、利益が出たとしても、特例の適用を受けることで税金の負担を軽くすることができます。自分が受けることができる特例がないか、しっかり確認するようにしましょう。
マイホームを売却して譲渡所得が出たときに利用できる主な税金の特例は以下の2つです。

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

なお、この特例は買い替え時の住宅ローン控除とは併用できないことになっています。
売却物件の節税特例と購入物件の住宅ローン控除は選択適用の為、いずれか有利なほうを選択しましょう。

マンション売却時に知っておきたい課税制度や特例については、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。

長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説

居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説

【2024年】住宅ローン控除はいつまで受けられる?税制改正による変更点や要件、申請方法について解説

長谷工の仲介では、税金に関する悩みを相談できる税務相談サービスをご提供しています。相談無料ですのでお気軽にお問い合わせください。

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出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

出典:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

事例19:住み替えがうまくいかずに仮住まいが必要になった

住み替えのタイミングが合わず、仮住まいが必要になってしまうケースもあります。これは、売却と購入のスケジュール調整が難しい為に起こる問題で、想定外の家賃や引っ越し費用が発生する原因となります。

住み替えには、今の家を売ってから新居を探す売り先行と、新居を購入してから今の家を売る買い先行の2つの方法があります。売り先行の場合、自宅の売却が決まったとしても、新居の購入が間に合わないと、一時的にアパートなどを借りる必要があります。逆に買い先行では、新居のローンと今の家のローンが二重に発生するリスクがあります。

住み替えをスムーズに進める為には、売買契約時に買主様の合意を得て、引き渡し猶予の特約を盛り込むことが対策の一つとして挙げられます。引き渡し猶予の特約とは、売主様が買主様から売却代金全額を受け取って所有権を移転した後も一定期間その物件に住み続けることを認める特別な取り決めです。
これにより売主様は、売却後も一定期間住み続けながら新居探しを進められます。

他にも、自宅の売却と新居の購入を同じ不動産会社に依頼したり、通常の売却より長めにスケジュールを確保したりすることで、住み替えのトラブルを防ぐことができます。

マンションの住み替えについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住みながら家を売ることはできる?メリット・デメリットや注意点を解説

マンションを売却して住み替える方法とは?流れや費用、利用できる特例を紹介

事例20:確定申告を忘れてしまった

マンションを売却して利益(譲渡所得)を得たときや、売却損(譲渡損失)が発生し税金の控除を受ける際には、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。

万が一確定申告を忘れてしまうと、本来納めるべき税金とは別にペナルティとして無申告加算税が課されます。また納付期限までに所得税を納めなかったときは、延滞税が課されます。忘れないように注意しましょう。

マンションを売却したら確定申告が必要?流れや手順、必要書類について徹底解説

出典:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

まとめ

マンションの売却で失敗したくないと考えるのは当然のことです。
この記事を参考に、まずは失敗しやすいポイントをしっかりと確認しておきましょう。また、マンション売却をスムーズに進める為には、信頼できる不動産会社に任せることもお勧めです。売却にかかる費用の目安もあらかじめ把握しておき、資金計画の失敗も防ぎましょう。

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※本記事の内容は2025年10月16日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

杉山明熙
元不動産営業のWEBライター。
不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。
個人ブログにて不動産営業への転職のお手伝い、不動産営業のノウハウ、不動産投資のハウツーなどを発信。
不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランナー保有。
写真:杉山明熙

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