家の売却を検討している方のなかには、売却のタイミングを見極めるのが難しいと感じている方もいるかもしれません。
可能な限りスムーズ、かつ高値で売却したい場合、どのタイミングで売却したら良いのでしょうか。
この記事では、家を売るタイミングを見極める際の判断基準と、家を売却するのに向いていないタイミングについて解説します。
また、家を理想的な価格で売るコツもご紹介しますので、家の売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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家を売るタイミングを決めるポイント
まず、家を売るタイミングを決めるうえでの重要なポイントを8つご紹介します。
不動産価格の変動
不動産を売却する際は、不動産価格の変動や取引状況を参考にしましょう。
出典:国土交通省「不動産価格指数(令和6年10月・第3四半期分)」
上記は、国土交通省が毎月公表している不動産価格指数(住宅)の変動(2008年4月〜2024年10月)を物件の種類別に表したグラフです。不動産価格指数とは、不動産の実際の取引価格情報(年間約30万件)をもとに、不動産価格の動向を指数化したものです。
グラフを見てみると、「住宅総合」「住宅地」「戸建住宅」「マンション(区分所有)」いずれも多少の増減はあるものの、2013年頃から右肩上がりに上昇し続けていることがわかります。
今後金利の上昇や世界情勢によって変動する可能性はありますが、今後も不動産価格が上昇する傾向は続くと推測できます。
このように、不動産価格指数は不動産価格の大まかな傾向をつかむ為には有効なデータといえますが、具体的な取引事例や相場を把握するのは難しいです。
その為、より具体的な情報を知りたい場合はレインズ マーケット インフォメーションや国土交通省の不動産情報ライブラリを活用すると良いでしょう。これらのサイトでは、個人情報を入力する必要はなく、調べたい場所の住所などを入力するだけで取引事例を簡単に検索することができます。
各主要都市の売却相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
東京都のマンション売却価格相場は?各市区町別・築年数別・間取り別に解説
横浜市のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説
名古屋市のマンション売却価格相場は?区別・築年数別・間取り別に解説
大阪府のマンション売却価格相場は?各市区町別・築年数別・間取り別に解説
福岡県のマンション売却価格相場は?各市区町村別・築年数別・間取り別に解説
築年数や建物の劣化状況
建物は年数とともに劣化する為、成約価格も下がる傾向があります。
できるだけ高値で売却したい場合は、築年数が新しいうちに売却すると良いでしょう。
上記は、中古マンションと中古一戸建ての築年帯別の成約価格をグラフにしたものです。どちらも、築年数が古くなるにつれて価格は下落していることが分かります。ただし、築30年を超えると緩やかに下降しており、成約価格が下がりにくいということも読み取れます。
では、中古マンションと中古一戸建てでは築年数によって売れやすさは変わるのでしょうか。
公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年) 」によれば、中古マンションの成約件数全体を見ると、築25年以下の物件は新規登録物件(レインズに登録された物件)に比べて成約件数の割合が高くなっています。特に築15年以内の物件は成約率が高く、他の築年数の物件よりも人気があることが分かります。
一方、中古一戸建ての場合、築6〜10年の物件は成約件数全体に占める割合が新規登録物件の割合よりも高くなっています。次に成約割合が高いのは、築11〜15年の物件です。
中古マンションも中古一戸建ても、築年数が古いからといって売却できない訳ではありません。しかし、売れやすさや成約価格を重視するのであれば、築15年以内での売却を検討してみてください。
マンションの築年数が売却へ及ぼす影響については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却相場に築年数は影響する?売り時や高く売るコツも解説
築30年のマンションは何年住める?売却のコツや売れない理由と対処法を解説
築50年のマンションでも売却できる?旧耐震物件の資産価値や特徴、買主様のメリットを解説
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」
不動産の所有期間
不動産の売却で利益(譲渡所得)が発生した場合、その利益に対して税金が課せられますが、不動産の所有期間によってその税率が異なります。
譲渡所得は、家の売却で得た金額から不動産の取得時にかかった費用「取得費」と売却時にかかった費用「譲渡費用」を差し引いたものです。
また、一定の要件を満たす場合は、さらに譲渡所得から特別控除額を差し引くことができます。例えば、マイホームを売る場合は譲渡所得から最高で3,000万円までを控除できる特例を適用できます(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)。
譲渡所得の計算方法や取得費・譲渡費用に計上できる費用は、それぞれ以下の通りです。
| 取得費として計上できる費用・税金 | 譲渡費用として計上できる費用・税金 |
|---|---|
|
|
所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得になり、10年を超える場合は長期譲渡所得となります。長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率は以下の通りです。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税・住民税)※復興特別所得税を含む |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合 | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の場合 | 39.63% |
※2037年までは復興特別所得税として、基準所得税額の2.1%を所得税と合せて納付することになります。
さらに所有期間が10年を超えている場合で、かつ一定の要件を満たしていると譲渡所得のうち6,000万円まではさらに低い税率が適用されます(マイホームを売ったときの軽減税率の特例)。
| 所有期間 | 税率(所得税・住民税)※復興特別所得税を含む | |
|---|---|---|
| 10年超所有の軽減税率(譲渡所得6,000万円以下の部分) | 売却した年の1月1日現在で所有期間が10年を超える場合 | 14.21% |
ここまでの内容を踏まえると、所有期間が5年を超えたタイミングで売ることで税負担を軽減できるといえます。
ただし、そもそも譲渡所得が発生しない場合、譲渡所得税はかかりません。
その為、まずは取得費や譲渡費用として計上できる費用がないか、特別控除を利用できるかなどを確認することが重要です。
譲渡所得の計算方法や譲渡所得税については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説
譲渡所得とは?不動産売却時の税金の計算から確定申告手続きまで詳しく解説
出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
住宅ローンの金利
家の売却を検討している場合は、住宅ローンの金利動向も把握しましょう。
購入希望者は住宅ローンを組んで家を購入するケースが多く、ローンの金利が低いほど総返済額を抑えることができます。その為、金利が低く抑えられているうちに家の売却を検討することで、買い手も見つかりやすいでしょう。
今後、もし急激に金利が上昇した場合、購入希望者が減少することも考えられます。住宅ローンの金利の動向を把握し、家を売却するタイミングを見極めることが大切です。
不動産需要が高まる季節
不動産の需要は、季節によっても変動します。
需要が高まる時期に売り出すことで、売れやすくなるかもしれません。
1年のなかでも不動産の取引が増えるのは、子どもの新入学や新学期を迎える前の1~3月です。ただし、家を査定してもらってから実際に売り出すまでには数週間かかる為、12月頃から不動産会社へ相談し、1月から売り出せるように準備しましょう。
もし1~3月が難しい場合は、異動シーズンでもある9〜10月もお勧めです。時期を調整できるのであれば、家の需要が高まる春や秋に売却を検討しましょう。
不動産の相続
相続した不動産は、相続登記をしなければ売却できません。
また、相続したことを知ったときから3年以内に相続登記をする義務があり、正当な理由なく相続登記を怠ると、10万円以下の過料を科せられる恐れがあります。相続した不動産を売却する場合は、できるだけ早く相続登記をするようにしてください。
ちなみに相続開始日の翌日から3年10ヵ月を経過する日までに売却すると、相続税のうち一定額を譲渡資産の取得費に加算できます(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)。
また、相続した家を2027年12月31日までに売却して一定の条件を満たす場合、譲渡所得金額から最高で3,000万円まで控除できます(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)。
家を相続した場合は、適用できる特例の期限や売却までの期間を考慮して、売却するタイミングを検討するようにしましょう。
家の相続については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション相続の手続きとは?流れや相続税の計算、利用できる控除を解説
家の相続手続きの流れは?費用や注意点についても分かりやすく解説
出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
ライフスタイルの変化
ライフスタイルが変化したときも、家を売却するタイミングに適しているといえます。
ここでは、代表的なライフスタイルの変化を3つご紹介します。
結婚や離婚による住み替え
ライフスタイルが変化するタイミングとして、まず結婚や離婚などが考えられます。
結婚をきっかけに同居する場合、お互いの生活スタイルや通勤・通学経路、将来設計に合った新しい住まいに住み替えるケースが多いでしょう。
一方で離婚の場合は、一緒に住んでいたパートナーと別々に暮らすようになり、必要な部屋数や広さが変わる為、住み替えを検討する方もいます。また、家を現金化して財産分与する為に売却を検討することも考えられます。
離婚が理由で家を売る際の注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
離婚時にマンションを売却すべき?財産分与やローンがある場合の注意点を解説
離婚時に家が売れない!適切な売却時期や売れない理由、対処法について解説
家族構成の変化による住み替え
子どもの独立など家族構成が変化するタイミングも、住み替えに適しているといえます。
例えば、子どもが独立して夫婦二人暮らしになるのであれば、コンパクトな住居へ引っ越すことで光熱費などの固定費を節約できます。
転勤による住み替え
転勤にともない、住み替えするケースもあります。
単身赴任ではなく家族で移住する場合は、家を売却するか賃貸として貸し出すかを検討することになります。
もし住宅ローンが残っている家を賃貸として貸し出す場合は、金融機関にその旨を相談する必要があります。住宅ローンはマイホームの購入資金として借り入れている為、賃貸物件として貸し出すことで契約違反(金銭消費貸借契約違反)となり、一括返済を求められることがあります。
フリーローンやアパートローンなどに借り換えることで、ローンを組んだまま貸し出すことは可能です。まずは金融機関に相談してみてください。
転勤時のマンション売却のコツについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
転勤時にマンションは売却する?賃貸?売却のタイミングやコツを解説
社会情勢の動向
周辺エリアの再開発や新駅の誕生など、地価の上昇やエリアの需要が高まる可能性があれば、売却を検討してみましょう。
家が売りやすくなるだけではなく、高値で売却できるかもしれません。
不動産の相場や需要の有無は、社会情勢や経済の影響を受けやすい為、家の売却に影響しそうな時事ニュースには、常にアンテナを張っておきましょう。
例えば以下のような事象です。
- 再開発・新駅誕生
- オリンピックや万博など大きなイベントの開催
- 感染症の流行
- 住宅ローン金利の引き上げ
家を売るのに向いていないタイミング
どのようなタイミングでも、家を売却することは可能です。ただし、タイミングによっては買い手が見つかるまでに時間がかかることもあります。また、売主様自身にとって不都合な時期もあります。
ここでは、家を売る場合に注意すべきタイミングをご紹介します。
築5年以内のとき
築5年以内などの築浅の家は人気があります。その為、一般的に売れやすく、高値で売却しやすい傾向があります。
しかし、住宅ローンの返済期間が短い為、オーバーローンになる恐れがあり、注意が必要です。オーバーローンとは、ローン残高が家の売却価格を上回ることをいいます。
オーバーローンの場合は自己資金を充当して住宅ローンを完済するか、住み替えローンを利用して新居購入の為のローンと既存の住宅ローンを1本化するなどして対処しましょう。
住宅ローンが残っている家を売却する方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
新築住宅の購入を後悔!売りたい理由や高値で売却する方法、注意点を解説
住宅ローン返済中でも家は売れる!オーバーローンの対処法や売却手順、注意点を解説
家の所有期間が5年以内のとき
家の売却によって利益が発生する場合は、所有期間5年以内での売却はお勧めできません。前述した通り、短期譲渡所得は長期譲渡所得に比べて税率が高くなる為です。
税金の負担を軽減したいのであれば、売却する年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるタイミングで売却しましょう。
相場価格の上昇が続くと予測されるとき
今後も不動産価格の上昇が続くようであれば、売却時期を遅らせたほうがより高く売却できるかもしれません。
しかし、相場の上昇や下落のタイミングを見極めることは難しく、必ずしも売却時期を遅らせることが得策とは限りません。
まずは現在の家の相場価格を把握する為にも、不動産会社に査定を依頼し、今後の見通しも含めて相談してみましょう。
長谷工の仲介では、無料で査定をお受けしています。ぜひお気軽にご相談ください。
税制優遇を受けられないタイミング
不動産売却にかかる税金に対して、特例や控除を使えるケースがあります。
しかし、特例や控除によっては一定の要件を満たす必要があり、税制優遇を受けられないタイミングでの売却にならないように注意しましょう。
例えば、前述した3,000万円特別控除の適用を受ける場合、所有期間については問われません。しかしマイホームを売ったときの軽減税率の特例を利用する為には、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を越えなければなりません。
「数日違いで軽減税率が受けられなかった」ということがないように、売却の時期には注意してください。
税制優遇の適用を受ける為の要件や税金の計算方法などを知りたい場合は、税理士に相談することをお勧めします。
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年末と夏休みシーズン
家を売却するタイミングとして、比較的需要が低くなる年末や夏休みシーズンは、なるべく避けるようにしましょう。
可能であれば1〜3月や9〜10月など需要が増える時期に売り出すことをお勧めします。
住宅ローンの金利が上昇しているとき
住宅ローンの金利が上昇するとローンの総返済額が増える為、マイホームの購入を検討している方たちも購入を控える恐れがあります。
その為、住宅ローンの金利が上昇する前に売却のタイミングを合わせると良いでしょう。
理想的な価格で家を売るにはどうする?
最後に、理想的な価格で家を売る方法を、2つご紹介します。
売却を検討したらまずプロに相談する
家の売却を検討し始めたら、まずはプロである不動産会社に相談することをお勧めします。
資金計画を立てる為にも、家の相場価格を正しく把握する必要があります。少なくとも2〜3社に家の査定を依頼し、複数の査定価格を参考にするようにしましょう。
また、複数の担当者に相談することで、自分に合った不動産会社や担当者と出会いやすくなります。自分の希望に合った柔軟な売却ができそうかなど相性も考慮して、依頼先を決めましょう。
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計画的に売却活動を進める
一般的な不動産売却は以下のような流れで進めていきます。
一般的に、不動産売却では売り出してから成約までに3ヵ月程度かかることが多く、タイミングや条件によってはそれ以上かかるケースもあります。
家の売却を進める際、まずは家に関係する書類(購入時の売買契約書や測量図など)を準備し、不動産会社へ査定を依頼します。追加で必要な書類がないか、不動産会社の担当者に相談してみましょう。
依頼する不動産会社が決まったら媒介契約を締結し、売却活動を始めます。売却活動中に、購入希望者が現れたら、購入希望者に対して内覧対応が必要になります。購入希望者に良い印象を与える為にも、内覧のスケジュールを柔軟に調整できるように心がけましょう。
そして、購入希望者と引き渡し時期や売買価格について折り合いが付いたら、売買契約を締結します。契約時に定めた時期までに引っ越し準備を進めて、残代金の決済と引き渡し日を迎えましょう。
税金控除を利用する場合や売却益が発生した場合は、翌年の確定申告を忘れないように注意してください。
家を売却する流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
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まとめ
家を売るタイミングは、不動産価格の変動や築年数、税制の適用要件、金利の上昇など、多角的に判断して決めることが大切です。
どのタイミングで売却を始めても売却は可能ですが、より理想的な形で売却する為にも綿密な計画を立てましょう。
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※本記事の内容は2025年3月25日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。



