家の売却を検討する際、「不動産の価値はどのように決まるのだろう」「価値の高い家とはどのような家なのだろう」という疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事では、こうした疑問をお持ちの方に向けて不動産の資産価値を決める要素や価値が下がりにくい不動産の特徴、不動産の資産価値に関する評価額について解説します。
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不動産の資産価値とは?
不動産の資産価値とは、不動産を資産として評価した金額のことです。その不動産が今どれくらいの価値を持っているのかを示す指標となります。
不動産の資産価値は、売却価格にも関わってきます。具体的にどのように関係するのでしょうか。
資産価値・査定価格・売却価格の違い
不動産の資産価値と売却価格の関係を知る為には、資産価値、査定価格、売却価格の違いを知る必要があります。それぞれを簡単にまとめると以下の通りです。
| 用語 | 概要説明 |
|---|---|
| 資産価値 | 不動産が持つ価値 |
| 査定価格 | 不動産会社が物件を客観的に評価して3ヵ月程度で売却できると見込んだ価格 |
| 売却価格 | 実際に売買が成立したときの価格 |
資産価値は不動産が持つ価値を意味するもので、「土地の価値」と「建物の価値」の2つの要素で成り立っています。
一戸建ての場合は、建物本体の資産価値と敷地がセットです。マンションの場合は、自分が住む部屋と持分を所有している土地や共用部分がセットとなります。ただし、資産価値はあくまで「資産として評価した価格」である為、資産価値がそのまま売却価格につながるわけではありません。
査定価格は、不動産会社が物件を客観的に評価し、3ヵ月程度で売却できると見込んだ価格のことです。査定価格で売り出すのではなく、最終的な売り出し価格の目安として活用されます。不動産は資産価値が高いほど好条件で売れやすくなる為、査定価格は資産価値に連動した価格になることが一般的です。
売却価格とは、実際に売買が成立したときの価格のことです。売却価格は販売状況や買主様との交渉によって決まる為、価格が変動するケースがあります。資産価値が高い物件ほど希少性が増す為、高い金額で売れる傾向にあります。
このように、資産価値が高い不動産ほど査定金額が高くなり、最終的に好条件で売れやすくなります。資産価値と査定価格、売却価格の関係性をしっかり理解したうえで売却活動に臨めば、適切な価格で家を売却できるでしょう。
不動産の資産価値に関する5つの評価額
不動産の資産価値は、一般的に不動産評価額によって決まります。
不動産評価額とは、不動産の価格や税金を計算する基準となる価格で、いくつかの種類に分けられます。ここでは、具体的な種類や概要、調べ方について解説します。
実勢価格
実勢価格とは、不動産が実際に市場で取引された価格のことです。つまり、売主様と買主様の需要と供給が釣り合う金額を指します。
実勢価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べられます。「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ:データの検索・ダウンロード」からエリアや不動産の種類を選択すれば、実際に取引が成立した価格が分かります。
実勢価格は市場で売買された金額である為、売り出し金額を検討する場面で活用されます。近隣の実勢価格を参考にして売り出し価格を決定することが一般的です。
公示地価・基準地価
公示地価とは、国土交通省の土地鑑定委員会が公開している、その年の1月1日時点における標準地の土地価格です。1地点につき2名以上の不動産鑑定士による鑑定評価をもとに決められます。
基準地価とは、都道府県が公開している、その年の7月1日時点における基準地の価格のことです。1地点につき1名以上の不動産鑑定士による鑑定評価をもとに決められます。
公示地価と基準地価は、ともに国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べることができます。「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」のページで地域や用途区分を選べば、データが表示されます。
公示地価と基準地価は、売却時の売り出し価格や金融機関の担保評価、公共事業で土地を購入する場合などの目安として活用されています。また、土地の相続評価額や固定資産税評価額の基準になることもあります。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産税や都市計画税を算出する為の基準となる価格です。3年ごとに市町村(東京23区では東京都)が評価しています。宅地の固定資産税評価額は公示地価の70%程度が目安となっています。
固定資産税評価額は、役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産評価証明書を発行したりすることで確認できます。自身が所有している不動産の場合は、毎年市区町村から送付される固定資産税の納税通知書で確認することも可能です。
固定資産税評価額は、固定資産税額を算出する際に利用されるのはもちろん、相続税や贈与税を算定する際の基準としても活用されています。
固定資産税評価額の概要や具体的な調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
固定資産税評価額とは?調べ方や税金との関連性、計算方法についてご紹介
路線価(相続税評価額)
路線価(相続税評価額)とは、相続税や贈与税を算出する際に基準となる金額です。国税庁が毎年1回、1月1日時点での評価を発表しています。公示価格の80%程度になることが一般的です。
路線価は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。路線価図に記載されている数字やマークを参考にしながら、調べたい土地の相続税評価額を算出します。路線価が定められていない地域は、その市区町村の評価倍率表(地域と地目ごとの評価倍率を表にしたもの)を参考にして算出できます。
相続税と贈与税は、固定資産税のように役所が通知してくれるものではない為、上記の「路線価図・評価倍率表」を確認しながら自己申告しなければなりません。
路線価と実勢価格の違いや計算方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
路線価から実勢価格は求められる?それぞれの違いや調べ方を紹介
不動産の価値は何で決まる?
では、実際に不動産の価格に影響する要素にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、不動産の価値に影響するポイントをご紹介します。
物件の希少性
資産価値を決める1つ目のポイントは、不動産特有の希少性です。他の不動産にない希少性を持っていれば、資産価値が高くなるでしょう。
例えば、以下のような要素があると希少性が高い物件となります。
| 一戸建て | マンション |
|---|---|
|
|
立地や広さ
2つ目のポイントは、不動産の立地や広さです。交通アクセスや治安の良い立地にある不動産は特に資産価値が高くなる傾向にあります。
敷地面積や専有面積の広さも重要なポイントですが、土地の場合は道路に面している間口や向き、形状が整っているかも評価の対象となります。一般的には、間口が広く日当たりが良い向き、正方形に近い形状のほうが資産価値は高くなります。
公法上の規制も資産価値に影響します。それぞれの土地は、都市計画法により用途や建物の規模などに制限がかかっていることが一般的です。幅広い用途に利用可能だったり、大きな建物を建てられたりする土地は、資産価値が下がりにくい傾向にあります。
築年数
建物の築年数も資産価値に影響するポイントです。
建物は年月の経過によって劣化が進む為、一般的に資産価値は低下していきます。その為、築年数が浅い物件のほうが古い物件よりも資産価値が高くなります。
法定耐用年数の視点では、木造一戸建ては22年、鉄筋コンクリート造の建物は47年で資産価値がほぼゼロになります。なお、法定耐用年数を超えると、税務上は価値がないと見なされますが、実際の市場価値がゼロになるわけではありません。
法定耐用年数とは、国が定めた資産を使用することができる期間のことで、納税額の算出や資産価値の評価などに利用されます。
マンション売却と築年数の関係については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却相場に築年数は影響する?売り時や高く売るコツも解説
耐震性
4つ目は耐震性です。日本は地震大国であり、耐震性に優れた建物は資産価値が高くなります。特に、長期優良住宅のように国の基準をクリアして認定を受けた住宅は、一般住宅に比べて資産価値が高い傾向にあります。
また、水害や土砂崩れなどの自然災害に影響を受ける地勢や地盤かどうかも不動産の価値に影響します。地盤が弱いと地震発生時に土地の液状化を招く恐れがあり、埋立地などの軟弱地盤エリアは資産価値が低くなりやすいでしょう。
さらに、近年日本では豪雨による水害や土砂災害が増加している為、高台に位置している土地のほうが資産価値は高くなりやすくなっています。一方、崖の下にあるような土地は「がけ条例」の影響により有効面積が狭くなることが多い為、資産価値が下がる傾向にあります。
周辺環境
周辺環境も不動産の資産価値に影響を及ぼします。例えば、スーパーやコンビニなどの買い物施設が充実していたり、学校や病院などの公共施設が周辺にあったりすると、資産価値が上がりやすくなります。一方、火葬場や下水処理場、高圧線鉄塔などの施設の近くは資産価値が下がる傾向にあります。
最寄り駅や都市部までの距離も資産価値に影響するポイントです。最寄り駅までの距離が近く、また主要都市までのアクセスが良いエリアの物件は需要が高く、その分資産価値が高いのです。
管理やメンテナンス状況
物件の管理やメンテナンス状況によっても資産価値は変動します。一戸建てやマンションの場合、建物の老朽化を防ぐ為の修繕を定期的に行っていれば、資産価値を維持できるでしょう。具体的には、外壁の塗り直しや防水工事、シロアリ駆除などが該当します。
土地の場合は、雑草や雑木の定期的な手入れ、不法投棄されない為のバリケードの設置などをして土地の状態を維持することが大切です。
社会情勢
不動産の資産価値は社会情勢にも影響されます。
例えば、政策金利が上昇すると不動産価格は下落する傾向があります。政策金利が上昇すると連動して住宅ローン金利も上昇することが考えられ、住宅ローン金利が上昇すると不動産購入の需要が減り、価格が下落する為です。
一方、円安が進むと、建築資材の高騰によりコストが増加し、不動産価格の上昇につながります。また、最低賃金の引き上げや企業の人手不足の影響により人件費が上昇すれば、建築費や不動産の価格も高くなります。
2025年2月時点では、インバウンド需要が好調な反面、円安による物価高騰、人手不足などにより、都心部の不動産価格は上昇を続けています。建築費の上昇により2025年は新築マンションの供給数が少なくなることが予想される為、今後は中古住宅の需要が高まり、売却に有利になると見込まれています。
資産価値が下がりにくい不動産の特徴
ここまで、不動産の資産価値に影響するポイントをご紹介しましたが、資産価値が下がりにくい不動産にはどのような特徴があるのでしょうか。ここからは、マンションと一戸建てそれぞれの視点から特徴をご紹介します。
マンションの場合
資産価値が下がりにくいマンションの主な特徴は以下の通りです。
- セキュリティ面で優れている
- 共用設備が充実している
- 管理や定期的なメンテナンスが行き届いている
ファミリー層にターゲットを絞る場合は、専有面積が広くて部屋数が多い物件のほうが喜ばれる傾向にある為、需要が高くなります。また、オートロックや防犯カメラなどのセキュリティ面も資産価値に影響する重要なポイントです。
また、宅配ボックスやゲストルーム、敷地内の公園などの共用設備が充実しているのも資産価値が下がりにくいマンションの特徴です。さらに、管理組合による管理や定期的なメンテナンスが適切に行われているマンションは、建物の品質を長く維持できている為、資産価値が下がりにくくなります。
一戸建ての場合
資産価値が下がりにくい一戸建ての特徴には以下の4点が挙げられます。
- 災害のリスクが低い
- 固有の希少性がある
- 使いやすい土地の形状をしている
- 近隣の空き地が少ない
高台や地盤が強固なエリアに建っている一戸建ては災害リスクが低くなる為、資産価値が下がりにくいと考えられます。角地や日当たりの良い立地などにあることも資産価値が下がりにくいポイントです。
また、土地が正方形に近かったり、道路に接している面積が大きかったりすると活用しやすく、資産価値を維持しやすいでしょう。さらに、近隣の空き地が少ないエリアは需要が高い場所であると考えられる為、資産価値が下がりにくいと判断できます。
不動産の資産価値を算出する方法
ここからは、不動産の資産価値を算出する方法を3つご紹介します。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、条件が近い取引事例を参考にして不動産価格を算出する方法です。
具体的には、築年数や接道状況、交通アクセスなどの条件が近い物件の取引事例を参考に概算を算出し、個々の状況を踏まえた事情補正を行って不動産価格を導き出します。
取引事例比較法の計算方法は次の通りです。
時点補正とは、参考にする事例の時期がかけ離れているときの補正を指します。
標準化補正とは、参考にする事例と直接的に比較するのではなく、一度標準化したものに置き換えることです。
地域要因は地域の格差を考慮する為の補正で、個別要因とは接道状況や日当たりなど個々の事情を考慮することです。
取引事例比較法は、過去の事例を参考にしやすいマンションや土地の鑑定方法として多く使われています。
長谷工の仲介では、売主様のご希望や条件に合わせたご提案で販売活動をサポートいたします。家の売却でお困りの際は、無料売却査定からお気軽にお問い合わせください。
収益還元法
収益還元法とは、不動産の現在の価値と将来生み出すであろう収益から収益価格を割り出し、不動産価格を算出する方法です。収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類があります。
直接還元法とは、一定期間の純利益を還元利回りで割り戻して価格を計算する方法です。直接還元法の計算式は以下の通りです。
例えば、不動産から得られる純利益が200万円、還元利回りが4%のケースでは以下のようにと算出できます
還元利回りは、類似物件の取引事例やエリアごとのデータを参考に用いられます。
一方、DCF法は、将来売却した場合の価格と不動産を所有している期間に生み出す純利益を現在価値に割り戻して価格を導く方法です。DCF法のほうが直接還元法より精度が高くなるメリットがありますが、算出方法が複雑になります。
実際に、以下の場合で不動産価格を算出してみましょう。
- 1年間の純利益:50万円
- 5年後の売却価格:1,500万円
- 割引率:5%(割引率とは、経年劣化により不動産価値が下落することを仮定した数値)
まず、5年間の収益を現在の価値に変換します。
- 1年目:50万円÷(1+0.05)=47.61万円
- 2年目:50万円÷(1+0.05)2乗=45.35万円
- 3年目:50万円÷(1+0.05)3乗=43.19万円
- 4年目:50万円÷(1+0.05)4乗=41.13万円
- 5年目:50万円÷(1+0.05)5乗=39.17万円
上記の計算により、5年間の収益の合計は216.45万円となりました。次に、5年後の売却価格を現在価値に変換すると以下のようになります。
5年間の収益と5年後の売却価格を合計した数値が、DCF法により算出された評価額となります。
収益還元法は、一戸建てやマンションの1室、賃貸アパートなどの価格を算出する際にも活用できます。賃貸相場が明確な場合に有効です。
原価法
原価法は、不動産を再調達する場合(同じ不動産を建築する)の原価を算出し、築年数やエリアの特性などによる資産価値の低下分を補正して評価額を導き出す方法です。
原価法の計算式は以下の通りです。
再調達価格とは、今の建物を解体したとして、同じ建物をもう一度建てた際にどれくらいの費用がかかるのかを計算した金額です。
実際に、以下の条件で原価法を利用して不動産価格を算出してみましょう。
- 築年数:20年
- 延べ床面積:100平方メートル
- 建物:居住用の木造建物(この場合の耐用年数は22年)
- 再調達価格:15万円/平方メートル
築年数が20年の木造居住用の家の減価修正は、
15万円✕100平方メートル✕0.09=135万円
上記の計算式から、不動産価格は135万円だと算出されました。
原価法は主に建物の評価額を算出する際に利用されますが、新たに造成された土地などの場合でも利用できます。
まとめ
不動産の資産価値を示す価格には、「実勢価格」「公示価格」「基準地価」「固定資産税評価額」などがあります。用途によって参考にする価格が異なる為、それぞれの違いを理解し、適切に利用することが必要です。また、不動産の資産価値は、立地や築年数、希少性や社会情勢などの要素によっても変動します。
長谷工の仲介では、最新技術を活用して不動産の魅力を最大限にアピールできるよう、幅広い売却サポートを提供しています。不動産を売却される際は、長谷工の仲介までお気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は2025年3月25日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。



