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市街化調整区域内にある家の売却について、「本当に売れるのだろうか」と不安を抱えている方は多いと思います。建築制限が厳しい市街化調整区域の不動産売却はハードルが高いですが、正しい知識と戦略で納得のいく形での売却を目指しましょう。
この記事では、市街化調整区域にある家が売れにくい理由や売却前に確認すべきポイント、売却を成功させるコツについて解説します。
市街化調整区域とは?
市街化調整区域とは、都市計画法に基づいて市街化を抑制すべきと定められた区域です。
まずは、街づくりを積極的に進める市街化区域との定義の違いや、自分の土地が市街化調整区域に該当するかを調べる方法について解説します。
市街化区域との違い
市街化区域と市街化調整区域は、街づくりを進めるか抑えるかという目的に違いがあります。
市街化区域は住宅や店舗、オフィスなどの建物を積極的に建築したり、インフラを整備したりして、優先的に開発する区域を指します。一方、市街化調整区域は、農業や自然を守る為に開発を制限する区域です。具体的には、市街化区域は建物を自由に建てられますが、市街化調整区域は原則として新築や建て替えが認められず、行政の許可が必要になります。
このように、市街化区域と市街化調整区域は開発方針が異なる為、土地の資産価値や売却の難易度に差が生まれるのです。
市街化調整区域かどうか調べる方法
自分の土地が市街化調整区域かどうかを調べたい場合は、自治体のホームページにある都市計画図を確認してみましょう。各自治体では、インターネット上に都市計画マップを公開しており、住所を入力するだけで区域を判別できます。「地域名+市街化調整区域」や「地域名+都市計画図」でWEB検索すれば、そのエリアの都市計画マップが出てきます。
もしインターネットでの確認が難しい場合は、役所の都市計画課の窓口に直接問い合わせてみましょう。
市街化調整区域の不動産が売却しにくいといわれる理由
市街化調整区域の不動産は、決して売却できないわけではありません。市街化調整区域特有の制限を把握しておけば、売却がスムーズに進みます。しかし、一般的な土地に比べて売却のハードルが高い傾向にあるのも事実です。
ここでは、売却が難しいとされる理由を見ていきましょう。
建物の建築や建て替えに制限がある
市街化調整区域にある不動産が売却しにくい理由としてまず挙げられるのは、建物の建築や建て替えに制限がある点です。
市街化調整区域には、自然環境を守り、街を無秩序に拡大することを抑える目的がある為、建物の建築が原則認められていません。つまり、許可が下りなければ、土地を購入しても希望の家が建てられないのです。そのような建築に関する厳しい規制があると、一般の買主様は購入をためらってしまいます。
生活利便性が不十分な場合がある
生活するうえで不便な場所が多い傾向にある点も、市街化調整区域が売れにくいとされている要因です。
市街化調整区域は積極的な街づくりを推奨していない為、公共交通機関や商業施設の整備が遅れている場所が多いのです。最寄りのスーパーまで車で数十分かかったり、駅へのアクセスが不便だったりする土地も多く見られます。
また、下水道や都市ガスなどのインフラが整っていないケースも多く、その場合は自費で浄化槽やプロパンガスを設置する必要があります。
こうした理由から、仮に建物を建てられたとしても住むハードルが上がってしまい、購入を検討する人が限られてしまう傾向にあります。
住宅ローンの審査が通りにくい
市街化調整区域にある不動産は、住宅ローンの審査に通りにくい傾向にあります。市街化調整区域の土地は建物を建てられないケースが多く、金融機関は不動産の担保価値が低いと判断する為です。
さらに、融資が認められても、借入額が希望に届かなかったり、通常より高い金利を設定されたりすることも考えられます。現金で不動産を購入できる買主様は限られている為、ローン審査の厳しさが成約率の低下につながっているのです。
ただし、市街化調整区域内の建物でも建築許可が下りている場合は住宅ローンの対象としている金融機関もあります。
不動産を売却する前に確認すべきポイント
市街化調整区域であっても、事前に物件の状況を把握しておけば、売却をスムーズに進められます。ここからは、市街化調整区域の不動産売却であらかじめ確認しておくべきポイントをご紹介します。
地目を確認する
土地がどのような用途で登録されているか、登記簿上の地目を最初に調べましょう。同じ市街化調整区域内であっても、この地目によって適用される法律や市場の評価に差が出る為です。
不動産登記法では、土地の用途を23種類に分類しています。
例えば宅地であれば、住宅を建てる目的で不動産取引を行う場合はスムーズに進みます。一方、田や畑といった地目の場合、農地法に基づき、農業委員会の許可がなければ所有権の移転さえ進みません。法務局で発行できる登記事項証明書を確認して、不動産の地目を把握しておきましょう。
建物が市街化調整区域に線引きされる前からあるか確認する
次に、所有する建物が市街化調整区域に線引き(区分)される前からあるのか、線引き後に建てられたのかを確認しましょう。この日付の前後で、建物の再建築や増改築が認められる条件に差が出ます。
線引きより前から建っている建物であれば、原則として同じ規模や用途での建て替えが認められやすい傾向にあります。しかし、線引き後に許可なく建てられた建物の場合、増築や将来的な再建築ができない恐れがあります。
市街化調整区域に線引された時期が分からない場合は、自治体の窓口やホームページを活用して、物件の建築時期と線引きの日付を照らし合わせてみてください。
土地や建物にかかる規制を確認する
地目や建築時期を確認した後は、具体的な利用制限や手続きについて行政の窓口に相談してみましょう。自治体の都市計画課や建築指導課では、土地の利用制限や売却時に必要な許可について詳しく教えてくれます。
行政のアドバイスを受ければ、売却後のトラブルを未然に防ぐことができ、適正な価格設定が可能となります。さらに、窓口での回答をメモに残しておけば、不動産会社との打ち合わせもスムーズに進むでしょう。
市街化調整区域でも売却しやすい不動産の特徴
市街化調整区域であっても、特定の条件を満たせば買主様は見つかりやすくなります。ここでは、市街化調整区域でも売却が有利に進む不動産の特徴をご紹介します。
建築が可能な土地・建物
適切に開発許可を取得して建てられた不動産は、再建築のハードルが低い為、売れやすい傾向にあります。買主様も購入後に安心して住み続けることができ、売却しやすい不動産だといえます。現在の建物と同じ規模や用途であれば、将来的に建て替える際も建築許可が下りやすいでしょう。
なお、今ある建物を壊して更地にしてしまうと、建築基準法の規定により、新たに建物を建てることができなくなってしまう物件があります。そうした物件を再建築不可物件といいます。再建築不可物件を購入・売却する際の注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
再建築不可物件とは?購入時の注意点や売却のポイント、活用方法を解説
開発許可を得やすい土地
市街化調整区域内であっても、都市計画法第34条に該当する土地は、活用の幅が広い為、売却がしやすくなっています。
都市計画法第34条とは、市街化調整区域でも特別に建築できる基準を定めたルールのことです。市街化区域に隣接する特定のエリアや、古くから宅地として使われてきた場所などが該当します。こうした土地は市街化調整区域であっても利用価値が高い為、売却しやすくなるでしょう。
60条証明を受けている
60条証明を取得している不動産は、法的な安全性が客観的に示されている為、不動産売却がスムーズに進みます。
60条証明とは、建築計画が開発許可を必要としない内容に適合しているという証明です。60条証明があれば、都市計画法に適合していることが法的に証明される為、購入希望者の心理的なハードルが下がり、売れやすくなるでしょう。ただし、自治体や提出先の金融機関によっては、半年〜1年以内などの有効期限を設けている場合がある為、売却時には有効期限を確認する必要があります。
参考:加古川市「開発許可等不要(60 条)証明書の申請要領」
市街化調整区域で売却しにくい不動産や土地の特徴
市街化調整区域で売却に苦戦する不動産や土地には共通点があります。どのような物件が売れにくいのか、その特徴を解説します。
農地
市街化調整区域にある農地は、宅地と比べて売却のハードルが高くなります。都市計画法の制限に加え、農地法による厳しい規制も重なる為です。
農地を売る為には農業委員会の許可が必須であり、基本的には農家にしか譲渡が認められません。例えば、一般の購入希望者が「庭付きの家を建てたい」と考えても、農地を宅地に転用する許可が下りなければ、購入することはできません。
このように、都市計画法と農地法という二重の法規制があることが、売却を難しくさせている主な要因です。
開発許可を得にくい土地
先述した都市計画法第34条の基準を満たさない場合は、建物の開発許可が下りず、実質的に家が建てられない土地として扱われてしまいます。
建物を建てられない土地は居住用としての需要が見込めない為、資材置き場や駐車場といった限られた用途でしか活用できません。市街化調整区域内の土地を売却する際は、行政から開発許可が得られやすいかどうかをあらかじめ行政に相談すると良いでしょう。
市街化調整区域にある不動産を売却するコツ
市街化区域と比べて売れにくいとされている市街化調整区域の不動産ですが、戦略次第で売却の可能性を広げることができます。ここでは、市街化調整区域の不動産を売却する為のコツをご紹介します。
開発許可を得られないか相談する
市街化調整区域の土地でも、開発許可が得られれば建物を建てることは可能です。役所の開発指導課などの窓口で開発許可を得る条件を確認しましょう。許可を得て建物が建てられることになれば、土地の利用価値が格段に高まります。
具体的には、どのような用途の建物なら建築が認められるのかなどを相談してみてください。建築できる根拠が明確になれば、家を建てたいと考えている方に自信を持って提案できるでしょう。
隣地の所有者に購入を打診してみる
土地に隣接する所有者に直接購入の相談を持ちかけるのもお勧めです。隣人であれば、自分の敷地を広げたり庭を拡張したりする目的で前向きに検討してくれるかもしれません。
実際、家庭菜園のスペース確保や駐車場用地として活用を希望するケースもあります。あらゆる可能性を探る為にも、不動産会社を通じて近隣の方々に声をかけてもらいましょう。
売却するターゲットを絞る
売却においては、不特定多数に情報を向けるよりも、制限があっても活用したい方に確実に情報を届けたほうが成功率は上がります。土地の特性に合わせ、購入してくれそうなターゲットを絞り込みましょう。
考えられる主なターゲット層は以下の通りです。
- 農地を求めている近隣の農家
- 駐車場や資材置き場用の土地を探している地元の事業者
- 日当たりを活かして太陽光パネルを設置したい発電事業者
このように、土地を有効に使える方にピンポイントでアプローチを行い、売却の活路を見出しましょう。
市街化調整区域の売却に強い不動産会社に相談する
市街化調整区域の不動産を売却するには、都市計画法などの専門知識や特殊な需要を見極めるノウハウが欠かせません。その為、市街化調整区域の取引実績が豊富で専門性の高い不動産会社をパートナーに選ぶのも売却のコツです。そうした不動産会社は建築基準法や都市計画法に詳しく、行政への相談サポートも期待できます。
また、大手不動産会社に断られても、地元の事情に明るい不動産会社であれば、独自の顧客ネットワークで購入希望者を見つけてくれる場合があります。信頼できる相談先を見つけ、二人三脚で売却を進めてみてください。
適正価格を設定して売り出す
市街化調整区域は居住ニーズが低く、市街化区域と同じような強気の価格設定だと売却期間が長引いてしまう恐れがあります。市場の需要を冷静に見極め、適正な売り出し価格を設定しましょう。まずは周辺の類似物件がいくらで取引されているかを調査し、自分の土地の相場を正しく把握してください。複数の不動産会社に査定を依頼し、相場に基づいた売り出し価格を比較検討するのも効果的です。
長谷工の仲介では、WEBから申し込める無料査定サービスを提供しています。市街化調整区域での売却にお困りの方は、お気軽にご相談ください。
※条件により個別にご相談を承ります。
買主様に建築制限について十分に説明する
市街化調整区域の不動産を売却する際は、検討している購入希望者に対し、建築制限の内容を早い段階で丁寧に説明しましょう。後から「家を建てられると思っていたのに建てられなかった」などのトラブルが発生すると、契約破棄や賠償問題に発展するリスクがあります。
購入希望者のなかには建築制限について十分に理解していない方もいる為、開発許可が必要なことや、住宅ローンの審査が通常より厳しい可能性があることも伝えましょう。誠実に物件の情報を伝えれば、購入希望者も納得したうえで決断を下せるでしょう。
不動産買取を利用する
仲介での売却が難しい場合は、不動産会社が直接買い取る不動産買取を検討しましょう。不動産買取は通常の売却と違い、市場で買主様を探す手間が省ける為、早ければ数週間程度で確実に現金化できます。
仲介手数料がかからない点や、契約不適合責任(売却後の不具合に対する責任)を免除されるケースが多いのも、不動産買取のメリットです。売却価格は市場相場より低めになりますが、維持管理の負担や税金の支払いからなるべく早く解放されたいときにお勧めの売却方法です。
不動産買取のメリットや相場価格については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
不動産買取の相場は仲介の何割?調べ方や売却成功のポイントを解説
また、長谷工の仲介では直接買取にも対応しています。通常の売却と不動産買取を比較検討してみたい方はお気軽にお問い合わせください。
※条件により個別にご相談を承ります。
市街化調整区域の不動産売却にかかる費用
市街化調整区域の不動産売却では、通常の売却と同様に諸費用がかかります。主な費用は以下の通りです。
| 費用項目 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 |
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成約時に不動産会社に支払う報酬 |
| 印紙税 | 契約金額ごとの印紙税
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売買契約書に貼る印紙代 ※左記は2027年3月31日までの間に作成される契約書に適用される軽減税率の金額 |
| 抵当権抹消登記 | 不動産個数×1,000円 | 住宅ローンが残っている場合、抵当権を抹消する際にかかる税金 |
| 司法書士報酬 | 1〜3万円 | 登記手続きを司法書士に依頼する際に支払う手数料 |
| 譲渡所得税 | 譲渡所得に以下の税率をかけた金額
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不動産売却で利益が出た場合に納める税金 |
※仲介手数料は、あらかじめ合意があれば「低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例」により、800万円以下の物件の場合、上記の金額を超えて上限33万円(税込)まで請求されます。
出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
出典:日本司法書士連合会「司法書士の報酬アンケート結果(2024年(令和6年)3月実施)」
加えて、地目が農地の場合は、農地転用許可申請を行政書士に依頼する為の費用として、5万円から15万円ほどかかります。また、農地以外の地目へ転用したい農地が農用地区域内にある場合、農用地区域から除外してもらう申請を行政書士へ依頼する費用で10~30万円程度がかかります。農用地区域とは、農地の転用が厳しく制限されたエリアのことです。
事前に上記のような諸費用を想定しておけば、売却後に「思ったより手残りが少ない」という事態を防げるでしょう。
不動産売却でかかる費用や税金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
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不動産売却にかかる税金はいくら?計算方法や節税につながる控除・特例を解説
不動産が売却できない場合は?どう活用する?
売却が難しい不動産でも、視点を変えれば収益を生む資産に変わる可能性があります。ここでは代表的な3つの方法を解説します。
太陽光発電設備を設置する
太陽光発電設備は建築制限が厳しい土地でも設置可能です。太陽光発電設備は建築基準法上の建物に該当しない為、家が建てられない更地でも収益化が望めます。パネルを地面に固定するフィールド設置型であれば、原則として開発許可を受ける必要がありません。
ただし、土地を平らに削るような大規模な造成をともなう際は、開発行為とみなされて許可が必要な場合があります。設置コストや売電価格を確認しつつ、設置業者と相談しながら計画を立てましょう。
また、自治体によっては独自の条例で制限を設けている場合がある為、必ず事前に確認することが大切です。
駐車場や資材置き場として貸し出す
駐車場や資材置き場として土地を貸し出せば、安定した賃料収入を得られる可能性があります。建物を建てずに利用できる為、初期投資を抑えつつ管理の手間を軽減できるのがメリットです。近隣に住宅が多いなら月極駐車場、幹線道路沿いなら運送業者の車両置き場としての需要が見込めます。
また、地域によっては墓地などのニーズに応える方法も考えられるでしょう。周辺環境を調査して、今の土地をそのまま借りてくれる相手を探してみてはいかがでしょうか。
農地転用を検討する
農地を他の用途に切り替える農地転用を活用すれば、売却の門戸を広げられます。農地のままでは買主様が農家に限られますが、地目を変更すれば一般の買主様や法人も購入できるようになります。
農地転用の手続きには時間と専門知識が必要ですが、農地のまま放置するよりも早く売却できる可能性があります。農地転用を検討する際は、事前に行政書士や農業委員会に相談してみてください。
まとめ
市街化調整区域は建築制限が厳しく、一般的な土地より売却の難易度は高くなっています。しかし、規制を正しく理解し、適切な戦略を立てれば、売却成功の道は開けるでしょう。
長谷工の仲介では、専門スタッフが売主様の状況に合わせて売却をサポートしています。まずは無料査定で所有している不動産の価値を確かめてみてはいかがでしょうか。
※本記事の内容は2026年3月16日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。




