| この記事で分かることを1分で解説 | |
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不動産売却で利益が出ると、所得税や住民税の負担が一気に重くなります。ふるさと納税は税金の総支払額そのものを減らす制度ではありませんが、寄付額から2,000円を除いた分が控除される為、実質的な自己負担2,000円で地域の返礼品を受け取れる、お得な制度として注目されています。
売却益が出た年は、ふるさと納税の寄付上限額が通常よりも高くなる場合があります。しかし、「上限はいくらまで?」「3,000万円特別控除と併用できるのか」「確定申告はどうすれば良いのか」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、ふるさと納税の上限額の計算方法や特別控除との関係などを解説します。ふるさと納税を賢く活用したい方はぜひ参考にしてください。
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ふるさと納税の基本的な仕組み
ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付をすると、寄付のうち2,000円を超えた額が翌年の所得税や住民税から控除される制度です。また、寄付のお礼として、寄付した地域の特産品が受け取れます。返礼品の還元率は寄付額の3割以内と定められており、肉や魚介、果物、お米、日用品など、自治体ごとに様々な品物が揃えられています。
ふるさと納税の利用者は年々増え続けています。総務省の調査によると、2024年のふるさと納税の受入額は約1兆2,727億円で、2年連続で1兆円を突破しました。控除を受けた人も約1,080万人にのぼり、過去最多を更新しています。
参考:自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)」
不動産売却でふるさと納税の上限額が上がる理由
不動産売却によって利益が出た場合、その年のふるさと納税の寄付上限額は通常より高くなるケースがあります。控除の上限額は主に寄付をする人の課税所得に応じて決まる為、所得が高い人ほど上限額が増える仕組みとなっています。
不動産の売却益は譲渡所得として課税対象となります。譲渡所得とは、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた残りの利益のことです。給与や年金に加え不動産売却による譲渡所得が上乗せされる為、所得が増え、寄付できる上限額も一時的に高くなるのです。
不動産売却後のふるさと納税の手続き方法
続いて、不動産売却後にふるさと納税を行う流れを5つのステップに分けて解説します。
STEP1:譲渡所得を計算する
はじめに、譲渡所得を計算します。譲渡所得は、給与所得などとは分けて税額を計算する分離課税にあたります。
取得費と譲渡費用には、主に以下が含まれます。
- 取得費:購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用、売買契約書の印紙代など
- 譲渡費用:売却時の仲介手数料、売買契約書の印紙代、立退料、測量費、建物の解体費用など
算出された譲渡所得に所有期間に応じた税率をかけると、実際に課税される譲渡所得税が出ます。なお、物件の所有期間によって税率が変わり、売った年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えれば長期譲渡所得となります。
| 所得の種類 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
譲渡所得や確定申告の手続きについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
譲渡所得とは?不動産売却時の税金の計算から確定申告手続きまで詳しく解説
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや税金の計算方法について解説
マンション売却にかかる費用や手数料の相場は?節約方法やシミュレーションもご紹介
STEP2:税金が安くなる仕組みを知る
寄付した金額から2,000円を引いた分のうち、次の3つを合計した金額が控除されます。
②住民税からの控除(基本分)=(寄付金額-2,000円)×10%
③住民税からの控除(特例分)=(寄付金額-2,000円)×(100%-10%-所得税率)
※所得税率には復興特別所得税を加味します。
注意したいのが、①と③で使う所得税率です。給与の総合課税と不動産の分離課税の両方があるときは、総合課税の税率を当てはめます。総合課税の所得税率は5%から45%の7段階です。不動産売却にかかる15%や30%ではない点を理解しておきましょう。
③の特例分には住民税所得割額の20%という上限があり、これが寄付の上限額を決めています。住民税所得割額は所得の大きさで変わる住民税で、売却した年は給与分に譲渡所得の住民税が上乗せされます。土台となる住民税所得割額が高くなる為20%の枠も広がり、普段よりも高額な寄付ができるようになるのです。
STEP3:ふるさと納税の上限額を算出する
次に、特例分が上限の20%に届くギリギリの寄付額を計算します。これが控除の上限額で、次の式で目安が求められます。
式の「1.021」は、所得税に上乗せされる復興特別所得税を反映した数字です。住民税所得割額は、総合課税分と分離課税分を合わせた金額を当てはめます。STEP1で求めた譲渡所得の分もここに含めて計算します。
計算が難しい場合はシミュレーションの利用がお勧めです。インターネットで公開されているシミュレーションを利用すれば、年収や家族構成、寄付金額を入れるだけで上限額の目安が確認できます。
参考:国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
シミュレーションの参考:ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」
STEP4:寄付先を選び年内に寄付する
上限額の目安が分かれば、寄付したい自治体を選んで寄付を行います。
ただし、控除は寄付した年の所得に対して適用される為、譲渡所得が出た年のふるさと納税は、その年の12月31日までに完了させる必要があります。年をまたぐと翌年分の扱いとなり、不動産売却で増えた上限額を活かすことができません。
年末は手続きが混み合う為、12月の初旬までに手続きを行うと安心です。寄付をすると、自治体から寄附金受領証明書が届きます。確定申告で必要になる為、なくさないよう必ず保管しておきましょう。
STEP5:確定申告で控除手続きを行う
最後に、税金の控除を受ける為の確定申告を忘れずに済ませましょう。譲渡所得が発生している場合はふるさと納税の有無に関わらず確定申告が必要です。その為、確定申告が不要になるワンストップ特例制度は使えません。
ワンストップ特例とは、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除を受けられる制度です。本来、寄付の控除には確定申告が必要ですが、一定の条件を満たせば寄付先の自治体に申請書を出すだけで手続きが完了します。利用できるのは、次の2つを両方満たす場合です。
- もともと確定申告が不要な給与所得者(会社員など)
- 1年間の寄付先が5自治体以内
すでにワンストップ特例を申請している場合でも、不動産売却で譲渡所得が出た年は確定申告を行う必要があります。申告の際は寄付金控除欄への記入を忘れないようにしましょう。
マンション売却時の確定申告については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンションを売却したら確定申告が必要?流れや手順、必要書類について徹底解説
マンション売却の確定申告書の書き方は?手続きの流れも併せて解説
譲渡所得の有無によるふるさと納税の上限額の違い
前述した通り、譲渡所得があると、ふるさと納税の上限額はその分だけ上がります。つまり、同じ年収でも、譲渡所得が発生した年は普段より多く寄付できるようになります。
年収700万円で独身かつ会社員の方を例に、譲渡所得の有無で上限額の目安を比べたのが下の表です。
| ケース | 年収 | 譲渡所得 | 上限額の目安 |
|---|---|---|---|
| A | 700万円 | 0円 | 約11~12万円 |
| B | 700万円 | 200万円 | 約14~15万円 |
※住宅ローン控除や3,000万円特別控除などの有無、家族構成、社会保険料等によって実際の控除上限額は異なります。
ケースBでは長期譲渡所得(所有5年超)が200万円加わり、上限額の目安が約3万円増えています。譲渡所得が出た分、寄付できる枠が広がったことが分かります。
不動産売却が関わると、上限額の計算は一気に複雑になります。長谷工の仲介では、税金の疑問や不安を無料で相談できる税務相談サービスをご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
不動産に関する特例とふるさと納税の関係
ここからは、ふるさと納税と不動産売却で利用できる特例がどう関わるかを、2つのケースに分けて解説します。
3,000万円特別控除を適用する場合
3,000万円特別控除を使うと、ふるさと納税の上限額が増えないケースがあります。3,000万円特別控除を適用して譲渡所得がゼロになると、不動産売却による所得の上乗せがなくなるからです。
3,000万円特別控除を利用しても利益が残れば、ふるさと納税の枠は広がります。例えば譲渡所得が4,000万円の場合、3,000万円特別控除を利用しても1,000万円の譲渡所得が残ります。この1,000万円が所得として上乗せされる為、ふるさと納税の恩恵を十分に受けられるでしょう。
不動産売却時の3,000万円特別控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
住宅ローン控除を利用する場合
住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます。住宅ローン控除は主に所得税からの控除、ふるさと納税は主に住民税からの控除の為、両方の制度のメリットが受けられます。
ただし、ワンストップ特例ではなく確定申告でふるさと納税を申告する場合、所得税が先に減る為、住宅ローン控除の一部が住民税側へ回ることがあります。住宅ローン控除は住民税からの控除に上限がある為、控除しきれず満額を受けられない恐れがあることも理解しておきましょう。
住宅ローン控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
【2026年】住宅ローン控除はいつまで?税制改正の変更点や控除額を解説
ふるさと納税がお得になるケース
最後に、不動産売却でふるさと納税をよりお得に活用できる代表的なケースをご紹介します。
不動産の特別控除を適用できない場合
特別控除が使えない場合は、ふるさと納税の効果が高まります。
例えば、3,000万円特別控除はマイホームの売却にしか適用されない為、セカンドハウスや投資用物件の売却には使えません。このような物件で売却益が出ると、譲渡所得がそのまま課税対象になり、所得が増えた分、ふるさと納税の上限額も上がります。特別控除が使えないケースこそ、ふるさと納税を活用する価値があります。
取得費が不明の不動産を売却する場合
取得費がわからない不動産を売る場合も、ふるさと納税をよりお得に活用しやすくなります。取得費が不明な場合は売却価格の5%を取得費とみなすルールがある為、差し引ける額が小さくなり譲渡所得が大きくなる可能性があります。
例えば、売却価格4,000万円、譲渡費用150万円の場合、取得費が500万円のケースと不明のケースでは以下の違いが出ます。
- 取得費500万円:4,000万円(売却価格)−500万円(取得費)−150万円(譲渡費用)=3,350万円(譲渡所得)
- 取得費不明:4,000万円(売却価格)−200万円(売却価格の5%の取得費)−150万円(譲渡費用)=3,650万円(譲渡所得)
このように、取得費が不明のケースのほうが譲渡所得は大きくなる為、ふるさと納税の上限額が高くなります。
いずれのケースも事前に控除上限額を正しく把握し、寄付額がその範囲内で納まるよう調整しましょう。上限額を超えた分は自己負担となる為、せっかくのふるさと納税のメリットが薄れてしまいます。譲渡所得の計算や上限額のシミュレーションに不安がある場合は、不動産会社や税理士への相談を検討しましょう。
長谷工の仲介では、税金の疑問や不安を無料で税理士に相談できる税務相談サービスをご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
不動産を売却し譲渡所得が出た年は課税所得が上乗せされる分、ふるさと納税の上限額が高くなります。普段より多く寄付をして魅力ある返礼品を受け取るチャンスです。
ただし、3,000万円特別控除や住宅ローン控除などで譲渡所得が少ない場合は上限額が増えないケースもあります。また、売却益が出た年は確定申告が必要で、ワンストップ特例制度は使えません。
ふるさと納税のメリットを最大限に活かす為には、ふるさと納税の上限額を正確に把握し、その範囲内で寄付をする必要があります。上限額は売却価格をもとに算出する為、まずは無料査定で手取り額を確認することから始めてみましょう。
※本記事の内容は2026年7月24日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。




