2026.07.24住み替えの進め方は?売り先行・買い先行の違いや費用・税金を解説

住み替えの進め方は?売り先行・買い先行の違いや費用・税金を解説画像
この記事で分かることを1分で解説
  • 住み替えの進め方は、売り先行、買い先行、同時並行の3通り
  • 売り先行は、資金計画が立てやすい反面、仮住まいへの引っ越しが発生する恐れがある
  • 買い先行は、資金計画が立てにくい為、十分な資金があるケースで検討したほうが良い
  • 同時並行は、スケジュール調整の難易度が高く実現が難しい
  • 住み替えではローン残債や諸費用を考慮して慎重に資金計画を立てることが大切

住み替えには、売り先行、買い先行、同時並行の3通りの進め方があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
住み替え方法を選ぶ際には、それぞれの特徴を押さえておくことが重要です。

この記事では、住み替えの進め方やかかる費用と税金、成功させるポイントなどを詳しく解説します。

住み替えの基本的な流れ

住み替えは、今の家の売却と新居の購入を並行して進める為、スケジュールが煩雑になりがちです。まずは、住み替えの全体像をつかむことで、スケジュールで迷いにくくなります。

売却と購入のどちらを先に行うかによって順序が異なりますが、住み替え全体の流れは以下の通りです。

売却の流れ 購入の流れ
①不動産査定・売却準備
②売却活動
③売買契約
④決済・引き渡し
①購入の相談
②新居探し
③売買契約
④決済・引っ越し

まずは、不動産会社の査定を受け、売却準備を進めていきます。依頼する不動産会社と媒介契約を結んだら売却活動を開始し買主様を探します。
一方、売却活動と並行して新居探しもスタートします。
買主様と新居が決まったらそれぞれの売買契約を締結し、今の家の引き渡しと新居への引っ越しを行うというのが全体の大まかな流れです。

一般的に住み替えには、半年ほど時間がかかるといわれています。
しかし、今の家がなかなか売れない、新居が決まらないなどでそれ以上に時間を要するケースも珍しくありません。
住み替えを検討する際には、上記の流れを逆算して余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。

マンションを売却して住み替える流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションを売却して住み替える方法とは?流れや費用、利用できる特例を紹介

売り先行・買い先行・同時並行の違い

売却の決済日と購入の代金支払い日のどちらか先、または同日になるかによって、売り先行、買い先行、同時並行に分かれます。

住み替え方 概要
売り先行 売却の決済日が新居の代金支払い日より先
買い先行 新居の代金支払い日が売却の決済日より先
同時並行(同日決済) 売却と購入の決済日・代金支払い日が同日

なお、売り先行・買い先行のどちらを選んだ場合でも、決済日が前後するだけで、実際の売却活動と新居探しは同時並行で進めるのが一般的です。

ただし、住み替えの進め方によって、資金面・引っ越し回数・仮住まいの有無などは変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身に合った方法を選ぶことが重要です。

以下では、進め方別のメリット・デメリットについて解説していきます。

売り先行のメリット・デメリット

売り先行とは、売却の決済を新居代金の支払いより先に進める方法です。
一般的には、今の家の売却を先に進め、引き渡し後に一度仮住まいに引っ越してから新居を購入次第、再度引っ越すという流れになります。

売り先行のメリット・デメリットは以下の通りです。

売り先行のメリット 売り先行のデメリット
  • 売却代金で新居を購入できる
  • 売却代金が先に確定するので堅実な資金計画を立てられる
  • 二重ローンのリスクを避けられる
  • 売却できない場合は住み替えをストップすることもできる
  • 仮住まいが必要になれば引っ越しや費用など余計な手間や費用がかかる
  • 新居探しの時間が十分取れない恐れがある

売り先行は売却確定後に新居の購入を行う為、売却代金を購入費用に充てられる、堅実な資金計画を立てられるといった資金面でのメリットがあります。
また、売却してから購入する為、新居と旧居のローン返済が被る二重ローンになるリスクも避けられます。

しかし、売却から新居購入までに期間が空く場合は仮住まいが必要です。仮住まいが必要になれば引っ越しが2回発生する、仮住まいの賃料や初期費用が必要など、余分な労力や費用がかかる点には注意しましょう。

売り先行は以下のような方に向いています。

  • 資金に不安がある方
  • 住み替えを堅実に進めたい方
  • 旧居に住宅ローンの残債がある方
  • 売却に時間をかけたい(少しでも高値で売却したい)方

買い先行のメリット・デメリット

買い先行とは、新居購入の代金支払いを売却の決済よりも先に行う進め方です。
一般的には、新居探しを先に始め、新居の売買契約が成立後に旧居の売買活動や売買契約を進めていきます。仮に、旧居の買主様が先に見つかった場合でも、新居の引き渡し日以降に旧居の引き渡し日を設定するケースが一般的です。

買い先行のメリット・デメリットは以下の通りです。

買い先行のメリット 買い先行のデメリット
  • 仮住まいが不要
  • 引っ越しが1回で済むので余計な労力や費用がかからない
  • 引っ越し時期を決めやすい
  • 新居探しに時間をかけやすい
  • 資金計画を立てにくく、崩れやすい
  • 売却代金を新居購入費用に充てられない
  • 二重ローンになるリスクがある

買い先行は、新居が決まった状態で旧居の売却を進める為、仮住まいは必要ありません。その為、引っ越しが1回で済み、余計な賃料や労力が必要なくなります。
また、新居への引っ越し時期を確定させやすいので、進学時期に合わせるといったスケジュールも立てやすいでしょう。

一方、売却代金が確定する前に新居を購入することになる為、新居費用に売却代金を充てられなくなります。売却が遅くなれば旧居と新居の二重ローンになり、月々の返済が重くなる点にも注意が必要です。

買い先行は以下のような方に向いています。

  • 資金に余裕がある方
  • 新居をじっくり選びたい方
  • 旧居の住宅ローンをすでに完済し、新居のローンを組める方
  • 旧居の条件が良く、売却の目途が立っている方

同時並行(同日決済)のメリット・デメリット

同時並行(同日決済)とは、売却の決済日と購入の代金支払い日を同日または数日ずらして行う方法です。

同時並行のメリット・デメリットは以下の通りです。

同時並行のメリット 同時並行のデメリット
  • 仮住まいが不要
  • 二重ローンのリスクを避けられる
  • スケジュール管理が難しい

同時並行は売り先行・買い先行のデメリットを解消できる有効な方法です。しかし、決済と支払いを同時に行うようにスケジュールを調整するのは難易度が高く、同時並行を目指しても結果として売り先行か買い先行になるケースが一般的です。

同時並行を目指す場合でも、売り先行か買い先行になることを想定し、決済日と支払い日のずれをできるだけ短くするように進めていくことをお勧めします。

どちらを選ぶべき?迷ったときの判断軸

どの住み替え方を選ぶべきか悩む場合は、資金や住み替え先の目途など現状を整理し、判断軸に応じて適した方法を選ぶと良いでしょう。

判断軸 売り先行 買い先行 同時並行
住み替え先の目途が立っているか 目処が立っていない→○
目処が立っている→△
目処が立っていない→×
目処が立っている→○
目処が立っていない→△
目処が立っている→○
資金に余裕があるか 余裕がない
→○
余裕がある
→○
余裕がない
→×
余裕がある
→○
余裕がない
→△
余裕がある
→○
住み替え期限(引っ越し時期)が決まっているか 決まっていない→○
決まっている
→△
決まっていない→○
決まっている
→○
決まっていない→○
決まっている
→△
住宅ローン残債が多いか 多い
→○
少ない
→○
多い
→×
少ない
→○
多い
→△
少ない
→○
新居に強いこだわりがあるか ない
→○
ある
→×
ない
→○
ある
→○
ない
→○
ある
→△
旧居がすぐ売れそうか すぐ売れる
→○
売却時間がかかる→○
すぐ売れる
→○
売却時間がかかる→△
すぐ売れる
→○
売却時間がかかる→△

住み替えを検討しはじめるタイミング

住み替えを検討する理由は様々ですが、代表的な理由に「ライフステージや生活環境の変化」が挙げられます。
具体的には以下のようなタイミングが住み替え理由として一般的です。

  • 【家族構成の変化】結婚・離婚・独立
  • 【仕事の転機】転勤や退職
  • 【子どもの成長】進学・巣立ち
  • 【親のサポート】同居・介護

就職や転職、進学などで通勤、通学の利便性向上を目的に住み替えを検討するケースは多いものです。また、出産や子どもの成長で間取りが狭くなった、子どもが独立し間取りが広すぎるといったケースでの住み替えもあります。
近年は、老後の為にコンパクトな住宅やバリアフリーが整った環境に住み替えるというケースも増えています。

生活の利便性や住宅の質の向上、居住費の見直しなど目的は様々ですが、ライフスタイルや家族構成の変化は住み替えを検討する一つのタイミングといえるでしょう。

また、住宅の資産価値の観点から検討したほうが良いタイミングもあります。
資産価値の観点で住み替えを検討した方が良い代表的なタイミングは以下の通りです。

  • 築年数が経過し資産価値が大きく下がる前
  • 住宅や設備が老朽化したタイミング
  • 土地の価格が高まるタイミング
  • 住宅ローンが低金利のタイミング
  • 住宅ローン控除の適用年数を超えるタイミング
  • 不動産市場が好調なタイミング

築年数が経過し老朽化が進むと、建物の資産価値も低下します。売却代金で住み替えを検討する場合、資産価値が大きく下落する前に売却を検討することでスムーズな住み替えが期待できるでしょう。
さらに、家の売却は不動産市場や景気、住宅ローン金利などの影響も受けます。売却に有利な時期に売却することで、満足いく住み替えを実現しやすくなります。

住み替えに適したタイミングや老後の住み替えについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

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住み替えを考えはじめたらまずやること

スムーズに住み替えを進めるには、下準備をしっかり行うことが大切です。ここでは、住み替えを考え始めたらまずやるべき3つのことを解説します。

まず査定で今の家の価値を知る

資金計画を立てる、進め方を決めるといった重要な判断は、今の家がいくらで売れるかが分かって初めて具体化するものです。

何となくこれくらいで売れると考えて資金計画や住み替えスケジュールを立てても、そもそも売却できない、資金計画が大きく崩れるケースも考えられます。
その為、まずは不動産査定を受けて、できるだけ精度の高い査定価格を把握することが重要です。

不動産査定の方法には、大きく以下の2種類があります。

  • 机上査定:築年数などのデータのみで査定する方法
  • 訪問査定:データに加え実際の不動産を確認し査定する方法

机上査定はオンラインでも受けられ、かつ短期間で結果が分かるので、大まかな価格を知りたい、不動産会社を比較したいといった場合に適しています。
しかし、机上査定は不動産の個別状況は反映されない為、本格的に売却を進める場合は訪問査定を受けることになります。

多くの不動産会社では無料査定を行っています。なお、査定したからといって必ずしも売却を依頼する必要はない為、住み替えの第一歩として査定からスタートすると良いでしょう。

長谷工の仲介では、無料で査定を行っています。家がいくらで売れるか気になるという方はお気軽にご相談ください。

無料売却査定はこちら

机上査定、訪問査定のメリット・デメリットや家の価値の調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

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住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンの残債は、今の家の売却の可否や新居に充てられる費用を算出する際の参考になる為、正確な額を把握する必要があります。

特に、今の家に住宅ローン残債がある場合、売却するには住宅ローンの完済が必須です。
一般的には売却代金で完済するケースが多く、完済できない場合でも自己資金などで補填できれば売却できます。
一方、売却代金と自己資金などを合わせても完済できないケースでは、通常の売却手続きを進めることが難しくなるため注意が必要です。状況によっては、金融機関の同意を得て売却する任意売却などの手続きを検討することになります。

また、売却代金を新居費用に充てる場合も、住宅ローンを完済しどれくらい手元に残るかをできるだけ正確に把握しておく必要があります。
残債の額が曖昧なまま進めると、資金計画が崩れる恐れがあるので注意しましょう。

住宅ローンの残債は、毎年送付される住宅ローン残高証明書を確認すれば分かります。残高証明書がない場合は、契約時に交付された返済予定表や金融機関の窓口、オンラインサービスなどで確認すると良いでしょう。

売却に必要な書類の準備を進める

不動産売却には様々な書類が必要です。書類のなかには取得に時間がかかるものもある為、早い段階で揃えておくとスムーズに売却を進めやすくなります。

主な必要書類は以下の通りです。

  • 本人確認書類
  • 実印と印鑑証明書
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
  • 固定資産税納税通知書や固定資産税評価証明書
  • 住宅ローン返済予定表または残高証明書
  • 住民票
  • 購入時の売買契約書

ただし、必要書類は不動産の種類や査定時など売却の段階によっても異なります。
とはいえ、基本的には適切なタイミングで不動産会社が案内、サポートする為、過度に不安になる必要はありません。

売却時の必要書類については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

不動産売却で必要書類は?入手方法や注意点、紛失時の対応について解説

マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説

住み替えにかかる費用と税金の基礎知識

住み替えでは様々な費用や税金が発生します。現実的な資金計画を立てる為にも、できるだけ具体的な費用や税金を考慮しておくことが大切です。
ここでは、住み替えにかかる費用と税金について解説します。

売却時にかかる主な諸費用

売却時にかかる主な諸費用は以下の通りです。

費用の種類 概要と目安額
仲介手数料 売却を依頼した不動産会社に支払う手数料
上限額が以下のように決まっている

売却価格が400万円超の場合の上限額:売却価格×3%+6万円+消費税
印紙税 売買契約書に係る税金
税額は契約金額(売却価格)で決定される
主な価格水準の印紙税は以下の通り
  • 契約金額が1,000万円超5,000万円以下:1万円
  • 契約金額が5,000万円超1億円以下:3万円
(2027年3月31日までは軽減税率が適用される)
各種書類取得にかかる費用
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 固定資産税評価証明書
  • 登記事項証明書
それぞれ200〜600円ほど
登記にかかる費用
  • 抵当権抹消登記:登録免許税は不動産1個につき1,000円
  • 住所変更・氏名変更登記:登録免許税は不動産1個につき1,000円
  • 司法書士に依頼する場合は司法書士報酬が必要。目安額は1~3万円ほど(依頼先や内容によって異なる)
住宅ローン一括返済の手数料 売却にともない住宅ローンを一括返済する場合は、手数料を金融機関に支払う

目安額:無料~3.3万円(金融機関や金利タイプ、申込方法などによって異なる)
譲渡所得にかかる税金 売却で利益(譲渡所得)が発生した際にかかる税金(所得税、住民税、復興特別所得税)
原則的な税率は以下の通り
  • 所有期間5年以下:譲渡所得の39.63%
  • 所有期間5年超:譲渡所得の20.315%
ハウスクリーニング費用 水回りの必要な箇所だけを行えば5〜8万円程度
引っ越し費用
  • 単身の場合:5~6万円
  • 家族の場合:10~12万円
時期や荷物量によっても変動する

売却にかかる費用や税金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却にかかる費用や手数料の相場は?節約方法やシミュレーションもご紹介

マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説

購入時にかかる主な諸費用

新居の購入代金以外にかかる主な費用は以下の通りです。

費用の種類 概要と目安額
仲介手数料 依頼した不動産会社に支払う手数料
上限額が以下のように決まっている

購入価格が400万円超の場合の上限額:購入価格(物件価格)×3%+6万円+消費税
印紙税 購入時の売買契約書にかかる税金
税額は契約金額(売却価格)で決定される
主な価格水準の印紙税は以下の通り
  • 契約金額が1,000万円超5,000万円以下:1万円
  • 契約金額が5,000万円超1億円以下:3万円
(2027年3月31日までは軽減税率が適用される)
不動産取得税 不動産を取得した年にかかる税金

税額:固定資産税評価額×税率(原則4%)
登記にかかる費用
  • 所有権移転登記の登録免許税:固定資産税評価額×税率(売買の場合は原則2.0%)
  • 抵当権設定登記の登録免許税:借入額×税率(0.4%)
  • 司法書士に依頼する場合は司法書士報酬が必要。目安額は1~3万円ほど(依頼先や内容によって異なる)
住宅ローンの事務手数料 住宅ローン契約時に金融機関に支払う手数料など
目安額:借入額×2~3%ほど(金融機関により異なる)
保険料 火災保険や地震保険の保険料
固定資産税・都市計画税の清算金 その年の固定資産税・都市計画税を所有期間に応じて売主様と按分する
(マンションの場合)管理費・修繕積立金の清算金 売主様が支払った管理費・修繕積立金を日割りで売主様に清算する

住み替えにかかる費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住宅の住み替えにかかる税金とは?発生する税金や利用できる特例を紹介

見落としがちな仮住まい費用と引っ越し代

売り先行で進める場合、仮住まいが必要になるケースがあります。
仮住まいが必要になると賃料や初期費用、引っ越し代などが余分に発生する為、忘れずに資金計画に組み込んでおくことが重要です。

仮住まいにかかる主な費用は以下の通りです。

費用の種類 目安額
家賃 物件により異なる
初期費用 敷金・礼金:家賃1~3カ月分ほど
仲介手数料:家賃の1カ月分ほど
火災保険料など:1~3万円ほど
前家賃:家賃1カ月分ほど
引っ越し費用(旧居→仮住まいの1回分)
  • 単身の場合:5~6万円
  • 家族の場合:10~12万円
時期や荷物量によっても変動する。

仮に、家賃8万円で敷金・礼金などの初期費用が家賃の4カ月分になった場合は、初期費用は32万円必要です。さらに、仮住まいの期間中は賃料がかかるので、期間が長くなるほど費用の負担は増えます。
また、旧居から仮住まい、仮住まいから新居と引っ越しが2回発生し引っ越しコストも大きくなる点にも注意しましょう。

負担を大きく軽減できる税金の優遇措置

住み替えでは様々な税金がかかりますが、各種特例や優遇措置を適用することで税負担を大きく軽減できる可能性があります。
住み替えで利用できる代表的な特例や税制優遇には以下が挙げられます。

  • 3,000万円特別控除
  • 買い替え特例
  • 住宅ローン控除

ここからは、それぞれの特例について見ていきましょう。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除とは、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。譲渡所得は以下の計算で求めます。

譲渡所得=譲渡収入金額-取得費-譲渡費用

譲渡所得がプラスになった場合、譲渡所得税が課税されます。しかし、3,000万円特別控除を適用することで、譲渡所得から3,000万円を差し引くことができ、税負担の軽減が見込めます。

3,000万円特別控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

居住用財産の3,000万円特別控除とは?適用要件や必要書類を解説

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

買い換え特例

買い換え特例とは、買い換え時に発生した譲渡所得税を将来に繰り延べる特例です。

特例を適用することで、譲渡所得税の課税を将来に繰り延べることができますが、売却した年の税金が完全に発生しなくなるのは、旧居の売却価格よりも新居の購入価格が高い、または同じ場合のみとなります。ただし、将来住み替えで購入した新居を売却した際に、繰り延べした分が課税されます。
将来の売却時に税負担が増える恐れがある為、将来の住み替え予定も加味して適用するか検討するようにしましょう。

参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンでマイホームを購入した場合、一定の要件を満たすことで年末時点の住宅ローン残高×0.7%を所得税から控除する制度です(上限額あり)。
また、所得税だけでは控除しきれなかった分は一定額を住民税からも控除できます。
ただし、借入上限額や適用の有無などは購入する家の住宅性能によっても異なるので注意しましょう。

なお、住宅ローン控除は3,000万円特別控除との併用はできません。
どちらを適用したほうが良いかはシミュレーションしたうえで慎重に判断することが大切です。

住宅ローン控除については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

【2026年】住宅ローン控除はいつまで?税制改正の変更点や控除額を解説

住み替えにかかる税金の負担を軽減する方法は、住み替える家や売却価格、所得状況などによっても異なります。適切な節税方法を選ぶうえでは、税理士に相談することをお勧めします。長谷工の仲介では、不動産に詳しい税理士に無料で相談できるサービスを提供しています。
住み替えでの節税を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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住み替え時の住宅ローンの選び方

住み替えの購入ではローンを利用するのが一般的です。また、今住んでいる家のローン完済も考慮しなければならない為、返済計画やローンの組み方など慎重に進める必要があります。

まずは、現在の住宅ローン残債の正確な額や住み替えに充てられる自己資金の額を把握しましょう。
そのうえで、複数の金融機関に事前審査を申し込み、借り入れの可否や額を把握、月々の返済シミュレーションや総返済額を返済計画に落とし込むことが大切です。

また、住み替えでは住宅ローン以外にも住み替えローンやつなぎ融資なども視野に入ります。
ここでは、今の家に住宅ローンの残債がある場合の住み替えに利用できるローンの選択肢として3つを解説します。

一時的にダブルローンを組む

買い先行では、今の家の売却が遅くなることで一時的に新居と今の家のローン返済が重なるダブルローン(二重返済)になるケースがあります。ダブルローンとは、2つのローンを同時に返済する方法です。

ダブルローンであれば、資金がない状態でも新居を購入でき、自分のタイミングで住み替えやすいというメリットがあります。
しかし、ダブルローンは住宅ローンの返済が二重になる為、毎月の返済の負担が大きいというデメリットがあります。

例えば、今のローンの返済額が8万円、新居のローンが10万円なら、毎月18万円を返済しなければなりません。
ダブルローンの期間が長くなるほど家計を圧迫するだけでなく、ローン破綻するリスクも高くなります。

また、ダブルローンは今のローン返済額が返済負担率に加わる為、新居のローンを組む際の審査が厳しくなる点にも注意が必要です。
資金に十分な余裕がある場合には検討の余地がありますが、資金に不安がある、売却に時間がかかりそうといったケースでは避けるのが望ましいでしょう。

住み替えローンを利用する

住み替えローンとは、売却代金で完済できない今の家のローン残債と新居の購入資金をまとめて借り入れできるローンです。
例えば、売却後の今の家の残債が500万円、新居の購入資金が4,000万円の場合、4,500万円を借り入れることができます。

住み替えローンであれば、オーバーローン(ローン残債よりも売却価格が少ない状態)で補填する自己資金がない状態であっても住み替えできる可能性があります。

一方、住み替えローンには以下のようなデメリットがあります。

  • 借入額が大きくなるので毎月の返済負担が大きい
  • 住宅ローンより金利が高い傾向がある
  • 購入する物件以上の借入額となる為、審査が厳しい

また、基本的に住み替えローンを利用する場合は、今の家の引き渡しと新居購入を同日に合わせる必要がある点にも注意が必要です。

住み替えローンのメリットや注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住み替えローンとは?メリット・注意点や利用の流れ、ローン返済中の住み替え可否も解説

つなぎ融資を利用する

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資前の一時的な資金不足を補う為の短期間のローンです。
返済方法は金融機関にもよりますが、一般的には融資期間終了時に元本を一括返済することになります。
例えば、買い先行で新居を先に購入する場合、今の家の売却代金が入る前の資金不足を補う為につなぎ融資を利用し、売却時に一括返済するという方法があります。

つなぎ融資であれば、今の家の売却時期が未定な場合でもダブルローンのリスクを避けて買い先行で住み替えすることが可能です。
しかし、つなぎ融資は一般的に1年以内の借り入れとなり、融資期間終了までに売却できなければ一括返済を請求されるリスクがあります。
また、つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高い傾向がある為、借入期間が長くなるほど返済の負担が増える点にも注意しましょう。

住み替えを成功させる為に押さえておきたいこと

ここでは、住み替えを成功させる為に押さえておきたいポイントについて解説します。

無理のない資金計画を先に立てる

住み替えでは、売却、購入いずれも大きな資金が動きます。
資金計画を立てるうえでは、以下の内容を押さえておくようにしましょう。

  • 売却価格
  • 売却・購入の諸費用
  • 新居購入額
  • 自己資金
  • ローン残債
  • 新居のローンの返済額

売却価格やローン残債、自己資金をもとに、売却できるか新居購入にどれだけ資金を充てられるのかなどをシミュレーションしながら判断していきましょう。
ただし、自己資金は全て住み替えに充てるべきではありません。生活費や予備費なども含めて、いくら手元に残すべきかも考慮しながら、資金計画を立てていくことが大切です。

売り急ぎ・買い急ぎをしない

売り先行では新居を早く見つける為に買い急ぐ、買い先行ではダブルローンのリスクを避ける為に売り急ぐというケースは多いものです。
しかし、売り急いでしまうと好条件での売却機会を逃す恐れがあり、買い急ぎは購入後に失敗につながる可能性があります。

売却、購入ともに焦ってしまうと判断ミスが生まれやすく後悔のもととなる恐れがあります。
好条件での売却や購入につなげる為、スケジュールには余裕を持たせるように計画していきましょう。

住み替えの失敗事例や失敗を避ける対策については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住み替えでよくある失敗事例を解説!失敗しない為の対策とは?

住み替えで家が売れなかったら?事前対策と売却できないときの対処法を解説

市況と金利の動向を確認してタイミングを見極める

不動産相場が上昇傾向のうちに売却できると、高値での売却が期待でき、住み替えの資金計画でも有利に働きます。
また、住宅ローンの金利変動は、買主様の購入意欲やご自身の資金計画に大きく影響します。

住み替えタイミングを検討する際は、不動産市場や住宅ローン金利の動向もチェックするようにしましょう。

ただし、「いつか値上がりするかも」とタイミングを先延ばしすると、下落に転じた、築年数が経過したなどで好機を逃す恐れもあります。
住み替えを検討し始めたら、早い段階で査定の第一歩を踏み出すことも大切です。

住み替えのタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

住み替えのタイミングはいつ?適した時期や失敗しない為のコツをご紹介

売却と購入の両方をサポートできる不動産会社を選ぶ

住み替えの売却と購入は別の不動産会社を選んでも問題ありません。

しかし、同時並行を目指したい、スムーズに住み替えたい場合は、同じ不動産会社を選ぶのがお勧めです。
購入と売却を同じ不動産会社にすることで、スケジュールの調整や資金計画がしやすくなり、満足いく住み替えを目指しやすくなります。

その為、不動産会社を選ぶ際には複数の会社を比較し、査定価格だけでなく売却と購入の両方を一貫してサポートしてくれるかなどもチェックすることが大切です。
また、住み替えでは税金や新居購入後の対応なども重要になってくるので、税務サポートやアフターフォローなどのサポートが充実しているかも確認すると良いでしょう。

長谷工の仲介では、豊富な売却プランやサポート、税務相談などで住み替えを一貫してサポートします。住み替えを検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

無料売却査定はこちら

不動産会社の選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却の不動産会社の選び方は?判断基準や失敗しない為のポイントを解説

マンションなど不動産売却で相見積もりは必要?比較ポイントや不動産会社の選び方を解説

まとめ

住み替えの進め方には、買い先行、売り先行、同時並行の3通りあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
条件が整えば同時並行が有効ですが、一般的には買い先行か売り先行になるケースが多い為、それぞれのメリットやデメリット、売却希望、資金計画などをもとにどのように進めたら良いかを慎重に判断しましょう。

また、住み替えではタイミングの見極めやスケジュール調整、入念な資金計画など考慮しなければならない点も多くあります。
住み替えを成功させるには、売却と購入を一貫してサポートしてくれる不動産会社選びも重要です。

長谷工の仲介では住み替えに関するご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にご利用ください。

※本記事の内容は2026年7月24日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

逆瀬川 勇造(合同会社7pockets 代表社員)
明治学院大学卒。銀行、不動産会社勤務を経て独立。宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー。

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