住み替える場合、自宅を先に売却する「売り先行」、もしくは新居を先に購入する「買い先行」で進めることになります。仮に家が売れなかった場合、その後の住み替え計画に大きく影響する恐れもある為、前もって準備や対策を行っておくことが大切です。
この記事では、住み替えで家が売れない主な原因と住み替えをスムーズに進める為のコツ、家が売れないときの対処法をご紹介しています。住み替えを検討している方だけでなく、家の売却が進んでいない方もぜひ参考にしてみてください。
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住み替えで家が売れない主な理由は?
不動産売却には一般的に3ヵ月程度かかりますが、それ以上に時間がかかる場合は何らかの原因が生じている可能性があります。まずは家が売れない理由を突き止めて、早期に対策を講じましょう。
ここでは、住み替えで家が売れないときの主な理由を4つご紹介します。
売り出し価格が高い
家が売れない原因として、まずは売り出し価格が相場よりも高いことが考えられます。
家の購入を検討している方は、物件を探すなかで相場価格を把握していることも多く、相場に比べて高いと感じると内覧前に候補から外してしまうことがあります。内覧者数が少なければ、結果的に成約に至る確率も下がってしまいます。
物件が購入希望者のニーズと合っていない
家の売却がスムーズに進まない場合、周辺で家の購入を検討している方のニーズに合っていない可能性もあります。例えば建物自体や設備の老朽化が進んでいる、もしくは周辺環境や立地に難があると売れにくくなる傾向があります。
他にも間取りやデザインにこだわりが見られる物件は好みが分かれます。特に、二世帯住宅や店舗兼住居など用途が限定される物件は、売却までに時間がかかることが多いでしょう。
中古の二世帯住宅が売れにくい理由や売却のコツについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
中古の二世帯住宅が売れない理由は?売れやすくする方法や注意点を解説
内覧対応に問題がある
内覧対応が原因になることもあります。
内覧時の対応の仕方に問題がないか、不動産会社の担当者にも相談してみましょう。
例えば購入希望者から質問があった際は、なるべく明確に返答するようにしましょう。
スムーズなコミュニケーションが取れない場合、購入希望者が不安を感じ、売買取引に消極的になってしまうことがあります。もしその場で返答できない場合は、正確な情報を確認してから担当者経由で返答するなどしましょう。
また売主様の売りたい気持ちが強すぎると、買主様の購入意欲が下がってしまう恐れがあります。アピールのし過ぎに注意しましょう。
さらに、内覧前に特に汚れが目立ちやすい水回りは綺麗に清掃しておくことで、購入希望者に良い印象を与えられる可能性が高まります。
その他、室内に物が多すぎると、実際の空間よりもせまく感じてしまいます。その為、家財道具や日用品で不要なものがあれば、処分したり荷物の一時預りサービスを活用したりして室内の整理整頓を心がけましょう。
広告活動に問題がある
なかなか内覧希望者が現れないときは、家の魅力をうまくアピールできていない、不動産会社の販売活動が足りていないといった要因も考えられます。
この場合、例えばアピールポイントをより詳細に広告に表記してもらい、不動産会社の担当者が物件を購入希望者に紹介する際もその魅力を伝えてもらうといった対処法が考えられます。また広告用の写真の見栄えが悪い、もしくは室内が暗いと感じる場合は、撮り直すことで問い合わせが増えることもあります。
家が売れないときに見直したいポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
家が売れない原因は?見直したいポイントと対処法を買主の視点でご紹介
住み替えで家が売れなかったらどうなる?
住み替えは、自宅を売ってから新居を購入する「売り先行」、もしくは新居を購入してから自宅を売る「買い先行」で進めることになります。
ここでは、売り先行と買い先行のケース別に、それぞれの特徴と住み替えで家が売れなかった場合のリスクをご紹介します。
売り先行の場合
売り先行とは、現在住んでいる家を売却して住宅ローンを完済してから新居を購入する方法です。売却価格が確定してから新居を購入できる為、売却価格を踏まえた新居の購入計画を立てやすく、住み替えを堅実に進めたい方に向いています。
しかし売り先行の住み替えでは、家が売れなければ新居の候補が見つかっても売却資金を購入費用に充当できず、タイミング次第では購入機会を逃すことになります。また住みながら内覧に対応しなければならず、週末に急な予定が入ることにストレスを感じるかもしれません。
その他、売却から新居への引っ越しまでに時間がある場合は仮住まいが必要になる点にも注意しましょう。
売り先行のメリットや注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
住みながら家を売ることはできる?メリットやポイントも併せて紹介
買い先行の場合
買い先行とは、先に新居を購入して引っ越しを終えてから自宅を売却する方法です。
新居を先に押さえることができ、仮住まいも不要です。また空き家の状態で販売活動できることもメリットです。
ただし、もし前の自宅の住宅ローンが残っている場合は、ダブルローンやつなぎ融資を組む必要があります。ダブルローンとは現在借り入れているローンとは別に、新居を購入する為に2本目のローンを組むことで、つなぎ融資とは、前の家が売れるまで短期的につなぎとしてローンを借りることです。ダブルローンやつなぎ融資は月々の返済額が高くなる為審査が厳しく、年収や年齢によっては借り入れが難しいこともあります。
また新居と売り出し中の家の固定費(固定資産税や水道・電気代など)が二重にかかります。買い先行は家計に大きな負担がかかる可能性がある為、資金計画を綿密に立てるようにしましょう。
住み替えローンについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
住み替えローンの利用はあり?メリットや金利・審査面から注意点を解説
住み替えをスムーズに進める為の事前準備
では、住み替えで家が売れないという状況を避ける為には、どのような事前準備をしておくと良いのでしょうか?ここでは、特に重要な6つのポイントをご紹介します。
売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
家の売却は、売却活動を担う不動産会社の力量が大きく影響します。
不動産会社を選定する際は、売却する不動産のあるエリアでの販売実績が豊富であるかどうかを重視しましょう。ホームページの情報や口コミや評判を参考にするのが一般的ですが、依頼先の選定が難しいと感じたら、直接担当者に近隣での売却実績があるのか聞いてみると良いでしょう。
また、担当者が近隣の成約事例や売り出し中の物件について熟知しているか、また査定額の根拠を分かりやすく説明できるかも確認してみてください。
不動産会社の選び方や確認すべきポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却業者の選び方は?売却の手段や確認すべきポイントを解説
売却戦略を不動産会社と相談しておく
内覧の準備をしっかり行い、値下げ交渉があった際の対応の仕方や売れなかったときの売却戦略を練っておくことが、スムーズかつ納得のいく価格で売却するコツといえます。
例えば、家の魅力や環境の良さをリストアップして担当者に共有しておきましょう。広告に掲載するアピールポイントを整理できるだけでなく、購入希望者に物件を紹介する際には、自分が伝えたいポイントを担当者にしっかり共有しておくことで、効果的にアピールしてもらうことができます。
また値下げ交渉があった場合に備えて、売却の最低価格を決めておくようにしましょう。交渉に応じるか否かの判断がしやすくなる為、スムーズに売却活動を進めることができます。
売却保証(買取保証)を付けて売却を進める
住み替えでは、仲介で売れなかったときに備えて不動産会社の売却保証があると安心です。売却保証とは、一定期間内で売却できない場合に不動産会社が事前に約束した価格で買い取るサービスです。
売却保証を付けて売却を進めれば、「売れない場合どうするか?」という不安を払拭でき、安心して住み替えを進めることができます。また、不動産会社が買主様になる為、ローン特約による解除がなく、仲介手数料がかからないこともメリットです。
不動産会社に売却を依頼する際は、買取保証を付けてもらえるのか確認し、買取価格も併せて提案してもらいましょう。
長谷工の仲介では、売却保証を付ける売却プランの提案も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。
売買需要期に合わせて売り出す
不動産の売れやすさや売却価格には不動産の売買需要も影響する為、可能であれば不動産の需要が高まる時期に合わせて売り出すようにしましょう。
例えば、毎年1月~3月は新年度がはじまる4月に合わせて住み替えを検討する方が多く、需要が高まります。売却までに3ヵ月程度かかることを考慮すれば、12月頃から売却活動をはじめるのが良いでしょう。
もしこのタイミングが合わない場合は、9月~10月に売り出すのもお勧めです。異動シーズンということもあり、梅雨時や夏の暑い時期に比べて購入希望者が増える時期といえます。
ただし、周囲に類似した物件が多く売り出されている場合、値下げ競争に巻き込まれる恐れがあります。競合になりそうな物件が多い場合は、売れ行きを見ながらタイミングを見計らいましょう。
マンションの売却に適したタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説
余裕を持って売却スケジュールを組む
前述した通り、不動産を売り出してから売却までには3ヵ月程度かかることが多く、タイミングによっては半年程度かかることもあります。
無理に短期間で売却しようとすると、売り急いでしまうこともあります。「想定以上に値下げして後悔した」ということがないように、前もって売却準備をはじめることはもちろんのこと、半年経過しても売れない場合は買取を依頼する・○○万円まで値下げして売り出すといった全体のスケジュールを立てておくと安心です。
必要な手元資金を設定しておく
住み替えでは税金や諸費用がかかります。
最終的に必要になる資金を確保する為には、いくらで売却したら良いのか、どのような費用や税金がかかるのか、試算しておきましょう。
例えば、家を売却して利益(譲渡所得)が発生したときは譲渡所得税がかかり、不動産会社へ売却や購入を依頼すると仲介手数料がかかります。他にも登記費用や印紙代、引っ越し費用など様々な費用がかかります。
住み替え時にかかる税金や費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
住宅の住み替えにかかる税金とは?発生する税金や利用できる特例を紹介
マンションを売却して住み替える方法とは?流れや費用、利用できる特例を紹介
家が売れなかった場合の対処法
最後に、家が売れなかったときに取るべき対処法を4つご紹介します。
状況やタイミングに合わせてどのように対処すべきなのか想定しておきましょう。
売り出し価格を見直す
3ヵ月程度経っても成約に至らない場合、相場に比べて売り出し価格が高いことが考えられます。まずは、売り出し価格の見直しを検討してみましょう。
不動産売却は適正価格で売り出し、なるべく早期に売却することが重要です。適正価格よりも高値で売り出すことで売却に時間がかかってしまい、売却に時間をかけ過ぎてしまうと、売れ残り感がでてしまい購入希望者から敬遠されかねません。
相場価格を正しく把握する為にも、売却査定はかならず複数社に依頼し、査定価格の根拠なども参考にしましょう。
長谷工の仲介では、無料売却査定を随時受け付けしています。まずはこちらの専用フォームからお問い合わせください。
内覧対応を見直す
内覧は第一印象が大切です。内覧件数が多いのにもかかわらず成約に至らない場合は、内覧対応を見直してみましょう。室内の清掃や整理整頓を心がけ、購入希望者の質問には誠意を持って答えられるようにしてみてください。
清掃する時間を取れない、もしくは通常の清掃では落とせない汚れがある場合は、プロにハウスクリーニングを依頼するのも良いでしょう。
より室内を魅力的に見せたい場合は、ホームステージングを依頼する方法もあります。ホームステージングとは、家具やインテリアを効果的にレイアウトすることで、家を魅力的に見せる手法のことです。不動産会社によっては、ハウスクリーニングやホームステージングを提供する会社と提携していることがあります。まずは、不動産会社の担当者に実施の有無も含めて相談してみましょう。
マンション売却での内覧の流れや事前準備については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介
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不動産会社を変更する
前述した通り、家が売れない原因として不動産会社の力不足も考えられます。
特に不動産会社の対応に不満を感じる場合や、担当者と相性が良くないと感じた場合は、別の不動産会社に変更するのも有効な手段といえます。不動産会社を変更する場合、締結している媒介契約の種類を確認することが大切です。
一般媒介契約を締結している場合は複数の不動産会社に依頼できる為、媒介契約の期間中(通常3ヵ月)であっても、別の依頼先と契約することが可能です。
ただし一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があり、明示型(国土交通省が定める一般媒介契約書は原則明示型)では、他に依頼している会社を明示する必要があります。別の不動産会社に依頼する場合は、その旨を伝えることを忘れないように注意しましょう。
もし専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約の場合、依頼先は1社に限定されます。
その為、不動産会社を変更する際は、契約期間が満了するタイミングで申し出るのが一般的です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約には不動産会社に報告義務がありますが、もしその義務を果たさないなどの違反があれば、契約期間中でも媒介契約を解除できます。
ただし、売主様の都合で契約を解除して他の不動産会社で成約した場合、それまでにかかった広告費を請求される恐れがあります。
媒介契約の種類については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
不動産買取を利用する
家を早期に売却したい場合や仲介による売却が難しいときは、不動産会社に買取をしてもらえるか相談してみましょう。
買取では仲介による売却よりも売却価格が安くなることが多いものの、早ければ1週間程で売買契約を締結でき、仲介手数料もかかりません。また、ローン特約により契約が白紙になるリスクもありません。個人の買主様へ売却する場合は通常ローン特約を付ける為、万が一買主様の住宅ローン審査が通らなかったときは契約が白紙になります。この点は、買取の大きなメリットといえます。
長谷工の仲介では、仲介だけでなく直接買取による売却にも対応しています。こちらよりお気軽にご相談ください。
直接買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説
まとめ
住み替えは、売り先行もしくは買い先行のどちらかで進めることになります。
それぞれにメリット・デメリットがあることを理解し、どちらが自分に向いているのか慎重に見極めるようにしましょう。
売却が思うように進まないときは、売り出し価格や内覧の対応を見直し、買取による売却も視野に入れておきましょう。家をスムーズに売却したい場合は、売却実績が豊富な複数の不動産会社に相談のうえ査定を依頼し、そのなかで査定額の根拠が明確で信頼できると感じた不動産会社に依頼しましょう。
長谷工の仲介では、無料で査定を受け付けています。まずは無料売却査定、もしくは売却何でも相談からお気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は2024年11月26日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。