2024.08.19家が売れない原因は?見直したいポイントと対処法を買主の視点でご紹介

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住み替えをしたいのに、思うように家が売れないときはどうしたら良いのでしょうか。
まずは、売れない原因を把握することが重要です。

この記事では、家が売れない主な原因と要因別に対処法、家の売却を見直す際にやってはいけない3つのポイントをご紹介しています。
家の売却が進んでいない方や、これから自宅の売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

家の売却にはある程度の時間がかかる

物件の種類別登録から成約に至るまでの日数2013~2023

前提として、家の売却には、ある程度時間がかかるということを理解しておきましょう。物件の種別によって多少異なりますが、東日本不動産流通機構のデータによれば、成約に至るまでの平均日数は、中古マンションは75. 9日、中古一戸建て住宅は92. 8日、新築一戸建て住宅は75. 6日です。

成約までの平均日数を考慮しても、売却に時間がかかっているという場合は、そもそも内覧数が少ない、もしくは内覧後に価格交渉まで至らないなど、プロセスごとに売れない要因を分析する必要があります。

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「首都圏不動産流通市場の動向(2023)

家が売れない主な原因

家を売り出して3ヵ月程度経っても売れない場合、何かしらの原因が影響していると思われます。まずは売れない原因について考えてみましょう。
また、売れない原因は1つとは限らず、複数の理由が要因になっていることもある為、該当する原因がないか確認しながら読み進めてみてください。

原因➀家そのものに問題がある

家が売れない要因としてまず挙げられるのは、「物件そのものや周辺環境に問題がある」というものです。

例えば、家の劣化が進んでいて買主様からリフォームに費用がかかると思われている、最寄り駅や商業施設から遠く不便な立地であると思われていることなどが原因になっている恐れがあります。他にも以下のような原因が考えられます。

  • 築年数が古く耐震性に不安を感じる
  • 家のデザインや間取りが個性的
  • 繁華街やゴミ処理場が近く住環境が良くない

原因➁内覧数が少ない

次に考えられる原因は、「そもそもの内覧数が少ない」というものです。
この場合、広告宣伝がうまく機能していない、もしくは購入希望者に閲覧されていても価格設定が高く、問い合わせに結びついていないことなどが根本的な原因になっていると考えられます。他にも以下のような原因が考えられます。

  • 不動産取引が活発ではないタイミングに売り出している
  • 好条件の物件が他に売り出されている
  • 不動産会社から囲い込み(自社で買主を見つける為に意図的に情報公開を制限すること)をされている

内覧数が少なければ、購入を検討する方の母数も少なくなる為、成約に結びづらくなります。まずは内覧数を増やすことを心がけましょう。

原因➂内覧時の印象がよくない

内覧数は多いのに、なかなか成約に結びつかない場合は、内覧時の対応や室内の状態が良くないことが考えられます。

購入希望者に好印象を与えられるよう、内覧に備えましょう。
内覧時の対応や室内の状態に問題があると考えられるのは、以下のようなケースです。

  • 部屋や水回りの掃除が不十分
  • 室内の整理整頓がされていない
  • 内覧時の対応が良くない
  • 内覧希望者に対して売りたいアピールが強すぎる
  • 質問に対してあいまいな回答をしている

【要因別】家が売れないときの対処法

ここからは、前述した3つの要因別に家が売れないときの対処法をご紹介します。
家が売れない原因は、複数の要因が影響していることもあります。ぜひ複数の対処法を実践し、早期売却を目指しましょう。

家そのものに問題がある場合

周辺環境に問題がある場合はその状況を変えることは難しいですが、家そのものに問題があると思われるときは、インスペクションの実施をお勧めします。

インスペクションを実施する

インスペクションとは、建築に精通した建築士などが第三者的な立場で、雨漏りや外壁のひび割れの有無など家の劣化具合を調査することです。

依頼する場合は費用がかかりますが、買主様にとっては購入を判断しやすくなるメリットがあり、売主様にとっても引き渡し後の契約不適合責任対策になります。
契約不適合責任については、記事の後半で詳しく説明します。

インスペクションについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説

内覧数が少ない場合

内覧数が少ないと感じる場合の対処法としては、以下の5つが挙げられます。

  • 売り出し価格を見直す
  • 売却時期を見直す
  • 広告や掲載情報を見直す
  • 媒介契約を見直す
  • 不動産会社を変更する

売り出し価格を見直す

売り出してから1ヵ月程度経っても内覧数が少ない場合は、相場に比べて売り出し価格が高いことが考えられます。
競合になりそうな物件と価格を比較し、不動産会社の担当者とも相談して価格を見直しましょう。相場に合った適正価格で売り出すことで反響を得られやすく、結果的に早期売却も望めます。

一戸建てやマンションの売却相場の調べ方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

【2023年】一戸建ての売却相場はいくら?地域別・築年帯別の相場や、調べる方法を解説

【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて

売却時期を見直す

不動産は売れやすい時期と売れにくい時期があります。
一般的に、1月〜3月は4月からの新年度を新居で迎えようとする方が多くなる為、需要が高まる傾向があります。もし春先のタイミングを逃した場合は、一時的に需要が下がるお盆をさけて、9月〜10月に焦点を合わせましょう。秋は人事異動が多いこともあり、第二の繁忙期ともいえます。需要を考慮し、売却時期を見直してみましょう。

マンションの売却に適した時期やお勧めの時期については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

広告や掲載情報を見直す

物件写真の見栄えが悪い場合は、撮影し直すことも検討しましょう。
その他にも、以下のようなアピールポイントがあれば掲載するようにし、物件情報も充実させましょう。

  • 南向きにつき日当たり良好
  • 角部屋につき眺望良好
  • 大規模修繕工事実施済み(○年○月)
  • 浴室・トイレリフォーム済み(○年○月)

不動産会社によっては、プロのカメラマンによる撮影をオプションとして用意していることがあります。例えば、長谷工の仲介では「仲介バリューアップサポート」として、プロのカメラマンによる撮影や、水まわりのクリーニングをご用意しています。

「仲介バリューアップサポート」はこちら
※ご利用には一定の条件があります。

媒介契約を見直す

不動産会社の広告宣伝活動が十分ではないと感じる場合は、依頼先を1社に限定する専任媒介契約・専属専任媒介契約に変更するなど、媒介契約の種類を見直してみましょう。専任媒介契約・専属専任媒介契約では、レインズ(不動産の情報が掲載されるネットワーク)への登録義務が不動産会社に義務付けられている為、情報の露出を増やすことができる可能性があります。

しかし物件によっては、一般媒介契約にして複数の不動産会社に依頼したほうが、より多くの購入希望者へ情報を公開できる可能性もあります。物件の特徴に合わせて、媒介契約を選択しましょう。

媒介契約ごとの違いや、メリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットや注意点を解説

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

媒介とは?不動産取引における仲介との違いや媒介契約の種類について解説

不動産会社を変更する

不動産会社の活動に疑問を感じる場合や、担当者との相性が悪いと感じるときは、不動産会社を変更することも一つの選択肢です。また不動産会社によって、得意とする不動産の種類やエリアが異なります。実績なども考慮し、依頼先を選定することをお勧めします。

なお媒介契約の期間中に解約する場合は、注意が必要です。仮に解約後に他社で成約に至った場合、それまでにかかった広告費を請求される恐れがあります。その為、媒介契約の中途解約はなるべく避けるようにしましょう。

マンション売却業者の選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却業者の選び方は?売却の手段や確認すべきポイントを解説

内覧から購入につながっていない場合

内覧数は多いものの成約に至らない場合、以下の3つの対処法を検討してみると良いでしょう。

  • 内覧対応を見直す
  • 家の片付けや清掃を行う
  • 直接買取を検討する

内覧対応を見直す

まずは、購入希望者に対する内覧時の対応を見直してみましょう。
基本的には不動産会社の担当者が内覧対応しますが、購入希望者から質問が出た際は、売主様自身が快く返答しましょう。買主様が引っ越し後の生活をイメージできるよう周辺環境の情報も一緒に説明してあげると、購入意欲を後押しできる可能性があります。

また、定番ともいえる質問に対する回答を用意しておき、スムーズに受け答えができるようにしておくと良いでしょう。例えば以下のような質問です。

  • 売却理由
  • 引き渡し可能な時期
  • よく買い物するスーパーなどについて
  • リフォーム実施の有無
  • 近隣住民との付き合い

内覧の流れや事前準備については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却での内覧の流れは?事前準備やチェックすべきポイントもご紹介

家の片付けや掃除を行う

内覧希望者が内覧しやすいように整理整頓を心がけ、汚れが目立ちやすい水回りは念入りに清掃をしておきましょう。なるべく生活感を出さないようにし、清潔感を大切にすることがポイントです。

室内の掃除を行うにあたって、必ずしもハウスクリーニングを依頼する必要はありませんが、自分で清掃が難しい箇所や汚れが目立つ箇所は、プロに依頼するのも一つの手段です。

ハウスクリーニングの相場やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションのハウスクリーニングの相場は?売却時に実施するメリットやポイントを解説

長谷工の仲介では、アドバイザーによる整理収納サポートやお得にハウスクリーニングを受けられるサービスを提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

「整理収納サポート」はこちら

「ハウスクリーニング」はこちら

※ご利用には一定の条件がございます。

直接買取を検討する

売却したい時期が決まっている場合や、なるべく早く売却したいときは、不動産会社による買取を検討しましょう。一般の不動産市場で売却するのに比べると、7〜8割程度の価格になることが多いものの、早ければ1週間程度で契約できるメリットもあります。

不動産会社によっては買取も依頼できる為、一定の期間以後に仲介から買取に切り替える方法もあります。

長谷工の仲介では、直接買取による売却に対応しています。また、仲介で一定期間内にご売却に至らなかった場合に備えて、事前にお約束した価格で買い取る「売却保証」をサービスとしてご用意しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

長谷工の提案力売却保証/直接買取

買取の特徴や注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション買取とは?仲介との違いや注意点、向いているケース、業者の選び方について解説

家の売却活動を見直す際にやってはいけないこと

最後に、家の売却活動を見直す際にやってはいけないこと3選をご紹介します。

  • 安易に解体やリフォームをする
  • 空き家状態にして放置する
  • 瑕疵や不具合を隠して売却する

安易に解体やリフォームをする

家の解体やリフォームは安易にせず、必ず不動産会社に相談してから行いましょう。解体やリフォームにかけた費用を、売買価格に上乗せできるとは限らない為です。また、築年数が古くても、解体せずに家がある状態で売却したほうが売れやすかったり、理想的な価格で売却できたりする可能性もあります。

マンションリフォームの費用相場や費用を抑えるポイントなどについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却でリフォームは不要?売却価格などの面からその理由を徹底解説

マンションリフォームの費用相場は?費用を抑えるポイントや実施する際の注意点を解説

家の解体費用の相場や注意点については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家の解体費用の相場は?安く抑えるポイントや解体する際の注意点を解説

空き家状態にして放置する

なかなか、売却ができないからと家を放置するのは良くありません。

家は人が住むことで自然と換気ができ、設備も使い続けることで劣化を最小限に留めることができます。しかし、空き家の状態で放置してしまうと、住んでいるとき以上に劣化が進んでしまい、売却の機会を失ってしまうことにもなりかねません。

また倒壊の恐れがある、もしくは周辺環境に悪影響を及ぼすと見なされると、「特定空き家」に指定され、住宅用地に対する固定資産税の軽減が受けられなくなることがあります。

空き家に関する税金や、空き家を放置するリスクについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

空き家を放置すると税金が高くなる?固定資産税の増額や対策について紹介

空き家を売却する方法は?かかる費用・税金や税制優遇について解説

空き家問題の現状と解決策。所有する空き家はどうする?

瑕疵や不具合を隠して売却する

家を早く売却したいと思うばかりに、購入希望者に瑕疵や不具合を隠したくなるかもしれません。しかし売買契約で定めた品質や状態と異なる不動産を売却したと判断された場合、以下のような契約不適合責任を問われることになります。

  • 追完請求権:瑕疵を修理して引き渡すことを請求できる権利
  • 代金減額請求権:瑕疵や不具合の程度に応じて、代金の減額を請求できる権利
  • 損害賠償請求権:契約の履行ができていないことに対して、損害賠償できる権利
  • 解除権:補修が難しい場合などは、契約が解除できる権利

例えば雨漏りや白蟻の被害などを隠して売却した場合、修理代や代金の減額を請求される恐れがあり、程度によっては契約を解除されることも考えられます。気になる傷や目立つ汚れも隠さず、説明するようにしましょう。

瑕疵や契約不適合責任については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

心理的瑕疵とは?該当する例や告知義務の有無について解説

マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説

まとめ

ここまで、家が売れない原因や対処法、注意すべきポイントについて解説してきました。
家を売り出してから2〜3ヵ月経つのに思うように売却が進まないときは、何かしらの原因が生じていると考えられます。

何が原因なのか把握し、要因にあった対処法を実践しましょう。売れないまま家を放置してしまうと、ますます売りにくくなり、固定資産税が高くなることもある為注意が必要です。
状況によっては媒介契約や不動産会社の変更や、買取による売却も視野に入れましょう。

長谷工の仲介では、売却に関するご相談を無料で受け付けています。家の無料査定も含めて、ぜひお気軽にご連絡ください。

※本記事の内容は2024年8月19日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

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この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

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