急にまとまった資金が必要になり、短期間で不動産を現金化したいという方もいるでしょう。
短期間で不動産を現金化するには、いくつかの方法があります。
この記事では、不動産を現金化する4つの方法について、それぞれのメリット・注意点と併せて解説していきます。また、短期間で現金化する際のポイントも紹介しています。
まとまった資金が短期間で必要な方など、この記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
不動産の売却のお問い合わせやご相談は「長谷工の仲介」へ
不動産を現金化する4つの方法
不動産を現金化する方法には以下4つの方法があります。
- 仲介で売却する
- 不動産会社に買い取ってもらう
- リースバックを利用する
- 自宅を担保に融資を受ける
それぞれ見ていきましょう。
仲介で売却する
まずは仲介で売却する方法です。
仲介とは、不動産会社に買主様を見つけてもらい売買を仲介してもらう方法となります。
最初に自宅を不動産会社に査定してもらい、仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。次に、不動産会社に広告出稿など売却活動を行なってもらい、購入希望者を募ります。そして、買主様と売買契約を結んだ場合には、不動産会社に対して仲介手数料を支払うこととなります。最後に、物件の引き渡しと売却価格の支払を行います。
なお、マンション売却の流れについては以下記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介
仲介のメリット
仲介のメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 売主様の理想価格での売却を目指せる
- 書類作成などの手間を減らせる
査定額・周辺エリアの相場を考慮したうえで売主様の理想的な価格で売却を目指せます。その為、買主様と条件が合えば、相場以上の価格で売却できる可能性もあります。
また、買主様の内覧日の調整や売買契約時に必要な書類の作成などをサポートしてもらえる為、安心して売却活動を進められます。
仲介の注意点
一方、仲介の注意点としては以下のようなことが挙げられます。
- 売却に時間がかかってしまうことがある
- 売却後に契約不適合責任を負う必要がある
- ローンを完済する必要がある
不動産の売却では、売却活動をはじめてから売買契約までに3ヵ月程度かかります。しかし、広告をかけても反響がなかったり、反響があってもなかなか契約に結び付かなかったりすると、場合によっては、売却できないということも考えられるでしょう。
その為、仲介で売却を検討する際は、いつまでに現金化する必要があるのかを明確にしたうえで売却スケジュールを立てておくことをお勧めします。
また、仲介による売却では、個人の方に不動産を売却するということもあり、売買契約時に契約不適合責任について記載するのが一般的です。
契約不適合責任とは、売買契約の内容と実際の物件の状況が異なる場合、売却後に売主様が責任を追及される可能性のあるもので、場合によっては修繕や損害賠償請求を求められることがあります。
契約不適合責任(瑕疵担保保険責任)については、こちらの記事でも解説していますのでご覧ください。
マンション売却における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?対策方法を解説
不動産購入時にローンを組んでいる場合、金融機関が対象の不動産を担保にする為に抵当権を設定しています。
仲介での売却に限らず、売却時には金融機関に売却を承認してもらう必要があり、その為には住宅ローンを完済して抵当権を抹消することが条件になります。
ローンの完済資金に、不動産の売却代金を使うこともできますが、不動産の売却価格よりローンの残債が大きいことは珍しいことではありません。
不動産の売却代金をローンの返済に充ててもなお残債が残る場合には、差額を自己資金で完済することになります。
マンション売却時の注意点や住宅ローンの残債があるマンションを売却する際の対処方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
ローン残債があってもマンション売却できる?ケース別に対処方法を解説
マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介
不動産会社に買い取ってもらう
不動産を現金化する方法としては、不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあります。
仲介による売却の場合は、個人が買主様になりますが、買い取りの場合は不動産会社が直接の買主となります。
買い取りのメリット
買い取りのメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 条件がまとまればすぐに現金化できる
- 契約不適合責任を免責とすることが多い
- 仲介手数料が不要になる
買い取りは不動産会社に直接買い取ってもらう為、査定を受けて条件がまとまればすぐに売買契約・決済となるのが一般的です。
決済についても、一般の方に売却する仲介と比べて、不動産会社が相手となる為、資金の用意に時間がかかったり、ローン審査で否決となったりといった心配があまりありません。
最短で1週間~1ヵ月程度で売却できることが多いでしょう。
また、買い取りは不動産のプロが買い取るということもあり、売主様の契約不適合責任を免責とすることが多いです。
その他、仲介手数料がかからない為、仲介と比べて経費面を抑えやすくなっています。
買い取りについては、以下記事でより詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却は買い取りがお勧め?仲介との違いや向いている物件の特徴を解説
なお、マンションの買い取りは実施している不動産会社とそうでない不動産会社があります。
長谷工の仲介では、「急に現金が必要になった」という方に向けて最短1週間で可能な買い取りを行なっています。
ぜひ仲介と併せて検討してみてください。
買い取りの注意点
買い取りの注意点としては、以下のようなことが挙げられます。
まず、仲介と比べて売却価格が低くなってしまう場合もあるということが挙げられるでしょう。買い取りの場合、基本的に不動産会社は買い取った物件をリフォームするなどした後に再販して利益を得ます。
この為、相場の価格からリフォーム費用や不動産会社の利益を差し引いた額で買い取るのが一般的です。
その他、買い取りは立地や条件によって買い取りできない可能性もある為、条件などは各不動産会社に確認しておくと良いでしょう。
とはいえ、前述の通り、買い取りの場合は仲介手数料が不要だったり、契約不適合責任が免責となったりといったメリットがあります。こうしたメリットを踏まえて、総合的に判断することが大切です。
リースバックを利用する
リースバックは、不動産を売却した後にその物件に住み続けられる契約です。
また、契約内容次第ですが、一定期間内であれば買い戻すといったことも可能です。
一時的に現金が必要なものの、売却後も現在の家に住み続けたいといった方に選ばれる方法となっています。
リースバックのメリット
リースバックのメリットは以下の通りです。
- 売却後に住み続けることができる
- 固定資産税など維持費を支払う必要がない
- 短期間で現金化しやすい
リースバックは、売却後にリースバック会社との間で賃貸契約を結ぶことで、売却後も住み続けることができます。住み続けるものの物件の所有権はリースバック会社に移転している為、固定資産税を支払う必要はありません。
また、リースバックで売却をした場合は、1週間〜1ヵ月程度で現金化できることもメリットです。
したがって、リースバックは老後の資金が必要といった方や相続対策をしたい方、また一時的にまとまった資金が必要であるものの、子供の学区を変更したくないといった方にお勧めな方法といえます。
リースバックの注意点
一方、リースバックの注意点としては以下のようなことが挙げられます。
- 売却価格は相場より安くなりやすい
- 家賃が発生する
- 賃貸期間は無制限ではない
- 売却額でローンを完済できない場合は利用できない可能性がある
リースバックでは、最初にリースバックの会社に不動産を売却することになりますが、このときの売却価格は相場より安くなるのが一般的です。
また、売却後はリースバック会社との間で賃貸契約を結び、賃料を支払っていくことになります。その為、必要額の資金が手に入るのか、今後の生活に支障がないかなど入念な資金計画を立てることが重要です。
その他、賃貸期間が無期限でないことにも注意しましょう。一般的な賃貸契約では賃借期間が2年の場合が多く、契約内容によっては再度契約する必要がある場合もあります。
また、不動産の売却額でローンを完済できない場合は、そもそもリースバックできない可能性があるという点にも注意が必要です。これは前述の通り、不動産の売却額でローンを完済できないと抵当権を抹消できないからです。
なお、抵当権抹消手続きについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
抵当権抹消手続きの流れは?手続きが必要なタイミングやかかる費用を徹底解説
また、長谷工の仲介ではリースバックの利用も可能です。
年齢制限や資金利用の制限がないなど、利用しやすい条件となっている為、リースバックを検討されている方はぜひ以下より詳細をご覧ください。
自宅を担保に融資を受ける
不動産を現金化する方法としては、売却する方法以外に自宅を担保に融資を受けるリバースモーゲージという方法もあります。
安定した収入があれば、金融機関から融資を受けることができますが、無担保融資だと大きな金額の融資を受けることは難しいものです。
一方、不動産を担保に入れることにより、不動産の担保価値次第では数百万円から数千万円の融資を受けるといったことも可能になります。
融資を受けるメリット
融資を受けるメリットとしては、以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 所有権を保有したまま自宅に住み続けることができる
- まとまったお金を短期間で融資してもらえる
自宅を担保に融資を受ける場合、売却するわけではない為、所有権を保有したまま自宅に住み続けることができます。
また金融機関の審査にもよりますが、融資が決まれば2週間程度でまとまったお金を獲得できる場合もあります。
融資を受ける際の注意点
一方、融資を受ける際の注意点としては以下のようなことが挙げられます。
- 融資額には限度がある
- 融資を受ける為には要件がある
- 返済を延滞したら競売される可能性がある
- すでに融資を受けている場合には難しい
融資を受ける金融機関にもよりますが、融資額には限度があったり、融資を受ける為には年収や年齢制限など一定の条件があったりします。
また、融資を受けて万が一返済を延滞すると、最終的には対象の物件が競売にかけられてしまう可能性もあります。自宅を担保に入れて融資を受ける場合は、今後返済が可能な額かどうかを慎重に判断することが大切です。
その他、すでに自宅に抵当権を設定して融資を受けている場合、新たに融資を受けるのが難しいということも押さえておきましょう。
短期間で不動産を現金化するならどの方法がお勧め?
ここまで、不動産を現金化する4つの方法についてお伝えしました。
いずれもメリット・注意点がありますが、不動産を現金化した後の金銭的負担や利用のしやすさを考えると、仲介と買い取りがお勧めといえるでしょう。
また、仲介と買い取りのどちらがお勧めか、という点に関してはそれぞれのメリットと注意点を把握したうえで、ご自分の状況にあったものを選ぶと良いでしょう。
買い取りと仲介の特徴を表にまとめると以下のようになります。
比較項目 | 買い取り | 仲介 |
---|---|---|
買主様 | 不動産会社 | 主に個人などの最終消費者 |
売却価格 | 不動産会社と相談 | 市場価格に応じた価格 |
売却までの期間 | 1週間~1ヵ月 | 3~6ヵ月程度 |
契約不適合責任の有無 | 不動産会社が負う | 売主様が負う |
買い取りの大きな特徴としては、売却までの期間が1週間〜1ヵ月程度と短いことが挙げられるでしょう。
特に短期間で現金化したいという方は買い取りのほうがお勧めだといえます。
一方、仲介の最大の特徴は市場価格に応じた価格で売却できるという点です。
ただし、売却までに時間がかかってしまう可能性がある点や契約不適合責任を負う必要がある点などに注意しなければなりません。
短期間で不動産を現金化したいときのポイント
最後に、短期間で不動産を現金化したいときのポイントをご紹介します。
必要な書類を集めておく
不動産の売却には様々な書類が必要になります。
なかには役所で入手しなければならない書類もある為、不動産の現金化を決めたら早めに書類を集めると良いでしょう。
例えば、マンション売却の媒介契約や、売買契約で必要な書類には以下のようなものがあります。
-
【媒介契約時に必要な書類】
- 身分証明書
- 登記識別情報(権利証)
- 住宅ローンの返済予定表
-
【売買契約時に必要な書類】
- 身分証明書
- 実印(印鑑証明書)
- 付帯設備表(不動産会社が保有)
- 物件状況確認書(不動産会社が保有)
その他、マンション売却時に必要な書類についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却に必要な書類は?段階ごとの必要書類と入手方法を解説
買い取りの相場を把握しておく
買い取りの場合は不動産会社の方と相談して買い取り価格を決めます。
ただし、前述の通り、場合によっては相場より安い価格での買い取りとなることがある為、買い取りの相場や市場価格をリサーチしておき、相場価格に対してどのくらいの価格になっているかを把握することが大切です。
不動産売却の相場を調べる方法について、マンション売却を例に以下の記事で解説していますのでご覧ください。
【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて
売却にかかる費用や税金を把握しておく
売却によって仲介手数料や印紙代がかかったり、売却で利益が発生する場合は譲渡所得税がかかったりする為、費用や税金がどれだけかかりそうか、売却後に残る金額をシュミレーションしておくと安心です。
売却にかかる税金や費用については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
マンション売却にかかる税金はいくら?計算方法や知っておきたい控除について徹底解説
マンション売却にかかる費用や手数料は?費用を抑える方法も紹介
また、長谷工の仲介では、不動産の売却に関するお金や税金の相談を受け付ける「長谷工の税務相談サービス」を提供しています。費用や税金について不明点がある方はぜひご利用ください。
幅広い売却方法に対応した不動産会社に依頼する
不動産会社によって、仲介は行なっているものの、買い取りは行なっていないといった不動産会社もあります。
仲介と買い取り両方を行なっている会社であれば、例えば最初に仲介による売却を進め、売却が決まらない場合には買い取りに切り替えるといった方法も考えられるでしょう。
特に短期間での売却を考えていたり、売却に期限があったりする場合には、最初から幅広い売却方法に対応した不動産会社に依頼するのがお勧めです。
保証制度が整っている不動産会社に相談する
不動産会社のなかには早期売却オプションや売却保証を提供しているところもあります。
早期売却オプションは、不動産会社によってオプション内容が異なりますが、例えば、マンションの見栄えをよくする為に家具を設置して演出するホームステージングや、簡易的なハウスクリーニングなどがあります。
また、売却保証とは最初は仲介による方法で売却を進めて、一定期間売れない場合にはその物件を不動産会社が買い取ってくれるもので、買い取り保証とも呼ばれています。
長谷工の仲介の早期売却オプションや売却保証についてはこちらのページで紹介していますので、ご覧ください。
まとめ
不動産を現金化する4つの方法についてお伝えしました。
それぞれにメリットや注意点がありますが、特に利用しやすいのは仲介と買い取りでしょう。
仲介と買い取りのどちらが良いのかは、状況によって異なります。また、いずれにもメリット・注意点がある為、基本的には仲介に加えて買い取りも実施している不動産会社で売却を検討するのがお勧めです。
長谷工の仲介では、仲介と買い取りの両方を取り扱っています。また、早期売却オプションや売却保証といった各種サービスも充実している為、売主様の要望や物件の特徴に応じて最適なプランをご提案可能です。
まずは、無料査定をご利用ください。
※本記事の内容は2023年3月22日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。