2024.05.21売れやすい家と売れにくい家の特徴とは?売却のコツや流れもわかりやすく紹介

売れやすい家と売れにくい家の特徴とは?売却のコツや流れもわかりやすく紹介画像

売れやすい家と売れにくい家には、それぞれいくつかの特徴があります。スムーズに売却を進める為にも、売れやすい家の特徴を理解し、強みとしてアピールしましょう。
この記事では、売れやすい家と売れにくい家の特徴と売れやすくする為のコツを紹介します。これから家の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

売れやすい家と売れにくい家の特徴とは?

売れやすい家と売れにくい家の特徴はそれぞれ以下の表の通りです。

売れやすい家 売れにくい家
価格設定 相場価格と比較して適切な価格設定 相場価格と比較して高過ぎる価格設定
立地環境
  • 駅や商業施設から近い
  • 閑静な住環境
  • 高台にあり地盤が良い
  • 駅や商業施設から遠い
  • 騒音や振動が気になる環境
  • 軟弱地盤
築年数
  • 比較的新しい(築浅)
  • 比較的古い(築古)
建物の状態 設備などに不具合がなくおおむね綺麗な状態 設備に不具合があり、全体的に老朽化している状態
面積・間取り
  • 標準的な面積や間取り
  • 大きすぎる、もしくは小さすぎる面積や間取り
  • ユニークな間取り
接道や建物の方位
  • 南道路や南向き
  • 角地や角部屋
  • 北道路や北向き
  • 間口が狭い

ここからは、それぞれのポイントごとに売れやすい家と売れにくい家の特徴を解説していきます。

価格設定

土地や建物の大きさや状態、築年数に対して、価格設定が適正であれば売れやすくなり、相場に対して高過ぎる価格を設定してしまうと、家は売れにくくなります。
その為、条件が悪いと思うような家でも、価格設定次第では売れやすくなることもあります。

家をスムーズに売却する為には、近隣の相場価格を把握し、適正な価格を設定することが重要だと心得ましょう。

立地環境

人によって物件選びの優先順位は変わりますが、家の立地や環境は売却のしやすさに影響する要素の一つです。
ここでは、代表的な5つのポイントを紹介します。ぜひ1つずつ当てはまるかどうか確認しながら、読み進めてみてください。

交通の利便性が良いか

最寄り駅からの距離が近く、急行が停車する駅や複数の路線が乗り入れる駅が近くにある物件は人気があり、人気路線はさらに需要が高くなります。

実際、東日本不動産流通機構の年報マーケットウォッチによれば、2022年度に成約した中古マンションのうち68.3%が駅から徒歩10分以内でした。一方で一戸建て住宅は駅から徒歩11〜20分以内が40.6%となっており、次に多かったのは駅から徒歩10分以内で28%です。

マンションはそもそも駅の近くに建てられる傾向があり、成約件数についても駅に近い立地の物件が多くを占めています。
一戸建て住宅も駅から近い立地に人気があるものの、予算によっては駅の近くで探すことが難しい為、割合としては駅から徒歩11〜20分が4割を占める結果となっています。

徒歩10分以内 11~20分以内 21分以上 バス便
中古マンション 23,761件
(68.3%)
8,154件
(23.5%)
539件
(1.6%)
2,316件
(6.7%)
34,770件
(100%)
戸建住宅
(新築・中古)
4,739件
(28.0%)
6,870件
(40.6%)
1,901件
(11.2%)
3,419件
(20.2%)
16,929件
(100%)

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「年報マーケットウォッチ2022年・年度立地属性」

生活利便施設があるか

大型の商業施設や商店街、スーパーなどの生活便利施設が近くにあるかどうかも立地環境を決めるポイントになります。

具体的には、以下のような施設が近所にある物件は需要が高い傾向にあります。

  • スーパー・商店街・ショッピングモール
  • ドラッグストア・ホームセンター
  • クリニック・病院
  • 郵便局・役所
  • 幼稚園・保育園・学校
  • 図書館・公園

その為、たとえ最寄り駅からある程度離れていても、このような商業施設が揃っている地域は利便性が良いと見られて売れやすくなるケースもあります。

閑静な住宅街か

一般的に低層な建物が建ち並ぶ閑静な住宅街が好まれる傾向があり、売れやすい家の条件になります。

一方で、最寄り駅から近い立地であっても、繁華街や飲み屋街、風俗街が隣接する環境は、敬遠されやすいです。
また、騒音や振動が発生するような大きな街道沿いや高速道路が近くにあると、マイナスの評価になることもあります。

地盤が良いか

地盤の良し悪しも、家の売却に影響することがあります。一般的に軟弱地盤と評価される地域は、家を建てる際に地盤改良工事が必要になることが多く、建築費が割高になります。

その為、地盤が良いことが建築コストを抑えることにつながり、結果的に売れやすくなります。
地盤の良し悪しは正確には地盤調査をしなければ分かりませんが、高台は地盤が良いといわれており、反対に河川に近いエリアは軟弱地盤である傾向があります。

周辺エリアの再開発が行われているか

近隣エリアで再開発が行われている(もしくは計画されている)エリアは、将来的な利便性や地価の向上が期待されることから人気があり、隣接するエリアの家も売れやすくなります。

その為、家の売却を検討する際は、近隣の再開発や幹線道路の拡幅計画、大規模商業施設の出店計画などの情報を把握しておき、売り出し価格を決める際は加味して設定しましょう。
なお、再開発や大規模商業の出店については、新聞やニュースなどから知ることができますが、不動産会社に相談して情報を入手するのもお勧めです。

築年数

家は築年数が新しい程状態が良く、資産価値も高いので売れやすくなります。反対に築年数が古い家はリフォームや補修費用がかかると思われてしまい、その分売れにくくなることがあります。

下記は2022年と2023年における、中古マンションと一戸建て住宅の対新規登録成約率をグラフにしたものです。

中古マンションの築年数別対新規登録成約率
中古一戸建ての築年数別対新規登録成約率

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」をもとに表を作成

マンションと一戸建てでは多少傾向に違いがあるものの、築年数が古くなるにつれて成約率が下がることがわかります。

また建築確認の申請日が1981年以前の建物は旧耐震基準で建てられていることから、耐震性を重視する方は新耐震基準(木造住宅は2000年基準)で建てられた家を好む傾向があり、旧耐震基準の建物と区別して評価されることがあります。
耐震基準と旧耐震基準の耐震基準については以下の通りです。

旧耐震基準(建築確認日が1981年5月31日以前) 震度5程度の地震で倒壊しない
新耐震基準(建築確認日が1981年6月1日以降) 震度6強から震度7程度の地震でも倒壊しない

ほかにも、住宅ローン減税を受けたいと思っている方は、要件である1982年以降に建てられた家を希望することになります。つまり1982年以降か否かで、家の売れ行きも変わってくるでしょう。

建物の状態

建物は築年数だけでなく、建物の状態も売れやすさに影響します。例えば築年数が古くても耐震基準適合証明を受けていたり、内装や外装が綺麗な状態であると、その分売れやすくなります。

反対に旧耐震基準で建てられていて、将来大きな地震に対して倒壊のリスクがある、雨漏りやシロアリの被害などにより修繕が必要な家は売れにくくなります。
また築年数がそれ程古くなくても、内装や設備の状態が悪い場合は修繕にコストがかかると思われてしまい敬遠される傾向があります。

面積・間取り

土地や家の面積が標準的な広さで、かつ一般的な間取りの建物は需要が高く、売れやすい建物の要件ともいえます。

例えば、都心部では購入価格を抑えられることから、狭小地の人気が高まる傾向にあります。一方で、郊外の環境を好む方はお庭を希望する傾向があり、30坪以上を望む方が多いようです。
また、間取りについては、一般的にマンションでは3LDK、一戸建てでは4LDKが人気です。他にもマンションであれば2面採光の角部屋、一戸建ては建て替える際に建築プランが立てやすい角地や整形地が好まれます。

一方で、土地が広すぎたり個性的な間取りであったりすると、実用性が乏しいとの理由から敬遠されることが多く、売却に時間がかかる恐れがあります。

ただし、地域によって売れやすい家の傾向が異なる為、近隣エリアの傾向を不動産会社に聞いてみることをお勧めします。

接道や建物の方位

一般的に日当たりの良さを求める方が多く、接道の状況やバルコニーの方角が売れやすさに影響を与えることがあります。
その為、例えばマンションであれば南向きや東南の角部屋が売れやすく、北向きの部屋は売れにくい傾向があります。また一戸建ては、南道路や東南角地が人気です。

ちなみに、道路よりも低い土地は給排水勾配が取りにくく、敬遠されることがあります。特に水害の心配があるような地域は、道路から50㎝から1m程度高い土地が好まれます。

また、建て替えやリフォームを検討した際、幅員4m以上の道路に2m以上接道していなければ建て替えやリフォームの実施が制限されてしまいます。こうした接道義務を果たしていない土地や一戸建ては再建築不可物件ともいわれ、売却に苦戦することがあります。
再建築不可物件を売却する際のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

再建築不可物件とは?購入時の注意点や売却のポイント、活用方法を解説

少しでも家を売りやすくするには?

売りにくい特徴を持つ家でも、売却活動中の工夫次第でスムーズな売却も可能です。
ここでは、特にお勧めしたい8つの対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

売却価格を見直す

もし内覧者数が少ないと感じたり、内覧数はあってもなかなか成約に結びつかないと感じたりする場合は、売却価格の見直しをしてみると良いでしょう。売りにくい特徴を持つ家でも、価格次第で売れやすくなることもあります。

しかし、ただ値下げするのではなく、近隣の競合物件やエリアの相場価格を確認のうえ調整するようにしましょう。
売却相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

【2023年】マンション売却の相場を知るには?調査の仕方や確認すべきポイントについて

【2023年】一戸建ての売却相場はいくら?地域別・築年数別の相場や、調べる方法を解説

マンションの資産価値を調べる方法は?ケース別に活用できる評価額を解説

価格変更については不動産会社の担当者とよく相談するようにし、場合によっては別の不動産会社に査定依頼することも検討しましょう。
長谷工の仲介では、無料査定を承っています。7つ項目を入力するだけで簡単に査定結果がわかりますのでぜひご利用ください。

「長谷工の仲介の無料売却査定」はこちら

定期的にメンテナンスをする

手入れが行き届いた家は内覧時の印象がよく、買主様が購入を決めるきっかけにもなります。防蟻処理や結露対策など日頃からメンテナンスをするようにし、建物の状態を良く保つようにしましょう。

特に水回りやリビングは、汚れや劣化が目立ちやすい場所です。内覧に備えて清掃や整理整頓するようにし、必要に応じてハウスクリーニングの実施を検討しても良いでしょう。
ハウスクリーニングの費用相場については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンションのハウスクリーニングの相場は?売却時に実施するメリットやポイントを解説

長谷工の仲介では、お得にハウスクリーニングを実施できるサービスを提供しています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。

長谷工のサービス「ハウスクリーニング」はこちら

築年数別の売却のポイントを押さえておく

前述した通り、築年数が古くなるにつれて売りにくくなる傾向がある為、売却を検討するのであれば早めに行動に移すことが大切です。

たとえ築年数が経っていたとしても、築年数ごとに劣化しやすい箇所を把握したうえで適切な修繕などを行って売却する、専門機関に自宅の状態を客観的に評価してもらったうえで安全性を証明するなど売却のポイントを把握しておくことで、売却しやすくなります。

一方で築浅の物件は売りやすくなりますが、住宅ローンの残債が多く残っていることが多く、また所有期間が5年以下の場合は譲渡所得税(売却時の利益に対してかかる住民税や所得税など)の税率も高くなる為、資金計画をしっかりと立てることをお勧めします。

マンションの築年数別の売却ポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に築年数は影響する?築年数別に売却のポイントを解説

築30年のマンションは何年住める?売却のコツや売れない理由と対処法を解説

築50年のマンションでも売却できる?旧耐震物件の資産価値や特徴、買主様のメリットを解説

掲載写真を撮り直す

不動産会社のホームページや不動産ポータルに掲載されている情報を見て、内覧するかどうか判断する方が多い為、掲載写真の印象を良くすることも効果的です。
現在、掲載している広告やチラシへの反響が少ないと感じる場合は、室内をなるべく綺麗にして、写真の撮り直しをしましょう。

不動産会社によっては、プロのカメラマンに撮影を依頼できるサービスを用意していることもあります。例えば、長谷工の仲介では、水回りのクリーニングやプロのカメラマンによる撮影など、売主様の売却をスムーズに進める為のサポートを用意しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

「仲介バリューアップサポート」はこちら
※ご利用には条件がございます

媒介契約の種類を見直す

もし家の売却がスムーズに進められていないと感じたら、媒介契約の変更を検討するのも手です。
不動産会社1社に依頼する場合は、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約、複数社に依頼する場合は一般媒介契約を選択することになります。

窓口を1つにして内覧スケジュールも管理してもらいたい場合は専任媒介契約、物件が公開される場を増やしたいときは一般媒介契約などと、自分に合った媒介契約を選ぶようにしましょう。
媒介契約については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

媒介契約とは?契約の種類と各契約のメリットや注意点をご紹介

一般媒介契約とは?契約のメリットや注意点を解説

専任媒介契約とは?他の媒介契約との違いやメリット・注意点を分かりやすく解説

インスペクションを行う

インスペクションとは、建築士などの専門家が第三者的な立場で、マンションや一戸建ての基礎や外壁のひび割れなどの劣化を調査することです。
築年数が古くてもインスペクションを依頼し、建物の状態を明確にすることで、物件の信頼性を高められます。また、買主様にとっては不動産を購入する際の判断材料になり、売主様にとっては他の物件との差別化にもなります。

インスペクションを実施するメリットについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

インスペクションのメリットは?流れや費用相場、検査項目などを解説

購入需要が高まる時期に売り出す

不動産の売却は、需要と供給が大きく影響します。もし売却の時期を調整できるのであれば、購入需要が高まる時期にタイミングを合わせましょう。

一般的に、新年度が始まる前の1月〜3月は需要が高まるといわれています。また異動の季節でかつ比較的気候が良い9月〜10月もお勧めです。
不動産会社の選定や査定依頼、広告活動をはじめるまでに時間を要する為、3月までに売却したい場合は12月、秋に焦点を合わせるのであれば、お盆前ぐらいから売却活動をはじめるとスムーズです。

マンションの売却に適した時期については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却に適した時期は?売却にお勧めの時期やポイントを解説

買取を検討する

タイミングや条件によっては、仲介での売却が思うように進まないこともあります。住み替えなどで売却したい時期が決まっている場合は、不動産会社に直接売却する「買取」による売却も検討しましょう。

買取の場合、不動産会社は再販を目的としていることが多く、修繕費やリフォームの費用などを加味して相場価格の7〜8割程度での売却になりやすいです。しかし、直接不動産会社と取引することになる為、売買時の仲介手数料は不要になります。また早ければ1週間程で契約できたり、引き渡し時期を融通してもらえたりすることもあります。

マンションの買取については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マンション売却は買い取りがお勧め?仲介との違いや向いている物件の特徴を解説

スムーズに売却するには流れが重要

ここまでの内容を踏まえて「本格的に売却を検討したい」「今の状態だと売れにくいかもしれないからどのように売却すれば良いか相談したい」と思った方もいるでしょう。

売却を進めるにあたって、まずは家の売却相場を把握するところから始めましょう。不動産会社によって査定価格は多少異なる為、なるべく複数社に査定依頼し、担当者との相性も考慮して依頼先を選定することをお勧めします。また、査定時には、自宅のアピールポイントや懸念点も伝えておくとより正確な価格を知れるでしょう。

そして、1社に仲介を依頼する場合は専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約、複数社に依頼する場合は一般媒介を選んで媒介契約を締結します。

家を売却する流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

家を売却する流れは?売却方法からかかる費用や税金、注意点までまとめてご紹介

マンション売却の流れは?注意点やかかる税金・費用、失敗事例についても紹介

一戸建て売却の基礎知識!売却までの流れや費用、成功させる為のポイントを紹介

まとめ

一般的に売れにくいといわれる家も、適正価格で売り出すことでスムーズに売却できます。したがって売却を依頼する際は、不動産会社の選定が重要だといえるでしょう。

売却実績が豊富で様々な売却方法に対応している不動産会社に依頼することで、売れやすい家は理想的な価格での売却が期待でき、売れにくい家でもスムーズに売れる可能性が高まります。

長谷工の仲介では長谷工グループ内はもちろん、大手不動産ポータルサイトとも連携し、物件情報を多くのお客様へ公開しています。
また、最新技術や売主様の売却をサポートするオプションサービスも展開していますので、まずは無料査定からお気軽にご相談ください。

※本記事の内容は2024年5月21日現在のものであり、制度や法律については、今後改正・廃止となる場合がございます。

満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

「知人・親族にすすめたい」そんなお客さまが90.8%!満足度の高い売却は「長谷工の仲介」で。

売却の流れをチェック!

この記事の著者

桜木理恵
私鉄系不動産会社にて仲介営業を約8年、大手ハウスメーカーのグループ会社にてリフォーム営業を5年従事した経験を活かし、現在不動産Webライターとして活動。保有資格は宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士

関連のおすすめ記事